喪中のお宮参りはどうすべき?時期が重なったときの対処法や注意点も解説

喪中のお宮参りはどうすべき?時期が重なったときの対処法や注意点も解説

「お宮参り」は、生まれたばかりのお子様やそのご家族にとって大切な行事です。しかし、もしも喪中の時期と重なってしまった場合、どのように対処すべきか悩まれる方も多いでしょう。

今回は、お宮参りが喪中の時期と重なった時の対処法や注意点について解説します。お悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

1.お宮参りとは?

お宮参りとは?

お子様の誕生後、多くのご家族がお宮参りを行います。「そろそろお宮参りだね」と周囲から声をかけられることもあるでしょう。

こちらでは、お宮参りの意味と、行うタイミングについて解説します。

お宮参りの意味は?

お宮参りとは、赤ちゃんの誕生を祝い、健康を願う節目の儀礼です。神社へ赤ちゃんを連れていき、誕生の報告と加護を願います。「産土参り」「初宮もうで」などとも呼ばれるこの風習は、鎌倉・室町時代から続くとされています。

昔は乳児の死亡率が高かったため、氏神(一族にとっての祖先とされる神様や土地をつかさどる神様などの総称)に参り、「氏子入り」の儀式を受けさせていました。そこで、神様の加護のもと健やかに成長していくよう願ったのが、お宮参りの始まりといわれています。

現代ではお宮参りは必ずしも氏神のいる神社に限らず、好きな神社に参拝し、ご祈祷を受けることができます。ご祈祷のあとは、写真撮影や食事会などを行う方が多いようです。

お宮参りはいつ行く?

お宮参りは、赤ちゃんが生まれてから1か月が経ったころに行うのが習わしです。伝統的には、「男の子は生後31日目~32日目」「女の子は生後32日~33日」とされています。また、雪深い地域では雪が解けたころに行うなど、地域によって時期は異なります。

厳密なルールがあるわけではありませんので、生後1か月を過ぎたころを目安とし、母親の体調や赤ちゃんの発育状況、気候などを考慮して、臨機応変に決めるとよいでしょう。

2.喪中とは?忌中との違いは?

お宮参りに行く時期と、ご親族がお亡くなりになる喪中の時期が重なることもあるでしょう。「喪中はがきが届いた」などの経験から、喪中という言葉は広く知られていますが、そもそも喪中とはどういった時期を指しているのでしょうか?

喪中の意味と、忌中との違いについて解説します。

喪中の意味と期間は?

喪中とは、近親者を亡くした人が、故人様をしのんで供養する期間を指します。喪中の対象となる範囲や期間は、故人様との続柄や親交の深さによって変わります。例えば故人様の配偶者や子どもの場合、喪中期間は1年程度であることが一般的です。

喪中の間は結婚式やパーティなどの慶事(お祝い事)、旅行や飲み会などのにぎやかなイベントはなるべく控えます。また、新年の挨拶状である年賀状の代わりに喪中はがきなどを送ります。

忌中の意味と期間は?

忌中とは、喪中に含まれる特定の期間で、死による「穢(けが)れ」が周りに伝染しないよう、ご遺族が身を慎んで過ごす期間のことです。この穢れは神道の考え方によるもので、汚いという意味ではなく、大切な方を亡くした悲しみによって生命エネルギーが低迷している状態を指しています。

忌中の期間は、仏教(浄土真宗を除く)では命日から49日、神道では命日から50日間と、宗教や宗派によって異なります。

忌中は、喪中時に控えることに加えて、以下のようなことも控えるのが通常です。

・神社に参拝する
・神棚を開ける
・お中元・お歳暮を贈るなど

喪中と忌中の違いについては、別の記事で詳しく解説しておりますので、参考になさってください。

なお、浄土真宗では、死者の魂はすぐに極楽浄土へ導かれるとされているため、喪中や忌中の概念は存在しません。しかし日本では神道と仏教の考えが融合しているため、浄土真宗においても喪中・忌中には祝い事を控え、慎み深く過ごすものとされています。

3.喪中にお宮参りをしても問題ない?

喪中にお宮参りをしても問題ない?

お宮参りと喪中の意味をそれぞれご紹介しましたが、喪中とお宮参りの時期が重なった場合、お宮参りをすることはできるのでしょうか?
その答えを、こちらで解説します。

忌中はお宮参りは避けるべき

忌中の場合、お宮参りは避けましょう。神道では、神社は神様のいらっしゃる大切な場所です。そのため、穢れの強い(生命エネルギーが低下している)方が神社を参拝することは、控えたほうがよいとされています。この考えは、お宮参りの場合であっても、例外ではありません。

喪中でも忌明けなら問題ない

忌明けを迎え、喪中であるならば、お宮参りをしても問題ないとされています。お宮参りは一生に一度のことでもあるので、今では喪中であっても許容される傾向にあるのです。

ただし、神社によっては喪中の方の参拝もお断りしているところがあります。考え方は神社ごと、地域ごとによっても異なりますので、事前に神社に確認しておくことをおすすめします。

また、上に挙げた内容は、あくまでも宗教観で見た場合の話です。宗教とは関係なく、喪中・忌中は「お祝い事を控えるべき」「慎ましく過ごすべき」という考え方も広く浸透しています。お宮参りの時期については、ご家族内でよく話し合うことが大切です。

4.喪中とお宮参りの時期が重なったときの対処法は?

「忌明けしたけれど、神社が喪中の参拝を推奨していなかった」「喪が完全に明けてからお宮参りをしたほうがよいのではという家族の意見があった」などのケースもあるかもしれません。そのような場合には、どのように対処したらよいのでしょうか。

詳しく解説します。

お宮参りの予定をずらす

お宮参りは多くの場合は生後1か月頃に行いますが、厳密に守るべきものではないため、喪が明けてからお宮参りをしても問題ありません。赤ちゃんや母親の体調、ご家族のスケジュールなどを考慮して決めるとよいでしょう。生後3か月ごろに行う「お食い初め」や、季節の節目である「節句」などのイベントと合わせて行うのも一案です。

写真撮影のみですませる

喪が明けるまではお宮参りはせず、記念の写真撮影のみを行う方法もあります。お宮参りでは多くの場合、赤ちゃんはお祝い着の和装もしくはベビードレスを、ご両親やそのご家族は和装もしくはフォーマルな洋服を身に着けるのが一般的です。しかし写真撮影のみであれば、自由な服装にすることもできます。

赤ちゃんの成長を記録することは、将来成長を振り返る大切な記録になりますので、お宮参りを延期する場合でも、生後1か月ごろに記念の1枚を撮ってみてはいかがでしょうか。

神社ではなくお寺に参拝する

喪中であっても「どうしてもこのタイミングでお宮参りがしたい」という方には、神社ではなく、お寺に参拝するという方法をおすすめします。

喪中でもお寺の参拝は問題ない

仏教では、人が亡くなることは「成仏」(仏になること・この世の苦しみから解放されること)と捉えており、死が穢れであるという考え方はありません。そのため、忌中・喪中であってもお寺に参拝することは問題ないのです。

お宮参りに相当する「初参り」とは?

お寺で行うお宮参りに相当する行事のことは「初参り」といいます。お宮参りの「宮」は神社を意味しているため、お寺で行う際には使用しません。

初参りの一般的な流れは、以下の通りです。

1. 受付・・・・・・・・・・・寺務所で申し込みを行い、ご祈祷料を渡します。
2. ご祈祷・・・・・・・・・僧侶によるご祈祷が行われます。
3. 法話・・・・・・・・・・・簡単な法話があります。
4. 記念品贈呈・・・・・赤ちゃん用の数珠などを受け取ります。

初参り後、別所にて食事会を開くこともあります(詳しくはこの後でご紹介します)。ご祈祷料の目安はお宮参りと同様、5千~1万円とされていますが、お寺によって異なる場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。

5.喪中にお宮参りをするときの4つの注意点

お宮参りは赤ちゃんの誕生を祝い、神様に対して赤ちゃんの健康と成長を願う行事ですから、トラブルが起こらないように気を付けながら正しく行いたいものです。
喪中にお宮参りをするときの注意点を4つご紹介します。

1.地域やご親族の慣習を確認する

お宮参りのプランをご両親が決定した後に、ご親族から反対されるケースもあります。「喪中に祝い事をしてはいけない」という考えが根強い方もいらっしゃれば、「このあたりではお宮参りに〇〇をする」という地域特有の慣習を大切にしている方もいます。そのような方々の意見を無視してお宮参りを強行してしまえば、後々トラブルに発展しかねません。

喪中にお宮参りを検討する際にはご親族に確認し、取り入れるべき事柄はないかを調べておきましょう。

2.神社に事前に問い合わせる

お宮参りをした神社が、実は喪中の参拝を禁じていたということもあります。参拝者が伝えない限り、喪中かどうかを神社側が把握するのは難しいですが、せっかくのお子様のお祝いですから万全を期したいものです。喪中に参拝してもよいかどうかは神社によって考え方が違いますので、事前に問い合わせておくとよいでしょう。

3.家族でよく話し合って決める

大切な方を亡くした後の悲しみの癒え方は、人によって違います。忌明けを迎えたからといって、すぐにお祝い事をする心の準備ができているとは限りません。ご家族の中にはお宮参りに抵抗のある方がいらっしゃることもあります。お宮参りの時期を決める際は、ご遺族の気持ちに最大限配慮し、ご家族でよく話し合って決めましょう。

4.鳥居をくぐる

お宮参りをする際には、必ず鳥居をくぐるようにしましょう。「喪中の人は鳥居をくぐってはいけない」という話を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは「喪中の人は神社への参拝ができない」という誤った情報が広がった末にできた迷信であるといわれています。

鳥居は神様のいらっしゃる敷地内において、人間界と神域とを分ける重要な門です。参拝の際は、喪中の人であっても正式な作法にのっとり、鳥居をくぐるようにしましょう。

6.お宮参りの後の食事会(祝い膳)はどうする?

お宮参りの後の食事会(祝い膳)はどうする?

お宮参りの流れに厳密な決まりはありませんが、ご祈祷、写真撮影などの後に家族で食事会を開くのが主流です。
ここでは、お宮参りの後の食事会について解説します。

お宮参り後の食事会とは

お宮参りでは多くの場合、最後に食事会が開かれます。食事会で出される食事は「祝い膳」と呼ばれ、ハレの日を飾るのにふさわしい縁起のよい食材が使われます。

長丁場を終えたご両親や赤ちゃんに対する労いと、新しい命と家族の末永い幸せを願って、お宮参りに参加したご親族で祝い膳を囲むのです。なお、時間の制約などによって、食事会の順番が前後したり、内容が省略されたりすることもあります。

家族、両親と話しあって決める

お宮参りの食事会をどのようにするのかを家族間で話し合うことも大切ですが、ぜひご両親の意見も参考にするようにしてください。「喪中に肉を食べない」といった地域特有の慣習があった場合、無視するとトラブルを生むことになりかねません。

「こうしたい」という意見がある程度まとまったらご両親に相談し、周りの考え方も尊重しつつ食事内容を決めていきましょう。

7.喪中のお宮参りは周りへの確認と配慮をして行いましょう

忌中を過ぎ、喪中であれば、赤ちゃんの誕生を祝うお宮参りをすることができます。しかし、喪中でも参拝を認めていない神社もありますし、また、思いや考え方は地域・人によってさまざまです。

一生に一度しかない大切なイベントですから、周りへの確認と配慮を怠らず、全員で気持ちよく赤ちゃんの成長を見守りたいものです。ご親族の意見や地域の伝統も考慮し、時期や状況に応じて行い方を検討するとよいでしょう。

花葬儀では、今回の記事のような「喪中・忌中に重なった行事」への考え方の他、葬儀にまつわるマナーや対応方法などをブログにて幅広くご紹介しております。お悩みについて個別のご相談がございましたら、花葬儀までご連絡ください。

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