十三回忌の服装とは?男性・女性から子ども・大学生まで詳しく解説
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- 【 法事・法要のマナー 】
十三回忌は、故人様が亡くなられて年数が経っていることもあり、親しいご親族だけで行われる場合も少なくありません。そのため、どのような服装で参列すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、十三回忌の服装について、男性、女性や子ども、学生などのケースに関して解説します。バッグやコート、アクセサリーなどの注意点や、家族だけで十三回忌を行う場合についてもご紹介しますので、十三回忌を行う予定のある方や参列を控えている方は、ぜひ参考になさってください。
1.そもそも十三回忌とは
十三回忌は、故人様が亡くなってから12年後の命日、またその日に行われる仏教の年忌法要を指します。
日本では、年忌法要を「3」「7」のつく年忌の年に行う風習があり、十三回忌は七回忌の次に行われる節目の法要となります。十三回忌には、仏様となった故人様が大日如来(大宇宙そのものともされる最高仏)と一体化するとされます。
なお、弔事においてよく聞く「法要」「法事」は、厳密には下記のように意味が異なりますが、一般的には混用されることも多いようです。
・法要:僧侶による読経やお焼香などの宗教的な儀式部分
・法事:法要と、その後の会食をあわせた一連の行事
2.十三回忌における服装マナーの基本
まずは、十三回忌における基本的な服装のマナーについて、施主様の服装もあわせて解説します。
十三回忌の服装は略喪服・平服でOK
十三回忌に参列する際の服装は、一般的に略喪服や平服でもよいとされています。略喪服とは、喪服の中でも格下のもので、控えめな礼服を指します。
また「平服」とは普段着のことではなく、弔事に適したややフォーマルな装いを意味します。具体的には、黒やグレーなどの暗めの色合いのスーツやアンサンブルなどをいい、明るく派手な色合いのものは避けるのがマナーです。
親の十三回忌における施主様の服装
親の十三回忌を行う施主様の服装も、他の参列者同様、略喪服で問題ありません。故人様への敬意を表すためにも、シンプルで落ち着いた適切な服装を選びましょう。
地域や宗教によっては服装に対する考え方が異なる場合があるため、心配な方は、事前に菩提(ぼだい)寺やご親族に確認しておくことをおすすめします。法要・法事の規模によっても幅があることもあるため、その点も考慮に入れておくとよいでしょう。
3.十三回忌における男性の服装
十三回忌における服装は、基本的には略喪服でよい説明しましたが、具体的にはどのような服装がよいのでしょうか。
ここからは、十三回忌における男性の服装について、詳しく解説していきます。
服
男性の服装は、黒、紺、ダークグレーなど目立たない色で、シンプルなデザインのスーツが基本です。スーツのジャケットは、シングルでもダブルでもかまいませんが、派手でなくフォーマルな印象のものを選ぶようにします。スーツの下に着るシャツは白色が一般的で、柄物は適切ではありません。
ネクタイ
ネクタイは、一般的に黒や濃紺、ダークグレーなどの落ち着いた色のものを選びます。無地が基本で、光沢のあるものや派手な柄のものは避けます。
迷った場合は、黒の無地のネクタイを選ぶとよいでしょう。ネクタイピンは基本的に不要です。
靴・靴下
靴は黒色の革靴で、艶のないマットな質感のものが望ましいです。装飾が少ないシンプルなデザインのものを選びましょう。スニーカーやサンダル、飾りがついているものは避けます。
靴下は、靴と同じく黒色の無地が無難です。靴下は見えにくいものではありますが、服が地味な色合いのため、派手な色や柄、ワンポイントが入っている靴下は目立ちやすく、おすすめできません。くるぶし丈やショート丈のような肌が露出する短いものは好ましくありません。長めの丈で、足首まで覆うタイプの靴下が適しています。
4.十三回忌における女性の服装
ここからは、十三回忌における女性の服装について、詳しく解説いたします。
服
女性の服も男性と同様、黒、紺、ダークグレーなどの目立たない色のものとします。シンプルなデザインのスーツやアンサンブル、ワンピースがよいでしょう。
肌が露出するノースリーブやミニスカートや、光沢のある素材はふさわしくありません。パンツスーツも略喪服とされており、寒い時期には寒さ対策にも役立つため、おすすめです。
靴・ストッキング
女性の靴は、黒色のパンプスが適しています。濃紺やグレーでもかまいませんが、光沢のあるものや装飾が多いもの、つま先が出るデザインは避けます。ヒールの高さは、3cm~5cm程度を目安とし、高すぎないものとします。サンダルやブーツ、スニーカーなどカジュアルすぎる靴は、黒色であっても控えるべきです。
靴下やストッキングは、黒かダークグレーのものを選びます。ストッキングは厚すぎるとカジュアルな印象となるため、20デニール程度のものを選びましょう。
5.子ども、大学生の十三回忌の服装
学校に通っている子どもの場合は、学校指定の制服を着用するのが一般的です。
制服がない場合や、未就学児の場合は、黒や紺、ダークグレーなどの服を選びます。例としては、以下のような服装が挙げられます。
【例】
・男の子:黒や紺のジャケット、白シャツ、黒ネクタイ
・女の子:白いシャツに黒のスカート、もしくは黒のワンピース
大学生の場合は、社会人の場合にならい、厳かな場に適したフォーマルな平服を着用します。黒以外の地味な色合いのリクルートスーツでも問題ありません。
6.夏・暑いときに注意したい十三回忌の服装マナー
男性の場合、ジャケットの下に着るシャツは半袖も許容されますが、法要中はジャケットを着用するのがマナーです。
女性で半袖やノースリーブを着る場合は、法要中は黒のカーディガンやジャケットを羽織るようにします。
男女ともに、移動中や法要後はジャケットを脱いでかまいませんので、できるだけ涼しくすごせる服装にするとよいでしょう。
7.十三回忌におけるその他の身だしなみ、持ち物の注意点
ここからは、十三回忌におけるコート類やバッグ、持ち物などについて、注意することを解説いたします。
コート、防寒アイテム
コートは黒が無難ですが、黒のコートが手元にない場合は、濃紺やダークグレーなどの暗めの色を選びましょう。
コートの素材は、カシミアやウールのような光沢がないものがおすすめです。毛皮や革のコートは、「殺生を連想させる」とされているため、避けるのが無難です。また、大きなボタンや派手な金具、ファー付きのコートも、フォーマルではない印象があるため、ふさわしくありません。
マフラーや手袋、ストールなどの防寒アイテムに関しても、暗めの色を基調とし、装飾が控えめなものにします。
バッグ
バッグの色は、黒色が基本です。素材は、光沢のないものが望ましいです。装飾がなく、落ち着いたデザインのものを選びましょう。
本物の革や毛皮の製品だけでなく、フェイクファーのもの、爬虫類柄のバッグなども、殺生のイメージにつながり派手な印象があるため、ふさわしくありません。
アクセサリーは基本的にはつけない
アクセサリー類は、基本的につけません。指輪も、結婚指輪を除いてはめないようにします。
ネックレスは、白色・黒色のパール(真珠)であれば着けてよいとされます。大きすぎるもの、小さすぎるものは華美な印象があるため、控えたほうがよいでしょう。
ピアスやイヤリングも、シンプルな一粒パールのものにするか、もしくは着けるのを控えます。
化粧・ネイルも控えめに
化粧は、基本的には自然な色合いでとし、できるだけ控えめにします。派手な色のチークや口紅は避け、シンプルで清潔感のあるメイクを心がけます。
ネイルも、派手な色やデザイン、ラメやストーンが施されたものは弔事には不向きです。もしネイルを落とす時間などがない場合は、透明かベージュ色のマニキュアを重ね塗りするなどして、目立たなくする工夫をしましょう。
ネイルを隠す方法について詳しく知りたい方は「時間がないときのネイル対処法」で詳しく解説しておりますので、あわせてご覧ください。
ハンカチなどの小物も色・デザインはおとなしいものを
ハンカチなどの持ち物についても、おとなしい色、柄、デザインのものを選ぶのがマナーです。無地が基本ですが、最近ではレースや柄があっても、きわめて控えめなものであれば許容されるようになっているようです。
雨の日の参列に傘を持参することもあるでしょう。傘についても派手なデザインや色は避け、黒やできるだけ地味な色のものを選びます。
8.家族だけで十三回忌を行う場合の服装は?
十三回忌を家族だけで行う場合、服装は略喪服よりさらにカジュアルな服装や私服でも問題ない場合が多いようです。ただし僧侶を招く場合は、敬意を示すために略喪服を着用することが望ましいとされています。
ご親族の中で服装について考え方が異なる場合は、事前に話し合っておいてもよいでしょう。服装にかかわらず、故人様に対する愛情と尊敬を表すことを心がけることが大切です。
9.十三回忌に必要な持ち物
十三回忌に参列する際に必要となる持ち物を下記の表にまとめましたので、参考になさってください。
持ち物 | 備考 |
---|---|
数珠 |
手元にあれば、持って行く。自分の宗派の数珠でかまわない。
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香典 |
地域や故人様との関係によって金額が異なるため、相場を事前に調べて持参する。
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お供え物 |
故人様が生前好んでいた食べ物や、日持ちのするお菓子、季節の果物などが一般的。
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手提げ袋 |
香典に対するお返しとして返礼品をいただくことがあるため、持参しておくと便利。
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10.十三回忌のお香典
法要・法事の際に持参するお金は、お香典やお供物料といわれます。こちらでは、十三回忌におけるお香典の相場やマナーについて解説します。
お香典の相場
故人様が自分の親である場合は、金額は5,000円~5万円が相場です。故人様が兄弟姉妹や祖父母の場合は、5,000円~3万円が目安です。会食にも参加する場合には、5,000円~1万円程度上乗せして渡しましょう。
なお、学生などで社会人として収入を得ていない場合には、特別、お香典を用意しなくともよいとされます。
故人様が友人・知人の場合は、金額は3,000円~3万円が相場とされます。会食に参加する場合は、それに応じて上記と同様、金額を増やします。
あまりに高額な場合、施主様がかえって負担に感じてしまうことがありますので、前例や慣習を事前に確認しておくことをおすすめします。
香典袋の種類・書き方
法要・法事で使用する香典袋は、宗教や宗派によって形式が異なります。一般的な形式、表書きは下記の通りです。
宗教 | 封筒・水引 | 表書き |
---|---|---|
仏式 |
白無地の封筒に黒白の水引
|
御仏前
お供物料 |
神式 |
白無地の封筒に双銀の水引
|
御榊料(おさかきりょう)
御玉串料(おたまぐしりょう) |
キリスト教式 |
水引の無い白無地の封筒
|
御花料
献花料 |
表書きは故人様の宗教・宗派に合わせたものを選び、下段に名前をフルネームで書きます。お香典は一般的には個人ごとに個別に渡すのが基本ですが、ご家族単位や夫婦の場合は、連名で渡しても問題ありません。
香典袋や表書きについては「お香典の不祝儀袋の選び方」で詳しく解説しておりますので、こちらもあわせてご覧ください。
11.十三回忌の服装は故人様をしのぶのにふさわしいものを選びましょう
十三回忌は、故人様とのつながりを尊重し、思い出を振り返る大切な場です。そのため十三回忌の服装は、故人様をしのぶのにふさわしい、適切な服装を選ぶことが大切になります。
大切な方を亡くした方の心に寄り添うためにも、事前に服装や必要な物を確認し、整えておきましょう。そうすることで、故人様やご遺族への敬意と感謝の気持ちを、より一層表すことができるはずです。
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