三回忌の服装~施主・参列者向け基本マナー&持ち物

三回忌の服装~施主・参列者向け基本マナー&持ち物

三回忌は、故人様が亡くなってから満2年後の祥月命日に行われる法要です。ご家族のみで行う場合もあり、行う季節もさまざまですから、服装に関しては迷うこともあるでしょう。

そこで今回は、三回忌の服装のマナーを施主様・参列者それぞれについて、男女別に詳しく解説します。赤ちゃんから大学生までのお子様の服装や、夏・冬の服装に関してもご紹介します。三回忌に参列の予定がある方は、ぜひ、この記事を参考にしてください。

1.三回忌における基本的な服装マナー

三回忌における基本的な服装マナー

最初に、三回忌における服装の基本的な考え方について解説しましょう。

三回忌は葬儀時の服装を基本とする

三回忌は、一周忌につづいて行われる重要な節目の法要です。一般的に三回忌では、葬儀のときと同様の喪服を着用するのが基本です。

喪服は、格式の高い順から「正喪服」「準喪服」「略喪服(平服)」の3つに分けられます。どの格式の喪服を着るべきかについては、次項で説明します。

【喪服の格式と概要】
格式 男性 女性
正喪服 洋装 黒のモーニングコート 黒のワンピースやアンサンブル、スーツ
和装 黒の紋付羽織袴 黒の家紋のついた着物
準喪服
(平服)
漆黒色で光沢のない生地を使ったブラックスーツ 光沢のない黒のスーツやワンピース、アンサンブル、スーツ
略喪服 黒やグレー、濃紺などの地味な色で無地のダークスーツ ・スーツやワンピース、パンツスーツ
・色は黒や濃紺、ダークグレーなどとする

施主様と参列者、それぞれの服装の考え方

施主様は、原則として参列者よりも格式の高い服装とします。そのため、葬儀から三回忌までの法要では、正喪服を着用するのが望ましいとされてきました。しかし最近では、葬儀で準喪服を選ぶ施主様が増えており、三回忌においても準喪服を着ることは問題ありません。

参列者は、施主様よりも格上の服装を避けるべきです。男女ともに準喪服を着用するとよいでしょう。

2.男性・女性別|三回忌の服装マナー

三回忌の服装のマナーについて、施主様、参列者がともに着る機会の多い「準喪服」を中心に、男女別に解説します。

男性の服装

男性の三回忌の服装については、次の点に注意しましょう。

服装のポイント

【スーツ】
ブラックスーツを着用します。ボタンの配列が一列のシングルスーツでも、2列のダブルスーツでもかまいません。

なお、ビジネススーツは黒色であっても、喪服とくらべると色がやや明るいため、喪服の代わりにはできません。

【シャツ】
白無地で、襟(えり)は一般的なシンプルな形を選びます。袖丈は、長袖を選びます。

【ネクタイ】
黒や紺、グレーなど落ち着いた色で、光沢のない無地のものを選びましょう。結び方は、くぼみができない一般的なビジネススタイルにします。

靴・靴下

【靴】
黒の革製で、光沢の少ないものを選びましょう。エナメル素材は避け、靴ひもも黒が望ましいです。つま先がとがっていたり、余計な飾りがついたりするものはふさわしくありません。

【靴下】
黒の無地を基本とし、派手な柄やワンポイントが入っていない、シンプルなデザインの靴下を選びます。丈は、ふくらはぎまで覆って肌が見えない長さのものが適しています。

その他の小物

【ベルト】
黒無地のものを選びます。バックルが目立つものや、殺生を連想させるヘビ革の素材のベルトは避けます。

【時計】
シンプルな文字盤のデザインを選びましょう。ベルトの素材は黒の革(または合皮)がよいでしょう。多機能な時計やデジタル時計など、カジュアルな印象を与えるものは控えます。

【ネクタイピン】
ネクタイピンは装飾品として扱われます。三回忌は故人様に敬意を表する厳粛な場であるため、つけないのがマナーです。

女性の服装

女性の三回忌の服装については、次のポイントを押さえましょう。

服装のポイント

【ブラックフォーマル】
光沢のない黒のスーツやワンピース、アンサンブルが適しています。袖は肘が隠れる五分袖から長袖、スカート丈は膝下からふくらはぎまでの丈とします。

妊娠中の方はおなかを締め付けないマタニティ用の喪服が理想ですが、用意が間に合わなければ、光沢がない黒や紺などの色の服装でも大丈夫です。

【シャツ】
上着の下にインナーとして着るブラウスなども、上着と同様に黒のものを選びます。

アクセサリー

結婚指輪以外はつけないのがマナーです。どうしてもつける場合は、涙を象徴する真珠(白・黒)のネックレスであれば許容範囲です。ただし、二連以上のデザインは「不幸が重なる」との意味もあるため、避けてください。長さが50センチを超えるようなロングネックレスは、華やかな印象になるため、鎖骨に届く程度までのものとします。

靴・ストッキング

【靴】
光沢のない黒のパンプスが理想です。過度に装飾がついているものや、つま先の出るデザインは避けます。ヒールは太めで、3cm~5cmの高さのものが安定感もあり最適です。

【ストッキング】
黒の無地を選びます。厚すぎるとカジュアルな印象を与えてしまうため、20デニール程度の薄手のものを選びます。

バッグ

皮の素材は避け、光沢のない黒の布製で、余計な飾りがついていないフォーマルなデザインのバッグが適しています。大きすぎるとカジュアルになるので、小さめのサイズのものとします。

化粧

服装と共に身だしなみの一環として注意したいのが化粧です。全体として、控えめで落ち着いた印象を心がけます。リップは薄いピンクやベージュ系を使用し、チークも自然な血色を意識して、薄めにすることを心がけましょう。

アイメイクは、基本的に行いません。どうしても行う場合は、ベージュやブラウンなどの落ち着いた色を薄く塗る程度とします。

3.三回忌に略喪服(平服)を着る場合の服装

三回忌に略喪服(平服)を着る場合の服装

三回忌の案内状に「平服でお越しください」とあった場合、普段着ではなく略喪服を指しています。略喪服とは、正式な喪服よりもやや簡素な礼服のことです。ここでは、三回忌で平服を着用する場合の服装について、男女別に解説します。

男性の服装

男性の平服の概要と留意点を下記の表にまとめましたので、参考にしてください。

概要 留意点
基本の服装 ビジネススーツや礼服 ・無地が理想だが、織柄・薄いストライプなどでもよい
・黒、ダークグレー、濃紺などの地味な色とし、必ずしも黒でなくてもよい
シャツ 白無地のワイシャツ ・襟はシンプルなレギュラーカラー
・ボタンダウン(襟先にボタンがついたもの)などは避ける
ネクタイ 地味で濃い色の無地 光る素材や派手な柄は適さない
ベルト 皮か合皮で地味な色 光る素材や、目立つ金具のついたものは避ける
足元 ・黒の革靴
・黒無地の靴下
靴はエナメル・スエード素材や先が尖がったデザインは避ける

女性の服装

女性の平服の概要と留意点を下記の表にまとめましたので、参考にしてください。

概要 留意点
基本の服装 スーツやワンピース、パンツスーツ パンツスーツは略喪服の分類となるため、パンツスーツでもよい
・必ずしも黒でなくてもよい
・黒、ダークグレー、濃紺などの地味な色
シャツ 上着の下に着るシャツは、黒・濃紺などのダークカラーが望ましい 上着の下に着るものも白は避ける
かかとの低い黒のパンプス ・光沢や華美なデザインは避ける
・5cm以上のハイヒールやピンヒールは適さない

4.家族のみで三回忌を行う場合の服装

ご家族だけで三回忌を行う場合の服装は、準喪服にこだわる必要はなく、一般的に平服(略喪服)でよいでしょう。

僧侶を招いて読経をしていただく場合は、敬意を示すために準喪服を着用するのが望ましいとの意見もありますが、実際に僧侶の方が平服を気にするケースは、ほとんどありません。

ただし、ご家族の間で服装に対する考え方が違う場合もありますから、参列者間で服装が異ならないように、あらかじめ話し合って服装を決めておくと安心です。

5.夏の三回忌における服装

夏の喪服のマナーに関しては、「喪服のジャケットは必須か」「半袖でもよいか」など、疑問に思われる方も多いようです。
暑い夏に行われる三回忌に参列する場合の服装について、男女別に注意点を解説します。

男性の場合

夏場でも、喪服のジャケットは必須です。移動中は脱いでもかまいませんが、法要中は必ず着用します。ワイシャツは原則、長袖ですが、法要中や人前でジャケットを着るのであれば、半袖も許容されます。

女性の場合

女性の場合も、トップスが半袖やノースリーブの場合は必ずジャケットやボレロを用意して、法要中は着用してください。スカートは、膝が見えてしまう短い丈を避け、適切な長さのものを選びましょう。暑い季節でも、肌の露出は控えめにするよう注意します。

夏の喪服のマナーに関しては、別の記事でも詳細に解説しておりますので、より詳細な情報が必要な場合は、そちらもあわせてご覧ください。

6.冬の三回忌における服装

寒い冬に行われる三回忌に参列する際の服装では、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
防寒具や、女性の寒さ対策に焦点を当ててご紹介します。

コートなど防寒具の注意点

コートは黒が基本ですが、手持ちのものが無い場合は濃紺やダークグレーなどでもかまいません。素材は、着ているときに音が出るナイロンや、殺生を連想させる毛皮は避け、カシミアやウール(羊毛)のものを選びます。目立つ金具やファーなどが付いたコートは華美な印象を与えるため、三回忌にはふさわしくありません。

手袋やマフラーについても、コートと同様の配慮が必要です。暗めの色を基本とし、装飾が少ないデザインのものを選びます。

女性の寒さ対策

発熱機能や防寒性にすぐれたストッキングを選び、それでも寒い場合は、ストッキングを重ねて履きます。寒冷地での三回忌や高齢者や足に不安のある方は、パンツスーツの着用を検討してもよいかもしれません。ご親族の心証が気になる場合は、事前に施主様に相談するとよいでしょう。

7.三回忌における子ども・学生の服装マナー

三回忌における子ども・学生の服装マナー

こちらでは、お子様や学生の服装について解説します。

未就学児・小学生~高校生の服装

制服は正式な礼服と見なされるため、学校指定の制服があれば、それを着用するのが最適です。

制服がない場合は、黒、紺、濃いグレーなどのダークカラーの服装を選びましょう。

【制服がないお子様の服装例】

  • ・男の子の場合:白いシャツに黒や紺のズボン
  • ・女の子の場合:黒や紺のワンピース、白いシャツに黒や紺のスカート

ブレザーがあれば着用するとよいですが、必須ではありません。

大学生の服装

大学生の場合は、基本的に大人と同様の服装が求められると考えましょう。男性なら黒や紺のスーツ、女性なら黒や紺のワンピースやスーツなどの礼服が適しています。

礼服を持っていない場合は、成人式で着たスーツや、就職活動で用意したリクルートスーツでかまいません。黒色でなければならないわけではありませんが、黒に近いダークカラーのスーツが望ましいでしょう。

赤ちゃんの服装

赤ちゃんの服装も、できるだけ落ち着いた色合いを選ぶようにします。黒、紺、濃いグレーなどのダークカラーが適していますが、これらの色で赤ちゃんの服装をそろえるのは難しいこともあります。その場合は、白やベージュなどでも問題ありません。ただし、キャラクターが描かれたものや派手な柄、フリルやレースが多いデザインは避けましょう。

8.三回忌において用意する物

ここまで、三回忌の服装についてご説明してきました。最後に、施主様と参列者が三回忌で用意する物を解説します。

施主様が用意する物

施主様が用意する物は、下記のとおりです。

お布施

僧侶に読経などをしていただいた際に、感謝の気持ちとしてお布施をわたします。金額は地域や寺院によって異なりますが、三回忌の場合の相場は1万円~5万円とされています。

御膳料

法要後の会食を僧侶が辞退したときに僧侶にわたします。5,000円~1万円程度が相場です。

お車代

自宅や斎場などへ僧侶に来ていただいた場合、僧侶にお車代を支払います。実際にかかった交通費から金額を決定するようにします。

お返し(香典返し)

お香典やお供え物を持参してくださった参列者へのお礼として用意します。一般的には、日持ちのするお菓子やせっけんなどが選ばれます。

数珠

数珠は必ずしも故人様の宗教・宗派に合わせる必要はなく、自分の手元にある数珠でかまいません。

お供え物

故人様に供えるためのろうそくや線香、お花などを用意します。

参列者が用意する物

参列者は、下記を用意し三回忌に持参します。

お香典(お供物料)

故人様の宗教・宗派に合わせた香典袋(不祝儀袋)にお金を入れて用意します。金額は、故人様との関係性によっても異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

  • ・親・兄弟姉妹など(二親等の親族)・・・1万〜5万円
  • ・その他のご親族・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5,000円〜2万円
  • ・知人・友人・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3,000円~1万円

会食の席が設けられている場合には、5,000~1万円程度を上乗せするのが通例です。夫婦で三回忌法要に参列する場合は、二人分の会食の費用を用意することが望ましいでしょう。

袱紗(ふくさ)

香典袋が汚れたり、折れたりしないよう、お香典は袱紗に入れて持参するのがマナーです。急な場合で袱紗を持っていなときは、ハンカチで代用しても構いません。

数珠

自分が無宗教や他の宗教の信者である場合、必ずしも数珠が必要というわけではありませんが、手元にある場合は数珠を持参しましょう。

お供え物

参列者はお供え物の用意は必須ではありませんが、故人様との関係性によっては、お香典とは別に、故人様が好きだったお菓子や果物などを用意する場合もあります。

9.三回忌の服装は、故人様への想いを込めて選びましょう

三回忌は、故人様の魂の安寧を願って行う節目の法要ですから、服装に関しては、故人様への想いを込めて選ぶことが何よりも大切です。そうすれば、おのずと三回忌にふさわしく、周囲の方々にも不快感を与えない服装になることでしょう。

花葬儀では、三回忌の服装や用意する物に関する疑問に経験豊富なスタッフがお答えいたします。また、会員制サービス「リベントファミリー」では、いざという時に迅速な対応が可能になるだけでなく、日頃からご家族の安心につながる幅広いサポートを提供しています。ご興味をお持ちの方は、お気軽にご連絡ください。

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