四十九日法要の服装のポイント|家族のみ、夏・冬の場合など状況別に解説
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- 【 法事・法要のマナー 】
四十九日法要(しじゅうくにちほうよう)は、忌明け(いみあけ)の節目となる仏教の重要な儀式です。多くの方を招いて行われる場合やご家族のみで行う場合もあり、季節もさまざまですから、服装に関して迷う方も多いことでしょう。
そこで今回は、四十九日法要の服装のマナーを男性・女性別や夏・冬の場合に分けて詳しく解説します。四十九日法要に参列予定がある方、四十九日法要を行おうとしている施主様は、ぜひ、この記事を参考にしてください。
【もくじ】
1.四十九日法要の意味と近年の傾向
最初に四十九日法要の意味と、近年の傾向について解説します。
四十九日法要の意味
四十九日法要は、故人様の命日から49日目に行う、仏教の儀式である法要のひとつです。仏教の多くの宗派では、「故人様の魂は亡くなってからさまざまな裁きを受けるためにさまよい、49日目に極楽浄土へ旅立てるかどうかが決まる」とされています。四十九日法要では、ご遺族や親しい友人などが集まり、故人様が成仏できるよう祈ります。
この期間、ご遺族は喪に服しますが、49日目は忌明けとされ、ご遺族は日常生活に戻ります。四十九日法要は、ご遺族にとっても心の整理をつけ、新たな生活を始めるための区切りとなります。
なお浄土真宗では、亡くなった方はすぐ極楽浄土に行くと考えられているため、四十九日法要は故人様の冥福を祈るというよりも、故人様への感謝を表し、仏教の教えを心に刻む機会とされています。
四十九日法要の近年の傾向
近年では、宗教的な儀式をご家族のみの少人数で行うなど簡略化するケースがよく見受けられます。しかし、四十九日法要と一周忌は、ご親族や故人様と親しかった方を招くなどして、しっかりと行う方が多いようです。
2.四十九日法要に適した服装とは
四十九日法要の服装は、基本的に葬儀のときの服装と同じだと考えてよいでしょう。近年の葬儀では、喪主様・参列者ともに、喪服(準喪服)を着るケースが多くなっています。そこで、四十九日法要でも施主様や参列者は喪服を着るのが一般的です。
喪主様や施主様は、葬儀でモーニングや五つ紋の着物などの最も格式の高い喪服(正喪服)を着た場合でも、四十九日法要では一般的な喪服を選ばれる方がほとんどです。ただし、四十九日法要の案内状などに服装の指示がある場合は、指示に従います。正喪服や準喪服、略喪服など喪服の格式については次項で詳しく解説します。
3.押さえておきたい弔事の服装の格式
喪服には、「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3つの格式があります。あらためて、それぞれの格式について押さえておきましょう。
正喪服(和装・洋装)
正喪服とは、もっとも格式の高い喪服です。かつては、葬儀の際に喪主様やご遺族の代表者が着用していましたが、近年では着る方が減少しています。和装と洋装がありますが、それぞれの概要は以下のとおりです。
和装
- ・男性:黒の絹地に五つ紋が入った羽織と袴
- ・女性:黒地に五つの家紋が入った黒留袖で、帯は黒の絹帯
洋装
- ・男性:黒のモーニングコート
- ・女性:黒のアンサンブル、スーツ
準喪服
準喪服は、正喪服に次ぐものですが、一般的な喪服としてさまざまな弔事で着用されます。男女別の概要は下記のとおりです。
- ・男性:黒で光沢のない生地のブラックスーツ
- ・女性:光沢のない黒のスーツ、ワンピース、アンサンブル
略喪服
略喪服は、準喪服よりカジュアルな喪服で、「平服」も略喪服に分類されます。小規模な法要やお別れの会などで着用されます。男女別の概要は下記のとおりです。
- ・男性:黒やグレー、濃紺などの色で無地のダークスーツ
- ・女性:黒や濃紺、ダークグレーなどのスーツ、ワンピース、パンツスーツ
4.四十九日法要の服装【男性】
ここからは、四十九日法要で着られる機会が多い準喪服と略喪服について解説します。まずは、男性の準喪服と略喪服について詳しくご紹介します。
準喪服の場合
男性の準喪服の具体的な服装の詳細と注意点は、次のとおりです。
シャツ
ブラックスーツの下には白の長袖シャツを着用します。襟はシンプルな形で、色柄物やカジュアルなシャツは避けます。
ネクタイ
黒や紺、グレーなど落ち着いた色で光沢のないシンプルな無地のネクタイを選びます。派手な柄や色は、弔事には不向きです。結び方も、通常のビジネスシーンと同様のシンプルな結び方にします。
略喪服の場合
男性の略喪服の具体的な服装の詳細と注意点は、次のとおりです。
スーツ
ブラックフォーマル以外の黒やグレー、濃紺のビジネススーツや礼服でかまいません。無地が理想ですが、織柄やシンプルかつ薄い柄であれば許容範囲とされています。
シャツ
白や淡い色のシャツを着用します。襟はシンプルなレギュラーカラーで、ボタンダウン(襟先にボタンがついたもの)などは避けます。
ネクタイ
黒や濃紺などの地味で濃い色のネクタイを選びます。光る素材や派手な柄は、法要には不適切です。
5.四十九日法要の服装【女性】
次に、四十九日法要で着る女性の準喪服と略喪服について詳しくご紹介します。
準喪服の場合
黒のジャケットやボレロとスカート、または、黒のワンピースです。デザインはシンプルで、派手な装飾は避けます。袖丈は長袖で、スカートの丈は膝丈より長い丈とします。
スーツやアンサンブルの下に着るシャツやブラウスも黒を選びます。シンプルなデザインで、フリルやレースなどの装飾は控えめにします。
略喪服の場合
スーツ、ワンピース、パンツスーツを着用します。ダークグレー、濃紺などの地味な色で、必ずしも黒でなくてもかまいません。パンツスーツは略喪服に分類されますので、着用可能です。上着の下に着るシャツやブラウスは、白っぽい色や柄ものは避け、黒・濃紺などの無地のダークカラーとします。
6.服装以外で注意したい身だしなみ
四十九日法要に参列する際は、服装以外でも注意しなければならない点があります。ここでは、身だしなみで気をつけるべきポイントを解説します。
髪型
髪型は華美でなく、清潔な印象を与えることが大切です。髪を染めていて、特に明るい色や派手な色の場合は、黒のスプレーカラーで一時的に髪を落ち着いた色に戻すか、目立たない色合いに整えます。年配の参列者もいるため、髪の色に関しては特に配慮が必要です。
ここからは、男女別に特に注意すべきことを説明します。
男性の注意点
ショートヘアであれば特に問題はありませんが、長髪の場合は後ろでひとつに結び、髪が乱れないように整えます。髪を整えるためにワックスやジェルを使ってもよいですが、過度にスタイリッシュに仕上げるのは避け、派手にならないように注意します。
女性の注意点
ロングヘアやセミロングの方は、後ろですっきりとまとめるのが基本です。髪をまとめる際は、飾りのない黒のヘアゴムやバレッタを使用し、シュシュなど華美なアイテムは避けます。
前髪やサイドの髪が顔にかからないようにし、すっきりとした印象に仕上げることが大切です。ショートヘアの場合も、前髪や顔周りの髪をしっかりと整えます。
靴・足元
靴や足元に関しての注意点を男女別にご説明します。
男性の注意点
【靴】
光沢のない黒い革靴で、靴紐も黒いものが基本です。カジュアルなデザインや装飾のある靴は避けます。
【靴下】
柄や飾りのない黒いものを選ぶのが無難です。くるぶしまでの丈など短い靴下は座った際に肌が見える可能性があるため、ふくらはぎまで長さがある靴下が適しています。
女性の注意点
【靴】
黒のパンプスが基本です。光沢を抑えた素材のシンプルなデザインを選び、ヒールは高すぎない3cm~5cm程度のものがよいでしょう。
【ストッキング】
黒で無地のものを選びます。厚手のタイツはカジュアルな印象になるため20デニール程度の薄手のものが適しています。
アクセサリー
結婚指輪以外はつけないのが基本ですが、女性の場合、パールのネックレスは「涙」を象徴するため許容されます。ただし、二連以上のパールは「不幸が重なる」ことが連想されるので避けます。
時計
黒やシルバーなどの落ち着いた色合いの、シンプルなアナログ時計を選びましょう。金属部分の光沢を抑えたものがおすすめです。スポーツタイプの時計やデジタル時計は、カジュアルな印象になりがちであるため、フォーマルな場にはふさわしくありません。
化粧
リップは派手な色味を避け、薄いピンクやベージュ系のものを選びます。ラメやパールが入っていないものが望ましく、色が濃すぎないようにティッシュオフするなどして調整します。
チークは自然な血色を意識し、薄く入れる程度に抑えます。アイメイクについては、基本的にはしないのがベストですが、どうしても行いたい場合はベージュやブラウンなど、肌になじむ控えめな色を選び薄く塗ります。
7.四十九日法要の服装【子ども】
四十九日法要に参列する際の成人した男女の服装について解説してきました。ここからはお子様の服装を年代順に解説します。
乳児(赤ちゃん)の服装
乳児の服装については、あまり厳格な規定はなく、赤ちゃんの快適さを優先して柔軟に対応してよいでしょう。基本的には黒やグレーなど控えめで落ち着いた色合いの服装が望まれますが、ベージュや淡い色を選んでも問題ありません。
幼児(未就学児)~高校生の服装
幼児から高校生の服装は、学校の制服の有無によって選び方が異なります。
制服がある場合
学校の制服がある場合は、それを着用するのが基本です。制服は喪服代わりにでき、格式が求められる場面でも有効な選択肢です。
制服がない場合
黒や紺、グレーといった落ち着いた色の服装が推奨されます。男の子であれば、シャツとズボン、女の子であればブラウスとスカート、またはワンピースが適しています。
大学生の服装
大学生になると一般的に、大人と同じ服装が求められます。大人が準喪服を着用する場合、大学生も準喪服を用意して着用するとよいでしょう。
準喪服が無い場合は、黒や濃紺のダークスーツを着用します。成人式のときのスーツや、就職活動で使用したリクルートスーツでもかまいません。
8.ご家族のみで四十九日法要を行う場合の服装
四十九日法要をご家族のみで行う場合、服装は簡略化される傾向にあります。葬儀で正喪服や準喪服を着用したとしても、四十九日では略喪服で問題ありません。
「僧侶を招く場合には、敬意を示す意味で準喪服を着用するほうが望ましい」との意見もあります。ただし、実際には僧侶が参列者の服装にこだわることはほとんどないため、略喪服でもよいでしょう。ご家族で意見が異なる場合もあるため、不安なときには事前にご家族で相談しておくと安心です。
9.季節ごとの四十九日法要の服装マナー【夏・冬】
最後に、夏と冬、それぞれの季節における四十九日法要の服装マナーについて解説します。
夏の服装のマナー
暑い夏に行われる四十九日法要に参列する場合の服装の注意点をご紹介します。
法要中はジャケットが必須
夏の法要でも、喪服にはジャケットを羽織ることがマナーです。男性は半袖シャツ、女性は半袖・ノースリーブのワンピースやブラウスの着用が許容されますが、室内や法要中ではジャケットなどの上着を必ず羽織ります。
肌の露出を控える
暑さを感じる季節でも、肌の露出を控えることが重要です。短すぎる靴下や、スカートは避け、膝下丈よりも長いスカートなど、フォーマルな場にふさわしい服装を選びましょう。より詳細な夏の喪服のマナーについては、別の記事でも解説しておりますので、ご参照ください。
ブラックスーツ
基本は黒のスーツで、シングルでもダブルでもかまいません。シンプルで控えめなデザインが望ましく、ジャケットとズボンは必ず同じ素材と色で統一します。黒のビジネススーツは、色合いがやや明るいため、喪服の代わりにはならない点に注意しましょう。
冬の服装のマナー
冬の四十九日法要の服装は、場にふさわしい装いのマナーを心がけつつ寒さ対策を考えることが重要です。以下に具体的なポイントをまとめました。
防寒具も地味な色合いにする
コートは黒が基本ですが、手持ちになければ濃紺やダークグレーも許容されます。素材は、音が出るナイロンや殺生が連想される毛皮は避け、カシミアやウール(羊毛)を選びましょう。金具やファー付きのコートは、華美な印象を与えるため法要には不向きです。手袋やマフラーも暗めの色を基本とし、装飾が少ないものを選ぶことが大切です。
女性の寒さ対策は足元から
女性は、発熱機能や防寒性に優れたストッキングを選び、それでも寒い場合は重ねて履くことも考慮します。寒冷地での法要や足に不安のある方は、パンツスーツを選んでもよいでしょう。もし、ご親族の心証が気になる場合は、事前に施主様に相談することをおすすめします。
10.四十九日法要の服装に関するQ&A
A. 自宅で四十九日法要を行う場合の服装については、参列される方や、ご家族の考え方によって異なります。
特に少人数のご家族だけで法要を行う場合は、略喪服など、厳格な服装でなくても構いません。ご親族や友人などの参列者がいる場合は、葬儀の際に着用した服装を参考にするとよいでしょう。
A.まずは準喪服か、それとも略喪服でもよいのかを確認することが重要です。喪服の格式がわかったら、それに合わせて適切なワンピースを選びます。
喪服のワンピースを選ぶ際は、適切なサイズ感のものを選ぶことが大切です。タイトすぎると体のラインを強調し、礼儀を欠く印象を与える可能性があります。また、法要の間は同じ姿勢でいなければならないため、リラックスした着心地を保てるものを選ぶことも大切です。
A.ご逝去からの日数やご家族以外の参列者がいるかどうかなどによって、考え方は異なります。
特に参加者がご家族のみであれば、略喪服を選ぶ方も多く、マナー違反にはなりません。複数の法要を同日に行う場合の服装の選定は、状況に応じて柔軟に対応することが求められます。
A.基本的に、通常の四十九日法要に参列する服装と同じと考えてよいでしょう。
夏の暑い時期ですので半袖のシャツやブラウスの着用は可能ですが、ジャケットやカーディガンなどの上着を持参し、法要中は必ず羽織るようにしましょう。
A.葬儀のときと同じ服装を着用するのが一般的です。
例えば、葬儀で準喪服を着用した場合は、四十九日法要でも準喪服を着用しましょう。ただし、事前の案内状や連絡で「平服でお越しください」などの指定がないかを確認することが大切です。平服の指定がある場合は、フォーマルすぎないシンプルな黒や濃い色の服装で参列しましょう。
服装に不安がある場合は、事前にご遺族や案内をしてくれた方に確認すると安心です。
11.四十九日法要の服装は、故人様を想い慎重に選びましょう
四十九日法要は、故人様をしのび、成仏を願う大切な法要であるため、服装の選び方には慎重な配慮が必要です。
案内状での指定がある場合には指示に従うとともに、不安があるときは事前に施主様に確認することで、礼を尽くそうとする気持ちがご遺族に伝わります。故人様への供養の気持ちを表し、ご遺族へ配慮した服装を選ぶことが何よりも大切でしょう。
四十九日法要の服装について不安や疑問のある方は、花葬儀の事前相談までお問い合わせください。花葬儀では、経験豊富なスタッフがお客様の不安をしっかりサポートいたします。葬儀全般に関する悩みや疑問についても24時間365日の体制でお答えしておりますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。
- ・男性:黒の絹地に五つ紋が入った羽織と袴
- ・女性:黒地に五つの家紋が入った黒留袖で、帯は黒の絹帯
洋装
- ・男性:黒のモーニングコート
- ・女性:黒のアンサンブル、スーツ
準喪服
準喪服は、正喪服に次ぐものですが、一般的な喪服としてさまざまな弔事で着用されます。男女別の概要は下記のとおりです。
- ・男性:黒で光沢のない生地のブラックスーツ
- ・女性:光沢のない黒のスーツ、ワンピース、アンサンブル
- ・男性:黒やグレー、濃紺などの色で無地のダークスーツ
- ・女性:黒や濃紺、ダークグレーなどのスーツ、ワンピース、パンツスーツ
略喪服
略喪服は、準喪服よりカジュアルな喪服で、「平服」も略喪服に分類されます。小規模な法要やお別れの会などで着用されます。男女別の概要は下記のとおりです。
4.四十九日法要の服装【男性】
ここからは、四十九日法要で着られる機会が多い準喪服と略喪服について解説します。まずは、男性の準喪服と略喪服について詳しくご紹介します。
準喪服の場合
男性の準喪服の具体的な服装の詳細と注意点は、次のとおりです。
シャツ
ブラックスーツの下には白の長袖シャツを着用します。襟はシンプルな形で、色柄物やカジュアルなシャツは避けます。
ネクタイ
黒や紺、グレーなど落ち着いた色で光沢のないシンプルな無地のネクタイを選びます。派手な柄や色は、弔事には不向きです。結び方も、通常のビジネスシーンと同様のシンプルな結び方にします。
略喪服の場合
男性の略喪服の具体的な服装の詳細と注意点は、次のとおりです。
スーツ
ブラックフォーマル以外の黒やグレー、濃紺のビジネススーツや礼服でかまいません。無地が理想ですが、織柄やシンプルかつ薄い柄であれば許容範囲とされています。
シャツ
白や淡い色のシャツを着用します。襟はシンプルなレギュラーカラーで、ボタンダウン(襟先にボタンがついたもの)などは避けます。
ネクタイ
黒や濃紺などの地味で濃い色のネクタイを選びます。光る素材や派手な柄は、法要には不適切です。
5.四十九日法要の服装【女性】
次に、四十九日法要で着る女性の準喪服と略喪服について詳しくご紹介します。
準喪服の場合
黒のジャケットやボレロとスカート、または、黒のワンピースです。デザインはシンプルで、派手な装飾は避けます。袖丈は長袖で、スカートの丈は膝丈より長い丈とします。
スーツやアンサンブルの下に着るシャツやブラウスも黒を選びます。シンプルなデザインで、フリルやレースなどの装飾は控えめにします。
略喪服の場合
スーツ、ワンピース、パンツスーツを着用します。ダークグレー、濃紺などの地味な色で、必ずしも黒でなくてもかまいません。パンツスーツは略喪服に分類されますので、着用可能です。上着の下に着るシャツやブラウスは、白っぽい色や柄ものは避け、黒・濃紺などの無地のダークカラーとします。
6.服装以外で注意したい身だしなみ
四十九日法要に参列する際は、服装以外でも注意しなければならない点があります。ここでは、身だしなみで気をつけるべきポイントを解説します。
髪型
髪型は華美でなく、清潔な印象を与えることが大切です。髪を染めていて、特に明るい色や派手な色の場合は、黒のスプレーカラーで一時的に髪を落ち着いた色に戻すか、目立たない色合いに整えます。年配の参列者もいるため、髪の色に関しては特に配慮が必要です。
ここからは、男女別に特に注意すべきことを説明します。
男性の注意点
ショートヘアであれば特に問題はありませんが、長髪の場合は後ろでひとつに結び、髪が乱れないように整えます。髪を整えるためにワックスやジェルを使ってもよいですが、過度にスタイリッシュに仕上げるのは避け、派手にならないように注意します。
女性の注意点
ロングヘアやセミロングの方は、後ろですっきりとまとめるのが基本です。髪をまとめる際は、飾りのない黒のヘアゴムやバレッタを使用し、シュシュなど華美なアイテムは避けます。
前髪やサイドの髪が顔にかからないようにし、すっきりとした印象に仕上げることが大切です。ショートヘアの場合も、前髪や顔周りの髪をしっかりと整えます。
靴・足元
靴や足元に関しての注意点を男女別にご説明します。
男性の注意点
【靴】
光沢のない黒い革靴で、靴紐も黒いものが基本です。カジュアルなデザインや装飾のある靴は避けます。
【靴下】
柄や飾りのない黒いものを選ぶのが無難です。くるぶしまでの丈など短い靴下は座った際に肌が見える可能性があるため、ふくらはぎまで長さがある靴下が適しています。
女性の注意点
【靴】
黒のパンプスが基本です。光沢を抑えた素材のシンプルなデザインを選び、ヒールは高すぎない3cm~5cm程度のものがよいでしょう。
【ストッキング】
黒で無地のものを選びます。厚手のタイツはカジュアルな印象になるため20デニール程度の薄手のものが適しています。
アクセサリー
結婚指輪以外はつけないのが基本ですが、女性の場合、パールのネックレスは「涙」を象徴するため許容されます。ただし、二連以上のパールは「不幸が重なる」ことが連想されるので避けます。
時計
黒やシルバーなどの落ち着いた色合いの、シンプルなアナログ時計を選びましょう。金属部分の光沢を抑えたものがおすすめです。スポーツタイプの時計やデジタル時計は、カジュアルな印象になりがちであるため、フォーマルな場にはふさわしくありません。
化粧
リップは派手な色味を避け、薄いピンクやベージュ系のものを選びます。ラメやパールが入っていないものが望ましく、色が濃すぎないようにティッシュオフするなどして調整します。
チークは自然な血色を意識し、薄く入れる程度に抑えます。アイメイクについては、基本的にはしないのがベストですが、どうしても行いたい場合はベージュやブラウンなど、肌になじむ控えめな色を選び薄く塗ります。
7.四十九日法要の服装【子ども】
四十九日法要に参列する際の成人した男女の服装について解説してきました。ここからはお子様の服装を年代順に解説します。
乳児(赤ちゃん)の服装
乳児の服装については、あまり厳格な規定はなく、赤ちゃんの快適さを優先して柔軟に対応してよいでしょう。基本的には黒やグレーなど控えめで落ち着いた色合いの服装が望まれますが、ベージュや淡い色を選んでも問題ありません。
幼児(未就学児)~高校生の服装
幼児から高校生の服装は、学校の制服の有無によって選び方が異なります。
制服がある場合
学校の制服がある場合は、それを着用するのが基本です。制服は喪服代わりにでき、格式が求められる場面でも有効な選択肢です。
制服がない場合
黒や紺、グレーといった落ち着いた色の服装が推奨されます。男の子であれば、シャツとズボン、女の子であればブラウスとスカート、またはワンピースが適しています。
大学生の服装
大学生になると一般的に、大人と同じ服装が求められます。大人が準喪服を着用する場合、大学生も準喪服を用意して着用するとよいでしょう。
準喪服が無い場合は、黒や濃紺のダークスーツを着用します。成人式のときのスーツや、就職活動で使用したリクルートスーツでもかまいません。
8.ご家族のみで四十九日法要を行う場合の服装
四十九日法要をご家族のみで行う場合、服装は簡略化される傾向にあります。葬儀で正喪服や準喪服を着用したとしても、四十九日では略喪服で問題ありません。
「僧侶を招く場合には、敬意を示す意味で準喪服を着用するほうが望ましい」との意見もあります。ただし、実際には僧侶が参列者の服装にこだわることはほとんどないため、略喪服でもよいでしょう。ご家族で意見が異なる場合もあるため、不安なときには事前にご家族で相談しておくと安心です。
9.季節ごとの四十九日法要の服装マナー【夏・冬】
最後に、夏と冬、それぞれの季節における四十九日法要の服装マナーについて解説します。
夏の服装のマナー
暑い夏に行われる四十九日法要に参列する場合の服装の注意点をご紹介します。
法要中はジャケットが必須
夏の法要でも、喪服にはジャケットを羽織ることがマナーです。男性は半袖シャツ、女性は半袖・ノースリーブのワンピースやブラウスの着用が許容されますが、室内や法要中ではジャケットなどの上着を必ず羽織ります。
肌の露出を控える
暑さを感じる季節でも、肌の露出を控えることが重要です。短すぎる靴下や、スカートは避け、膝下丈よりも長いスカートなど、フォーマルな場にふさわしい服装を選びましょう。より詳細な夏の喪服のマナーについては、別の記事でも解説しておりますので、ご参照ください。
ブラックスーツ
基本は黒のスーツで、シングルでもダブルでもかまいません。シンプルで控えめなデザインが望ましく、ジャケットとズボンは必ず同じ素材と色で統一します。黒のビジネススーツは、色合いがやや明るいため、喪服の代わりにはならない点に注意しましょう。
冬の服装のマナー
冬の四十九日法要の服装は、場にふさわしい装いのマナーを心がけつつ寒さ対策を考えることが重要です。以下に具体的なポイントをまとめました。
防寒具も地味な色合いにする
コートは黒が基本ですが、手持ちになければ濃紺やダークグレーも許容されます。素材は、音が出るナイロンや殺生が連想される毛皮は避け、カシミアやウール(羊毛)を選びましょう。金具やファー付きのコートは、華美な印象を与えるため法要には不向きです。手袋やマフラーも暗めの色を基本とし、装飾が少ないものを選ぶことが大切です。
女性の寒さ対策は足元から
女性は、発熱機能や防寒性に優れたストッキングを選び、それでも寒い場合は重ねて履くことも考慮します。寒冷地での法要や足に不安のある方は、パンツスーツを選んでもよいでしょう。もし、ご親族の心証が気になる場合は、事前に施主様に相談することをおすすめします。
10.四十九日法要の服装に関するQ&A
特に少人数のご家族だけで法要を行う場合は、略喪服など、厳格な服装でなくても構いません。ご親族や友人などの参列者がいる場合は、葬儀の際に着用した服装を参考にするとよいでしょう。
喪服のワンピースを選ぶ際は、適切なサイズ感のものを選ぶことが大切です。タイトすぎると体のラインを強調し、礼儀を欠く印象を与える可能性があります。また、法要の間は同じ姿勢でいなければならないため、リラックスした着心地を保てるものを選ぶことも大切です。
特に参加者がご家族のみであれば、略喪服を選ぶ方も多く、マナー違反にはなりません。複数の法要を同日に行う場合の服装の選定は、状況に応じて柔軟に対応することが求められます。
夏の暑い時期ですので半袖のシャツやブラウスの着用は可能ですが、ジャケットやカーディガンなどの上着を持参し、法要中は必ず羽織るようにしましょう。
例えば、葬儀で準喪服を着用した場合は、四十九日法要でも準喪服を着用しましょう。ただし、事前の案内状や連絡で「平服でお越しください」などの指定がないかを確認することが大切です。平服の指定がある場合は、フォーマルすぎないシンプルな黒や濃い色の服装で参列しましょう。
服装に不安がある場合は、事前にご遺族や案内をしてくれた方に確認すると安心です。
11.四十九日法要の服装は、故人様を想い慎重に選びましょう
四十九日法要は、故人様をしのび、成仏を願う大切な法要であるため、服装の選び方には慎重な配慮が必要です。
案内状での指定がある場合には指示に従うとともに、不安があるときは事前に施主様に確認することで、礼を尽くそうとする気持ちがご遺族に伝わります。故人様への供養の気持ちを表し、ご遺族へ配慮した服装を選ぶことが何よりも大切でしょう。
四十九日法要の服装について不安や疑問のある方は、花葬儀の事前相談までお問い合わせください。花葬儀では、経験豊富なスタッフがお客様の不安をしっかりサポートいたします。葬儀全般に関する悩みや疑問についても24時間365日の体制でお答えしておりますので、ぜひ、お気軽にご相談ください。