訃報をうけてから、お悔やみの気持ちを込めた弔意をお伝えする手段のひとつに「ご供花を贈る」というものがあります。これまでお世話になった故人様とそのご遺族にと、訃報をもらえば贈るスタンスのご供花ですが、家族葬ではご遺族がお香典や供花を辞退するケースもあるため、注意が必要です。 そこで今回は、家族葬における供花のマナーや注意点をご紹介します。 【もくじ】 1.家族葬で供花は贈るべき? 2.家族葬で供花を贈るときのマナー 3.家族葬で供花に代わってお花代を渡すときのマナー 4.家族葬に贈る供花に関するQ&A 5.まとめ 1.家族葬で供花は贈るべき? 家族葬は参列やお香典について辞退の意を示すケースが多いことから、お悔やみの気持ちを込めた弔意をお伝えする方法として、ご供花を贈るべきか迷われることもあるのではないでしょうか。 まずは、家族葬であってもどんなケースならご供花を贈って良いのか、判断基準や贈るタイミングをご説明いたします。 供花を贈るかどうかの判断基準 家族葬にご供花を贈るかどうかは、ご遺族がご供花を辞退しているかどうかが判断基準となります。たとえご供花を辞退する旨の案内がなかったとしても、お香典やお供え物の辞退をしていることもありますので、合わせてチェックしてみると良いでしょう。 家族葬でよくある「辞退させていただきます」は、葬儀への負担をかけたくない、かけさせたくないなどの理由が隠れています。ですので、弔意を伝えたいからと、ご家族の意に反してご供花を一方的に贈るのは避けましょう。もしどうしてもご供花を贈りたい場合には、事前にご遺族に連絡し、確認を取るようにすると良いでしょう。了承いただければ送り先の斎場や葬儀社への連絡先を教えてくれますよ。 供花はいつ贈る? 家族葬にご供花を贈る場合、お通夜が始まる前に葬儀場に届くように手配しましょう。 もちろん、ご供花の手配は訃報を受けてからで問題ありません。逆にあまりにも早く届くと、訃報なのに事前に用意していたようにみえてしまう場合もあるので気を付けましょう。また、他の葬儀社や生花店からのご供花の持ち込みを禁止するケースがあるので、葬儀社に相談してみると良いでしょう。 2.家族葬で供花を贈るときのマナー 家族葬にご供花を贈る場合、そのマナーは意識しておきたいところです。ここからは家族葬におけるご供花のマナーについて解説していきます。 供花の送り先や名札への記名 家族葬にご供花を贈る場合、基本的には葬儀を執り行う斎場または、自宅で葬儀をする場合はご自宅に送りましょう。ご供花のあて名は喪主様のお名前が望ましいのですが、不明な場合は、「○○家様」「○○家ご遺族様」など、ご遺族あてにしてもかまいません。 また、ご供花には、贈り主の名前を表示する名札があります。基本的には、次のように書けば大丈夫です。 ・送り主がご自身のみの場合:ご自身のフルネーム ・家族、兄弟などの連名で贈る場合:○○家一同など ・会社として贈る場合:会社の代表者名 ・社内の部署やチームとして贈る場合:○○部□□課一同など なお、キリスト教の家族葬の場合は、籠に入れられた花を自宅に贈る(名札はつけない)ことがマナーですので、司祭や牧師様に確認をとっておくとよいでしょう。 供花に適した花とは? 家族葬にご供花を贈る場合、どんな花を選べば良いか迷う方もいらっしゃるでしょう。 バラのようなトゲのある花や、お祝い事を連想させる真っ赤な花は避けたほうが良いとされていますが、はっきりとした決まりはありません。 ただし、宗教によっては供花の色味や花を指定することもあるため注意が必要です。それぞれよく選ばれる花をご紹介します。 <仏教・神道によくあるご供花> 色合い:白、薄い黄色など、必要以上に華美でないもの 代表的な花:菊、ユリ、カーネーション、トルコキキョウ、胡蝶蘭など <キリスト教葬によくあるご供花> 色合い:基本的に白 代表的な花:ユリ、カーネーションなど これらは宗派や、世間一般的な供花マナーとして失礼に当たらない花です。最近では無宗教葬や、故人様が好きだった花を取り入れる花祭壇も主流になってきていますので、故人様と近しい間柄で、お好きな花があったなら、それをご供花の中に含めることも良いでしょう。 供花に悩んだら、フラワーショップやネットストアなどで検索をすると、大体の色味や価格帯でラインナップがわかりますよ。ご自身でご供花アレンジを贈るときも参考になるはずです。 高額な供花はご遺族に気を遣わせてしまう 家族葬における供花の相場はおおむね10,000円~20,000円程度です。あまりに高額なものはご遺族に気を遣わせてしまうことがあるので気を付けましょう。 ご供花には、祭壇の横にスタンドを立てて飾るものと、籠に花を入れて贈る2つのタイプがあります。スタンド方式で1対です。祭壇の左右に飾るため、倍の費用が必要になるのを覚えておくと良いでしょう。どのご供花が適しているのか、供花を贈る側と受け取る側の立場や、交流がどういった関係性にあるのかなど事前に調べておくことをおすすめします。また、親族なのか友人なのか、または職場関係者かで、ご供花のタイプも変わってきます。 もし、迷われたら葬儀社や花屋さんに聞いてみるとよいでしょう。 3.家族葬で供花に代わってお花代を渡すときのマナー 家族葬では、ご供花の代わりに「お花代」をお渡しすることもできます。供花の相場である10,000円~20,000円を白い無地の封筒、または水引がついた一般的な不祝儀袋に入れ、水引の上部分に「お花代」、その下に贈り主の名前を縦書きで記入します。お香典とは異なる意味を持つものですので、封筒を分けてお渡ししましょう。 ただし、お花代は「お香典の代わりに渡すもの」という意味を持つことがあります。この場合、お渡しする金額はお香典の相場になるので覚えておくと良いでしょう。 4.家族葬に贈る供花に関するQ&A Q1. 家族葬に贈る供花は、季節や気温に左右されない造花でもよいでしょうか? A.「造花を贈ってはならない」という決まりはありませんが、生花をお贈りするのが一般的です。 造花(アーティフィシャルフラワー)は、枯れない・手入れ不要・季節に左右されないという特長があり、花祭壇に使用されることもあります。葬儀の場に持ち込んではいけないという決まりもなく、場面によっては活用されていますが、供花として贈る場合には生花を選ぶのが一般的です。 生花は、やわらかな質感や自然な香り、一輪ごとに異なる色合いを持ち、命の美しさや儚さを感じさせてくれる存在です。こうした魅力が、悲しみに寄り添う花として選ばれている理由でもあります。特別な理由がない限り、供花には造花ではなく、生花を選ぶのが望ましいでしょう。 Q2. 家族葬に贈る供花は、どのような流れで手配するものですか? A.基本的には、喪主様かご遺族、葬儀会場に、葬儀を担当している葬儀社を確認し、インターネット、または電話などで必要事項を伝え、指定された方法で代金を支払います。 […]