介護施設の種類とは?それぞれの特徴から違い・費用までわかりやすく紹介【一覧表あり】

介護施設の種類とは?それぞれの特徴から違い・費用までわかりやすく紹介【一覧表あり】

高齢になり、自分やご家族の健康面に不安を抱くようになると、多くの方が「介護施設の利用」について考えるようになります。しかし介護施設と一口に言っても種類はさまざまで、自分(またはご家族)に合う介護施設を探すのは、簡単なことではありません。

そこで今回は、介護施設の種類と特徴、それぞれの入居条件や選び方について、一覧表を用いてわかりやすくご紹介します。生活スタイルや健康状態に最適な施設を見つけるきっかけとして、どうぞお役立てください。

1.そもそも介護施設とは?

そもそも介護施設とは?

「介護施設」と聞くと、「介護を必要とする人のための施設」といったざっくりとしたイメージが浮かびますが、具体的にはどのような場所を指すのでしょうか。
まずは、介護施設の基本的な情報についてご紹介します。

介護施設とは何か

介護施設とは、介護サービスが受けられる施設全般を指します。介護施設では、日常の生活サポートから介助(食事、入浴、排泄など)まで、幅広いサービスが提供されています。介護施設には、国による明確な定義はありません。介護施設で提供されるサービスの内容も、施設ごとに異なります。

介護施設を調べる上でよく耳にする「老人ホーム」も、介護施設の一種です。介護施設が年齢を問わず、介護が必要な方のための施設全般を対象とするのに対し、老人ホームは主に高齢者向けの施設を指します。

なおこのコラムでは、老人ホームを含めた「高齢者向けの介護施設」を中心にご紹介します。

大別すると「民間施設」と「公的施設」がある

介護施設の運営は、「民間」と「公的」の2つに大きく分けられます。
それぞれの特徴は、以下の通りです。

民間施設
・民間企業が運営している
・サービスの種類が充実している
公的施設
・自治体や医療法人が運営している
・民間施設に比べて費用が安い

民間・公的施設の種類や詳細は「介護施設の種類ごとの特徴」にて後述します。

2.介護施設の主な種類|入居条件・費用の一覧表

民間・公的の介護施設は主に11種類あり、それぞれの施設には入居するための条件が設けられています。入居条件には入居希望者の健康状態が特に関係し、健康状態は「自立」「要支援」「要介護」の3つに大別されます。

自立…介護サービスを必要としない状態
要支援(1~2)…日常生活の中で、多少の支援が必要な状態
要介護(1~5)…日常生活全般で、介護が必要な状態
(数字が大きいほど、程度が重い)

介護施設の主な種類と入居条件、費用の目安は、以下を参考になさってください。

【介護施設の主な種類一覧表】
×…不可 △…状況に応じて可 〇…可
名称 入居条件 月額費用目安
民間施設 要支援1~2 要介護1~2 要介護3~5
民間施設 介護付き有料老人ホーム 15~30万円
住宅型有料老人ホーム 15~30万円
健康型有料老人ホーム × × 10~40万円
グループホーム × △※1 15~20万円
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住) 10~30万円
シニア向け分譲マンション 10~30万円
公的施設 特別養護老人ホーム(特養) × × 5~15万円
介護老人保健施設 × × 8~14万円
介護医療院 × × 10~15万円
軽費老人ホーム
(ケアハウス)
〇※2 〇※2 10~30万円
養護老人ホーム 0~14万円

※1:要支援2から入居可能
※2:介護型ケアハウスの場合

3.【条件別】介護施設の種類、選び方

多くの種類がある介護施設の中から、自分やご家族に最適な場所を選ぶためにはどうしたらよいのでしょうか。
ここでは、条件別に見る介護施設の種類と、選び方のポイントをご紹介します。

自立している方向けか、要介護(要支援)の方向けか

介護施設には「支援が必要な人のための施設」や「介護が必要な人のための施設」、「どのような状態の人でも受け入れる施設」などがあります。まずは前項の表を参考に、健康状態に見合う施設をピックアップしましょう。

例えば、自立型の人も受け入れている介護施設は以下の通りです。

【民間施設】
・住宅型有料老人ホーム
・健康型有料老人ホーム
・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
・シニア向け分譲マンション

【公的施設】
・軽費老人ホーム(ケアハウス)
・養護老人ホーム

自立した人向けの施設の中には、介護が必要になった時に退去しなければならないところもあります。ある日突然介護が必要になるかもしれないことを想定し、「健康状態が悪化した場合でも利用し続けられるかどうか」「退去することになったら次の施設はどこにするか」も含めて考えることが大切です。

入所か通所か

介護施設に短期、もしくは長期的に住むことを「入所」といい、特別養護老人ホーム(特養)やグループホームなどが該当します。

一方、日帰りで介護サービスを受けることを「通所(デイサービス)」といい、独立した通所施設や、入所施設に併設されているものがあります。通所は、「要介護認定を受けているけれど自宅で暮らしたい」といた利用者や、「家での介護負担を軽減したい」「入所待ちの間に利用したい」といったご家族の希望を叶える目的で利用されることが多いようです。

どのような生活を送りたいかをポイントに、利用者本人の希望はもちろん、ご家族の状況も踏まえて、よく話し合いながら決めましょう。

認知症の方を受け入れているか

厚生労働省によると、2040年には高齢者の6.7人に1人が認知症になると推計されており、
認知症は誰にとっても身近な問題となりつつあります。介護施設を探す際は「認知症の人を受け入れているか」「入所中に認知症になっても引き続き受け入れ可能か」をチェックすることも大切です。

認知症高齢者も可とする主な介護施設は以下の通りです。

【民間施設】
・介護付き有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム
・サービス付き高齢者向け住宅
・グループホーム

【公的施設】
・特別養護老人ホーム(特養)
・介護老人保健施設(老健)
・介護医療院

認知症の受け入れを行っている施設を選ぶことにより、ご家族の将来の不安を軽減することもできるでしょう。

介護保険の適用ができるか

介護保険とは、介護保険料を支払うことで支援や介護にかかる費用の一部が助成される制度です。介護施設の主な種類一覧表にあるように、介護施設の利用は毎月大きな出費を伴います。そこで利用したいのが「介護保険」ですが、すべての施設で適用されるわけではありません。

介護保険が適用となる介護施設を、以下に挙げました。

【民間施設】
・介護付き有料老人ホーム
・住宅型有料老人ホーム(外部による介護サービスを利用した場合)
・サービス付き高齢者向け住宅(特定施設として認められている施設の場合)
・グループホーム

【公的施設】
・特別養護老人ホーム(特養)
・介護老人保健施設(老健)
・介護医療院
・軽費老人ホーム(ケアハウス)

介護保険を利用できる施設では、食事、排泄、入浴の介助や、安否確認といったサービスが受けられます。利用者の自己負担は、所得に応じて1~2割程度になります。費用負担をなるべく抑えたい方は、介護保険が適用となる施設を探してみるとよいでしょう。

「看取り」ができるかどうか

介護施設における「看取り」とは、介護を行いながら利用者が亡くなるまで見守ることを指します。看取りのできない施設では、終末期(回復の余地がなく、余命わずかと判断された状態)を迎えた方の退去をお願いすることになります。最期まで同じ環境で過ごすことを希望する方は、看取り対応している介護施設を選ぶことが大切です。

なお、看取りと混同されやすい言葉に「緩和ケア」や「ターミナルケア」がありますが、どちらも死期の近い人に対する医療的なケアであり、医療行為や治療を施さない看取りとは異なります。

4.介護施設の種類ごとの特徴

介護施設の種類ごとの特徴

ここからは、民間施設と公的施設それぞれの代表的な施設について、特徴をご紹介します。

民間施設

民間企業によって運営されている民間の介護施設は、公的に比べて費用が高額になりがちですが、充実したサービスがあり、自分の生活スタイルにあった施設が選びやすいのが特徴です。
民間の各介護施設の詳細をご紹介します。

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、看護・介護のスタッフが常に常駐しており、必要なサービスが24時間受けられる施設です。要介護1~5までの方が対象ですが、自立している方や要支援の方を受け入れている施設もあります。

「万全な医療体制に特化している」「ペットと暮らせる」「高級感のある日常を体験できる」など、サービスのバリエーションが豊富なことも介護付き有料老人ホームの特徴です。サービスが充実している施設では、月額費用が100万円を超えることもあるようです。

介護付き有料老人ホームでは、月額費用に含まれる「介護サービス費」が介護度ごとの定額制となっています。介護サービスをたくさん受けても金額が変わらないため安心感がある一方、介護をそれほど必要としない人にとっては割高に感じるかもしれません。

【介護付き有料老人ホームまとめ】
特徴
・24時間の介護サービスを受けることができる
・その他のサービスも充実している
対象利用者
要介護1~5(自立や要支援を受け入れているところもある)
月額費用
15~30万円(施設により異なる)
メリット
・24時間体制なので安心できる
・料金は介護度による定額制であるため、積極的に利用できる
デメリット
介護をさほど必要としない人には割高

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、自立、要支援、要介護に関わらず、60歳以上の高齢者を受け入れる施設です。介護スタッフは常駐していないため、必要な介護サービスは外部から提供されます。また、利用した介護サービスに応じて料金が都度発生する点が、介護付き有料老人ホームとの大きな違いです。

介護保険を利用することができますが、介護料金は定額制ではないため、介護を多く必要とする方にとっては負担が大きくなる可能性があります。また、住宅型有料老人ホームから直接受けたサービスには介護保険が適用されないため、注意が必要です。

【住宅型有料老人ホームまとめ】
特徴
・幅広い利用者を受け入れている
・介護サービスは外部のものを利用
対象利用者
自立、要支援、要介護すべて
月額費用
15~30万円(施設により異なる)
メリット
・必要に応じたサービス分の料金を支払うので、介護度が軽い人には負担が少ない
・施設の充実度は介護付き有料老人ホームと同程度であることが多い
デメリット
・夜間の急な対応ができないこともある
・要介護度が重いと住み続けることが難しい

健康型有料老人ホーム

健康型有料老人ホームは、基本的に介護を必要としない自立した高齢者のみを対象とする施設です。

健康型有料老人ホームでは、施設スタッフによる見守りや食事、掃除などの日常生活のサポートが提供され、施設内には図書館やシアタールーム、スポーツジムなど充実した時間を過ごすことができる設備が整っています。シニアライフを安心・快適に楽しむ方向けと考えるとよいでしょう。

月額利用料は介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームと比べて高い傾向にあり、特に入居時に支払う初期費用が1億円を超えるところもあるようです。

自立した人が入所する場所ですので、日常的な医療ケアが必要になったり、要介護状態になったりすると退去となります。

【健康型有料老人ホームまとめ】
特徴
・シニアライフを満喫するための施設
・介護や医療ケアのサービスはない
対象利用者
自立
月額費用
10~40万円(施設により異なる)
メリット
施設内でさまざまな種類のレクリエーションや設備を楽しめる
デメリット
・要介護状態になると退去
・初期費用や利用料が高い

グループホーム

グループホームは、認知症の高齢者に特化した施設です。認知症の進行の抑制と機能維持を目的としており、入居者は最大9名の小規模な施設内で家事などの役割を分担しながら共同生活を行います。

グループホームに入居できるのは、要支援2~要介護5までのうち認知症の診断を受け、かつ、グループホームのある地域に住民票を持つ人です。認知症の知識のある専門スタッフが常駐していますが、看護師の配置は義務づけられていないため、医療処置を受けられるかどうかは施設ごとに異なります。

日常的な医療ケアが必要になったときは退去せざるを得なくなるケースもあることに留意しましょう。

【グループホームまとめ】
特徴
・認知症に特化した施設
・認知症の専門スタッフがいる
対象利用者
要支援2~要介護5までのうち、認知症診断を受け、施設のある地域に住民票を持つ人
月額費用
15~20万円(施設により異なる)
メリット
・認知症の進行抑制が期待できる
・住み慣れた地域で暮らせる
デメリット
・入居条件が限定されている
・日常的な医療ケアが必要になった場合や認知症による迷惑行為が目立つ場合は退去の可能性も

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サービス付き高齢者向け住宅とは、バリアフリー設備が整っている高齢者向けの賃貸住宅です。サ高住には自立した人から介護が必要な人まで利用できる「一般型」と、要介護者が主な対象である「介護型」があります。

住宅内では安否確認と生活相談を受けられ、自身の健康状態によって「生活支援」「身体介護」「リハビリ」「医療行為」「レクリエーション」「看取り」などのオプションを有料でつけることができます。自宅で暮らしつつ、必要なサービスを受けられる点が魅力です。

【サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)まとめ】
特徴
バリアフリーに特化した高齢者向けの賃貸住宅
対象利用者
一般形/自立~要介護まで可
介護型/要介護が基本
月額費用
10~30万円(施設により異なる)
メリット
・住宅に居ながらサービスが受けられる
・生活の自由度が高い
デメリット
・家賃が高額になることも
・有料老人ホームよりも夜間の見守り体制が希薄
・認知症が進行したり介護度が上がったりすると住めなくなることも

 シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションとは、高齢者が暮らしやすいようなバリアフリーが整えられた分譲型マンションです。

入居対象者は基本的に自立した高齢者ですが、要介護でも問題ないとするところもあります。しかし、受けられるサービスの種類は見守りや日常的な家事のサポートのみで、介護サービスは提供されていません。介護サービスが必要な場合は、外部の業者と契約を結ぶ必要があります。

購入費用には数千万~数億円がかかりますが、購入したマンションは自分の資産に含むことができます。入院や別の介護施設への移転などで入居が難しくなった場合でも、売却ができるのは大きな強みです。

【シニア向け分譲マンションまとめ】
特徴
バリアフリーに特化した高齢者向けの分譲マンション
対象利用者
基本的に自立
月額費用
10~30万円(施設により異なる)
メリット
・住宅に居ながらサービスが受けられる
・資産形成が可能
デメリット
・高い購入費用がかかる
・要介護度が重くなると住み続けられなくなることも

公的施設

公的な介護施設は、医療法人、社会福祉法人、地方自治体などによって運営されています。
公的施設の種類と特徴は、以下の通りです。

特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホームは、自宅で生活を送ることが難しい要介護状態の高齢者が入居する介護施設です。特養は看護師の常駐が義務付けられていないため、条件を満たしていても24時間体制の医療サポートを希望する方は受け入れられない場合もあります。

介護サービスは24時間受けることができ、民間よりも費用が安いのが特徴です。人気が常に高く、待機人数も他の施設と比べると多い傾向にあるため、入居が決まるまでは他の介護施設を一時的に利用するなどの対応が求められます。

【特別養護老人ホーム(特養)まとめ】
特徴
24時間介護サービスが受けられる施設
対象利用者
・65歳以上で要介護3以上
・40~64歳で特定疾病が認められた要介護3以上
・要介護1~2で、日常生活が困難だと判断されるなどの特別な事情により入居が許可された場合
のいずれか
月額費用
5~15万円(施設により異なる)
メリット
・民間施設に比べて費用が安い
・24時間介護が受けられる
・終身にわたって入居でき、転居の心配がない
デメリット
・入居条件が厳しい
・入居待機者数が多い

介護老人保健施設(老健)

入院を終えても自宅での生活が不安な高齢者のために、自宅復帰を目標としたリハビリを行う施設が介護老人保険施設です。要介護1以上の高齢者であることが条件で、入居は原則3~6ヶ月ほどと決まっています。

老健では、看護師による医療ケアや、食事・排泄・入浴などの基本的な介護、そして自宅に戻るためのリハビリがメインです。一般的な介護施設では入居時に初期費用がかかりますが、介護老人保険施設ではかからないというのも大きな特徴です。そのため、特別養護老人ホームの入居待機中に利用する方もいます。

【介護老人保健施設(老健)まとめ】
特徴
在宅復帰を目指すための短期介護施設
対象利用者
要介護1以上の高齢者
月額費用
8~14万円(施設により異なる)
メリット
・在宅復帰に向けての手厚いサポートを受けられる
・初期費用がかからない
デメリット
・入居期間が限定
・レクリエーションやイベントは少なめ

介護医療院

介護医療院は、2024年3月に廃止された「介護療養型医療施設(介護療養型病床)」の転換先として新設された施設であるため、聞きなじみのない方も多いでしょう。要介護1~5までの人を対象に、医療ケアが充実しているのが特徴です。医師や看護師が常駐しており、他の介護施設では行えない痰(たん)の吸引や経管栄養といった処置や看取りも行えます。

介護保険を利用することができるので、医療的ケアを中心に介護してほしい方や費用面を気にする方などにはおすすめです。

【介護医療院まとめ】
特徴
医療ケアが充実した介護施設
対象利用者
要介護1~5
月額費用
10~15万円(施設により異なる)
メリット
・医療体制が万全なため、安心感が高い
・他の介護施設ができない医療処置が可能
デメリット
相部屋が多く、プライバシーが完全に守られにくい

 軽費老人ホーム(ケアハウス)

軽費老人ホームは身寄りがない方、経済的に困難な状況である高齢者を支える施設です。自立向けの「一般型」と、要介護向けの「介護型」の2種類があります。

一般型の軽費老人ホームでは、基本的に家事などの生活支援を受けることができ、介護が必要になった場合は外部の介護サービスを利用します。ただし、施設によっては要介護状態になると退去を求められることもあります。一方、介護型の軽費老人ホームは、介護度が重くなっても住み続けることができ、生活支援のほか、介護サービスを受けることも可能です。

軽費老人ホームは、利用者の所得や介護度に応じて利用料が変わるため、経済的に困窮している方でも安心して利用できるメリットがあります。そのぶん、入居待機者が多いことや、設備に物足りなさを感じることなどがデメリットとして挙げられます。

【軽費老人ホーム(ケアハウス)まとめ】
特徴
低所得高齢者向けの福祉施設
対象利用者
一般型:60歳以上
介護型:要介護1~5の高齢者
月額費用
10~30万円(所得に応じる)
メリット
経済的に困窮していても利用できる
デメリット
・入居待ちが多い傾向にある
・設備が不十分な場合もある

 養護老人ホーム

自立しているものの、環境的・経済的な理由で自宅での生活が難しい高齢者を養護するための施設です。介護サービスはなく、社会復帰ができるように食事の提供や健康管理などのサポートが行われます。特別養護老人ホーム(特養)と名前が似ていますが、「対象が自立である」「介護サービスは基本的にない」という点で大きく異なります。

養護老人ホームの入居条件は、65歳以上の高齢者であり、環境的・経済的な理由で困窮していることです。困っている人を養護するのが目的ですから、契約して入居する他の施設と違い、市区町村が調査を行い必要と判断された場合に「措置」として入所が決まります。

【養護老人ホームまとめ】
特徴
自宅での生活が難しい困窮者向け高齢者施設
対象利用者
65歳以上で市区町村により入所が必要と判断された者
月額費用
0~14万円(施設により異なる)
メリット
・社会復帰に向けてのサポートが期待できる
・前年度の所得に応じて費用が決まるが、状況によっては免除されることもある
デメリット
・誰でも入居できるわけではない
・介護ケアやライフスタイルを充実させるための施設はない
・介護度が重くなると転居を求められることも

5.【要望別】おすすめの介護施設

【要望別】おすすめの介護施設

介護施設を決めるにあたっては、ご本人やご家族の重要視している要望を叶えられるかどうかも大切です。
最後に、ご本人やご家族の要望別に、おすすめの介護施設をご紹介します。このほかにも叶えたい希望があれば、自治体の相談窓口や詳しい機関に相談してみるのもよいでしょう。

認知症の進行を緩やかにしたい

認知症の方を受け入れている介護施設は限られていますが、その中でも共同生活を送れたり、コミュニケーションが活発な施設を選んだりすることで、認知症の進行を緩やかにすることが期待できます。

グループホームは、認知症の進行を緩やかにするために特におすすめの施設です。可能な限り日常の活動を自立して行うことが推奨されるため、生活に必要な力を維持しやすいメリットがあります。

グループホーム以外にも認知症患者を受け入れている施設はありますが、「認知症に詳しい専門知識を持つスタッフがいるか」「認知機能トレーニングや運動が行えるか」に注目して選ぶとよいでしょう。

“おひとりさま” でも安心して暮らしたい

家族と離別や死別して、「もしも病気で突然倒れたらどうしよう」「いざ介護が必要となったら誰を頼ればよいのだろう」と不安になる方も多くいらっしゃいます。介護が今現在必要ない状態であったとしても、安心して暮らすために、以下のような早くから入れる介護施設への入所を検討するのもひとつの方法です。

住宅型有料老人ホーム
健康型有料老人ホーム
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
シニア向け分譲マンション

看取りまでしっかりと行ってほしい

看取りができる介護施設は、厚生労働省が定める要件を満たしているところに限定されます。介護医療院では全ての施設で確実に看取り対応を行ってもらえるため、看取ってもらうことを重要視する方にはおすすめです。

介護医療院以外にも、施設によっては看取りを可能とするところもあります。以下の情報を元にサービスの内容や費用面などで総合的に判断するとよいでしょう。

看取り対応を行っている、もしくは看取り対応することもある介護施設は、以下の通りです。同じ種類の施設でも、看取り対応の有無やサービスの内容が異なる場合があるため、施設選択の際は、具体的な看取り対応の内容や体制を直接確認することが重要です。

【民間施設】
介護付き有料老人ホーム
住宅型有料老人ホーム

【公的施設】
特別養護老人ホーム(特養)
介護老人保健施設(老健)
・介護医療院

6.介護施設の種類を把握して安心な老後を|ご相談は花葬儀まで

介護施設の種類は多く、それぞれがどのような特徴を持っているのかを把握するのはとても大変です。しかし、いずれはご自身やご家族が安心に過ごすための大切な場所となるでしょうから、積極的に情報を集めることが求められます。

介護施設に関するご相談は、弊社「花葬儀」にぜひおまかせください。花葬儀は高齢者が安心して暮らせる街づくりにも共感しており、介護に関するご相談や介護施設のご紹介を中立的な立場で行っております。「介護施設について何から調べたらよいのかわからない」といったお悩みや、漠然とした不安も、喜んでおうかがいします。

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