終活は50代からがおすすめ~ノート活用&断捨離で希望を整理しよう

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終活は50代からがおすすめ~ノート活用&断捨離で希望を整理しよう

「終活は50代からがおすすめ」というタイトルを見て、ドキッとした人もいらっしゃるのではないでしょうか。

「終活」は、人生の最期を迎えるための準備ですから、「人生100年時代」と語られる現代では、早すぎると感じるかもしれません。それではなぜ、50代からの終活がおすすめなのでしょうか。

今回は、終活を50代で始めるメリットや、50代の終活で必要なことなどを詳しくご紹介します。限りある人生をより豊かに過ごすための一助となれば幸いです。

1.終活、50代は早すぎる?終活を始める時期とは?

終活を始める時期は、仕事や子どもから手が離れた後と考えられがちですが、実際はいつがベストなのでしょうか。
ここでは、終活の時期に関するアンケート結果や、終活を始める最適なタイミングについて解説します。

終活を始めたいのは「60代」、終活の意向ありは「30代」がトップ

インターネットリサーチを運営する楽天インサイト株式会社のアンケートでは、終活の意向は「30代」が最も高い結果になりました。

終活をする(したい)理由としては、全世代を通じて「家族に迷惑をかけたくないから」が最も多く挙げられましたが、「病気や介護、死後に備えるため」といった他の理由も多い50代~60代に対し、20代~30代では「自分の人生の終わり方は自分で決めたいから」という意見が目立ちました。

「終活」をする意向がありますか(年代別)

「終活」をする意向がありますか(年代別)
出典:『「終活」をする意向が最も高いのは30代。実際に始めたい年齢は「60代」がトップ』終活に関する調査(2019年5月27日掲載)
調査主体:楽天インサイト株式会社
調査期間:2019年4月10日(水)~2019年4月11日(木)
調査地域・対象:全国/20歳から69歳の男女1,000人
URL:https://insight.rakuten.co.jp/report/20190527/

かつては高齢者が行うものというイメージが強かった終活ですが、最近では「自分らしく最後まで生きるための活動」として、若い世代にも関心が広がっているようです。

平均寿命の長い女性は特に早めの終活が吉

2022年に厚生労働省が発表した「日本人男女の平均寿命」によると、男性は「81.05歳」、女性は「87.09歳」と、女性の平均寿命の方が6歳以上長いことが明らかになっています。このことは、女性が長い老後を経済的、精神的に支える準備を、男性よりもさらに入念に行う必要があることを示唆しています。

早期に終活を始めることで、退職後の生活資金の計画や、介護が必要になった際の対策を立てやすくなるでしょう。

終活を始めるのに最適なタイミングは?

終活を始める最適なタイミングには、個人差があります。しかし、終活には多くの手続きや重要な判断が伴うため、体力や気力が充実している時期に取り組むことが一般的に望ましいでしょう。

終活は、歳を重ねたことによる環境や体調の変化をきっかけに始める人が多いようですが、それでは遅いこともあります。

たとえば、60代になると、軽度のものを含む認知症発症リスクが高まるというデータがあります。そのため「終活は60代から始めるものだ」と漠然と考えていると、満足に取り組めない恐れがあるのです。

なお、実際に終活を始めた人たちのきっかけには、次のようなものがあります。

【終活を始めたきっかけ】
・体が衰え、自分が高齢になったと感じたから
・病気になり、今後のことを考えなければならなくなったから
・配偶者と死別したから
・お葬式に参列し、死後のことを考えるようになったから
・定年退職し、子どもも独立したから

若々しく健康な人でも急に病気になったり、配偶者を亡くしてしまったりする可能性は十分あります。そう考えると、終活が「遅すぎる」ことはあっても「早すぎる」ことはなく、むしろ「遅すぎる」ことは問題となり得ます。そのため、思い立ったなら年代を問わず、早いうちから始めるのが最適といえるでしょう。

2.終活を「50代」から始めるメリット

終活を50代から始めることのメリットを3つ、ここから詳しくご紹介します。

体力・気力や判断力が十分あり進めやすい

50代は体の不調が気になり始める年代ですが、60代や70代に比べると、まだまだ体力や気力、判断力には余裕があります。また、年齢を重ねれば重ねるほど、健康面や資金面における見直しが難しくなります。

しかし、元気なうちから計画的に終活を進めることができれば、残りの人生を思い切り楽しむ余裕も生まれやすくなるでしょう。

セカンドライフの計画を立てやすい

「人生100年時代」とは、100歳まで生きることが当たり前の世の中になるという、イギリスの学者が提唱した言葉です。人間の平均寿命は医療技術の進歩により延びており、今後、100歳まで生きることが当たり前の時代になるかもしれません。

この時代観を踏まえると、60代で定年退職をした後、約40年間がセカンドライフとなります。50代のうちに人生の前半を今振り返ることで「残り約50年でやりたいこと」が明確になり、第二の人生の計画が立てやすくなるのもメリットです。

資金の使い方に優先順位をつけやすい

定年退職後は、金銭面の不安を抱きやすくなりがちです。せっかく好きなことに時間を割けるようになっても、「お金がないから我慢しよう」という状況では、充実したセカンドライフは難しくなってしまいます。

収入のある50代のうちからお金の使い方を見直し、お金の使い方に優先順位をつけておけば、老後のお金の悩みを軽減し、ひいては精神的豊かさにもつながります。

3.50代からの終活でしておくと安心なこと5選

50代からの終活では、どのようなことを進めておくとよいのでしょうか。
特におすすめしたい項目を5つご紹介します。

医療・介護に関する希望まとめ

多くの場合、健康なまま亡くなることは無いものです。加齢により介護施設に入ったり、特別な治療が必要になったりすることもあるでしょう。

将来的に、自分で自分の意思を伝えられなくなる可能性も考慮して、「どういった治療を求めるのか」「どういった施設にお世話になりたいか」などの希望をまとめておくと安心です。

不用品の処分(断捨離)

終活について「何から手をつければいいのかわからない」とお悩みの方は、まずは家の中の断捨離から始めることをおすすめします。

自分の死後、持ち物(家具、衣類、趣味の道具など)はご家族が整理をしなくてはなりませんが、処分には、体力的・金銭的に大きな負担が伴います。

また、体力のある50代のうちに、本当に残したいもの、そうでないものを自分の意思で仕分けることで、自分自身を見つめ直す時間が増え、セカンドライフの目標や計画が立てやすくなります。

不要品を売ったり無駄な買い物を控えたりすることで、節約にも繋がります。部屋がきれいになることで気持ちがすっきりし、生活の質も向上するといった効果も期待できるでしょう。

終活の断捨離の方法や、スムーズに進めるためのコツは、「終活は断捨離から?メリットや不要なものの処分方法も解説」を参考になさってください。

身の回りの整理・生活空間の改善

不用品の処分をある程度済ませたら、身の回りの整理を行い、生活空間を改善していきましょう。
こちらでは、具体的な内容をご紹介します。

自分以外の人にも「住み心地がよい」と思われる家を目指そう

整理整頓には、下記のように多くのメリットがあります。

身の回りの整理・生活空間の改善

生活空間の改善は、老後も快適な日々を送っていくためにも重要ですので、終活を機会にぜひ取り組んでみてください。

年賀状終いをする人も

身の回りの整理には、物だけでなく、人間関係を見直すことも含まれます。例えば、「今後も付き合っていく人だけを残し、連絡帳を整理する」「年賀状終いをする」などです。

終活での年賀状終いは「終活年賀状」とも呼ばれます。「今回をもって年賀状を送ることを最後とします」と伝える年賀状を送り、年賀状をやめることを意味します。

年賀状終いをすることで、毎年の手間や費用がかからなくなる他、「誰とどのような付き合い方をしていきたいのか」を見直し、より親密な交流を図ることが可能となります。整理したあとは、「自分の葬儀に呼んでほしい人」の名前と連絡先を、ご家族に残すのもよいでしょう。

ただし、年賀状終いは絶縁を意味すると勘違いされるリスクがあるため、注意が必用です。終活における年賀状終いの上手な書き方は「終活年賀状のメリット、失礼のない書き方」を参考になさってください。

デジタル遺品の把握も大切

「デジタル遺品」とは、亡くなった人のパソコンやスマートフォンに残っているデータを指します。他にも、下記のようなものもデジタル遺品に含まれます。

・SNSやブログ、メールの内容
・外付けHDD、USB内のデータ
・電子マネー、ネット銀行の情報
・サブスクリプションサービスのアカウントなど

デジタル遺品の多くはパスワードを使って管理しているため、第三者がロックを解除できず、本人の死後にデジタル遺品の確認や処分、解約ができないケースが増えています。デジタル遺品に何があるかを把握しておき、見られたくないものは消去しておきましょう。必要に応じて、IDとパスワードを残せるようまとめておくことも大切です。

資産管理・相続準備

終活を意識する多くの年代が「終活でやるべきこと」として真っ先に挙げるのが「資産管理」です。資産とは、不動産や預金、株式といったプラスのものだけではなく、借金などの負債も含まれ、どちらも相続の対象(※)となります。

自分の資産を全て把握し、金融口座が複数ある場合はなるべくまとめておくと、管理が楽になり、遺産を受け取る家族の負担も軽くなります。

自分が遺す資産(遺産)は、家族が揉める原因になりがちですから、遺言書を作成するなどして相続に備えておくことも重要です。

※ご遺族が相続を放棄する選択肢もあります。

葬儀やお墓の準備

お葬式やお墓の用意は大きな金銭的・体力的な負担を要するため、葬儀の形態やお墓の希望があれば早めに準備しておきましょう。

最も確実なのは、葬儀社に事前相談をすることです。必要なものや費用についての情報があれば、もしもの時に向けてより計画的に準備を進めることができます。

また、葬儀ではご自身の顔写真(遺影)が必要ですから、不本意なものが選ばれないよう、自分で用意しておくこともおすすめです。

4.50代からの終活には「エンディングノート」がおすすめ

50代からの終活には「エンディングノート」がおすすめ

終活は考えること、決めることが多く、まとめるのも一苦労です。そこで活用したいのが「エンディングノート」です。

エンディングノートとは、先ほどご紹介したような「資産」「医療」「葬儀」「相続」などの情報や希望をまとめて記録できるノートのことです。書店や文房具店で購入できるほか、オンラインでダウンロードできるものもあります。

エンディングノートがあれば、終活で検討すべき項目が一つにまとめられているため、考える際の手助けになります。また、定期的に見返すことで、変更や気づきがあるたびに直したり付け足したりができる点も大きな魅力です。

5.終活を50代で始めるときの注意点

ここまで、50代で終活を始めることのメリットなどをご紹介してきましたが、この時期に始めるからこその注意点もあります。

家族とコミュニケーションを取りながら進める

家族間で話し合いを持つことで、予期せぬトラブルや意見の対立を避けることができます。自分の希望をしっかりと伝えておくことで、ご家族が決断をするときの精神的な負担も軽くなるはずです。

また、終活で身の回りの物を整理する際には、「うっかり家族の大切なものも処分してしまった」というトラブルが起こることもあります。終活はひとりで始めず、まずはご家族と終活についてよく話し合い、コミュニケーションをとりながら進めるようにしましょう。

終活を機に、健康状態も把握しておく

「今は元気だから」と、健康面を考慮せずにライフプランを立てるのは危険です。年を取ってから怪我や病気になっても問題ないよう、ある程度余裕を持たせておきましょう。

健康状態は、セカンドライフに大きな影響を与えます。大きな病を患ってしまってはせっかく立てた計画も台無しになってしまいますから、終活を機に自分の健康状態を把握し、生活改善や定期的な健康診断を受けるなどして、予防に努めることも大切です。

エンディングノートや遺言書は定期的に見直し・更新する

50代では、老後についての考え方や予見通しがはっきりしていない方も多いはずです。ライフプランを立てた後に家庭環境や経済状況が大きく変化したり、医療や年金、税、その他制度や法律が変わったりすることもあります。

終活で作ったエンディングノートは、定期的に見直す癖をつけ、必要に合わせて更新しましょう。

6.終活は50代から|まずはミニマリストを目指してみよう

終活を50代から始めることについておすすめいたしましたが、まだ若いうちから人生の幕引きに向けて動き始めるのは抵抗があるという人も多いでしょう。

そのような場合は、まずミニマリストを目指してみてはいかがでしょうか。ミニマリストとは、生活から無駄なものを排除し、自分が大事にしていることに集中する人やライフスタイルを指します。人生の最期のための「終活」と気負わず、心の豊かさに繋がるミニマリストを目指すことで、自然とセカンドライフへの要望や考えがまとまるかもしれません。

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2023年8月掲載の「婦人公論」では、後悔のない最期のために、いつか来る日に向けて「自分のための終活」の中で、花葬儀のオリジナル花祭壇をご紹介しています。こちらの記事もぜひ合わせてご覧ください。

「自分らしいお葬式にしたいけれど? その人をイメージした花で飾るオリジナル花祭壇」
出典:後悔のない最期のために、いつか来る日に向けて「自分のための終活」(2023年8月12日掲載)
出典元:婦人公論.jp
URL:https://fujinkoron.jp/articles/-/9241?page=3

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