終活とは?まわりはいつから始めている?「まず取り掛かること」やメリットを詳細解説

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「終活」という言葉をよく聞くようになりましたが、「いつから始めるべきか」「具体的に何をすべきか」について、疑問を持つ方も多いようです。「終活」という漢字から、「人生の終わりが見えてから始める活動」だと誤解されがちですが、実際にはそうではありません。

そこで今回は、終活とはいつから始められているのか、何から手をつけるべきかなどについて、詳しく解説します。終活に関心のある方や、これから終活を始めようと考えている方は、ぜひ参考になさってください。

1.「終活」とはそもそもどのような活動?

「終活」とは、「人生の終わりに向けた活動」の略語であり、人生の最終段階に備えて行う活動を指します。

具体的には、身の回りの品々や財産の整理、葬儀やお墓についての希望の明確化、介護・医療についての意向表示など多岐にわたります。エンディングノートの作成も終活の一環とされており、特に近年、多くの人が取り組むようになってきました。

2.終活をすることのメリット

終活をすることは、多くのメリットをもたらします。これらのメリットは、終活をする本人だけでなく、そのご家族にも及びます。

本人とご家族それぞれにとっての終活のメリットを以下の表にまとめましたので、参考になさってください。

本人にとっての
メリット
・終活について十分に準備し、検討できる
・健康なうちから考えることで、正確な判断ができる
・残された人生について考えることで、人生が充実する
・自分自身の気持ちをしっかりと整理できる
・より納得できる最期を迎えることができる
ご家族にとっての
メリット
・本人ができることを前もって済ませておくことで、いざというときのご家族の負担が減る
・財産、介護、終末期医療や葬儀などについての本人の意向がわかり、ご家族の不安が軽減される

3.終活はいつから皆始めている?調査をもとに解説

多くの人は、いつから終活を始めているのでしょうか。終活を始めた動機も含めて、実際のデータをご紹介します。

実際に終活を始めたのは「60代」が最多

株式会社ユニクエストの調査では、すでに終活を行っている人に対して「実際にいつから終活を始めたか」を質問しました。その結果、「60代から」が69.4%と最も多く、次いで「70代から」が16.1%、「50代から」が9.7%となりました。この結果から、特に60代の方々が終活を意識し、実際に始めるケースが多いことが示されています。

アンケート概要

【アンケート概要】
・調査主体:株式会社ユニクエスト
・調査対象期間:2021年6月2日(水)~2021年6月6日(日)
・調査対象:60代以上の男女521名
・調査方法:Webでアンケートを実施
https://digitalpr.jp/r/48913

終活を始めたきっかけ

株式会社ユニクエストの同調査によると、終活を始めようと思ったきっかけは、多い順に下記の結果になりました。

・自分のことは自分でしたいから:57.1%
・子供に迷惑をかけたくないから:54.6%
・人生を振り返って整理したかったから:45.4%

新型コロナの流行中に行われた調査でしたが、「新型コロナによる外出自粛で時間の余裕ができたから」「自分が新型コロナにかかる可能性が心配だから」は7%以下と少数にとどまりました。むしろ、「自分の人生を自らの手で整理したい」「家族に迷惑をかけたくない」という気持ちが、終活を始めるきっかけになっていることがわかります。

就活を始めようと思ったきっかけ

出典:https://digitalpr.jp/r/48913

4.終活はいつから始めるのがよい?ベストなタイミングは?

ご紹介したように、多くの人が60代に終活を始めることが多いようですが、終活を始める年齢やタイミングに決まりはありません。年齢にかかわらず「始めたい」「始められる」タイミングでスタートすれば問題ありません。

ただし、認知症や病気などで「判断能力が欠ける」と医師に診断されると、スムーズに終活を進めることが困難になったり、各種契約が結べなくなったりするため、注意が必要です。健康状態に不安を感じる前に、元気なうちから終活を始めることをおすすめします。

5.終活で取り組むべき6つのこと

終活にはさまざまな内容が含まれますが、ここでは、主に取り組むべき6つのテーマを表にまとめました。終活の大枠をつかむ参考になさってください。

テーマ 詳細
1 身辺整理
・大事なものと不用品を分け、不用品は処分(いわゆる「断捨離」)
・インターネット上の個人情報の整理
2 エンディングノート・遺言書の作成
・エンディングノートへの記載
・必要な場合は遺言書により、財産の相続先を明確にする
3 介護・医療に関する意思表示
・介護に関する自分の希望をご家族に伝える
・延命治療、終末期の意向について意思表示
4 財産の管理と整理
・預貯金や有価証券などの財産を、負債も含めて書き出して整理
・定期的な財産状況の見直し
5 葬儀の準備と契約・手続き
・葬儀の際に知らせてほしい人のリストを作成
・葬儀社の情報収集、費用の準備、契約
・遺影の準備
6 お墓、埋葬方法の検討・手続き
・お墓や埋葬方法について、希望する場所や値段などを調べる
・必要に応じて、購入・契約の手続きをする

それぞれのテーマの詳細については、「終活準備でやるべき6つのこと」でも解説しておりますので、あわせてご覧ください。

6.まず取り掛かるべきは「身辺整理」と「エンディングノート(終活アプリ)」

「終活を何から始めればよいかわからない」という声をよくお聞きしますが、まずは「身辺整理」と「エンディングノート」から取り掛かることをおすすめします。その理由について、以下にて詳しくご紹介します。

身辺整理でご家族・ご自身の将来的な負担を軽減

終活を始めるときには、まずは手軽に始められる身辺整理から取り掛かるとよいでしょう。自分の都合のいい時に、自分の判断で、自分のペースで進めることができるからです。

身辺整理には、不要な物を処分して必要な物だけを残す作業や、インターネット上の個人情報の整理なども含まれます。身辺整理により、日々の生活が快適になり、転倒などのリスクが予防できます。さらに、自分が亡くなった後に遺品整理をするご家族の負担を軽減できます。

なお、終活における不用品処分の手順やコツについてさらに知りたい場合は、「終活における断捨離」の記事にて詳しく解説しておりますので、そちらもご覧ください。

「エンディングノート(終活アプリ)」で終活ですべきことを把握

身辺整理と並行して取り組むこととして、エンディングノート(終活アプリ)への記載もおすすめです。

エンディングノート(終活アプリ)には、主に以下のことを記載します。

1. 個人情報:自分の基本情報など
2. 資産:預貯金、不動産、保険証券などの資産情報
3. 病気や介護に関する意向: 病気になった時の治療方針や介護の希望を明記する
4. 葬儀やお墓に関する希望: 葬儀の形式やお墓、埋葬方法など、自分の望む葬儀に関する詳細
5.ID・パスワード情報:利用しているネット銀行やオンライン証券、SNSなどの情報

これらの情報をエンディングノートや終活アプリに記録することで、自分の意志や必要な情報をご家族に伝え、万が一の事態に備えることが可能になります。また、これからの計画を整理するのにも役立ちます。

なお近年では、情報の更新や管理が容易で、スマートフォンなどで手軽に利用できる「終活アプリ」も注目されています。エンディングノートとあわせて活用しても効果的でしょう。

7.【年代別】いつから始めるかによる終活で優先して考えるテーマ

終活は、人生においていつから始めても有効です。しかし、それぞれの年代で、重要度の高いテーマは異なります。
こちらでは、年代別に優先すべきテーマを解説します。

【20~30代】万一に備え「医療」について考える

20代から30代の方々にとって、終活を通じて「医療」について考えることは、非常に重要です。

たとえ若くて元気であっても、予期せぬ事故や病気は誰にでも起こり得るため、もしもの際にご家族に大きな負担を招いてしまう可能性があります。医療や介護に関する意志を明確にしておくことは、自分自身やご家族の安心につながります。

【40代】親・子どもの将来をシミュレーション

40代の方には、自分の万が一に備えて、ご家族の将来をシミュレーションすることをおすすめします。具体的なシミュレーションを通して、保有資産の把握、見直しや、教育費、老後資金の準備状況を確認できます。

また、ご自身やご家族の将来を考えるだけでなく、ご両親の終活について話し合うきっかけにもなるでしょう。

【50代】断捨離・財産管理でセカンドライフを見据える

50代は役職定年や退職などが見え始める時期であり、セカンドライフに向けて心身の準備を進める絶好の機会です。この時期には、断捨離・財産管理を積極的に進めることが、非常に重要です。

不要なものを手放すだけでなく、自身の価値観や生き方を整理することで、より豊かなセカンドライフの基盤を築くことができます。また資産の形成・管理をすることで、老後の生活資金確保や新たな夢への挑戦など、次のステップに向けての金銭面での不安を減らし、選択肢を広げるのに役立つでしょう。

【60代】介護に対する希望を固め制度を把握

60代の終活では、介護に対する希望を固め、利用可能な制度を把握しておくことが重要です。

自宅での介護を希望するか、施設での介護を希望するかなど、自分の意向を明確にしておきましょう。在宅サービスや通所介護など、利用可能な介護サービスの種類や条件を知っておくことも、必要なときに適切なサポートを受けるために役立つはずです。

もしも介護施設の入居を検討するなら、入居先の候補をリストアップし、事前に見学や入居額の見積もりをもらうことをおすすめします。

【70代~】相続を見据え生前整理の集大成を

70代の終活では、生前整理の集大成を行います。下記のような項目について、計画的に進めていくとよいでしょう。

・エンディングノートや財産目録の作成
・遺言書の準備
・資産の整理
・不用品の処分
・葬儀やお墓の準備など
特に葬儀については、葬儀社の事前相談を利用することをおすすめします。具体的な葬儀形式や葬儀に招待する人など、細かな計画を考えておくと、希望に沿った形の葬儀を実現しやすいでしょう。

8.終活で知っておきたい!老後を支えてくれる「契約」制度

終活で知っておきたい!老後を支えてくれる「契約」制度

ここからは、老後を支えてくれるさまざまな契約制度について解説します。
これらの制度を終活で知っておくことで、将来への備えとなり、安心にもつながるでしょう。

見守り契約

見守り契約は、信頼できる人や専門家に、定期的なコミュニケーションや健康状態のチェックを依頼する契約です。郵便局や電気・水道事業者、警備会社など、さまざまな事業者によりサービスが提供されています。

将来的な判断能力の低下や緊急事態に備えて、特に一人暮らしをしている方が利用することが多いようです。

任意後見契約

任意後見契約は、認知症などにより自分が将来的に判断能力を失う可能性に備えて、信頼できる人を「任意後見人」として選び、自分の財産や日常生活に関する法律行為を代行してもらうための契約です。

「本人の判断能力が低下した際」に効力が生じるものであるため、本人の判断能力がまだしっかりしている段階では、財産管理などを代理することはできません。

財産管理委任契約

自分が財産を管理する能力を失った場合に備えて、代理人に財産の管理を任せる契約です。前項の任意後見契約と違い、判断能力の減退などがない場合でも利用できます。委任内容は、契約当事者間の合意で自由に設定でき、たとえば銀行取引や介護サービスの契約などを任せることも可能です。

ただし、あくまでも当事者間のみに法的拘束力を有する契約であるため、手続き先によっては対応してもらえない場合もある点に注意が必要です。

死後事務委任契約

死後事務委任契約は、自分が亡くなった後に必要となるさまざまな事務手続きを、生前に信頼できる第三者に委任するための契約です。具体的には、以下のような手続きを委任することができます。

・葬儀の手配
・遺品整理
・行政手続き
・未払い料金の清算
・デジタルアカウントの管理など

特に、親族がいない、または親族に負担をかけたくない人、自分と家族との希望が異なる人などに適しています。

民事信託(家族信託)

民事信託とは、自分の財産を信頼できる家族や第三者に託し、将来認知症になるなどで財産を管理できなくなった場合に備える制度です。委託者が自分の財産を受託者に移転し、受託者はその財産を委託者の利益のために管理・運用します。

認知症になると、自分の預金の引き出しが制限されたり、不動産の管理や処分が困難になったりすることがあります。民事信託を利用することで、これらのリスクから自己を守り、安心して将来に備えることが可能です。

9.終活について相談できる窓口は?

終活の相談には、セミナーなどのイベントに参加する方法と、対面や電話で相談する方法があります。開催主体には、自治体や民間の終活サービスがあります。

終活セミナーは、終活の基本的な知識を幅広く学べる機会になります。誰でも気軽に参加でき、費用も無料または安価である場合がほとんどです。しかし、専門的なテーマや個別の悩みがある場合などは、それぞれに適した相談先を選ぶ必要があります。

終活について相談する方法や費用に関して詳しく知りたい方は「終活の相談」で解説しておりますので、そちらをご覧ください。

10.終活は、思い立ったときに、いつからでも始めましょう。

終活は、いつから始めてもよいものです。終活をスムーズかつ心地よく進めるためには、心と体が健康なうちに始めることが大切です。そのため、取り組むのに「早すぎる」ということはなく、早く始めたほうが人生設計に役立ち、ご家族の安心にもつながります。思い立ったときから、ゆっくりと準備を始めてみてはいかがでしょうか。

弊社「花葬儀」では、葬儀に関するご相談を承るだけでなく、終活に関連するさまざまなサービスを提供しております。メンバーシップクラブ「リベントファミリー」にご加入いただいた方に対しては、お墓や埋葬方法のアドバイス、相続(遺言書作成など)、不動産の査定や売却、エンディングノートの書き方に至るまで、幅広くご支援させていただいております。

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