葬儀・告別式で喪主が行う挨拶のポイントは?具体的な例文も紹介

葬儀・告別式で喪主が行う挨拶のポイントは?

葬儀・告別式において、喪主様が果たす重要な役割のひとつに挨拶があります。喪主様の挨拶の言葉が参列者の心を打てば、忘れられない葬儀となることでしょう。

ただ、葬儀・告別式を取り仕切りながら挨拶の内容を考えることは簡単ではありません。いざというときに慌てないためにも、喪主様の挨拶について知っておくことは、とても大切なことです。

今回は葬儀・告別式で喪主様が挨拶を行うタイミングや挨拶を成功させるポイント、使ってはいけない言葉を解説するとともに、すぐに役立つ例文もご紹介します。

1.葬儀・告別式で喪主が挨拶するタイミングは?

葬儀・告別式で全体に対して喪主様が挨拶をするタイミングは、一般的に(1)告別式の出棺前、(2)精進落とし開会時、(3)精進落とし閉会時の3回です。

告別式では、たいてい出棺の直前に喪主様が全体に向けて挨拶を行います。また、火葬後は一同で精進落としの食事をします。精進落としは「故人様を偲び、僧侶や参列者に感謝やねぎらいの気持ちを示す会食の場」ですから、喪主様はこの会食の前後に「葬儀が無事に終了したことと参列してもらったことへの感謝の気持ち」を述べる挨拶をします。

ただし、葬儀の流れはそれぞれの地域や宗旨・宗派、葬儀形式よっても異なります。いつ、どのタイミングで挨拶をするべきかについては、事前の打ち合わせ時に確認しましょう。

※通夜で喪主が挨拶するタイミング、挨拶の例文などについては、こちらの記事が参考になります。

2.喪主の挨拶を成功させるポイントは?

喪主の挨拶を成功せるポイントは?

喪主様の挨拶を成功させるには、次にご紹介するポイントを意識するとよいでしょう。

短く簡潔にまとめる

喪主様の挨拶は、1~3分程度で収めるようにします。故人様について伝えたいことを長くなりすぎず、極端に短くもならない文章にまとめることが大切です。

自分のペースでゆっくり話す

大切な人を亡くしたばかりで冷静に挨拶をすることは、大変難しいものです。落ち込んでいるあまりに、つい早口になりがちですが、ゆっくりと自分のペースで話すように心がけます。

参列者や関係者の方々も、喪主様の心中を察して、優しい心で見守ってくれるでしょう。

不安なときはメモを用意する

日常では使わない言葉を使うこともあるため、不安な場合はメモを用意します。挨拶の文面をすべて暗記する必要はなく、メモを見ながら話しても失礼にはあたりません。

感謝の気持ちを伝えることが大切

喪主様は、故人様になり代わって参列者の方々などに感謝の気持ちをしっかり伝えることがもっとも大切です。

参列者が泣いたり、感動したりするような内容を意識する必要はありません。

3.喪主の挨拶で使ってはいけない言葉は?

弔事では使ってはいけない言葉があります。喪主様は、それらが挨拶文の中で使われていないかどうか、用意した原稿を確認してから挨拶に臨みましょう。

忌み言葉に気をつける

弔事では、縁起の悪さを連想させる「忌み言葉」を使わないようにします。以下に代表的な忌み言葉をご紹介します。日常でよく使う言葉も含まれているため注意してください。

不幸が重なることを連想させる重ね言葉

・ますます
・しばしば
・いよいよ
・またまた
・次々
・日々
・重ね重ね
・たびたび

不幸が続くことを連想させる言葉

・再び
・繰り返す
・再三再四
・引き続き

縁起の悪い言葉

・消える
・落ちる
・4(死)
・9(苦)

生死に関する直接的な表現の言葉

・死亡
・死ぬ
・急死
・生存
・生きる

忌み言葉を使わないよう、適切な表現で感謝の気持ちを伝えましょう。

宗教によって言葉に気をつける

仏式の葬儀の挨拶では使えても、神道式やキリスト教式などの葬儀の挨拶では使えない言葉があります。日本では、葬儀の多くが仏式ですが、他の宗教の葬儀の場合は、以下の点に気をつけましょう。

たとえば、「往生」「成仏」「供養」「冥福」などは仏教用語なので、他の宗教の葬儀では使えません。仏式の葬儀での「ご冥福をお祈りいたします」は、キリスト教式の葬儀では「安らかなお眠りをお祈りいたします」などの表現にすることが必要です。

なお、喪主様が挨拶文を作成する際は、行われる葬儀の宗教・宗派を事前に確認することをおすすめします。心配な場合は、挨拶文を葬儀社に確認してもらうとよいでしょう。

4.告別式の出棺前の喪主挨拶の例文

告別式の出棺前の喪主挨拶の例文

告別式では出棺前に、喪主様が参列者に以下のような内容で挨拶を行います。

(1)参列してくれたことへのお礼
(2)故人様の生前の様子
(3)故人様が生前お世話になったことに対するお礼
(4)今後のお付き合いのお願い
(5)締めの言葉(お礼)

【例文】
遺族を代表して、皆様に一言ご挨拶を申し上げます。
本日はお忙しいところ、父・〇〇の葬儀・告別式に
わざわざお集まりいただきまして誠にありがとうございました。
父は退職後、ハイキングや写真など、多くの趣味を楽しんでおりました。
今でも父の元気だったころの様子がまぶたに浮かびます。
父がこのように豊かな晩年を過ごせたのも、ひとえに皆様のお陰でございます。
生前ご厚誼を賜ったこと、故人に代わって厚く御礼申し上げます。
また、私ども家族に対しましても、
今後とも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
本日は最後までお見送りいただきまして、誠にありがとうございました。

5.精進落とし開会時の喪主挨拶の例文

喪主様は、精進落とし開会時に、おおよそ以下のような内容で挨拶を行います。
(1)参列してくれたことへのお礼
(2)無事に葬儀・告別式を終えたことに対する感謝の気持ち
(3)食事を用意しているのでゆっくりと過ごしていただきたいこと
(4)締めの言葉(お礼)

【例文】
本日はご多忙のところ、ご参列いただきましてありがとうございました。
おかげさまで、つつがなく葬儀・告別式を済ませることができました。
これもひとえに皆様のご厚意とお力添えがあったからこそです。
心より御礼申し上げます。
ささやかではございますが、皆様への感謝と慰労の思いを込めまして
精進落としの席をご用意させていただきました。
どうぞ、故人の思い出話などしながら
お時間の許す限り、ごゆっくりとお過ごしください。
本日は、誠にありがとうございました。

6.精進落とし閉会時の喪主挨拶の例文

喪主様は、精進落としの閉会時に参列者に対して、下記の内容で挨拶をするのが一般的です。

(1)葬儀・告別式に参列してくれたことへ改めて感謝する
(2)精進落としの終了の案内
(3)今後のお付き合いのお願い
(4)法要の日時が決まっている場合は案内の言葉を添える
(5)帰途に就く参列者への心遣いの一言
(6)結びの言葉(お礼)

【例文】
本日は、お集まりいただきまして、誠にありがとうございました。
無事、葬儀を執り行うことができましたのも、参列者の皆さまのおかげです。
残りました家族一同助け合ってやってまいりたいと思いますので
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
なお、四十九日の法要は〇月×日を予定しております。
足元が暗くなっておりますので、どうぞお気をつけてお帰りください。
本日は、誠にありがとうございました。

※精進落としの喪主様の挨拶について詳しく知りたい方には、こちらの記事が参考になります。

7.参列者に対する感謝の気持ちを表すことが大切

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喪主様が葬儀・告別式で行う挨拶では、故人様への思いを述べるとともに、参列者や関係者の方々に対する感謝の気持ちを表すことが大切です。

今回の記事でご紹介した「使ってはいけない言葉」や「具体的な例文」を参考にしながら、故人様への思いや参列いただいた方々への感謝をつづった文章をしっかりと準備して挨拶に臨みましょう。喪主様の気持ちは、きっと聞き手に伝わるはずです。

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