花葬儀の「反対」は、どんな葬儀?従来形式との違いから見える新しいお見送りの形
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- 【 葬儀・葬式 】
言葉にも類義語と対義語があるように、どのようなことにも表と裏があるものです。弊社「花葬儀」の特徴にオーダーメイドの花祭壇があるため、「花葬儀の反対は、白木祭壇の葬儀」だと思われている方も多いかもしれませんが、実はそうではありません。
今回は、花葬儀の反対の葬儀を考えることを通して、弊社が目指す葬儀の形を明らかにしていきます。葬儀の豆知識や花葬儀が手がけた葬儀の実例もご紹介しますので、葬儀を控えていらっしゃる方や、記憶に残る葬儀をご希望の方は、ぜひ、参考になさってください。
1.「葬儀」と「告別式」の違いが示す、花葬儀の反対とは?
「葬儀には決まったひな型のようなものがあり、そのとおりに進めなければならない」とお考えの方も多いかもしれませんが、葬儀に「こうしなければならない」といったひな型はありません。
理由は、「葬儀」と「告別式」の違いにあります。本質的には、葬儀と告別式は別々に行われるもので、以下のように異なるものです。
・葬儀
僧侶などの宗教者が主導して行われる宗教的な儀式で、ご家族やご親族などの近親者が故人様の冥福を祈る場で、「葬儀式」とも呼ばれる
・告別式
喪主様などご遺族の代表者が主導して行う社会的な儀式で、故人様の友人や知人、近隣者、仕事関係者などが参列し、故人様と最後のお別れをする場
近年では、時間短縮のために葬儀と告別式を同日にまとめて「葬儀・告別式」として行うことが一般的になり、宗教的な儀式の葬儀に合わせて、ひな型があるかのような葬儀・告別式のスタイルが多く見られます。
しかし本来、葬儀はともかく、告別式は、社会的なお別れの場であるため、形式にこだわる必要はないのです。こうしたことを踏まえ、花葬儀の対極にある葬儀は、形式的な葬儀だともいえるかもしれません。
2.社会的儀式である告別式に決まったひな型はない
社会的な儀式である告別式には、どのような特徴があるのでしょうか。告別式の具体的な特徴を知れば、花葬儀が目指す葬儀の形が見えてきます。
故人様との最後のお別れの場
告別式は、故人様と永遠の別れを告げる厳粛な場です。参列者は、お焼香や献花などを通じて、故人様への感謝と祈りを捧げ、その死を受け入れるための静かな時間を過ごします。とりわけ近親者にとっては、故人様への最後の挨拶を静かに心を込めて伝えるかけがえのないひとときとなります。
故人様の人生をたたえる場
告別式は、故人様が歩まれた人生を称え、その功績や人柄を追想する場でもあります。故人様が紡いできた絆やのこした影響に触れることで、参列者はあらためて、その存在の尊さに気づかされます。これは同時に、ご遺族が故人様を誇りに思う機会となるでしょう。
ご遺族や参列者の慰めの場
同じ悲しみを抱く人々が集い、故人様の思い出を語り合うことで、悲しみが和らぎ、心の安らぎを得ることができます。参列者の温かい励ましの言葉は、ご遺族にとって生きる力となり、前を向く勇気を与えてくれます。
告別式には、悲しみの中で心の整理を進める大切な役割があることをおわかりいただけましたでしょうか。弊社「花葬儀」は、故人様らしさやご遺族の想いを反映した葬儀にこだわり、伝統を尊重しながらも形式にとらわれず、心に寄り添う葬儀を提案させていただきます。
3.花葬儀が葬儀・告別式を通じて大切にするのは「その人らしさ」
花葬儀は、故人様一人ひとりの人生や個性を大切にし、それを反映させた心のこもった葬儀・告別式をご提案いたします。故人様が大切にしてきた価値観やご趣味、ご家族や友人との絆、日々の生活の中で培われた思い出を葬儀に組み込み、参列者が「その人らしさ」を感じ取れるような葬儀空間をお作りします。
故人様らしい葬儀が実現できるのは、花葬儀が次のような特徴を持っているからです。
空間デザイナーと作る世界に一つの花祭壇
花葬儀では、空間デザイナーが故人様の個性やご遺族の希望に合わせて花祭壇をデザインします。故人様の好みや季節に合わせた花々を使い、ご遺族が空間デザイナーと共に一から作り上げることで、他にはない世界に一つだけの花祭壇を実現します。
オーダーメイドの葬儀演出
故人様の生前のご趣味やお仕事、価値観を葬儀に取り入れることで、唯一無二の葬儀とします。たとえば、故人様がお好きだった音楽を流したり、思い出の食べ物を振る舞うことで、ご家族や友人との大切な思い出を形にします。参列者の皆様が故人様を身近に感じながら、心を込めてお別れできる場を作り上げるのです。
4.花葬儀の反対にあたる葬儀とは?
これまでのご説明でたどり着く「花葬儀の反対の葬儀は?」の答えは、以下になります。
『故人様一人ひとりの色をまったく出せない、通過儀礼のように流れてしまう葬儀』
形式的な葬儀を執り行うことは確かに簡単です。決まりきった流れに従い、決まった手順で進めれば、特別な準備をしなくても葬儀は終わります。しかし、それでは故人様らしい葬儀にすることはできないでしょう。その結果、後で「もっと参列者の記憶に残る葬儀にしたかった」「感謝や想いを十分に表現できなかった」などといった後悔が残ることがあるかもしれません。
葬儀は、やり直しができません。花葬儀は、ご遺族に葬儀のご要望や故人様についてヒアリングをしっかり行い、記憶に残る、悔いのない葬儀をご遺族とともにつくってまいります。
5.花葬儀が手がけた「故人様らしさ」あふれる葬儀事例
形式的ではない「故人様らしい」葬儀とは、いったいどういうものなのか。ここからは、弊社「花葬儀」が実際に手がけた葬儀の事例をご紹介します。
もう一度行きたかった「ヨーロッパの雪山」を形に
お母様への深い想いを表現するため、花祭壇には、ご家族が北海道で過ごした思い出を象徴する白樺の木を飾り、懐かしい記憶をよみがえらせました。また、「雪山に、もう一度行きたかった」「スキーがしたかった」というお母様の願いを叶えるべく、お母様と縁の深かったヨーロッパの雪山を焼香台で再現しています。
教職時代に歩いた北欧旅を葬儀空間に再現
故人様が教授時代に執筆した参考書や教科書を展示し、教育者としての偉大な功績を称えました。さらに、特に愛された北欧の歴史的建造物や美しい街並みを、花祭壇と写真を使って再現し、まるで故人様とともに北欧を散策しているかのような雰囲気を演出しました。
ご趣味だった新舞踊の風情を宿す
新舞踊をご趣味にされていたお母様をしのび、花祭壇にはお着物や扇子を飾りつつ、背筋が伸びるような凛としたデザインとしました。また、ご家族の手作りのとんかつとともに、生前にお好きだったケンタッキーフライドチキンをお供えしました。お母様の品格や温かさ、そして日常の思い出を感じられる空間を作り上げ、ご家族の深い感謝と愛情を伝える特別な葬儀を実現しました。
6.白木祭壇で花葬儀の「らしさ」は出せるか
ここまで、弊社「花葬儀」が実際に手がけてきたオリジナル花祭壇をご紹介しましたが、伝統的な「白木祭壇」が使われた場合でも、「故人様らしさ」を表現できるのでしょうか。詳しく解説していきます。
祭壇の種類を問わず「記憶に残る葬儀」は実現できる
仏教の葬儀では、白木で寺社を模した形が特徴的な白木祭壇が使われることが一般的です。会場や葬儀のスタイルによって微妙にデザインが異なるものの、素人目には、祭壇の違いが一目で分かることは少ないでしょう。そのため、故人様らしさを表現するのは難しいと感じる方もいるかもしれませんが、白木祭壇など祭壇の種類を問わず、記憶に残る葬儀を実現することは可能です。
たしかに、弊社「花葬儀」では、祭壇そのものをオリジナルでお作りすることも多いですが、既存の白木祭壇をお花で飾り、故人様らしさを出すことにも対応しております。基本的なベースの部分は守りつつ、オリジナリティを出せるところを探して彩る、伝統と故人様の色を両立させた葬儀も、数多くお手伝いさせていただきました。
以下は、花葬儀が伝統的な祭壇で故人様らしい葬儀をおつくりした一例です。
緑と花の調和で温和な人柄を表した白木祭壇
白木祭壇に、白・紫・黄の花を中心に、ポイントとして青い花を取り入れることで、いつもニコニコとおだやかな性格だったお父様らしさを表現しました。お父様は毎年お正月にご親戚と日本酒を楽しみにされていたとのこと。その思い出を大切にするため、通夜の際にはご長男様が日本酒を用意され、ご親族の皆様にも同じお酒をグラスでお配りしました。
お酒の香りといった五感に訴える演出を通じて、故人様との大切なひとときを記憶に残していただけるよう、お手伝いさせていただきました。
色とりどりの花が咲き誇るキリスト教式の葬儀
ここでご紹介するキリスト教の祭壇事例は、長年鉄道関係のお仕事に携わってこられた故人様の祭壇です。新幹線をイメージし、白ベースに青と黄色を取り入れました。また、故人様が大切にしていた鉄道模型や写真を展示したメモリアルコーナーを設け、故人様の思い出を皆様とともに分かち合っていただきました。
キリスト教の祭壇の花は、白い花やユリが多く使われる傾向にありますが、これは絶対的な決まりではありません。なお、教会によって異なる考え方もあるため、事前の確認をおすすめします。
どのような祭壇・宗教であっても「花葬儀らしさ、故人様らしさが出せない」ことは決してありません。ご紹介した以外にも、さまざまな種類の祭壇や宗教での花祭壇の実例を「花祭壇ギャラリー」に掲載しております。ぜひ一度ご覧になってください。
7.花葬儀の反対は「型どおりの葬儀」~花葬儀で故人様らしい記憶に残る葬儀を
通過儀礼のように形式的な葬儀では、故人様の個性やご家族の想いが十分に反映されず、悔いが残ることも少なくありません。時代も変わり、葬儀でもいろいろな価値観や考え方が認められるようになってきました。じつは型のとおりでなくてもよい、「その人らしさ」を出すこともできることを知っていただければ幸いです。
花葬儀は、「100人100通りのお葬式」を理念に掲げ、完全オーダーメイドの葬儀をおつくりします。空間デザイナーが故人様の生前のお人柄やご家族との思い出などを葬儀空間で表現し、世界に一つだけの特別なお別れの時間をご提案いたします。花葬儀に少しでも興味を持たれた方、悔いのない葬儀をしたい方は、花葬儀の事前相談まで、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。