葬儀で写真撮影はしても良い?撮影マナーやご遺族への葬儀写真の渡し方
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
葬儀での写真撮影はプロのカメラマンによるものがほとんどですが、最近ではご遺族や参列者が撮影する様子も見られます。しかし、中には「葬儀で写真撮影しても大丈夫なの?」と疑問や不安を持たれる方も多いようです。
そこで今回は、葬儀中の写真撮影に関するマナーやご遺族へ写真を渡すタイミングや送り方についてご紹介します。
【もくじ】
1.葬儀の様子を写真に撮るのは問題ない?
葬儀という人の死を弔う儀式においての写真撮影は、とてもデリケートな問題として捉えておく必要があります。とはいえ、葬儀にて写真を撮影することは、基本的には問題ありません。
特に、 遺族から葬儀社に撮影依頼を行った場合は、葬儀社がプロのカメラマンを派遣して撮影するため安心です。葬儀における撮影マナーをわきまえたカメラマンが撮影している姿を見ても、参列者の皆さまが違和感を抱くことはほとんどないでしょう。
しかし、参列者など、葬儀会社の関係者以外が撮影するケースにおいては、注意が必要です。斎場によっては無断撮影を禁止しているところがあったり、地域性や宗教により葬儀の撮影自体に理解を得にくいケースがあったりするからです。また、たとえ許可を得て撮影したとしても、マナーを守らずに撮影したのでは、ご遺族や参列者に不快な思いをさせてしまうこともあるでしょう。
これらの理由により、思わぬトラブルに発展する恐れもあるため、葬儀での写真撮影には事前の撮影許可を取ることや、葬儀での撮影マナーを知っておくことが重要です。次項では、葬儀で写真撮影を行う際の注意点を詳しく見ていきます。
2.葬儀で写真撮影する場合の注意点は?
葬儀で写真撮影をすることになった場合、撮影者が誰なのか、また撮影する理由によって注意すべき点が異なるため、ここではそれぞれの撮影パターンを解説します。
ご遺族が撮影する場合の注意点
ご遺族が葬儀で写真撮影をする際には、さまざまな目的が考えられます。
・心に残る最後の思い出として残したい。
・きれいな花祭壇を写真に収めたい。
・参列者を把握したい。
・集まった家族と親戚で集合写真を撮りたい。
上記は一例ですが、ご遺族にとって大切な方の葬儀は特別な儀式ですので、記録に残したいと思われる方は多くいらっしゃいます。
ただし、前述したように、斎場や僧侶に事前に撮影許可を取りましょう。このとき、葬儀社にも伝えておくと、葬儀社や斎場関係者が撮影のサポートにまわってくれますので、安心して葬儀の写真撮影ができます。
なお、葬儀社を通じてプロのカメラマンに依頼することもできるので、撮影プランや料金などあわせて確認しておくとよいでしょう。
参列者が遺族に依頼されて撮影する場合の注意点
「葬儀の様子を残したいが、葬儀中は葬儀に集中したい」という遺族から、葬儀の写真撮影を依頼されるケースがあります。しかし、依頼されたとはいえ、葬儀を撮影していると、参列者など周囲から不謹慎だと思われることもあるので注意が必要です。
そこで、撮影依頼を引き受けたら、葬儀での写真撮影に必要な準備をし、撮影マナーをしっかり抑えておきましょう。
カメラマンであることがわかるように、腕章(撮影係・関係者と記されたもの)を葬儀当日に付けて撮影に挑むことが大事です。このようにすることで、依頼されて撮影をしていることが周囲に対し明確となり理解を得やすくなります。また、 撮影に集中できるよう、斎場スタッフが配慮してくれることもあるでしょう。
なお、腕章は葬儀社が貸してくれる場合もあるので、葬儀の写真撮影を依頼された際に予め確認しておくことをおすすめします。また、撮影マナーについては後述しますので、しっかり把握してから写真撮影を行いましょう。
参列者が自らの意思で撮影する場合の注意点
親しくしていた故人様との最後の思い出を写真に残したいという思いから、葬儀を写真に収めたいという人もいらっしゃることでしょう。しかし、遺族以外の参列者が葬儀の写真撮影をすることについて、不謹慎だと考える人もいます。そのため、前述の通り、まずは必ず事前に遺族に確認を取り、撮影許可をもらう必要があります。
たとえどんなに故人様やご遺族と親しい間柄であっても、許可なく撮影することは慎むべきです。参列者同士での記念撮影も同様に、ご遺族のご意向を伺った上で事前に許可を得ましょう。大切なのはご遺族の気持ちを尊重することです。
もしもご遺族から許可をいただいた場合は、後述する撮影マナーをしっかり守って撮影しましょう。
3.参列者が葬儀の写真を撮影するときに知っておきたいマナー
ここでは、参列者が葬儀の写真撮影を行う際に、知っておくべきマナーをご紹介します。
読経中やお焼香中は避ける
僧侶による読経や、参列者によるお焼香のタイミングでの撮影は出来る限り避けましょう。なぜなら、読経やお焼香は故人様を偲ぶための大切な儀式であり、そのような場面に撮影者が視野に入ってしまうと読経やお焼香に集中できなくなってしまう恐れがあるからです。また、参列者がお焼香台へ向かう途中、撮影者が移動の妨げになることもあります。
写真撮影が原因となり、故人様との安らかなお別れができなくなってしまうということのないよう、撮影の際は僧侶や参列者の視野に入らない場所で邪魔にならないように撮影することがポイントです。なお、撮影のタイミングや場所については、予め斎場関係者に確認しておきましょう。
祭壇に背を向けない
葬儀での写真撮影において、祭壇に背を向けることは大変失礼にあたります。なぜなら、祭壇に背を向けることは故人様に背を向けることを意味するからです。たとえ撮影したいアングルがあったとしても、祭壇に背を向けないよう撮影ポジションには細心の注意を払いましょう。
葬儀の雰囲気を壊さない(シャッター音やフラッシュはNG)
読経中やお焼香中、または出棺時などの厳粛な場面でのフラッシュやシャッター音は極力控えましょう。故人様を偲ぶ場面でフラッシュが頻繁にたかれたり、シャッター音が連続で鳴ったりしてしまうと、葬儀の厳粛な雰囲気が台無しになってしまいます。故人様とお別れする場面を撮影するときは、慎重に行動することが大切です。
素敵な一枚を撮影するためにも、フラッシュやシャッター機能はオフの設定にする、撮影のタイミングに気を付けるなど、心掛けましょう。
葬儀や故人様の写真はSNSにアップしてはいけない?
SNSの普及に伴い、最近では葬儀で撮影した写真をSNSに投稿したりシェアしたりする行為が見られるようになっています。「葬儀の写真をネット上に公開することは不謹慎である」という考え方は、アップする人や目的によって異なる時代になってきたといえるでしょう。そこで、「葬儀写真をネット上に公開すること」について、参列者それぞれの立場から考察します。
ご遺族やご親族
SNSにアップしてもよいのかどうかは、ご遺族・ご親族の判断にゆだねられるといえるでしょう。
葬儀は故人様を弔う厳粛な儀式ですが、身内の方の中でも故人様をそっと見送りたい方、明るく見送りたい方など、葬儀に対する考え方は異なります。また、故人様を見送る手段も葬儀だけとは限りません。後日、お別れ会やイベントを開催するケースもあるでしょう。
このように、故人様への思いや見送る手段はさまざまであり、SNSもその思いを表現・実現することのできるひとつの場として考えることもできます。
- ・葬儀の写真を通じて、故人様の人生や思い出を共有したい。
- ・故人様を追悼し、その人生を称える機会をつくりたい。
- ・友人・知人からのメッセージなどから、励ましを受けたり悲しみを共有したりしたい。
- ・故人様を見送る祭壇の美しさを共有することで、多くの人の心に残したい。
SNSを活用しこれらの思いを実現することで、ご遺族やご親族の心の支えとなることもあるのではないでしょうか。とはいえ、センシティブな問題であることは事実ですから、アップする前にご遺族・ご親族間で話し合いの場を持つことが大切です。
参列者(ご遺族・ご親族を除く)
参列者(ご遺族・ご親族を除く)の方の中には、ご遺族と同様に「故人様のために」SNSへのアップを考える方もいらっしゃるかもしれませんが、それは誤解を招く行為と言わざるを得ません。
ネット上での自由な表現が一般的になってきたとはいえ、第三者が見たり拡散したりできる場に葬儀の写真を投稿された場合、ご遺族・ご親族、そして閲覧者も不快感を覚える可能性があるからです。
葬儀はご遺族やご親族にとって特別な思いや意味を持つ儀式ですから、その写真をネット上に公開するかどうかを判断し掲載することができるのは、ご遺族・ご親族だけなのではないでしょうか(ご遺族から依頼されたケースを除く)。アップする前に許可を得るという行為も控えた方が無難です。
SNSに自由に投稿できる時代だからこそ、最低限のマナーを守る判断力が求められているといえるでしょう。
なお、SNSに投稿されたものは不特定多数の人に閲覧されるため、個人情報が流出するリスクがあります。斎場の位置情報などから葬儀に関する個人情報がある程度特定できてしまい、香典泥棒などの犯罪のきっかけを作ってしまう危険性があることも忘れないようにしましょう。
4.遺族に頼まれて撮影した葬儀写真の渡し方
遺族に頼まれた葬儀の写真は、葬儀後のどのタイミングで渡すのがよいのでしょうか。ここでは参列者が遺族に頼まれて撮影した葬儀写真の渡し方やマナーについて解説します。
葬儀写真を渡すタイミング
参列者がご遺族から依頼されて撮影した葬儀写真は、できる限り早めに渡せるように準備しておきましょう。「どなたが参列されたのか、後返しやお礼も兼ねて早く知りたい」という理由で依頼されるケースもあるからです。
ただ、葬儀後にお渡ししようと思っても、ご遺族は葬儀後も弔問対応や四十九日法要に向けてやるべきことが多く、連絡がなかなか取れないことも多いものです。そのため、できれば依頼を受けた時に、具体的な期日を確認しておくことをおすすめします。
葬儀写真の渡し方
参列者が葬儀の写真を撮った場合、撮影した写真の渡し方は手渡し、郵送以外にも、メールなどでデータを送る方法があります。ご遺族によってはインターネットでのやりとりが困難なケースもあるため、できる限り希望に沿う渡し方で対応することをおすすめします。
また、葬儀写真を渡すタイミングと同様に、ご遺族に対して事前に確認を取っておくとよいでしょう。
5.葬儀での写真撮影はマナーを守って行いましょう
葬儀での写真撮影は慎重に行う必要があります。誰が撮影するにしても、それぞれの立場で注意すべきことを把握した上で行動しましょう。故人様のことを思っての撮影だったとしても、マナーをわきまえずに撮影をすることは控えなければなりません。
遺族や葬儀関係者から事前の許可を得ていれば、参列者であっても基本的には問題なく撮影することができますが、撮影当日までに撮影のマナーや渡し方をしっかり確認しておく必要があります。また、撮影当日には遺族や参列者に配慮しながら撮影に挑むことがとても大切です。
もしも、葬儀での写真撮影に少しでも不安や疑問を感じたときは、すぐに葬儀社へ相談することをおすすめします。万全な準備と葬儀マナーを抑えておくことで、心に残る一枚となって輝き続けるでしょう。
花葬儀では、葬儀での写真撮影を安心して行えるよう、しっかりサポートいたしております。また、心に残るお葬式をプロのカメラマンに撮影するご依頼も承っております。このようなご要望やご不安な点につきましても、お客様の声にしっかりと耳を傾けご納得いくまでお話しさせていただきますので、花葬儀の事前相談までお気軽にお問い合わせください。