葬儀で祭壇を作るのはなぜ?祭壇の大切さと最近主流の花祭壇をご紹介
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- 【 花祭壇 】
花祭壇というものをご存知ですか?文字通り、遺影や棺の周りを花で囲んで作られた祭壇のことです。近年、この花祭壇が注目され、お葬式の選択肢のひとつとして知られてきています。今回は、従来からの主流である葬儀の白木祭壇のご紹介、そして花祭壇が最近注目されている理由を探りつつ、そのトレンドを見ていきます。
もくじ
- ・葬儀の祭壇とは?
- ・一般的な葬儀祭壇-白木祭壇とは?
- ・トレンドの花祭壇とは?
- ・花祭壇が注目されている理由とは?
- ・花葬儀の花祭壇
- ・まとめ
祭壇とは?
祭壇という言葉の意味は、辞書を見ると以下のとおりです。
「祭壇とは、祭りを行う壇。神・精霊・死霊などに犠牲や供え物をささげるための壇。祭器や祭具を置き、礼拝に用いる壇。」
引用元:Oxford Dictionary
通過儀礼や偶像崇拝などの儀式に用いられる壇のことを、一般的に「祭壇」と呼んでおり、その形は国や文化、宗教により様々です。神や仏といった、各宗教の超越的な存在への誓いのほか、お供え物を献上するための壇としても使われていました。
葬儀祭壇とは?
お葬式の祭壇は、亡くなった方の霊を供養するために用意されるものです。故人様の遺影やそのまわりに供花などが飾られます。そのなかでも代表的なものをご紹介いたします。
白木祭壇(しらきさいだん)
白木祭壇は、日本のお葬式、特に仏教式でよく見られる祭壇です。木でつくられた建物は、かつて野辺送り(のべおくり:棺を埋葬先まで担いで移動させる風習)に使われていた白木の輿(こし)をイメージしたものとされています。これが白木祭壇に受け継がれているとされ、実際に棺を納められる「本輿」という白木祭壇もあります。
白木祭壇には様々なデザインがあり、金額によって選べるものも変わります。ただし、葬儀ごとに作られるものではなく、あくまでも備品として葬儀社が提供しているものです。
トレンドの花祭壇とは?
花祭壇とは、その名の通り花でつくられた祭壇のことです。
これまでの花祭壇は、白を基調とした画一的なものを思い浮かべるかもしれません。芸能人や大物政治家の葬儀にも、ダイナミックな花祭壇がよく見られ、メディアを通して大衆の注目を浴びました。
花祭壇はフリースタイルへ
2000年までの花祭壇に使われた花は、トゲがなく、香りと色彩が控えめなものがよく選ばれていました。
しかし、2000年代に入ると、洋花(バラ、ユリ、カーネーション、トルコキキョウなど)をアレンジした色鮮やかで香りのある花も組み込まれるようになりました。赤やピンク、黄色やオレンジなどで彩られた花祭壇は、これまでのお葬式のイメージに変化をもたらします。花祭壇は、白木祭壇よりも大切な方のお人柄を表現し、思い出を演出しやすいため、お葬式に「その人らしさ」を盛り込みたいと希望するご遺族に選ばれることが増えました。さらに、花祭壇はメディアでも注目を浴び、映画やドラマに取り上げられたことで、より広く認知されるようになったのです。
花祭壇の種類にはどんなものがある?
生花祭壇
四季折々の新鮮なお花を使用するため、自然との一体感を演出できます。
思い出の場所や故人様の雰囲気を花で表現することにより、まるでその場にいるかのような感覚を味わえます。今では品種改良が進み、世界各国から多くの花が市場に集まるようになりました。葬儀の規模や予算に応じて、さまざまなタイプの花祭壇が出てきていますよ。自然が織り成す色彩や、一瞬を彩る花の命の美しさが「生と死」の大切さを語りかけているように感じられるところ、これが生花祭壇の最大の魅力ではないでしょうか。
造花(アーテイフィシャルフラワー)祭壇
季節を問わずお花を用意できるため、花祭壇の表現の幅が広がります。香りはもちろん、花粉もないため、アレルギーをお持ちの方も安心してご参列いただけます。ただ、あくまでも人工的な花のため、生花が醸し出す臨場感は出せません。また、レンタルとして繰り返し使われる場合もあるため、祭壇のデザインが決まっているものも多く、「その人らしさ」を出しづらいこともあります。
花祭壇が注目される背景は?
1.お葬式が「感謝」を伝える場になった
かつてのお葬式は、人の死を社会へ知らせ、受け入れるための通過儀礼とされていました。しかし最近では、大切な方とのお別れの時間である、という価値観が広まり、故人様への感謝を形にする場になりつつあります。
葬儀とは宗教的な儀式だけでなく、死を悼む人々の悲しみや苦痛を癒すための心のプロセスとしても大切であるとされます。(全日本葬祭業協同組合連合会 専務理事 松本勇輝「葬儀業界の現状」平成29年4月28日発行)
花祭壇は間違いなく、その心の癒しのプロセスの一つです。
2.進む葬儀のコンパクト化
葬儀の形は、多くの参列者をお呼びする一般葬から、ご家族やお身内だけで行う家族葬へと変わりつつあります。平成29年度の、公正取引委員会における葬儀の取引に関する実態調査の統計を見てみましょう。(注1) 増加傾向にある葬儀は家族葬が半数(51.1%)を占め、次に目立つのは直葬(火葬式・26.2%)と一日葬(17.1%)でした。
(注1)
平成29年度公正取引委員会における葬儀の取引に関する実態調査
この背景にも、「故人様とのお別れの時間を大切にしたい。心ゆくまで感謝を伝え、送り出してあげたい」という思いも表れているのではないでしょうか。
人々のライフスタイルが変わり、お葬式もそれぞれの状況やニーズに合った形式を選べるようになってきています。花祭壇は、それぞれが持つ希望を満たすひとつの手段として注目されています。
3.ボタニカルブーム、植物・花の癒しの時代への変化
日用品(芳香剤、化粧品)などの香料はもちろん、商品のパッケージや広告にも、自然由来のものが増えてきました。これらは「ボタニカル」と呼ばれるもので、花祭壇との関係性も注目されています。
「ボタニカル(Botanical)」という言葉は、英語で「植物の、植物学(上)の」などの意味を持ち、現在のブームでは、「植物由来の」と捉えるとよいでしょう。情報社会や機械に囲まれた慌ただしい時代のなか、人々は自然との調和や癒しを求めるようになったと言われています。植物は人間にとって、生命力や創造力の原点なのかもしれません。花祭壇も、花だけでなく緑を多く取り入れたボタニカル系のものが選ばれてきています。大切な人を失うという悲しみを乗り越え、感謝の思いを未来へとつなぐものとして、ボタニカル祭壇は今後も増えていくでしょう。
花葬儀のボタニカル祭壇動画↓
花葬儀の花祭壇
花葬儀の花祭壇は、お打ち合せ時に故人様についてのヒアリングを行い、お花を扱う専属の空間デザイナーが、オーダーメイドでそのお人柄を表現します。
「100人いれば100通りのお葬式」をコンセプトに、大切な方への最後の感謝を伝えることに専念できる空間を、一つ一つ丁寧にお作りしています。ぜひ、以下のページもご覧ください。
自宅葬:花いっぱいであふれて
家族葬:思い出でいっぱい
家族葬:その人らしさが伝わる花祭壇
まとめ
葬儀の祭壇は、お葬式の顔ともいえる重要なものです。故人様がどんな方だったのか、その面影を遺影が飾られた祭壇から偲ぶことができるのです。伝統的な白木祭壇と並び、花祭壇をお選びになる方が増えてきています。花が持つ生命力や彩りが、悲しみを優しく包み込み、残された人々に癒しを与えてくれることが、その大きな理由といえます。今後も花祭壇は、新しい生活様式における「ニューノーマルなお葬式」のひとつとして注目され、人々の心に寄り添う存在となっていくことでしょう。
今まで手掛けた祭壇をぜひご覧ください。
https://www.hana-sougi.com/hanasaidan/
◎花葬儀を体験されたお客様の声
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