花祭壇には地域差がある?祭壇選びで重要なことも解説
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- 【 花祭壇 】
「大切な方を見送る葬儀において、生花を使用した花祭壇を選ぶ方が増えています。ただ、葬儀を控えて「花祭壇は、どう選べば良いのだろう?」「花祭壇に地域ごとの違いはあるのか?」など、疑問を持つ方も多いでしょう。花祭壇と伝統的な白木祭壇のどちらがふさわしいか、選び方に迷う方もいらっしゃるはずです。
そこで今回は、祭壇の地域性や、花祭壇を選ぶ際のポイントについて解説します。葬儀を準備されている方は、ぜひ参考になさってください。
1.葬儀の祭壇に地域性はある?
葬儀における祭壇の選択には、地域特有の傾向はあるのでしょうか。最初に、祭壇の地域性について詳しく解説します。
花祭壇は全国に普及する一方、考え方には地域差がある
近年、花祭壇は全国的に広まっており、葬儀で選ばれるケースが増えていますが、祭壇についての考え方は地域によって異なります。
都市部、特に東京都では白木祭壇を常設する斎場が減少し、花祭壇が好まれる傾向にあります。一方、地方では、伝統的な白木祭壇が選ばれることが多いようです。首都圏であっても、「伝統的な白木祭壇を使うべき」「花を多く飾りすぎてはいけない」といった文化が根付いている地域もあります。
花祭壇と伝統的な祭壇の特徴
ここであらためて、花祭壇と古くから用いられてきた白木祭壇の違いを説明します。
花祭壇とは全体が花で飾られる祭壇で、生花を用いた「生花祭壇」と、造花(アーティフィシャルフラワー)を用いた「造花祭壇」に分けられます。これに対し白木祭壇は、塗装されていない木材を使用して作られる、伝統的な日本の葬儀用祭壇です。祭壇の中央に遺影を置き、祭壇の周囲を主に白い生花で飾ります。
白木祭壇に花を飾ることもあるため、花祭壇と白木祭壇の明確な区別は難しいことがありますが、「花が主体かどうか」が判断の目安となるでしょう。
花祭壇と白木祭壇、それぞれの特徴を表にまとめましたので、参考になさってください。
祭壇の種類 | 特徴 |
---|---|
花祭壇 | ・華やか、優美など多彩な花祭壇デザインが可能 ・故人様やご家族の趣味や好みに沿ったアレンジが可能 ・特定の宗教のほか無宗教葬にも適している |
白木祭壇 | ・寺院の本堂を思わせる荘厳な趣 ・葬儀社からレンタルするのが一般的 ・主に仏式や神式の葬儀で用いられる |
2.伝統意識が根強い地域で花祭壇を飾りたい場合は?
白木祭壇の葬儀が根づいている地域や、それが当たり前と考える方が多い中で花祭壇を飾りたい場合は、どうすればよいのでしょうか。
地域の慣習を確認する
地域によっては伝統的な価値観が今も残っており、「葬儀には白木祭壇が必要」と考える方がいるのも事実です。
花祭壇を選んだことで、「なぜ白木祭壇ではなかったのか」「きちんと送り出せていなかった」といった指摘を受けるかもしれません。また、葬儀を執り行う際、葬儀の形式などに関して組合の承認が必要な地域もあります。事前に慣習を確認しておくことで、あわてずに落ち着いて準備を進めることができます。
ご親族と話し合う
ご親族とのトラブルを避けるために、早い段階で意向を伝え、理解を得ることが大切です。「故人様の生前の希望」や「ご家族の想い」を丁寧に説明することで、より理解を得やすくなるでしょう。可能な限り、ご家族全員が納得できる形でお見送りできる方法を検討しましょう。
葬儀社と相談し折衷案を検討する
地元の事情をよく知る葬儀社なら、地域の慣習に配慮しつつ、希望に沿った形で祭壇を整える方法を提案してくれるはずです。「どのような形なら受け入れられやすいか」「どのような前例があったか」などを相談してみましょう。
3.葬儀のイメージを花で変えようとした事例
ここで、ある葬儀社が行った、葬儀のイメージを祭壇によって変えた事例をご紹介します。この葬儀社は、従来の葬儀を刷新しようと試みました。祭壇には白木ではなく生花を使用し、式場のベースカラーを白で統一、大きなガラス窓から自然光を取り入れることで、明るく開放感のある空間を作り上げました。
この式場は、比較的若い世代には好評であったものの、地域の年配の方々から「葬儀に行ったが祭壇がなかった」「あんな明るい場所では葬儀は無理」「結婚式場ではないのだから」などの強い批判を浴び、経営は急速に困難な状況に陥りました。
そこで、この葬儀社は方向転換を図ります。祭壇を白木に戻して、生花を飾る折衷案に変更したのです。結果として、この変更が多くの地域の方に受け入れられ、経営危機から脱することができました。
伝統意識が強い地域にあっては、「地域の慣習に配慮しつつも新しい要素を加えること」が、花祭壇を作る際の鍵となりそうです。
4.葬儀で花祭壇を選ぶときに重要なこと
祭壇の考え方には地域差がありますから、花祭壇を選ぶ際には以下のポイントを押さえることが重要です。
地域の慣習の尊重
花祭壇を選ぶ前に、その地域の慣習をしっかりと理解し、尊重することが大切です。特に年配の方や地域の文化に配慮することが、葬儀を円滑に進めるためには欠かせません。
周囲が受け入れやすくする配慮
花祭壇を選択する際には、周囲の方が受け入れやすいように配慮することが大切です。たとえば、ご紹介したような従来の白木祭壇に花を加える方法はその一例です。また、祭壇から少し離れた位置に花を飾ったり、落ち着いた色合いの花を多く使ったりする方法もあるでしょう。
急激な変更を避けながら新しい要素を取り入れていくことで、ご親族や参列者が納得しやすい式を実現できるはずです。
5.ご家族の納得いくお見送りは丁寧なヒアリングから
弊社「花葬儀」では、ご家族の想いを最優先にするため、ご家族に対して丁寧にヒアリングを行い、オーダーメイドの祭壇をお作りしています。白木祭壇や花祭壇という形式にこだわらず、故人様をしのぶ気持ちや、ご家族が大切にしたい想いをしっかりとお伺いし、それを最大限に反映させた祭壇をご提案いたします。
花葬儀では、主に生花祭壇を取り扱っていますが、白木祭壇との折衷祭壇や樒(しきみ)を用いた祭壇など、ご家族のご希望に応じた形で祭壇を作り上げます。豊富な経験をもとに、どんなご要望にも柔軟に対応し、故人様らしい、ご家族が納得できるお見送りを実現します。
花葬儀がお作りしてきた、さまざまな花祭壇の実例を「花祭壇ギャラリー」でご紹介しておりますので、ぜひ一度、ご覧ください。
6.エンディングノート・遺言書を作るときの注意点
A.地域ごとの気候や流通経路に若干影響されますが、最も花の種類を左右するのは喪主様の意向です。
「洋花を取り入れたい」「色とりどりの花祭壇にしたい」など、希望する花を使うには、葬儀社の対応力や生花店とのネットワークが重要です。葬儀社が、花市場や生花店とどの程度のつながりがあるかも、花の選定に大きく影響します。
A.家族葬の花祭壇のデザインに地域差はあまり見られません。
それよりも、主に宗教や宗派、ご家族の希望によってデザインが決まることが多いようです。家族葬は一般的に小規模な葬儀形式であるため、故人様やご家族の希望が反映されやすいといった特徴があり、花祭壇のデザインもご家族の希望が優先されるケースが多くなっています。
A.花祭壇のみの価格についての地域別データは公表されているものは見当たりませんが、祭壇費用を含めた葬儀全体の費用を地域で比較したデータをご紹介します。
2024年に株式会社ディライトが行った調査によると、葬儀全体の費用は、首都圏では90万円〜150万円未満が約44%を占めました。沖縄や関西圏では、首都圏よりもさらに費用を抑える傾向が見られます。
首都圏・関西以外の地域では、150万円以上かけた人の割合が高くなっています。葬儀費用の総額が、必ずしも祭壇費用を反映しているわけではないため、一概には言えませんが、地域ごとの傾向を知るための参考になるでしょう。
出典:株式会社ディライト|【地域ごとの葬儀文化の差を調査】北海道では香典に領収書がでる?沖縄では喪服を着ない
https://soogi.jp/news/1828
7.花祭壇は地域性を尊重しつつ、故人様らしさの表現も大切に
葬儀で花祭壇が選ばれる一方、地域によっては白木祭壇が根強く支持されています。花祭壇を選ぶ際には、地域の慣習や文化に配慮しつつ、故人らしさやご家族の想いを表現することが大切です。地域性と故人らしさ、そしてご家族の想いを総合的に考えることで、心から納得できる葬儀や花祭壇が実現できるのではないでしょうか。
花葬儀では、地域ごとの風習や文化を大切にしながら、ご家族の気持ちに寄り添った完全オーダーメイドの花祭壇をご提案しています。地域性を尊重しつつ、故人様らしさを表現することも大切に、ご家族の想いが込められたお別れの場をおつくりします。
「花祭壇にしたいが、地域のしきたりが気になる」「伝統的な雰囲気の花祭壇はできるのか」など、花祭壇に関する不安や疑問のある方は、花葬儀の事前相談までお問い合わせください。
花葬儀は、ご家族のご要望を丁寧にお伺いし、大切な方をしのぶ最後の時間が、ご家族にとって心から納得のいくものとなるよう、誠心誠意お手伝いいたします。