花祭壇だと僧侶に怒られるって本当ですか?
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- 【 花祭壇 】
故人様らしい雰囲気で、送り出してあげたい。だから花祭壇を作ろう。そのように考えていらっしゃる方も、少なくないと思います。
しかし、ここで気になるのが、葬儀の進行役であるお坊さん、僧侶です。
「祭壇といえば、寺社をかたどった白木祭壇が昔からの伝統。それを無視して怒られないだろうか…。」
と心配になることもあるのではないでしょうか。
今回は、花祭壇と僧侶のことについて、少しお話ししたく思います。
花祭壇に対する僧侶の理解
弊社の経験ですと、花祭壇をお作りしたことで僧侶に怒られたことはありません。
……意外でしたか?
もちろん、仏教葬の祭壇の伝統は白木祭壇です。しかし、現在はご葬儀に対するいろいろな考え方が広まり、認められてきています。その流れの中で、僧侶も各ご家庭の事情や考えをわかってくださっているということでしょう。
なかには
「葬儀で使ってよいものは樒(しきみ)だけ。色花はちょっと……。」
と言われる宗派も存在することは事実です。しかし、その宗派のご葬儀でも、宗派の考え方を外れない範囲でお花を使い、オリジナリティーを出すことに成功した花祭壇もたくさんあります。
とくに、花祭壇をお作りすることが得意な葬儀社は、僧侶との調整もうまくやってくれます。その「交渉術」に長けた葬儀社に手伝ってもらえば、必要以上に気にしなくても大丈夫と思っていただいてよいでしょう。
これはNG!僧侶への配慮は忘れずに
だからといって、僧侶への配慮がなければ、やはりトラブルになります。以下の点には注意しましょう。
■花祭壇を使っての葬儀を希望していることを伝える
先ほども申しましたように、花祭壇を使って故人様をお見送りすることは、多くの僧侶はわかってくれます。しかし、それを僧侶に伝えず、勝手に話を進めてしまうのはよくありません。
仏教葬伝統の白木祭壇を使っていないことをご葬儀当日に知るというのは、僧侶にとって気持ちのよいものではないでしょう。たしかに、仏様となって旅立つのは故人様ですが、その道を案内し、ご葬儀を進めてくださるのは僧侶です。そちらへの最低限の配慮を忘れてはいけません。
とくに田舎の地域であれば、花祭壇を知らない、ほとんど見たことがない僧侶も多いことでしょう。そのような僧侶にお願いするのであれば、よりしっかりとコミュニケーションをとる必要があります。
■僧侶への挨拶など、礼儀を忘れずに
葬儀会場に入られた僧侶に挨拶をしないご遺族様、弊社も時々お見受けします。たいていは会場のスタッフさんが促してくれるのですが、それも叶わない場合、そこから歯車が狂い始めます。なかには打ち合わせの段階で非礼が重なり、気分を害されたことがご葬儀、さらにはその後の法要にまで影響したケースもありました。
これでは故人様も浮かばれません。
大切な方を亡くされて、気持ちが落ち着かないという事情はあるでしょう。しかし、その大切な方の旅立ちを手伝ってくれる僧侶に対する礼儀を忘れてはいけません。
特別なことは不要です。故人様の最後を見守ってくださる方への感謝の気持ちをもって接するようにしましょう。
どんなに時代が進んでも、人とのコミュニケーションがなくなることはないでしょう。ご葬儀の場でも、お互いを思いやり、気持ちのよい人間関係を作りたいところですね。