祭壇に咲くひまわりの輝き~ご家族の想いを紡ぐ演出と事例
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- 【 花祭壇 】
ひまわりは、その明るく元気なイメージから、花祭壇に使うことをためらう方もいらっしゃるかもしれません。しかし、ひまわりは故人様をしのんでお見送りするうえで、深い想いと意味を表現できる花でもあります。
今回は、花祭壇にひまわりが選ばれるケースや、弊社「花葬儀」ならではの演出方法、花祭壇実例をご紹介します。
1.花祭壇にひまわりを使えるのはいつ?
ひまわりは、6月~10月にかけての時期がもっとも美しく、花の状態も良い「旬」となります。この時期は流通量が多く、ひまわり本来の美しさが特に際立ちます。
ひまわりは1年を通じて市場に出回っているものの、最盛期以外には需要が少なくなり、流通量も減少します。入手までに時間がかかることもあるため、急を要する葬儀では用意が難しいこともあるのです。
2.ひまわりの種類
ひまわりと聞くと、一般的には「黄色く背が高い花」を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、ひまわりには色や大きさ、形などにさまざまなバリエーションがあり、品種は実に300にも上るといわれています。
次項よりひまわりの種類について、より詳しくご紹介していきます。
花の咲き方
ひまわりの花の咲き方は、主に以下のように分類されます。
咲き方 | 概要 |
一重咲き | ・花びらが重なり合わない咲き方 ・中心部分(筒状花:とうじょうか)が大きい |
八重咲き | ・花びらが、幾層にも重なっている咲き方 ・中心部分が小さい |
半八重咲き | ・一重咲きよりも花びらが豊かだが、八重咲きよりも密集していない ・花びらの枚数は、一重咲きと八重咲きの中間程度 |
花の付き方
ひまわりは、花の付き方にも異なる種類があります。
花の付き方 | 概要 |
一本立ち | ・1株に1輪だけの花が咲く ・大きな花が一つ咲く姿が印象的 |
分岐 | ・茎が分岐して、1株にたくさんの花が咲く ・たくさんの花により華やかな印象 |
花の付け方によって異なる印象になるのも、興味深いポイントです。
花の背の高さ
ひまわりの成長したときの草丈(くさたけ)には、大きく分けて以下の4種類があります。草丈とは、植物の地上部分の根元から葉のもっとも高い部分までの垂直の長さのことです。かつては背の高いひまわりが主流でしたが、近年では品種改良により、アレンジや花束に使いやすい小型のものが多く流通するようになりました。
背の高さ | 草丈 |
ミニ | 25cm以下 |
矮性(コンパクト) | 30cm~60cm程度 |
高性 | 120cm~170cm程度 |
巨大 | 200cm以上 |
花の色
ひまわりの色といえば、黄色が代表的ですが、ほかにも以下のような色があります。
・オレンジ
・赤
・白
・茶色
・ピンク
・紫
花の色それぞれにより独自の個性を持つため、見る人の目を楽しませてくれます。
3.ひまわりの花言葉
ひまわりに共通する花言葉は、「憧れ」「敬慕」「情熱」「あなたを見つめる」などです。太陽に向かって一途に伸びるひまわりのイメージに、ふさわしいのではないでしょうか。
さらに、ひまわりの色や本数によっても、それぞれ異なる花言葉があります。以下に、色と本数ごとの花言葉をご紹介します。
色 | 花言葉 |
黄色 | 願望 |
オレンジ | 未来を見つめて |
本数 | 花言葉 |
1本 | ひとめ惚れ |
3本 | 愛の告白 |
7本 | 密かな愛 |
11本 | 最愛 |
99本 | 永遠の愛・ずっと一緒にいよう |
108本 | 結婚してください |
999本 | 何度生まれ変わってもあなたを愛す |
「最愛」「ずっと一緒にいよう」といったロマンチックな花言葉もあり、大好きなご家族やパートナーに贈るのにぴったりの花だといえるでしょう。
4.ひまわりの特長から受ける印象は?
ひまわりは、他の花とはひと味違う独特の特長を持っています。ここではひまわりの特長と、そこから受ける印象について解説いたします。
「大きな花姿」と「中心部と花びらのコントラスト」から受ける印象
ひまわりの最も際立つ特長は、その大きな花姿です。空に向かって頭を高く掲げる姿勢は、他の花とくらべてひと際目を引き、見る人に希望と活力を感じさせます。
さらにひまわりの魅力を引き立てているのが、中心部と花びらの鮮やかなコントラストです。重厚感のある中心部は、周囲の鮮やかな花びらとの対比を生み出し、視覚的なインパクトと豪華さ、強い存在感を与えてくれます。
「黄色やオレンジの花びら」から受ける印象
多くの色があるひまわりですが、やはり人気があるのは黄色やオレンジのひまわりです。遠くからでも目に飛び込んでくる鮮やかな色彩は、人々の心を明るく、元気にする力があります。
太陽の光を体現したようなあたたかな色合いは、周囲にぬくもりと優しさを与えてくれます。また、中心部から外に向かって咲く花びらは、花の持つ力強さを表現しているようにも感じられ、見る人の前向きな気持ちを呼び起します。
「長く太い茎と背の高さ」から受ける印象
背が高く、りりしい立ち姿が印象的なひまわりは、斎場でもたいへん目立ちます。大きな花を支える太い茎は「安定感」を、空に向かってぐんぐん伸びる様は「未来への成長と希望」を感じさせます。逆境にも負けず、常に上を目指して成長していくひまわりの生命力を感じられるのではないでしょうか。
5.花祭壇にひまわりが選ばれるケース~花葬儀の場合~
ここまで、ひまわりの特長や魅力についてお話してきましたが、実際にはどのような場合にひまわりが花祭壇に選ばれているのでしょうか。次項では、ご家族がひまわりを選ばれる具体的なケースをご紹介します。
花葬儀では、弊社に所属する空間デザイナーが、故人様のお人柄やご家族の希望を丁寧にヒアリングし、故人様とご家族の想いに寄り添った花祭壇を、花の特徴を生かしながら制作しています。ヒアリングを通じて見えてきたご家族それぞれの想いも、祭壇選びの参考にご覧になってください。
明るい故人様の性格を表したい
ひまわりは、故人様の明るい性格や温かな人柄を表現するのにふさわしく、特に以下のような方を見送るときに選ばれることが多くあります。
・ご家族や周囲の方々に対し、笑顔を絶やさずにいらっしゃった
・明るく、前向きな姿勢で人生を歩んでいた
・多くの方に慕われ、愛されていた
黄色やオレンジといった暖色系のひまわりは、故人様が生前、周囲の方々の心を明るく照らしていたことを象徴するようです。
夏の季節感がある花祭壇にしたい
夏の象徴ともいえるひまわりは、季節感を大切にしたい場合に特に好まれます。その背景には、以下のようにさまざまな理由があります。
・故人様が夏生まれだった
・夏休みに行った家族旅行の思い出が忘れられない
・暑い夏の時期に旅立たれた
・故人様の趣味が夏山登山だった
夏の風情あふれる花祭壇は、故人様の人生や、ご家族との絆を深く印象づけることでしょう。
故人様の力強い存在感を表現したい
「ひまわりの凛とした姿が、故人様の人生を象徴するようだ」として、ひまわりを選択するご家族もいらっしゃいます。社会の荒波を乗り越えて活躍された方や、長年にわたりご家族を支えつづけた方など、人生を力強く生きた故人をしのぶのにふさわしい花だといえるでしょう。
黄色やオレンジの花を使いたい
「葬儀の寂しいイメージを払しょくしたい」との思いから、葬儀によく使われる白い花ではなく、あえて黄色やオレンジの花を選ぶ方が増えており、その中でもひまわりは人気を集めています。鮮やかなビタミンカラーの花びらは、故人様をしのぶ場に温かな雰囲気をもたらしてくれます。
明るい雰囲気の葬儀・花祭壇にしたい
ひまわりは、特に「故人様を明るく見送りたい」「前向きな雰囲気で葬儀を行いたい」と考えるご家族から支持されています。理由として、以下のようなケースが挙げられます。
・どんなに悲しいことがあっても、笑顔で乗り切ってきた故人様を表現したい
・故人様の「明るく見送ってほしい」との希望を尊重したい
このような気持ちで臨む葬儀では、ひまわりの明るい輝きが、悲しみの中にある方々の心に温かな光をもたらしてくれることでしょう。
故人様やご家族がひまわりに愛着をもっている
故人様やご家族にとって、ひまわりが特別な意味を持っている場合にも、ひまわりが望まれることがあります。例えば、以下のような場合です。
・故人様が庭いじりを好まれており、夏にひまわりを育てていた
・ひまわりの成長をご家族で楽しみにしていた
・ひまわり畑へご家族で出かけた思い出がある
愛着のあるひまわりを飾ることで故人様との絆を感じ、心の支えとなるかもしれません。
亡くなった父親に尊敬の気持ちを表したい
ひまわりの花言葉には、「憧れ」「敬慕」といった花言葉もあり、特に黄色いひまわりは、父の日に贈る花として親しまれています。そのような背景から、お父様を亡くされたご家族がひまわりの持つ意味を知って、花祭壇にリクエストされる場合もあります。ひまわりの花祭壇が、ご家族のお父様への感謝や尊敬の気持ちを代弁してくれることでしょう。
6.花祭壇でテーマを表現する「ひまわりの飾り方」
ここまで、弊社「花葬儀」において、花祭壇にひまわりが選ばれるケースを詳しく解説してきました。花葬儀では、ご家族との対話を通じて得た情報を基に、花祭壇に独自の「テーマ」を設け、そのテーマに沿って祭壇作りや会場演出を一貫して行います。
ひまわりの飾り方にもさまざまな工夫を凝らしており、単に花を配置するだけでなく、故人様との思い出やご家族の願いを表現する重要な要素になるような演出を心がけています。次項からは、ひまわりの具体的な飾り方について、実例を交えてご紹介いたします。
祭壇全体を数多くのひまわりで彩る
「周囲に元気を与えてきた故人様の明るいお人柄を祭壇で表現したい」このような想いをお持ちの場合には、数多くのひまわりで祭壇全体を彩る方法があります。ひまわりの活力ある色彩が、まるで故人様がほほ笑んでいるかのような雰囲気を創出してくれます。
ポイント使いで祭壇にアクセントを加える
ひまわりは、花の中心部と花びらの色のコントラストが際立っており、少量でも強い印象を与える花です。背の高いひまわり数本を花瓶に生けたり、小さめのひまわりを祭壇の足元に散りばめたりすることで、花祭壇に洗練されたアクセントを加えることができます。
特に棺の横や葬儀会場の入り口などに飾ると、参列者の方々の目を自然に引き、故人様らしさを象徴的に表現することもできるでしょう。
遺影の周りにあしらって故人様への想いを表す
ひまわりは、明るい未来を思わせる花ですから、遺影の周りなどにあしらうことで、故人様の幸福な旅立ちを願うご家族の想いを表すことができます。
ひまわりの花言葉を生かして、より深い意味を込めることも可能です。たとえば11本のひまわりの花言葉は、「最愛」ですので、遺影の周りに11本のひまわりをアレンジメントすることで、故人様への深い愛情を表現できるでしょう。
長い茎のまま使うことで自然の姿を強調する
ひまわりの長く太い茎は、大地から力強く生える様や、ひまわり本来の自然の姿を想起させます。例として「かつて家族旅行で訪れたひまわり畑」を表現したいときには、茎を切らずに長いまま使い、ひまわり本来の姿を強調します。故人様との思い出や自然の美しさをより印象づけるのにも、効果的です。
斎場入口に設置し参列者を温かく迎える
葬儀はどうしても厳粛な雰囲気になりがちですが、ひまわりを飾ることで、参列者のふさいだ気持ちを和らげ、故人様の人生を前向きにたたえる効果が期待できます。黄色やオレンジの大きな花びらは活力を感じさせるため、「皆で明るい気持ちで故人様を見送りたい」ときにもぴったりです。
7.花葬儀が「デザイン性の高いひまわり祭壇」 を演出できる理由は?
ここまで、花葬儀がどのような工夫を凝らし、花祭壇のテーマを表現しているかについてご紹介してきました。なぜ花葬儀は、ここまで魅力的かつ印象的な花祭壇を実現できるのでしょうか。
ここからは、花葬儀がさまざまなデザイン性の高いひまわり祭壇を演出できる理由を解説いたします。
イメージやテーマに合わせて1種類~数種類の品種を選択
ひまわりは中心部の濃い色が特長的ですが、同じ品種を大量に使うと、見る人に圧迫感を与えてしまうことがあります。花葬儀はこの点に配慮し、複数の種類のひまわりを組み合わせることで、全体の調和を保ちつつ変化をつけられるように工夫をしています。
葬儀業界では珍しく、自社のデザイナーが直接花市場に出向いて花の仕入れを行っているのも花葬儀の特徴です。中心部がグリーンやオレンジのひまわり、中心部が控えめな八重咲のひまわり、山吹き色やレモンイエローなどの色調の違うひまわりなど、多様なひまわりを使って柔らかい空間を作り出します。
祭壇はもちろん、空間全体のバランスを調整
ひまわりは視覚的インパクトが強いため、使い方によっては空間の調和を乱す可能性があります。そこで花葬儀では、全体を遠くから見たときのトータルコーディネートを考え、ひまわりを他の花や植物とあわせて、空間全体のバランスを調整します。
以前、春から夏に季節が変わるころに亡くなられた故人様のために、季節の移ろいをテーマとして、桜とひまわりを共演という形で同じ斎場内に飾ったこともありました。ひまわりの配置や量感、他の花や植物との組み合わせを慎重に検討することで、ひまわりの持つ個性を生かしつつ、心地よい空間を演出します。
ひまわり以外の素材にもこだわりテーマを表現
花葬儀では、ひまわり以外の花や資材も活用し、より豊かにテーマを表現します。過去には、夏のたそがれを表現するために、ひまわりの周囲に多くの枝物を飾りライトアップを施し、趣深い空間を演出したこともあります。
このような細やかな演出が可能なのは、空間デザイナーによる丁寧なヒアリングと、豊富な経験があってこそだといえるでしょう。
個々のひまわりの特性を生かしたアレンジメント
花葬儀の空間デザイナーは、葬儀までの限られた時間内にひまわりの特長を巧みに生かし、独創的なデザインの祭壇を創り上げます。
ひまわりの茎の長さを生かすと、個々の高さをあえてそろえずに変化をつけることで、動きのある生き生きとした祭壇デザインが可能になります。ひまわりの花は大きく重いため、ワイヤーで花が上を向くように支えるなど細かな技術も用いて駆使して、故人様への敬意あふれる祭壇を制作します。
ひまわりの入手が難しい場合にも最大限の工夫
以前、真冬でひまわりが入手できなかった際には、ひまわりを思わせるビタミンカラーの大きな花を祭壇周りに飾り、ご家族に大変喜んでいただいたことがありました。また別の葬儀では、なんとか仕入れた数少ないひまわりを斎場の入り口に効果的に配置し、故人様のご自宅近くのひまわり畑をイメージできるように工夫しました。
季節によっては、葬儀までの短い間にひまわりを入手するのが難しい場合もありますが、そのような状況でもご家族のご要望に添えるように、最大限の努力をもって花の選定、飾り付けを行います。
8.花葬儀のひまわり祭壇事例
最後に、花葬儀がこれまでお作りしてきた、ひまわりを生かした花祭壇の実例をご紹介します。
祭壇名:太陽に向かって
ご家族から「故人はとても前向きで一生懸命な人だったので、明るい色で送ってあげたい」とのご希望をいただき、季節の花でもあるひまわりを中心に花祭壇を作りました。8種類ものひまわりを使用し、植物がお好きだった故人様に喜んでいただくように、ところどころにグリーンも配置しました。
祭壇名:大輪の太陽に照らされて
明るいご性格であり、北海道出身であった故人様のために、北海道で多く咲くひまわりを取り入れた花祭壇を制作。故人様は紫色がお好きだったため、紫色のお花やグリーンを効果的に配置し、故人様らしさあふれる華やかな祭壇となりました。
祭壇名:夏の夕暮れ
ご家族が故人様に抱かれるイメージカラーが「黄色」「オレンジ」であると伺い、季節の花でもあったひまわりを主役として飾りました。ぬくもりのあるひまわりの色調が、故人様の温かなお人柄を表しています。さらに下方からライトアップすることで、涼しげな夏の夕景を再現しました。
祭壇名:ひまわりのように
故人様の元気なイメージを大切にしつつ、バランスを保った美しい祭壇です。黄色、オレンジ、レモンイエローの3種類の色のひまわりを巧みに組み合わせ、華やかさを演出ました。3色のひまわりを使うことで、単調さを避けながらも、活力に満ちた人柄を表現しています。
祭壇名:夏の香り
こちらは、故人様が晩年を楽しく過ごしたホームの居室に設置した特別な花祭壇です。「花が大好きだった父のために、明るい花をたくさん使いたい」とのご要望をいただき、故人様が愛したひまわりやダリアを中心に、季節の花々を豊かに配置しました。
ご紹介した以外にも、ひまわりやさまざまな花を使った花祭壇例を「花祭壇ギャラリー」でご紹介していますので、ぜひ一度訪れてみてください。
9.明るくインパクトのあるひまわりで、心に残る花祭壇を
ひまわりは、その明るさと圧倒的な存在感で、故人様への想いや故人様らしさを表現できる花です。しかし、ただひまわりを多く使うだけでは、真にご家族の想いを反映した花祭壇とはいえません。
弊社「花葬儀」では、カタログから花祭壇を選んでいただくのではなく、空間デザイナーが直接丁寧にお話を伺い、その場でデッサン画を起こしてご提案を行います。花祭壇で表現したいテーマやイメージをしっかりとご家族と共有し、完全オーダーメイドで心に残る花祭壇をお作りしています。
季節の花をふんだんに使ったオリジナルの花祭壇にご興味がある方は、ぜひ一度、花葬儀までご相談ください。事前相談も承っておりますので、ご連絡をお待ちしております。