バラでデザインした花祭壇の事例集
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- 【 花祭壇 】
バラの花をあしらった花祭壇は、現在、人気がある花祭壇のひとつです。地域の風習から「トゲがある花は祭壇にはふさわしくない」と言われていた時期もありましたが、今はどんな花を使っても問題はなく、バラの花の魅力をたっぷりといかした自由な祭壇で見送る方も増えています。
私たちは、そんなバラの花祭壇を、お客様ひとりひとりの気持ちに寄り添いながらつくることを大切にしています。この記事では、バラの花に込めたご遺族の想いや、バラの花をあしらった花祭壇をご紹介しますので、ぜひ、ご覧になってください。
1.バラの花祭壇など「形式ばらない花祭壇の魅力」とは?
「菊の花が飾られた昔ながらの祭壇には抵抗がある」
「大切な方を見送る最後の儀式だからこそ、明るく見送りたい」
このようなお客様の想いを実現できるのが、赤・紫・ブルー・ピンク・オレンジなど自由に花を選びデザインできる「形式ばらない花祭壇」です。
バラの花にはバラにしかない魅力があるように、あらゆる花にはその個性豊かな魅力が備わっていますよね。花葬儀では、それぞれの花の個性や魅力をいかして、故人様らしさをオリジナル花祭壇で表現することを大切にしています。
2.バラの色や種類を自由に組み合わせて
バラには、赤、ピンク、緑、紫、青、黄、オレンジ、白、茶などさまざまな色が存在します。また、カップの形や、球のような形をしているものなど、花の咲き方もいろいろあります。
さらに、1本の茎に対し1輪だけ花をつけるもの(スタンダード咲き)は花が大きく存在感があり、シンプルでもエレガントな印象がありますが、複数の花を咲かせるもの(スプレー咲き)は繊細で可憐な印象があるなど、種類によって見た目の雰囲気も変わります。
では、祭壇をデザインする空間デザイナーは、どんな風にバラの種類を選ぶと思いますか?
実は、お客様から故人様の生前のご様子を直接ヒアリングし、イメージをデッサンで共有しながら祭壇のテーマや使う花を決めていきます。
大事なことは、お客様が「祭壇にどんなメッセージを込めたいのか」「何を表現したいのか」をきちんと理解すること。その上で、どんな種類や色の花がテーマに合っているのか、色、咲き方、形などあらゆる組みあわせを考えてバラの種類を選び、花市場で何種類もの花を仕入れます。
3.バラの配置もオリジナル ~飾り方で雰囲気が異なる花祭壇に~
バラの花祭壇は、設置する場所や飾り方で印象が違う仕上がりになります。たとえば、祭壇全体にバラを散りばめれば、バラが強調されたとてもインパクトのある雰囲気の祭壇になりますし、アクセントにバラを使えば、全体にエレガントさを加えたり、さりげない清楚な印象にしたりすることもできます。
故人様がバラを好きだったという場合は、バラの花束を棺の上などに飾ると、故人様に喜んでいただけるような気がしますね。また、焼香台にバラの一輪挿しを添えるケースもあります。
このようにさまざまな方法を使って想いを表現し、故人様やご遺族だけのオリジナル花祭壇にしていきます。
より詳しい表現の仕方については「バラ祭壇でその人らしさを表現するには?」 の見出しをご覧になってください。
4.バラの花祭壇~事例集~
誕生日や結婚記念日などの贈り物として人気のある「バラ」には、「感謝」を意味する花言葉があります。また、その凛とした花姿や美しさからは、華麗、高貴、優雅、美しさ、情熱、上品など、ポジティブな言葉も連想できるでしょう。
このような素敵なバラをあしらった花祭壇なら、お客様のさまざまな想いを表現することができます。ここからは、「お客様のご要望」と「それを実際に表現したバラ花祭壇」をご紹介していきます。
バラで故人様らしさを表現した花祭壇
故人様の好きな花が、バラの花だった。
故人様がバラのような人だった。
バラの花祭壇なら、このような故人様の個性や面影を表すことができます。故人様の雰囲気をバラが自然に醸し出してくれるので、お客様からは「故人様との思い出が身近に感じられてよかった」というご感想を多くいただきます。
ここでは2つの事例をご紹介しましょう。
【テーマ:色とりどりのバラ】
「バラ栽培をご夫婦でなさるほどバラがお好きだった故人様」のためにご用意した花祭壇です。8種類のバラ、特にピンク色のバラを多くあしらいました。
【テーマ:せせらぎ】
故人様が代表取締役を務めたハウスクリーニング会社のコーポレートカラ―(水色)で、清潔さ水流の波をイメージした祭壇をデザインしました。
その豪華さとバラの清らかさから、故人様の人生そのものを表しているような雰囲気が感じられますね。
故人様への感謝の気持ちを込めた花祭壇
ピンクのバラの花言葉には「感謝」、赤いバラには「愛情」があります。大切な人への感謝の気持ちを愛情込めて伝えたいとき、これらのバラを使った花祭壇にしてみてはいかがでしょうか。
【テーマ:お疲れ様 お母さん】
大変な人生を歩んでこられたお母様を労い、「感謝を伝えたい」というご遺族の想いが伝わるような空間を演出。お好きだったバラやユリを使用した祭壇で、お母さまを包み込むようにデザインしました。
また、お誕生日には赤いバラを贈られていたとのことでしたので、ラッピングした花束を棺の上にお手向けしました。
「記憶に残る祭壇を」というご要望に応えた花祭壇
「ご遺族や参列者の記憶に残るような葬儀にしたい」
このような願いをかなえたいときには、バラの花がぴったりです。バラはその印象深い美しさと豊かな香りから、多くの人々にとって特別な存在の花として愛されているからです。
バラが心にインパクトを与えることによって「素敵な葬儀だった…」という感情が引き起こされる。バラにはそんな力があるような気がします。
【テーマ:春いっぱいピンク】
故人様のイメージカラーのピンクを基調とした「ご家族の記憶に残る祭壇」をおつくりしました。春の花の丘で休んでいるようなデザインが、とても印象的ですね。たくさんの美しく咲き誇る香り豊かなバラと春の花。甘くてフローラルな香りと一緒に、その素敵な空間を感じていただける、そんな祭壇となりました。
ガーデニングやお庭が好きだった方のための花祭壇
「お花が好きだった」「ガーデニングが趣味だった」という故人様のために、お庭にいるような空間にすることもできます。安らかに眠っている故人様を、お好きだった場所と花の中でお見送りできるよう、式場全体を演出します。
【テーマ:ガーデン】
自然の草木や花、そしてガーデニングがお好きだった故人様らしさがあふれるよう、ガーデン風のデザインにしました。バラの花をあしらったアーチで、かわいらしく穏やかな雰囲気のお庭を演出。斎場とは思えないような素敵な空間ができあがりました。
華やかなバラでご希望の場所を再現した花祭壇
空間は想いのままに演出できるので、想像を超える世界を生み出せます。そのため、憧れていた所や昔の思い出など、あらゆる場面を再現・演出することができるのです。大切なことは、故人様を送り出す最後の場面をご遺族と一緒にイメージすること。その結果、空間に一体感が生まれ、理想の別世界をつくることができるでしょう。
【テーマ:宇宙】
赤いバラやその他さまざまなカラーの花で華やかな祭壇に。さらに、イルミネーションライトやキャンドルの光によって、きらめく宇宙空間を演出しました。
明るい雰囲気を演出した花祭壇
「明るい花祭壇で見送りたい」というご要望も多くいただきます。華やかな色合いのさまざまな花をふんだんに使うと、目を見張るような明るい祭壇になります。その中に欠かせない花がバラ。バラのエレガントな形は全体の中でも特別な存在感があるので、明るさの中にも優雅な雰囲気を生み出してくれるでしょう。
【テーマ:エール!】
白、黄色、オレンジ、赤など、色どりどりの大振りの花を使い、明るさ、華やかさを演出。特にバラの花は故人様を明るく送り出す場面にふさわしく、まるでエールを送っているかのような花祭壇になりました。
お好きな色の花とバラでゴージャスな印象に仕上げた花祭壇
故人様やご遺族がイメージされる祭壇のカラーは、祭壇全体のイメージづくりに大きく影響します。同じ色でも濃淡がありますから、さらに色を絞り込んでいくことが大切。花の配置のバランスも印象に関わるので、ご遺族にスケッチをお見せして雰囲気を一緒に確認しながら、ゴージャスの度合いを決めていきます。
【テーマ:プリンセスライン】
ピンク、紫を主体にグリーンも入れたビビットカラーで送りたい、とのご要望を表現しました。バラの花はもちろんのこと、大振りの花をメインにしてグリーンを入れたことで、ピンクと紫の色がより際立ち、ゴージャスな印象に仕上がっています。
「ご遺族の想い」を込めたバラの花祭壇には、きっと故人様の面影が重なるはずです。
その光景は、ご遺族や参列者の皆さまの心と記憶にいつまでも残り続けることでしょう。
その他のバラ花祭壇は、「花祭壇ギャラリー」でもご覧になれます。
参考になさってくださいね。
5.「大切な方をバラの花で見送る」ということ
計り知れない悲しみの中にいるお客様であっても、葬儀を終えた際に笑顔で「最後にバラで見送ることができて、本当によかった」と感想を寄せてくださる方がたくさんいらっしゃいます。
ご遺族にとって特別な「バラ」で花祭壇を彩ることは、故人様への最後の想いを形にすることであり、前を向くためにとても大切なことなのではないでしょうか。
そのためにも、花葬儀では、ていねいなヒアリングが必要だと考えています。
ご遺族の想いをきちんと理解し受け止めた上で、美しく華麗なバラの花で花祭壇を演出する。それを忘れずに、これからもお客様に寄り添っていきます。