花祭壇に新風を吹き込むダリア~想いを伝える魅せ方、デザイン実例
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- 【 花祭壇 】
ダリアは規則正しく並んだ花びらと、目にも鮮やかな色彩が特徴の花です。今回は、ダリアを使った花祭壇について、魅せ方やデザインの実例をご紹介します。
「祭壇に飾る花は、菊やユリじゃなくてもよいの?」「ダリアでどんな花祭壇ができる?」
このような疑問をお持ちの方にぴったりの内容となっておりますので、どうぞ最後までご覧ください。
1.花祭壇でダリアが脚光を浴びるように
葬儀会場に設置する花祭壇といえば「白い花を使ったもの」をイメージする方が多いかもしれません。一方、ダリアは色彩豊かで明るい印象が強い花です。さらに、ダリアには一時期「毒があるため葬儀にはふさわしくない」という意見もありました。
このため、ダリアを花祭壇に使うことができるのか疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。まずはこの疑問について、以下で詳しく解説いたします。
明るい色合いのダリアは葬儀で避けられてきた
ダリアは現在さまざまな色の種類が流通していますが、品種改良を受けていない原種の色は主に朱赤、黒っぽい赤、桃色です。そのため、「血を連想させる」として、かつては仏式の葬儀では避けられ、白色を基本とする神式でも使われることはありませんでした。
しかし時代の流れと共に葬儀に対する厳格なルールが寛容になったこと、故人様やご遺族の意向がより尊重されるようになったことから、現代ではダリアを始めとした明るい色の花が、花祭壇で脚光を浴びるようになっています。
ダリアに「毒がある」という説は誤り
ダリアには長い間「毒がある」と言われていましたが、それは誤った情報です。ダリアの原産地であるメキシコでは昔、ダリアの根を食べる風習がありました。当時はダリアが非常に高価だったため、毒があるという噂を流した結果、広まってしまったという説もあります。
なお、ダリアは経口摂取しても、人体に影響はありません。ただし、犬や猫が食べたり接触したりすると、中毒症状などを引き起こす可能性があります。これはダリアに含まれるポリアセチレンなどによるものですが、ポリアセチレンは菊やコスモスなどのキク科全般が持っているものであるため、花祭壇に飾ることは問題ないと言ってよいでしょう。
2.花祭壇に生かしたいダリアの魅力
ここからは、ダリアの魅力や特徴について深掘りしていきます。
冬期にも入手可能
ダリアの旬は秋から春の間と、花の中でも開花シーズンが長いのが特徴です。旬の花が少ない冬期に彩りを添えてくれるのは、大きな魅力のひとつと言えるでしょう。
近年の栽培技術や保管技術の進歩により、現在は夏にもダリアを手にいれることができるようになりました。しかし夏に出回るダリアは、旬の時期と比べて本来の美しさを十分に発揮しづらい傾向があります。ダリアが最も美しく咲き誇るのは、旬である秋から春にかけてだと言えるでしょう。
花の色、大きさ、咲き方が多彩
ダリアの色には赤、ピンク、オレンジ、黄、白、紫、緑があります。単色だけでなく、複数の色が混じった種類もあり、バリエーションが豊富です。
花径(※1)は、5センチメートルほどの極小輪から30センチメートルを超える超巨大輪まで11種類があり、花びらの形は16種類に分類されるといわれています。品種による草丈の高低差が大きく、葉や茎の形、草姿の雰囲気もさまざまなタイプがあるのも特徴です。
はつらつとした発色、見た目や大きさ、形の違いが楽しめるダリアは古くから愛され、ナポレオンの妃ジョセフィーヌがバラと共にこよなく愛したという有名な逸話が残っています。
(※1)開花した花の大きさの目安
クラシカル、エキゾチックなど多様な雰囲気に調和
ダリアは一見インパクトの強い花ですが、実は他の植物との調和がとりやすい特徴もあります。その理由は以下の通りです。
・花びら1枚あたりのサイズが小さいため、個性が強くなりすぎない
・色味が暖色、かつ濃い色から薄い色まで豊富なため、さまざまな花・グリーンとも合わせやすい
このような特徴により、ダリアは以下のような多様な演出をすることが可能です。
・オリエンタル(東洋風)なイメージ
・落ち着きのあるクラシカルなイメージ
・南国や西洋風のイメージ
ダリアはキク科の植物ですから、古くから日本に自生している菊やユリとも相性がよく、さまざまな雰囲気に合わせることができるでしょう。
3.ダリアの咲き方の種類
ダリアの咲き方は、大きく「大きさ」と「花びらの形」で区別されます。
以下では、それぞれの分類についてご紹介します。
花の大きさによる分類
ダリアの花径による分類は、以下の通りです。
区分 | サイズ |
---|---|
超巨大輪 | 30cm以上 |
巨大輪 | 28cm以上 |
大輪 | 24cm以上 |
中大輪 | 21cm前後 |
中輪 | 17cm前後 |
中小輪 | 13cm前後 |
小輪 | 10cm前後 |
極小輪 | 5cm前後 |
花びらの形による分類
ダリアの花びらの形は「花の中央の筒状花(※2)が隠れるタイプ」と「露出するタイプ」に大別されます。代表的な花びらの形は、以下を参考になさってください。
(※2)筒状になっている花びら
名称 | 花びらのつき方 | 特徴 |
---|---|---|
デコラティブ咲き (デコラ咲き) |
八重咲き(※3) | ・花びらの幅が広い ・ダリアの原種に近い |
カクタス咲き | 〃 | 花びらが細長く尖っている |
セミカクタス咲き | 〃 | 花びらが細長く尖ってはいるが、 デコラティブ咲きに近い |
スイレン咲き | 〃 | スイレンに似ている |
フリル咲き | 〃 | 花びらの先が割れている |
ボール咲き (ポンポン咲き) |
〃 | ・球状 ・ダリアといえばこの形を連想する人が多い |
(※3)複数の花びらが重なって咲く咲き方
名称 | 花びらのつき方 | 特徴 |
---|---|---|
シングル咲き (一重咲き) |
一重咲き(※4) | ・通常は8枚の花弁で構成されている ・ダリアの原種に近い |
コラレット咲き | 〃 | 花びらの内側に小さな花びらがある |
アネモネ咲き | 〃 | 一重咲きの花びらの中央に筒状花がある |
オーキッド咲き | 〃 | 細長い花びらが内側に反っている |
ピオニー咲き | 半八重咲き | 幅の広い花びらが波打っている |
(※4)花びらが重なり合わない咲き方
4.ダリアの花言葉
ダリアの花言葉には、以下のようなものがあります。
・優雅
・気品
・栄華
・移り気
・不安定
これらの言葉は、ダリアの見た目の美しさの他に、ダリアを深く愛したナポレオンの妃ジョセフィーヌにまつわる逸話や、ダリアが爆発的人気を誇っていた中世ヨーロッパの政情を反映しているとされています。
赤、白、黄色のダリアには、以下のような特別な花言葉があります。
色 | 花言葉 |
---|---|
赤 | 華麗 |
白 | 感謝 |
黄色 | 優美 |
5.花祭壇にダリアを使うときの注意点
ダリアは、華やかで花祭壇に彩りを添えてくれる魅力的な花ですが、取り入れる際には注意点もあります。
ダリアは鮮度を保つのがとても難しい花
花祭壇に飾る花のほとんどは切り花ですが、ダリアは特に切り花にするとしおれやすいのが難点です。ダリアの特徴として、切り花にすると頭が下がり、早くしぼんでしまう傾向があります。なるべく綺麗な状態で長持ちさせるためには、状態の良いダリアを選んで仕入れることと、徹底した品質管理が欠かせません。
ダリアを取り扱っている葬儀社は少ない
ダリアの切り花は花持ちが短いため、スタンダードな葬儀プランや一般的な花祭壇カタログには含まれていません。ダリアを花祭壇に使いたい場合は、ダリアの扱いに長けた、手間を惜しまない葬儀社を探す必要があるでしょう。
6.【花葬儀】生命力あふれるダリア祭壇へのこだわり
通常、花祭壇を選ぶ場合はデザインの決まったカタログから選びますが、前述したように、カタログの中にダリアを使ったものはほぼありません。「ダリアを使って故人様が喜ぶような祭壇を作りたい」とお考えの方は、ぜひ花葬儀にお任せください。
花葬儀では、「100人いれば100通りの葬儀がある」という考えから、以下の流れに沿って、花祭壇をひとつひとつオーダーメイドでお作りしています。
流れ | 詳細 | |
---|---|---|
1 | 時間をかけたヒアリング | 花祭壇のデザインを考える上で重要となる故人様のお人柄や、思い出、ご家族のご要望などを入念におうかがいする |
2 | 空間デザイナー(※5) によるスケッチ |
ヒアリングをもとにデザイナーが花祭壇のデザインをその場で描き起こし、お客様と詳細を詰める |
3 | 仕入れ | 祭壇に必要な花を“日本国内最大の花き市場”と呼ばれる「大田花き市場」でデザイナー自ら仕入れる |
4 | 作り込み | 空間デザイナーを始めとしたスタッフが、葬儀会場の作り込みを行う |
(※5)花祭壇を含めた葬儀会場全体の演出を手掛けるスタッフ。フラワーデザイナーの役割も兼ねる。
花祭壇に使う花は、時期や流通状況の中からぴったりな種類を厳選し、祭壇設置当日の早朝に最も良い状態のものを市場から仕入れます。扱いが難しいとされるダリアも、花葬儀ではいきいきとした生命力そのままに飾り付けることが可能です。
次項から、花葬儀による「ダリアを使った花祭壇」について詳しくご紹介して参ります。
7.花祭壇でダリアが“生きる”ケースとは?
花祭壇のデザインを考えるとき、大切なのは、生前の故人様やご家族の「こうしたい」という想いではないでしょうか。そのご要望を表現するにふさわしい花を選ぶことができれば、祭壇はより意味を持ち、見る人の心に温かく残ることでしょう。
以下に、花祭壇でダリアを使うことが特に効果的であるケースをご紹介します。
華やか、ダイナミックな印象にしたい場合
かつての花祭壇は、白や淡い色の花を規則正しく並べたデザインが主流でした。現代では型にとらわれない自由な祭壇が増えており、粛々とした儀式を感じさせるデザインだけでなく、「生」があふれるダイナミックな祭壇も求められるようになりました。
花径が大きくインパクトのある色彩のあるダリアは、このような新しい傾向の花祭壇にぴったりです。華やかかつ個性的な花姿は、祭壇にはつらつとした風を吹き込むでしょう。また、他の花をメインとした場合でも、メインを引き立たせる名脇役としても活躍します。
「上品」「かわいい」などの故人様の性格を表したい場合
ダリアは咲き方の種類によって、さまざまな印象を与えることができます。
例えば「ボール咲き」のように丸みを帯びたダリアは、かわいらしさを表現することができます。また、「スイレン咲き」や「ピオニー咲き」は上品さや優雅さを見る人に印象づけるでしょう。
「気品漂う人だった」「かわいいものが好きだった」といった故人様のお人柄にあわせてダリアを厳選することで、やさしい雰囲気を演出することも可能です。
故人様の旅立たれた季節、好きだった季節を大切にしたい場合
お客様の中には、「故人様の旅立たれた季節を感じられるものにしたい」「故人様の好きだった季節を表現したい」という方もいらっしゃいます。葬儀の顔である花祭壇のテーマを特別な季節にすることによって、同じ季節が訪れるたびに故人様をしのぶことができるからです。
ダリアは春から秋にかけてが旬であるため、それらの季節を表現するのに適しています。濃淡の異なる品種を組み合わせることで、祭壇に奥行きを出すことができるでしょう。
厳かな、凛とした趣を醸し出したい場合
厳かな雰囲気を創出したい場合にも、ダリアはおすすめです。ダリアには白や薄い黄色などの落ち着いた色味もありますので、同系色のダリアを並べたり、自由に咲き誇る自然らしさを意識した生け方にしたりすることで、理想の花祭壇が作ることができます。
また、紫やシックな赤系のダリアを使うことで、クラシカルで凛とした雰囲気を演出することができるでしょう。
明るくポジティブな雰囲気で見送りたい場合
「故人が湿っぽいのが苦手だった」「少しでも明るくなるような雰囲気で見送りたい」という方には、花祭壇の基調をオレンジ、黄色といった元気な色味にするのがよいでしょう。
赤、だいだい色、さらには複数の色が混ざってグラデーションになっているものもおすすめです。デコラティブ咲きやフリル咲きなど華やかな印象を与えるものにすることで、明るい雰囲気にまとめあげることができます。
8.花祭壇におけるダリアの魅せ方一例
ここまでの内容を踏まえて、ここからは弊社花葬儀が行っている花祭壇でダリアをより効果的に生かす方法をいくつかご紹介します。
同色系の違うダリアで圧倒する
「華やかさ」「ダイナミックさ」を演出するにはさまざまな手法がありますが、思い切ってダリアだけを使って圧巻の世界を作るのはいかがでしょうか。
色や形、大きさが異なるダリアを祭壇いっぱいに飾ることで、斎場の広さに左右されない豪華な仕上がりになります。生命力あふれる圧倒的なダリアの花祭壇が、悲しい気持ちを和らげてくれるかもしれません。
「アーチ」にあしらって立体感を演出
花葬儀では、美しい庭園で目にするような「花のアーチ」を斎場に飾ることができます。アーチを設置することで、斎場に以下の効果が生まれるでしょう。
・思い出の場所や心休まる空間を表現することができる・立体感が加わり、斎場に奥行きが出る
・独創的な葬儀として見た人の記憶に残る
アーチに飾る花のサイズは小さいほどたくさんの量を必要とする傾向がありますが、一輪あたりのボリュームが大きいダリアの場合、少量でも迫力のあるアーチを作ることができます。
「枝もの」とともに使い空間に奥行きを持たせる
小規模、もしくは天井の低い斎場では、棺や祭壇、参列者用の席を置くと圧迫感を感じてしまうことが少なくありません。ダリアを使って斎場に奥行きを持たせるには、以下の方法が考えられます。
・大きいダリアを手前に、小さいダリアを祭壇の奥に生ける(遠近法)
・色の濃いダリアを祭壇の手前と奥にバラバラに生ける(視線の分散)
ダリアとともに、背の高い「枝もの」を設置したり、祭壇をガラスにしたりすることで、天井や床面を広く見せることができるでしょう。
一輪の花で引き立てる
一際色鮮やかなオレンジや赤色のダリアを、「1本だけ」使うのも良い方法です。緑や白などの淡い花々の中に色の濃いダリアを1輪挿すことで、祭壇に強いメッセージ性を込めることができます。
ダリアの花言葉になぞらえて、「感謝の気持ち」「華麗だった故人様を讃える気持ち」を祭壇で表現したい場合は、堂々とした花姿であるダリアを用いるのがおすすめです。
9.【花葬儀】ダリアを使った花祭壇の事例
最後に、花葬儀が手掛けてきた、ダリアを効果的に使った花祭壇事例をご紹介します。
祭壇名:ダリアに囲まれて
赤、オレンジ、黄色、白のダリアをふんだんに使った、華やかであたたかな印象を与える祭壇です。凹凸に活けた花が自然の中で咲き誇るようなダイナミックさを演出しています。また、両脇に絵設置した背の高い枝物が、空間に奥行きを生み出しています。
祭壇名:眠り姫
春の花の中で眠る「お姫様」をイメージした祭壇です。大輪で柔らかい色味のダリアをはじめ、ユリやスイートピーなどのかわいらしい花で棺を囲むようにデザインしました。咲き方の異なるダリアを複数使用しており、見る視点によって違った顔が味わえるのがポイントです。
祭壇名:秋色に染まる
斎場いっぱいに「秋色」を表現した、目にも鮮やかな花祭壇です。暖色系のダリアを複数種類使用し、秋の雰囲気を豊かに演出しています。赤く色づいた木々をライトアップすることで、天井にもきれいな影が映るようにいたしました。
祭壇名:ゴールデンフラワー
優しくて明るい、太陽のような故人様を表現すべく、祭壇にはオレンジと黄色のダリアがふんだんに飾られています。ご家族の「南国をイメージするものを入れてほしい」というご要望に応え、グロリオサなどの南国らしい花材を多く入れました。トロピカルな花々とダリアが見事に調和し、統一感のある祭壇を実現しています。
「太陽のように明るい妻のような、花いっぱいの葬儀にしたい」という想いを叶えたこちらのお客様のインタビュー記事もぜひ合わせてご覧ください。
祭壇名:ブリリアント
インパクトの強いダリアですが、選ぶ色によっては「落ち着いた雰囲気」を創出することができます。こちらの祭壇は白と紫を基調とし、白色のダリアを使っています。花径の大きなダリアやユリを添えることで、落ち着いた雰囲気の中に気品ある華やかさがプラスされるようにいたしました。
祭壇名:志高く
焼香台の前に花のアーチを設置している個性的な祭壇です。ピンクを基調とした花々の中に生けられている赤いダリアは、故人様を思わせるような「志の高さ」を表現しています。
ダリアを使った花祭壇の事例は、このほかにも数多くございます。花祭壇ギャラリーでは、斎場名、宗教、テーマカラーなどで検索して探すことのできますので、この機会にぜひご利用ください。
10.ダリアの花祭壇は「花葬儀」にお任せください
花葬儀は「いつまでも心に残るお葬式」を手掛ける葬儀社として、花祭壇を完全オリジナルのオーダーメイドでお作りしています。お客様の要望を引き出すヒアリング力、多くの経験が活きるデザイン力、花のプロによる厳選した花の仕入れと真心を込めた会場作りにより、世界でたったひとつの特別なお葬式をお約束いたします。
取り扱いの難しいとされているダリアも、多数使用実績がありますので、どうぞご要望をお聞かせください。思い出深い花祭壇を、デザイナーとご家族様で一緒に創り上げましょう。
花祭壇や葬儀に関するお問い合わせは、24時間受け付けているお電話、または何度でも無料で利用できる事前相談にて承っております。この機会に、ぜひご検討ください。