コスモスが彩る秋の花祭壇~季節感・魅力を最大限に引き出す演出の工夫~
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- 【 花祭壇 】
コスモスは秋を象徴する花であり、花祭壇にコスモスを使いたいと考える方も多くいらっしゃいます。しかしコスモスはデリケートな花であるため、花祭壇に取り入れられる葬儀社はまれであるのが現状です。
今回は、コスモスを用いた理想的な花祭壇のつくり方や、花祭壇実例を詳しく解説します。コスモスの魅力を引き出す演出方法もご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。
1.コスモスを取り入れた花祭壇の要望は多い
「コスモスを取り入れて花祭壇をつくってほしい」との要望は、非常に多くなっています。その背景には、以下のようなさまざまな理由があります。
- ・ご家族でよくコスモス畑に出かけていた
- ・ご夫婦の思い出の場所にコスモスが咲いていた
- ・故人様がコスモスの花が好きで育てていた
- ・秋に行くハイキングでコスモスを見るのを楽しみにしていた
コスモス畑のある公園や観光名所は多いため、コスモスが故人様との思い出の花になっているケースも少なくありません。このような個人的な思い出や愛着が、コスモスを取り入れた花祭壇の人気につながっているようです。
2.コスモスを花祭壇に取り入れられる時期
コスモスは、メキシコを原産とする一年草です。市場にもっとも出回るのは秋で、この時期が一番花祭壇に飾るのにふさわしく、豊富に手に入りやすい時期でもあります。
弊社花葬儀では秋以外の時期でも、温室栽培などにより育てたコスモスを特別に取り寄せることもございます。ただしどの季節においても、その年の気候や需要の状況などにより手に入るコスモスの量は異なりますから、コスモスの花祭壇をご希望の場合は葬儀社に相談しましょう。
3.知っておきたいコスモスの花言葉
コスモスに共通する花言葉は、「謙虚」「調和」「秩序」「乙女の純真」「美しさ」などです。
コスモスの名前の起源は、ギリシャ語の「kosmos,cosmos(調和、秩序、宇宙)」です。花びらが対称的に並ぶ姿が宇宙の秩序を連想させることから命名され、「調和」「秩序」などの花言葉がつけられました。「乙女の純真」「美しさ」の花言葉は、可憐で繊細なコスモスを象徴しています。
またコスモスには、色によっても異なる花言葉があります。以下に、色ごとの花言葉をご紹介します。
色 | 花言葉 |
---|---|
ピンク・紫 | 純潔 |
白 | 優美・美麗 |
赤 | 乙女の愛情 |
オレンジ・黄色 | 野生的な美しさ・自然美 |
4.コスモスの特徴と魅力
コスモスは、この花ならではの特徴と魅力を持っています。コスモスの独自の特徴と魅力について解説します。
繊細で可憐な花姿
コスモスは秋に咲き、その花びらの形が桜に似ているため、日本では「秋に咲く桜」という意味で「秋桜(あきざくら)」とも呼ばれます。
コスモスの花びらは桜の花びらのように繊細で非常に薄く、光を透かすような質感を持っています。茎は細くてしなやかであり、風に揺られるたびに花びらを絹のように柔らかく揺らします。この可憐な花と華奢な茎の組み合わせが、コスモスの繊細さを一層引き立て、見る者の心をひきつけているのです。
多彩な花色
コスモスは、その多彩な花色でも多くの人々を魅了します。一般的に見られるピンクや紫、白のほかにも、赤、黄、オレンジ、深い赤茶など、さまざまな色合いが楽しめます。
ピンクのコスモスは、柔らかな色合いが秋の風景に溶け込みます。白いコスモスは、清楚で純粋な印象を与え、赤いコスモスは、情熱的で力強い印象を持ち、黄色やオレンジのコスモスは、明るく元気な雰囲気を醸し出します。
高い草丈
コスモスは、その高い草丈(くさたけ/植物の地上部分の根元から葉のもっとも高い部分までの垂直の長さ)が特徴のひとつです。草丈は品種によって異なりますが、多くの品種は1m~2mまでに達します。
茎は華奢ですが、この草丈の高さと相まって、風にそよぐコスモスの花はたいへん優雅で、自然が描いた絵画のようです。
群生が織りなす美しさ
コスモスは茎の高さにはばらつきがあるため、群生すると自然に階層的な配置になります。低い位置に咲く花、中程の高さの花、そして背の高い花が混ざり合い、立体的で奥行きのある美しい景観がつくり出されるのです。
また、風が吹くとコスモスの花々が揺れ動いて重なり合います。動きが加わることで、生き生きとしたダイナミックな景観も楽しむことができます。
日が短くなる秋に花を咲かせる
コスモスは、日照時間が短くなると花を咲かせる「短日植物」です。そこで、昼間の時間が短くなる秋になると花が咲き始めます。さらに、コスモスは比較的涼しい気候を好み、20℃前後がもっとも成長しやすいとされているので、秋に花を咲かせることが多いのです。
コスモスは、秋の澄んだ空気と青空に映える美しい景観をつくり出すことで、日本では秋の風物詩として親しまれています。
5.地植えと切り花:それぞれのコスモスの持ちの長さと管理方法の違い~
コスモスには、地植えと切り花の2種類の楽しみ方があります。それぞれの日持ちの長さや管理方法の違いについて解説します。
地植えのコスモス
地面に直接生える地植えのコスモスは、自然の環境に合わせて適度な水やりや間引き、雑草の除去などが必要ですが、群生していると一面に広がった花が風で一斉に揺れ、その美しい景色は圧巻です。
茎が細くて長いため、風に弱い面もありますが、台風や強風で倒れてしまっても、再び起き上がるほど丈夫であり、長期間にわたって美しい花を楽しめます。
切り花のコスモス
コスモスの切り花は他の花とくらべて弱りやすく、長く楽しむには、きめ細かい管理を要します。
コスモスは、水が下がりやすい特性があるため、花瓶などに生ける前に茎を斜めにカットするなど、花の鮮度を保つ工夫が必要です。温度にも敏感ですから、直射日光を避け、できるだけ涼しい場所に置くように配慮することも重要です。
6.花祭壇をコスモスで彩るための必須条件~オーダーメイドだからできること~
ここまで、コスモスのさまざまな特徴をご説明してきました。ここからは、花祭壇にコスモスを使うための必須条件と、弊社「花葬儀」がどのようにしてその条件をクリアしているかを解説します。
弊社では、地植えのような群生している景観を再現する方法、切り花をポイントで飾る方法のどちらの表現も可能です。最高の状態を維持できるよう工夫しつつ、故人様やご遺族の思いに寄り添った花祭壇を実現するために行っている取り組みを、以下よりご紹介します。
丁寧なメンテナンス
花祭壇にコスモスを使う際は通常、切り花を使います。しかし前述したように、切り花のコスモスは管理が難しく特別な配慮を必要とするため、カタログから選ぶような一般的な花祭壇ではほとんど扱われていません。
コスモスで花祭壇をつくる際は、飾り付け前から飾り付け後まで徹底したケアが欠かせません。水分量の調整をするなど丁寧なメンテナンスを行い、花の魅力を最大限に引き出し続けることが重要になります。
このような丁寧なメンテナンスは目立たない作業ですが、長時間にわたって生き生きとしたコスモスの姿を保つために必須です。こうした努力が、参列者の胸を打つ花祭壇につながっているのです。
デザインの工夫
コスモスは、細い茎の先に可憐な花が咲く魅力的な花ですが、その繊細な美しさ故に、適切なデザインの工夫が不可欠です。細い茎や小さな花びらが大きな祭壇の中で埋もれてしまい、その魅力が参列者に伝わりにくくなるのです。このデザイン上の制約もまた、一般的な花祭壇でコスモスが用いられない理由です。
そのため、コスモスを花祭壇で使いたい場合は、コスモスの花祭壇づくりの実績のある葬儀社に相談することをおすすめします。
なお花葬儀では、花祭壇を全てオーダーメイドでつくっており、コスモスの繊細な魅力を最大限に引き出すデザインが可能です。コスモスの特徴を知り抜いた空間デザイナー(※)が、コスモスに思い入れのあるご家族のご要望にお応えする花祭壇をおつくりします。
(※)空間デザイナー:葬儀会場全体をつくり上げる専門スタッフで、花祭壇をつくるフラワーデザイナーでもあります
7.理想のコスモス花祭壇を作成し維持・管理するポイントは?
実際に花葬儀では、どのようにして理想のコスモス花祭壇をつくっているのでしょうか。こちらでは、花葬儀が行うコスモスを使った花祭壇のつくり方や、メンテナンス方法の詳細を解説いたします。
コスモスを最大限に生かすためにヒアリングを実施
花葬儀では、空間デザイナーが同席して、ご家族の悲しみに寄り添いながら徹底したヒアリングを実施します(時間はご要望に応じます)。ヒアリングでは、「故人様とのコスモスの思い出」「どうしてコスモスを使いたいのか」などを丁寧にうかがいます。
ヒアリングの後、日本最大級の花市場である大田市場で、そのときのコスモスの品質や入手できる量を考慮しながら、適切な量のコスモスを入手します。
ご要望に沿ってコスモス花祭壇をデザイン
空間デザイナーが、ご家族からいただいたヒントやご要望とともに、入手できる花の色・質や量、ご予算も踏まえて、コスモスが最高に輝く花祭壇をデザインします。このようにして、世界にひとつだけのコスモスの「花祭壇のデザイン」が生まれるのです。
コスモスの輝きを保つため自社アトリエで細かく管理
デザインが決まったら、空間デザイナーが、それに応じて市場でコスモスを入手します。そして、最適な状態で飾れるよう、自社のアトリエで花祭壇をつくる直前まで、水分や温度の調整などを細かく行って管理します。
コスモスはデリケートな花であるため、祭壇に飾られたコスモスが鮮度を失ってきた場合に、すぐに差し替えられるようメンテナンス用の予備の花も準備します。
季節や花の質に応じて、また予備分も含めたコストとの兼ね合いも考慮しながら適量のコスモスを入手するのには、コスモスを扱った豊富な経験が必須です。知識と実績のある空間デザイナーがいる花葬儀だからこそ可能なことだといえます。
丁寧なメンテナンスで花祭壇の美しさをキープ
コスモスの花祭壇をつくったあとも、通夜から葬儀・告別式まで、花祭壇の美しさをキープするために、花葬儀ではメンテナンスを怠りません。適宜コスモスの状態を確認し、霧吹きで水を吹きかけたり、使えなくなった花を予備の花に差し替えたりします。
風にあたると花が萎えやすいので、エアコンの風向に合わせて花の位置を変えるなどの注意も払います。
8.花葬儀が「コスモスで彩る花祭壇」に込める思いとは?
これまでご説明したように、コスモスを花祭壇に取り入れるには、特別なケアや工夫が必要です。しかし、そのような中でも花葬儀が他の葬儀社ではあまり扱わないコスモスを扱うのには、深い理由があります。
花葬儀ではどのような思いを込めてコスモスを飾るのか、その一部を以下よりご紹介します。
故人様との思い出の秋を表現したい
コスモスは、その姿からすぐに秋の風景を連想するほど「秋」という季節を象徴する花です。ご遺族と故人様の思い出が秋と深く結びついているときには、特別な秋をコスモスを中心とした花で再現し、ご家族の大切な記憶に寄り添った花祭壇をおつくりします。
秋がめぐるたび故人様を思い出してほしい
大切な方が旅立ったのが秋であった場合、花祭壇をコスモスで彩ることで、ご遺族には秋がめぐってくるたびに故人様を思い起こしていただけるでしょう。それは、故人様をしのぶことにもつながるため、秋の花であるコスモスを取り入れた花祭壇でのお見送りをおすすめするケースがあります。
9.コスモスを生かす花祭壇の演出方法
花葬儀では、単に花を配置するだけでなく、故人様との思い出やご家族のご希望を祭壇に反映するよう演出にもさまざまな工夫をしています。ここでは、花葬儀におけるコスモスを生かした花祭壇の具体的な演出方法をご紹介いたします。
大量のコスモスでコスモス畑を再現
「家族で、コスモス畑を見によく出かけていた」。このような故人様との思い出をお持ちのご家族には、大量のコスモスを使ってコスモス畑を再現する方法があります。過去には1,000本以上ものコスモスを入手して、まるでコスモス畑にいるかのような祭壇をおつくりしたことがございます。
たくさんのコスモスは、故人様と共有したコスモス畑の記憶を鮮やかによみがえらせてくれます。
枝物の根元に飾り自然の世界を演出
背が高くしなやかに曲がる枝物の根元にコスモスを飾ると、コスモスの細い茎もいっしょに動くように見え、まるで、野原の草木が風に揺れるような自然な空間をつくり出せます。ピンクやオレンジなどの明るい色のコスモスを選べば、枝物の緑との相乗効果で、美しい自然の風景が創出されます。
濃色のコスモスで凛々しい印象に
コスモスの花には、情熱的な赤や、チョコレートのような深い赤茶のものがあります。シックで濃い色のコスモスはインパクトがあり、少量でも祭壇にアクセントを加えます。濃い色のコスモスを白やクリーム色などの淡い色の花と合わせると、モダンで凛々しい、引き締まった印象の祭壇をつくることができます。
花群の奥に配置し立体感を生む
背の高いコスモスを祭壇の花群のうしろに配置すると奥行きができて、祭壇に立体感が生まれます。茎の丈が長いコスモスは、祭壇全体のバランスを取るための背景の役割を担えます。祭壇の奥に置けば、立体感が出るほか、花の色も多彩ですから、色によって明るい雰囲気ややわらかい印象の祭壇にすることも可能です。
遺影を囲うように優しく彩る
優しく細やかな心遣いのある故人様であったなら、繊細で可憐なコスモスを遺影を囲うように飾ることで故人様らしさを強調できます。また、コスモスの花言葉には「乙女の純真」「美しさ」などがあり、特に故人様が女性であった場合、遺影の周りにあしらえば、ご家族の胸には美しい故人様の最後の姿が胸に刻まれることでしょう。
高さを生かして花器に飾る
豊富に使用できるだけのコスモスが手に入らない場合などでも、背の高いコスモスを透明なガラス瓶やシンプルな陶器の花器に生けて飾ると、花祭壇に洗練されたインパクトを加えられます。特に葬儀会場の入り口などに高いコスモスを飾ると効果的で、秋の風情を象徴的に表現できます。
10.【花葬儀】秋の風情漂うコスモスを使った花祭壇実例
最後に、花葬儀がこれまでおつくりしてきた、コスモスで彩った花祭壇の実例をご紹介します。
祭壇名:コスモスの丘
花葬儀の空間デザイナーが約1,500本のコスモスを用意し、地植えの群生したコスモスを再現しました。中央の棺を囲むように花を配置し、まるでコスモス畑にいるかのような風景をおつくりしました。
祭壇名:夫婦の絆
背の高いグリーンの枝物の下に、コスモスが地面から直接生えているように飾りました。ピンクや紫のコスモスの繊細な花びらとグリーンの枝のしなやかなラインを組み合わせることで、野原のような自然が醸し出す雰囲気を演出しています。
祭壇名:秋風
季節を大切にされていた故人様のために、秋をイメージして、紅葉、ススキ、コスモスのほかに蓮やパイナップルも入れた花祭壇とし、ご家族にたいへんご満足いただけました。濃い赤茶のコスモスをポイントで使い、祭壇にアクセントをつけています。
祭壇名:公園
祭壇の両脇に、木の枝の間から白やピンクのコスモスが顔を出すように配置しました。コスモスの繊細な花びらとしっかりとした木の枝の組み合わせにより、祭壇のテーマである「公園」の雰囲気を表現しています。さらに枝の長さや形を調整することで、枝がコスモスの可憐さを引き立てる役割を果たすように飾りました。
ご紹介した以外にも、コスモスやさまざまな花を使った花祭壇の実例を「花祭壇ギャラリー」に掲載しておりますので、ぜひ一度ご覧になってみてください。
11.秋を象徴する可憐なコスモスで記憶に残る花祭壇を
コスモスは、秋桜との和名があるとおり、日本人にとって秋を代表する可憐な花です。コスモス畑のある公園も多いことから、コスモスの花祭壇を要望される声もよく聞かれますが、コスモスは扱いが難しいため理想的な花祭壇をつくることは簡単ではありません。
しかし、花葬儀なら秋に咲き誇るコスモスを使って、ご家族や参列者の記憶に残る花祭壇をつくることができます。秋の訪れとともに、故人様の思い出が自然とよみがえるような花祭壇を心を込めてご提案いたします。コスモス畑に故人様との思い出がある方は、ぜひ、花祭壇をコスモスで彩ってみてはいかがでしょうか。
コスモスでの花祭壇をご希望の方は、花葬儀の事前相談まで、ぜひお気軽にご連絡ください。お待ちしております。