花祭壇の空間デザイナーとは?心に残るお別れの場を創るプロの技術
- 作成日:
- 【 花祭壇 】
大切な方への想いが強いほど、ご家族の葬儀への想いは強くなりますが、そうした想いを従来の葬儀で表現することは困難でした。空間デザイナーが在籍する花葬儀は、この課題に真正面から向き合います。オーダーメイドの花祭壇を通じて、「100人100通りのお葬式」を実現し、ご家族の想いを尊重する葬儀の提案が可能です。
今回は、オーダーメイドの花祭壇に欠かせない空間デザイナーの役割や技術を具体例とともにご紹介します。故人様の個性やご家族の希望を反映した葬儀を行いたいとお考えの方は、ぜひ、この記事を参考になさってください。
1.花祭壇を手掛ける空間デザイナーとは?
空間デザイナーがどういうものなのか、ご存じない方も多いことでしょう。最初に、花祭壇の制作を手掛ける空間デザイナーについて解説します。
葬儀における「空間デザイナー」とは?
そもそも空間デザイナーとは、建築的な知識を生かし、住居や店舗などの空間を美しく、かつ機能的にデザインする専門職です。弊社「花葬儀」における空間デザイナーは、この専門性を葬儀に生かし、故人様とご遺族の想いを会場全体で表現する役割を担います。
それができるのは、ご遺族とコミュニケーションを取り、故人様の思い出やご希望、イメージなどを細かくヒアリングするからです。花祭壇のデザインから会場全体の装飾まで、ご遺族と共に決めた「テーマ」で一貫して行います。単に装飾を行うのではなく、ご遺族の想いを大切にしながら、その場に集う人々の心に残るお別れの場をデザインするプロフェッショナルなのです。
花葬儀だから存在する空間デザイナー
一般的な葬儀社では、花祭壇の制作を提携する生花店に任せることがほとんどです。多くの葬儀社には会場全体を包括的にデザイン・演出する専門家がいないため、空間デザインへの取り組みは限定的です。
一方、花葬儀は空間デザイナーがフラワーデザイナーの役割も兼ね備え、故人様やご遺族の想いを反映します。花祭壇だけでなく、会場全体を一つのテーマやイメージで演出するのは、花葬儀ならではの特徴です。
2.花祭壇作りにおける空間デザイナーの役割
「世界でたった一つのお葬式」をオーダーメイドで作り上げるために欠かせない、空間デザイナーが花祭壇制作で果たす役割をご説明します。
ご遺族の想いをヒアリング
葬儀を行うにあたり、空間デザイナーが大切にするのは、ご遺族との対話です。ご遺族のもとにうかがってじっくりとお話をし、故人様のお好きだったもの、共に過ごした思い出、そして葬儀に寄せる希望などを丁寧に聞き取ります。
時には何時間もかけ、ご遺族が納得できるまで大切な方について語っていただくことで、ご遺族は悲しみと向き合い、少しずつ心の整理ができていきます。ヒアリングを通して、ご遺族とともに花祭壇や葬儀空間を作り上げる。そのプロセスを大切にしています。
デッサンの描き起こしにより具体的なイメージを提案
空間デザイナーはご遺族のヒアリングをもとに、その場で花祭壇のデザインをデッサンとして描き起こします。ご遺族に具体的なイメージを共有し、花祭壇や葬儀空間がどのようになるのかを提案するためです。ご遺族は、自分たちの希望がどう形になるかを確認しつつ、納得しながらデザインを決められます。
故人様・ご遺族の想いを「オーダーメイド花祭壇」で表現する
花祭壇は「カタログから選ぶ」のが通常ですが、空間デザイナーが作るのは、一つとして同じものはない「オーダーメイド花祭壇」です。デッサンをもとに、故人様の人生やご遺族の希望をしっかりと形にし、それぞれの物語に寄り添う、唯一無二の祭壇を創り上げます。
さらに花葬儀では、花祭壇を参列者の供花代分の費用で拡充する「エクステンション供花」をおすすめしています。参列者からいただく供花分の費用を花祭壇費用に組むこの仕組みで、参列者全員で一つの花祭壇を作り上げる実感を大切にしているのです。
詳細は「花葬儀のエクステンション供花とは?」をご一読ください。
会場全体の空間をデザインする
空間デザイナーは単に花を配置するだけでなく、レイアウトや照明、色彩を総合的に考慮し、受付やメモリアルコーナーなど、会場のあらゆるエリアをデザインします。
花葬儀の大きな特徴は、葬儀会場にとどまらず、多様な場所で装飾や演出が可能な点です。ご自宅のお部屋やお庭、菩提(ぼだい)寺、故人様が入居されていた施設など、場所を選びません。
このような自由な演出は、型にはまらない表現ができる一方、高い専門性が求められますが、経験豊富な花葬儀の空間デザイナーであれば、各場所の特性や雰囲気に合わせた繊細なデザインが可能です。
【花祭壇ができるまで】の動画をご覧ください
花祭壇の作り方のプロセスを実際に見ることができる動画がございます。空間デザイナーによる花祭壇の制作過程や、花祭壇の演出がどのように行われるのかを見ることができますので、詳細な工程を知りたい方はぜひご覧ください。
3.空間デザイナーによる「魅力的な花祭壇づくりの技術」とは?
ここからは、故人様の個性やご遺族の想いを反映し、記憶に残る花祭壇を作ることを可能にする「空間デザイナーの技術」についてご紹介します。
会場の特性を活かした空間演出
空間デザイナーは式場の高さや横幅を考慮し、参列者の目線が集まる場所を中心にデザインを組み立てます。
たとえば天井が高い会場では、ライトで天井を照らし、空間に広がりと奥行きを持たせます。視線が向かいやすい高い位置に枝物や背の高い草花を配置するのも効果的です。さらに、天井からガラス資材を吊るす方法もあります。ガラスに光を反射させることで華やかさとインパクトを与え、天井の高さを活かした魅力的な空間デザインが可能となります。
照明技術を活用した特別な演出
会場の特性に合わせるためだけでなく、葬儀に感動的な雰囲気を与える手法として、照明技術を活用した演出を行うこともございます。
たとえば、あえて部屋を暗くして祭壇をライトアップすることで、夜明けや夕暮れを表現することが可能です。夜明けを表現するには、あたたかみのあるオレンジや黄色のライトで空間に柔らかな光を注ぎます。一方、夕暮は、深みのある赤や紫の照明を使って表現します。
間接照明やライトを活用することも有効です。花祭壇のまわりに控えめな光を当てることで、装飾がより際立つ効果が生まれます。
資材や小物、思い出の品を駆使したデザイン
花以外の資材や品物を活用し、故人様の個性や生き様を表現するのも、空間デザイナーの得意とするところです。
モダンで繊細な雰囲気を求める場合は、ガラスの花器や祭壇が選ばれます。明るくにぎやかな雰囲気がお好きだった故人様には、パーティー会場のような温かな空間を風船を取り入れて作ります。思い出深い場所とのつながりを大切にする際には、故郷の川の水を取り寄せて川の流れを再現し、故人様の人生を象徴的に表現することもあります。
香りやBGM、風を使った演出
視覚的な美しさだけでなく、聴覚、触覚、嗅覚といった五感に訴える演出もいたします。
故人様が好んでいたアロマの香りを使用すれば、生前のぬくもりを感じていただくことができます。また、川の流れや虫の声をBGMとして流すことで、自然を愛した故人様との思い出がよみがえります。サーキュレーターの風で祭壇の草花を揺らし、葉擦れの音を奏でる表現も可能です。
ここまでにご紹介した技術をすべて駆使して作り上げた花祭壇は、故人様やご遺族の想いを映し出す特別なものとなり、参列者の記憶にいつまでも残ることでしょう。
4.空間デザイナーによる花祭壇の具体例
最後に、空間デザイナーの技術が光る花祭壇の具体例をご紹介します。
祭壇名:照紅葉
本物の紅葉した枝物と色鮮やかな花々で、まるで自然の紅葉が目の前に広がっているような花祭壇をおつくりしました。さらにライトアップをすることで、あたたかみのある光が花々や紅葉を引き立て、幻想的な空間に仕上げています。
祭壇名:アフリカンシンフォニー
故人様が「シンプルなデザインとグリーンがお好き」だとお聞きして、グリーンを主体に、白や赤のバラやダリアを組み合わせて、故人様の愛情深さと力強さを表現しました。式場の入り口にもグリーンをふんだんに配し、参列する方々をあたたかく迎える工夫をしています。
祭壇名:プリンセスの世界
虹色の風船でゲートを飾り、故人様の大好きなプリンセスの世界に参列者が足を踏み入れるような演出を施しました。会場全体が華やかになるよう、ピンクやパープルの花々をあしらい、思い出の品や可愛らしいドレスなど故人様のお気に入りのアイテムを飾りました。
祭壇名:水音が響きわたる
紫がお好きだった故人様のために、紫色のグラデーションを基調とした花々で祭壇を彩りました。ベンチやアーチを取り入れることで、会場全体が公園のような温かな雰囲気に包まれます。さらに水音のBGMを流すことで、故人様が川の流れる公園でくつろいでいるかのような、静謐で温かみのある空間を創りました。
祭壇名:満天の星空
ご自宅でも、すばらしい葬儀空間を作ることができる実例です。天井からガラスボールを吊るして満天の星空を表現し、故人様が大好きだった幻想的なジブリ映画の世界を再現しました。ご希望のチューリップやアジサイに加え、桜も取り入れた花いっぱいの花祭壇は、自然の温もりとファンタジーの世界が見事に融合しています。
祭壇名:壮麗なこの場所から
ガーデニングが趣味であった故人様の自宅のお庭で、故人様が大切に育てた花々を取り入れたガーデン葬です。デッキには、故人様が飾っていたオブジェやブリキのじょうろを飾り付け、お好きだった花とともに故人様の思い出が息づく空間にしました。
ご紹介した以外にも、空間デザイナーが技術を駆使して作り上げたオーダーメイドの花祭壇の実例を「花祭壇ギャラリー」に多数掲載しております。ぜひ、ご覧になってみてください。
5.空間デザイナーが心に残る花祭壇をデザインいたします
葬儀における空間デザイナーの役割の重要性をご説明いたしました。一人ひとりに違った人生があるように、葬儀もその方らしいそれぞれに違った葬儀があっていいはずです。ご遺族にとって大切な方の最期を悔いの残らないものにするためにも、花葬儀では空間デザイナーを擁して、オーダーメイドの葬儀にこだわってまいります。
この記事をお読みになり少しでも関心を持たれた方は、花葬儀の事前相談まで、どうぞお気軽にご相談ください。