自宅葬における花祭壇の魅力と注意点
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- 【 花祭壇 】
ご葬儀の祭壇といえば、寺社を模した屋根のある祭壇(白木祭壇)をイメージされる方も多いことでしょう。たしかに、これが一般的な祭壇なのですが、近年はお花で祭壇を彩る「花祭壇」の人気が高まっています。
今回は、その人気急上昇中(?)の花祭壇の魅力に迫るとともに、その注意点をご紹介します。
花祭壇が秘める魅力
花祭壇が持つ魅力、ここでは2点に絞ってご案内いたしましょう。
■いろいろな演出方法がある
使うお花や色に、制限はありません。故人様がお好きだった花、お好きだった色の花を飾ることができます。たとえば、ピンク色の花だけを使ったもの、胡蝶蘭だけを使ったものなど、そのこだわりによってできあがる祭壇は十人十色です。
また、花や草木を巧みに使うことで、森や野原、花畑のような雰囲気の祭壇を作ることができます。弊社では過去に、ゴルフコースや釣堀など、故人様がお好きだったものを祭壇で再現したことがあります。このようにして作る世界にひとつだけの祭壇だからこそ、ご家族やご参列のみなさまの記憶に残るご葬儀になるのです。
■祭壇そのものの美しさ
波のようにうねらせたり、奥行きを持たせたり。花の角度や長さを微妙に調整して作られる花祭壇は美しく、芸術的ともいえるものです。美しい花祭壇はご家族やご参列者の悲しみを癒し、穏やかなものにしてくれることでしょう。このようなお花の力を感じられることも、花祭壇の大きな魅力です。
自宅葬で花祭壇を使うメリット
ところで、葬儀会場を使わず、ご自宅で小規模の葬儀を執り行う「自宅葬」が、ここ数年で多くなってきました。花祭壇は規模の大きな葬儀に限られるというイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。自宅葬でも花祭壇を作ることはでき、そのメリットもあります。ここで少しご紹介しましょう。
■祭壇をコンパクトにできる
自宅葬でまず問題になるのは、スペースの狭さです。葬儀会場で供花を飾っている花スタンドは1~2メートルほどの高さがあるので、一般の住宅に置くには不向きです。
しかし、花祭壇にしてしまえば、いただいたお花を祭壇に組み込むことができます。スタンドのスペースがない分、たくさんのお花を飾ることができますし、名札がないため、誰からの供花をどこに置くか悩む必要もなくなります。
このように考えると、花祭壇こそ、じつは自宅葬に向いているのかもしれないことがわかります。
ただし、自宅葬での場合はちょっとした注意点もありますので、次にそれをご案内します。
自宅葬の花祭壇の注意点
魅力やメリットが溢れる花祭壇ですが、もちろん注意すべき点もあります。以下4点、ご案内いたします。
■花粉、お花のにおい
生花をつかうため、どうしても花粉が落ちやすい環境になってしまいます。花粉症などアレルギーを持っている方もいらっしゃるので、使うお花を変えるなどの配慮が必要になることもあります。また、お花の香りが苦手な人のことも考え、適度に換気すれば親切でしょう。
なお、花粉が喪服についてしまった場合は、ガムテープなどで軽く叩いて取るようにしましょう。水をつけて擦ると花粉が広がってしまい逆効果です。ガムテープでもとりきれない花粉は、マニキュアの除光液をつけて落とすと効果的です。
■祭壇の費用
花祭壇の費用は、使う花の種類や量によって変わります。もちろん、費用を抑えるに越したことはないかもしれませんが、ここで注意が必要なのは、あまりにも安いまたは高い価格の花祭壇です。
生花の祭壇を安く作ってもらえると思って注文したら、じつは造花だったということは本当にあります。逆に、造花の祭壇を頼んだつもりなのに生花の祭壇を飾られて、高額な花代を請求されたというケースもあります。
また、棺に入れる花は祭壇の花を使うことが多いのですが、造花で祭壇を作ると花が足りなくなり、棺に入れる分の花代を請求されるかもしれません。打ち合わせの際に、生花と造花、ご自身の希望を含め葬儀社にしっかり確認しましょう。
■季節によってお花が用意できないことがある
葬儀社も、基本的にはご希望のお花で祭壇を作ることを心がけていますが、季節によってどうしても用意できないお花があります。この場合、似た色味のお花など、葬儀社も代わりの案を出してくれることは多いのですが、希望のとおりになるとは限らないことはご理解ください。
■暖房に注意
とくに冬場のご葬儀は、暖房に注意が必要です。花祭壇は暖房(温風)に弱く、直接当たると一晩でしおれてしまうこともあります。
花祭壇を作るとき、デザイナーはお花がなるべく長持ちするように配慮しています。しかし、それでも暖房の風には勝てません。寒さに耐えられない場合、石油ストーブや電気カーペットなど、別の方法で暖を取りましょう。
注意事項はありますが、これさえクリアできれば、花祭壇は大きな可能性を持っているといえるでしょう。限られたスペースの中で、どのように故人様らしさを出し、ご家族の思いをどう伝えるか、一緒に考えていければと思います。
気になる点、ご要望など、どんなことでもかまいません。ぜひお聞かせください。みなさまのお声に、誠心誠意お応えいたします。