家族葬のマナーを徹底解説!【ご遺族・参列者向け】

家族葬のマナーを徹底解説!

ご家族でゆっくりとお別れができる葬儀として家族葬を選ぶ方が増えています。しかし、家族葬のマナーは従来の葬儀マナーとは少し異なる部分があるため、ご遺族も参列者の方も戸惑ってしまうことが多いのではないでしょうか?

そこで今回は、ご遺族やご親族以外の参列範囲や、お香典、ご供花の取り扱いをどうしたらよいのかなど、よくある家族葬のマナーをご遺族側と参列者側に分けて徹底解説いたします。

1.事前に知っておきたい家族葬のマナー【ご遺族向け】

知っておきたいご遺族の家族葬マナー【ご遺族向け】
家族葬でご家族をお見送りすることになった場合、喪主様やご遺族はどのようなマナーに気をつければよいのでしょうか? ここでは、事前に知っておくと為になる家族葬マナーを、ご遺族側に焦点を当ててご紹介します。

訃報連絡のマナー

家族葬の訃報連絡は誰に対してどのタイミングで行ったらよいのか、何を伝えたらよいのか、悩む方が多くいます。そこで、訃報連絡のマナーをお伝えします。

家族葬の訃報連絡はいつ誰に行えばよいの?

家族葬は、あらかじめ葬儀に参列する人を近縁者に限定して行うため、家族葬の訃報連絡は、ご参列いただくご家族、ご親族、特に親しい友人などには事前に連絡を入れる必要があります。

一方、家族葬に参列いただかない方への訃報連絡については事後報告でよいとする説もありますが、花葬儀では事前にできるだけ多くの方に伝えることを推奨しております。事後報告を受けた人の中には「事前に教えて欲しかった」という声が多く、トラブルに発展するケースがあるからです。

誰にどのタイミングでどこまでの内容をどの連絡手段で伝えるべきか、事前にご遺族でしっかり決めておくとよいでしょう。

事前の訃報連絡で伝えることは?

参列を辞退する場合は、葬儀を家族葬で行うため弔問は辞退することを伝えお詫びします。また、お香典、ご供花、ご供物などを辞退する場合も丁寧に伝えましょう。これらについては、事前に伝えることが訃報連絡のマナーです。

このように、家族葬の訃報連絡は一般的な葬儀の訃報連絡とは違い、連絡すべき範囲や内容、タイミング、方法を選ぶことが必要です。
家族葬の事後報告の連絡方法や伝える内容についてはこちらの記事が参考になります。

関連記事:家族葬の事後報告にはどんな方法がある?文例は?
https://www.hana-sougi.com/blog/kazokuso_jigohoukoku/

受付のマナー

家族葬に受付を設置することはマナーとして必須ではありませんが、参列者が多い場合には混乱を避けて家族葬の進行をスムーズにするためにも設置することおすすめします。
たとえば、以下のような家族葬の場合は、参列者へのマナーとして受付を設置したほうがよいでしょう。

  • ・お香典を受け取る場合
  • ・参列人数が10名以上になる場合
  • ・顔馴染みのないご親戚や故人様の友人をお呼びする場合

このように、家族葬に受付を必要とするかどうかは、家族葬の規模や参列者との関係性を確認した上で、ご家族と葬儀社を交えて相談するとよいでしょう。

家族葬の受付マナーについては、こちらの記事も参考になさってください。

関連記事:家族葬に受付は必要?誰に頼むべき?
https://www.hana-sougi.com/blog/kazokuso_reception/

服装のマナー

家族葬の服装マナーは、一般的な葬儀と同じく喪服を着るのが基本です。喪服には格があり、喪主様、故人様から近しいご親族は「正喪服(せいもふく)」と呼ばれる最も格式の高い喪服を選ぶのが基本です。しかし、最近の家族葬では、準喪服を着ることが多くなっています。

なお、家族葬の服装に略喪服を選んでもよいかどうか迷われる方もいますが、ご遺族の服装に関しては準喪服以上での参列がマナーとして望ましいといえます。

ご親族・友人・知人を招いての家族葬になる場合には、ご遺族間で喪服の格の取り決めをしておくとよいでしょう。

家族葬の服装の選び方、身だしなみのマナーなどを詳しくチェックするにはこちらの記事を参考になさってください。

関連記事:葬儀の服装・持ち物・身だしなみ ~知っておきたい身支度マナー~
https://www.hana-sougi.com/blog/funeral-outfit

お香典のマナー

ご遺族が、家族葬のお香典マナーとして心得ておきたい事は、お香典を辞退する場合の対応についてです。この場合、ご遺族は参列者に事前に香典辞退の連絡をしっかり伝えておく必要があります。なぜなら、お香典辞退の案内が事前になければ、参列者はお香典を用意してもよいのかどうか、判断に困ってしまうからです。

また、お香典辞退をしたにもかかわらず、当日「どうしても」とお香典を渡された場合には、その場で拒否はせずに受け取るのがマナーです。お香典返しは後日お渡しすることを伝えて対応します。

お香典は弔意でもあるので、受け取らない場合は思わぬトラブルに発展してしまうこともあります。したがって、ご遺族はもしもの時を想定したお香典対応を、事前にご家族と葬儀社で確認しておくとよいでしょう。

家族葬のお香典マナーについて詳しくはこちらの記事が参考になります。

関連記事:家族葬への弔電は辞退すべき?弔電や供花、香典の取扱いについて
https://www.hana-sougi.com/plan/kazokuso/choden/

献杯のマナー

献杯(けんぱい)とは、故人様の敬意を表して位牌に向かって杯を捧げることをいいます。身内だけで執り行うことの多い家族葬では献杯は省略されますが、参列者が比較的多い場合は献杯を行います。

献杯の発声はご親族の代表に事前に依頼するのが一般的ですが、故人様の兄弟姉妹や親しかった友人に頼むこともあります。依頼する際のマナーとして、事前にお願いするようにしましょう。もしも、思い当たる人がいない場合は、喪主挨拶とともに喪主が献杯をしても構いません。

主な献杯の挨拶は以下の方法で2~3分程度に長くなりすぎないようにまとめましょう。

  1. ①故人様との関係を述べます。
  2. ②参列いただいた事へのお礼、および葬儀が無事終了したことへの感謝の気持ちを述べます。
  3. ③故人様との生前の思い出エピソードを述べます。
  4. ④参列者の皆様に位牌の方へ向いていただき、杯を静かに低めに差し出すように伝えます。
    (お座敷での献杯は座ったまま、椅子席の場合は起立してご尊前に向かいます)
  5. ⑤「それでは、皆さまのご多幸と故人への哀悼の意を表し、献杯」と音頭を取ったあと、静かに飲みます。
  6. ⑥献杯を終えたら参列者に対して「ありがとうございました」とお礼を言い、ご尊前に一礼して席に戻ります。

献杯の挨拶のマナーは、重ね言葉や忌み言葉を使用しないことです。挨拶を依頼された場合は、事前に挨拶文を準備しておくとよいでしょう。

献杯の作法においては、飲み会の席のように大声を出したりグラスを合わせたり、一気飲みをしたりするのはマナー違反です。たとえ顔馴染みの人が多い家族葬でも、故人様を悼む姿勢を忘れずに献杯のマナーを心掛けましょう。

精進落としのマナー

もともとは四十九日の忌明けに通常の食事に戻すことを精進落としと呼んでいましたが、現在では初七日法要の後に、参列者や僧侶を労い、故人様の供養をする目的で食事を振る舞うことを「精進落とし」と呼んでいます。しかし、さらに今日では参列者が集う葬儀当日に繰り上げ法要、もしくは繰り込み法要として行うことが通例となっています。

精進落としのマナーとして、喪主様およびご遺族は、もてなす側になることを忘れてはなりません。そのため席順に気を付けるのが一般的なマナーとされています。僧侶は上座へ、その次は会社関係者(参列いただく場合)、友人、そしてご親族の順にご案内し、喪主様とご遺族は下座に座ります。

しかし、家族葬の精進落としの場合、自由形式の会食スタイルで行うケースもあります。家族葬は故人様とご遺族の意思を尊重して執り行うことのできる葬儀形式であるため、ご遺族の意向によっては従来の精進落としのマナーや作法にとらわれない自由な会食の席を設けることもできるのです。

いずれにしても、精進落としでは最後まで故人様とのお別れに寄り添い、お付き合いいただいた参列者へ感謝の気持ちを伝えましょう。

コロナ禍でのマナー

コロナ禍で行う家族葬においては、参列者に対してできる限りの配慮をすることがマナーです。葬儀社と相談して最善を尽くしましょう。

感染対策の徹底

マスクの着用、換気、手指の消毒、ソーシャルディスタンスの徹底など、会場の感染対策について葬儀社にしっかり確認しておきましょう。会食を行う場合は、特に注意が必要です。

喪主の挨拶

喪主の挨拶では、感染対策にご協力いただいたこと、コロナ禍でご参列いただいたことへのお礼を伝えましょう。

遠方のご親族やご高齢の親戚には参列を控えてもらう

どこまでの親戚を家族葬に呼ぶのか、その判断はご遺族にゆだねられます。ワクチン接種を終えていたとしても、感染リスクがゼロになるわけではありません。遠方の親戚やご高齢者には参列を自粛してもらうことも、コロナ禍における葬儀を安心して執り行うためのマナーのひとつです。

しかし、「どのように伝えればよいかわからない」「葬儀に来ないでとは言いにくい」ということもあるでしょう。そのようなときは、依頼する葬儀社に自分たちにとってベストな対応を相談しておくと心強いでしょう。

参列できなかった方への配慮を忘れずに

コロナ禍のため参列を自粛せざるを得ない方への心遣いを忘れないことも大切です。最後のお別れに立ち会えなかった残念な気持ちや悲しみに寄り添うことも、マナーの一つといえます。家族葬を無事終えたことなどを報告し、できる限りの配慮をしましょう。

コロナ禍の家族葬のやり方についてはこちらの記事でも詳しくご紹介しております。

関連記事:「コロナ禍における葬儀・家族葬のやり方は?感染対策の具体例」
https://www.hana-sougi.com/blog/withcovid-19/

会葬礼状のマナー

家族葬の場合も、一般葬と同じように会葬御礼と合わせて会葬礼状をお渡しするのがマナーです。なぜなら、会葬礼状はご参列いただいたことに対するお礼状であり、たとえ身内であっても家族葬に参列いただいた「会葬者」であることに変わりはないからです。

また、会葬礼状は会葬御礼とセットで葬儀社に依頼するのが一般的な方法です。予め決められたデザインや定型文の会葬礼状が数種類用意されているので、ご家族間で話し合って選ばれるとよいでしょう。

なお、家族葬の場合、会葬礼状をご家族が自作するケースもあります。故人様が生前に用意されていた直筆のメッセージをコピーしたり印刷したりすることも、ひとつの方法です。いずれにしても、ご遺族の負担にならない形で用意されるとよいでしょう。

家族葬の会葬礼状の書き方、注意点についてはこちらを参考になさってください。

関連記事:家族葬でも会葬礼状は必要?例文を紹介
https://www.hana-sougi.com/blog/kazokuso_letters/

ここまで家族葬のご遺族側のマナーを解説してきました。

家族葬を行うことになったもののどのように準備すべきかわからない、という方は、こちらの記事も参考になさってください。

関連記事:家族葬の基礎知識 ~家族葬を検討するときに参考になるまとめ~
https://www.hana-sougi.com/plan/kazokuso/knowledge

次項では参列者側のマナーをご紹介します。

2.事前に知っておきたい家族葬のマナー【参列者向け】

知っておきたい参列者の家族葬マナー【ご遺族向け】
家族葬に参列することになったとき、参列者はどのようなマナーに気を付ければ失礼に当たらないのでしょうか。ここでは家族葬に参列する方のための服装やお香典、お焼香のマナーについてご紹介します。

服装のマナー

家族葬に参列する服装は準喪服を着用するのが基本ですが、案内状に「平服でお越しください」と記載されている場合は、略喪服で参列することがマナーとなります。

準喪服

男性はブラックスーツ(リクルートスーツはNG)に黒無地のネクタイ、白無地のワイシャツを着用します。光沢のあるネクタイピンやカフスの付いたシャツは避けましょう。靴下と靴は黒に統一します。

女性は黒のワンピースやアンサンブルを着用し、肩が露出しないようにボレロやカーディガンを着用します(ノースリーブはNG)。夏場でも黒ストッキングを着用し、光沢のないシンプルな黒パンプスを履きましょう。

また、家族葬に参列する際は、服装だけでなく身だしなみにも注意が必要です。

女性の場合はナチュラルメイクを心掛けましょう。
ネイルをしている場合はできれば落とす方がよいのですが、落とせない場合はベージュのマニキュアを上から塗るとよいでしょう。アクセサリーをつける場合は、一連パールのネックレス、一粒真珠や一粒黒真珠のイヤリングかピアスであれば問題ありません。

男性の場合はネクタイをしっかり締めます。夏場など、葬儀中に上着を脱いでしまわないように気を付けましょう。

家族葬の服装マナーはこちらもご参照ください。

関連記事:家族葬の服装はどうすればいい?服装マナーや注意点を紹介
https://www.hana-sougi.com/blog/kazokuso/fashionmannar/

お香典のマナー

家族葬に参列する場合、お香典のマナーにも気を付けましょう。

お香典を渡すかどうかはご遺族の意向に従う

家族葬では一般的に、ご遺族が参列者に対し、お香典を辞退することを事前に伝える必要があると考えられています。その多くは案内状などに「家族葬のため香典辞退をします」と明記されている、もしくは直接伝えていることがほとんどで、参列者はご遺族の意向に従うのが一般的なマナーとされています。

しかし、ご遺族がお香典辞退を表明していない場合は、少し注意が必要です。この場合、参列者は念のためお香典を持参しましょう。もしも葬儀当日、ご遺族から辞退する旨を伝えられた場合に限り、取り下げる形をとるのがよいでしょう。

また、家族葬のお香典の相場は故人様との関係性や地域、年齢により異なります。
一般的な家族葬のお香典相場は以下の通りです。

故人様との関係性:お香典相場

自分の親:5万円~10万円
自分の祖父母:1万円~5万円
配偶者の親:5万円~10万円
配偶者の祖父母:1万円~5万円
兄弟・姉妹:3万円~5万円
配偶者の兄弟・姉妹:3万円~5万円
その他親戚:1万円~2万円
友人:5千円~1万円
知人:3千円~1万円
ご近所の方:5千円未満

お香典には古札を使う

お香典は、新札ではなく古札を使うのが一般的なマナーです。新札をお香典に使用することは、「予め準備していた」と思わせてしまう可能性があるためタブーとされています。

香典袋に入れて渡す

お香典は香典袋に入れて渡しますが、香典袋の入れ方や書き方にもマナーがあります。
一般的なお札の入れ方は次の通りです。

  • ・香典袋を表面にしてお札の肖像画を裏面にして入れる。
  • ・人物が下にくるように入れる。
  • ・複数枚入れるときは上下の向きを揃える。

また、香典袋は袱紗(ふくさ)や小さめの風呂敷に包んで持参し、受付で取り出して渡します。

家族葬のお香典マナーはこちらにも詳しくご紹介しています。

関連記事:家族葬に友人は参列してもいい?お香典は持参すべき?
https://www.hana-sougi.com/blog/kazokuso/friend/

お焼香のマナー

お焼香とは仏教における供養の一つで、故人様のためにお香を焚いて安らかな成仏を願うことです。仏式の様式で家族葬を行う場合は、一般的なお焼香のマナーや作法に合わせましょう。

基本的なお焼香の方法と流れは次の通りです。

  1. ①焼香台の前でご遺族に一礼。その後、焼香台へ一歩近づき遺影に一礼します。
  2. ②抹香を右手親指、人差し指、中指の3本の指でつまみます。左手には数珠を持ちましょう。
  3. ③つまんだ抹香を額の位置まで持ち上げます。この作法を「押しいただく」と言います。
  4. ④額に持ち上げた抹香を香炉にそっと落とします。これを「くべる」と言います。このくべる回数や作法は宗教や宗派によっては異なるので、周りにならって行いましょう。一般的には1回~3回行います。抹香をくべたら、合掌し故人様の成仏を祈りましょう。最後に遺影に一礼します。
  5. ⑤ご遺族に一礼し、自席に戻ります。

なお、お焼香の順番は故人様との関係が深い順で行うものとされており、喪主様からご遺族、ご親族、そして参列者の順で行います、

お焼香の種類ややり方、マナーはこちらを参考になさってください。

関連記事:家族葬におけるご焼香は遺族のみ?やり方やマナーを紹介
https://www.hana-sougi.com/plan/kazokuso/shoko

3.まとめ

家族葬のマナーについて、ご遺族側と参列者側、それぞれの立場から解説しました。

家族葬は、従来の葬儀と同じマナーで執り行うことができますが、形式にとらわれずにご遺族の意向を尊重した方法で執り行うことも可能です。

いずれにしても、ご遺族と参列者に必要な家族葬のマナーをそれぞれ知っておくことで、より温かいお見送りになるでしょう。

花葬儀では、家族葬のマナーについても多数の実績と事例をもとにご家族に最適なアドバイスをさせていただきます。「こんなやり方は葬儀にはふさわしくないかもしれない」「あの人らしい家族葬にしてあげたい」 など、どのようなお悩みやご要望にも24時間365日お応えいたします。

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