家族葬にお供え物は送ってもいい?どんなものを選ぶべき?
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
故人様やご遺族へお悔やみの気持ちをお伝えする方法として、「お供え物を贈る」という葬儀特有の習わしがあります。
お供え物は、ご遺族にお贈りするお香典やお供花と似た弔意を示すものですが、お身内だけで執り行う家族葬の場合、参列辞退を表明することが多いため、お供え物を贈っても良いのかどうか迷われることもあるのではないでしょうか。
そこで今回は、家族葬のお供え物についてそのマナーと選び方をご紹介いたします。
【もくじ】
1.家族葬はお香典を辞退されるケースが多い
お悔やみの気持ちをお伝えする方法として、喪家にお香典を渡すことが一般的とされていますが、家族葬ではお身内だけにとどめた葬儀であるため、「お礼を用意するのが大変」「参列者に余計な負担をかけたくない」などの理由で、お香典を辞退するケースが多いです。
この場合、訃報を聞きつけた知人や会社関係者は、お悔やみの気持ちを伝える代わりとして、お供え物をご用意するなどもありますが、お供え物を贈ることが家族葬において正しいマナーかどうか悩みどころでもあるのです。
2.家族葬でお香典代わりのお供え物は送っても大丈夫?
家族葬にお供え物を贈って良いかどうかは、訃報や葬儀のお知らせの内容次第となります。
×贈らない方がベターなとき
「お供え物、供花を辞退する」、「ご厚志を辞退する」など辞退表明があったとき
〇贈っても良いとき
とくに香典や供花、お供え物を辞退する案内がないとき
ご遺族から訃報の連絡があったとき(贈っても良いか確認する)
家族葬にお供え物を贈って良いかどうかは「故人の遺志に従い、お供え物、またはご厚志を辞退する」という案内があるかどうかがポイントとなるため、覚えておくと良いでしょう。なお、「ご厚志」は「心づかい」を意味するため、「お香典以外のお供え物や供花など、贈りものはすべてご遠慮します」ということになります。
3.家族葬に送るお供え物、どんなものを選ぶべき?
お供え物は価格や品に応じていろいろなものがあります。
値段も様々ですが、基本的に5千円~2万円程度の幅を目安に選ぶと良いでしょう。故人様がお好きだったものを選んでもかまいませんが、宗教によって贈ってはいけないものがありますので注意が必要です。
ここでは宗教別に、仏教、神道、キリスト教の家族葬でおすすめの供え物をご紹介します。
仏教のお供え物
◎贈るのにふさわしいもの:ロウソク、お線香、果物、お菓子、缶詰など
×贈るのは避けた方がよいもの:海産物、肉類、アルコール類
仏教の家族葬に贈るお供え物は、葬儀に使うロウソクや線香のほか、日持ちする食べ物などがよいとされています。ただし、仏教において生ものや肉類は殺生を思わせることから、お供え物には適さないと言われています。
神道のお供え物
◎贈るのにふさわしいもの:果物、菓子類、ご穀類、海産物、清酒など
×贈るのは避けた方がよいもの:ロウソク、お線香など
神道では、海産物は神の恵みとされ、お酒も神聖なものと考えられているため、家族葬のお供え物に適しています。一方で、ロウソクやお線香は、神前に供えるものではないため、仏式のお供え物と間違えないように気を付けましょう。
キリスト教のお供え物
キリスト教には、お供え物を用意する習慣がありませんが、家族葬に白などの淡い色の花をお供花として贈るケースがあります。
キリスト教葬のご供花には、白いユリやカーネーションなどを基調に、ペールブルーなどの淡いお色味であしらったデザインのご供花を選ぶと良いでしょう。
4.家族葬でお供え物を受け取ったらお返しはどうする?
家族葬でお供え物をいただいた場合、お返しはどうすれば良いのでしょうか。
お香典には「香典返し」と呼ばれる、いただいた金額に応じたお礼の品物を渡す習慣がありますが、お供え物やご供花には、それがありません。
そのため、家族葬でお供え物をいただいたときは、四十九日法要までにお礼状を送るなどして、贈り主に感謝の気持ちをお伝えすることが多いようです。お礼の品物を贈り主に渡したいときは、お相手が恐縮しないほどの品物で、1,000円~2,000円程度の返礼品をご用意すると良いでしょう。もしお香典も合わせていただいていれば、お香典返しと合わせてお渡しすることを覚えておきましょう。
5.家族葬のお供え物に関するQ&A
A.葬儀後2日~1週間以内を目安に送りましょう。
基本的に、お供え物を送るタイミングに明確な決まりはありません。ただし、家族葬直後はご遺族が多忙で心身ともに疲れているため、葬儀後2日から1週間以内に届くよう手配することをおすすめします。
1週間以内に手配することが難しい場合は、四十九日法要までを目安に送るようにしましょう。
A.葬儀形式に関係なく、お供え物には掛け紙をつけるのがマナーとされています。
「掛け紙」とは、葬儀や法要など、弔事に係る品物を贈る際につける紙を指します(本来の意味とは異なりますが「のし紙」と呼ぶこともあります)。葬儀形式に関わらず、お供え物には掛け紙をつけましょう。
掛け紙の表書きは宗教・宗派を問わず使える「御供」を基本とし、誰からのお供え物か一目でわかるよう、包装紙の外側にかけるのが一般的です。水引の色や、表書きの詳細は「お供え物の表書きは?」の記事を参考になさってください。
A.日持ちのする「お菓子」や「飲料」、白を基調とした「お花」などが挙げられます。
宗教・宗派によっては、お供え物にふさわしくない品があります。
そのため、宗教が不明の場合は、どの宗教に対しても基本的に失礼のない「日持ちのするお菓子の盛り合わせ」「ジュース、コーヒー、お茶などの飲料セット」や、「白と淡い色のお花を使ったアレンジメント」などがおすすめです。
故人様との思い出に関係する品がある場合は、そのエピソードを簡単に記した手紙を添えることで、より一層ご遺族の心に響くお供え物となるでしょう。
6.まとめ
今回は、家族葬のお供え物についてお話してきました。
葬儀を営むご遺族の方が辞退の意を示しているケースを除き、家族葬でもお供え物を贈って問題ありません。
ただし、辞退の意を示しているのにも関わらず、一方的に贈るのはマナーとしては失礼にあたりますので、事前の確認を忘れないようにしましょう。
家族葬のお供え物として贈る品物は、宗教によって贈ってはいけないものもありますが、それを避ければ、どんなものを用意しても基本的には大丈夫です。
旅立ちにあたって、好きだったものを持たせてくれる、その気持ちは、きっと故人様にも届くことでしょう。
花葬儀では家族葬のご供花を含む、家族葬全般のご相談を承っております。これまで多くの家族葬をお手伝いさせていただいており、経験豊富なスタッフが万全のサポートで家族葬を執り行います。ぜひお気軽にご相談ください。