家族葬とは?参列者の範囲や人数、流れを解説!デメリットもある?

家族葬とは?参列者の範囲や人数、流れを解説!デメリットもある?

家族葬とは親類縁者のみで行う葬儀のことで、多くの参列者を呼ばず、限られた人だけでゆっくりと故人様をお見送りできることから今注目されています。しかし、いざ家族葬にしようと思っても、「従来の葬儀と何が異なるのか?」「具体的な内容や段取りはどうなるのか?」など不透明な点があるため、決断に迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、今回は「家族葬とはどのような葬儀なのか」「どのような人に選ばれているのか」、また参列範囲や人数、流れ、デメリットなど覚えておくべき注意点を解説いたします。

1.家族葬とは?

家族葬とは?

家族葬とは、ご家族を含む親類縁者を中心に比較的小規模で行う葬儀のことです。家族葬という名前から「家族のみが参列するもの」と思われがちですが、故人様の気心知れた友人・知人を招くこともできるため、参列者数が50人ほどになることもあります。ご家族中心にゆっくりと故人様との最後のお別れのときを過ごし、なごやかにお見送りするのが家族葬の特徴といえるでしょう。

このように小規模で行う家族葬が一般葬と最も大きく違う点は、「社交辞令的な弔問客は招かない」ということです。「故人様がこれまで社会の中で関わった方々にできるだけ参列してもらう」という一般葬の形式とは大きく異なるため、職場関係者や近隣住民には「参列辞退」のご案内をしましょう。

なお、家族葬の流れは一般葬と同じで、お通夜を1日目の夜に行い、葬儀、告別式、火葬を2日目に行うのが一般的です。しかし、ご遺族の負担を軽減するために、お通夜を行わずに葬儀、告別式、火葬を1日で済ませる一日葬を行うこともできます。

詳細については葬儀社に確認されるとよいでしょう。

2.家族葬が選ばれるのはなぜ?

家族葬が選ばれるのはなぜ?
家族葬が選ばれるのは、儀礼的な葬儀にとらわれることなく、故人様とそのご家族の思いを尊重したお見送りができるからです。ここからは、家族葬が選ばれる具体的な理由をご説明します。

身近な人たちで静かに和やかにお見送りができる

家族葬は、ご家族が顔見知りの方のみをお招きする葬儀です。そのため、面識のない弔問客の対応をする必要がないので、気を張り詰めて疲れ切ってしまうようなことはありません。

一方、一般葬の場合は、お通夜、告別式の二日間は多くの参列者をお呼びするため体力的にも心身的にも負担がかかります。故人様とどのような交流があったのか、職場の上司・同僚・後輩なのか、取引先だったのか、学友だったのかなど、ご遺族が把握しきれない範囲の弔問対応に時間を要するため、家族葬に比べて精神的な負担が大きい葬儀といえるでしょう。

家族葬は、このような負荷がかからず、身近な人たちだけでゆっくりとお別れができる葬儀です。ストレスなく故人様を見送ることができるとういう意味では、家族葬は理想の葬儀形式といえるかもしれません。

一般葬に比べて葬儀費用を抑えることができる

家族葬は小規模で行う葬儀であることから、一般葬に比べて葬儀費用を抑えることができます。例えば、コンパクトな葬儀場であるほど使用料は低くなり、葬儀に必要な椅子やテーブルの数、照明器具、祭壇も会場の大きさに合わせて調整されるので、安くなる可能性があります。また、お食事代や返礼品費は人数によって変動するため、人数が少なければ少ないほどこれらの葬儀費用を削ることができるのです。

故人様やご家族の意思を葬儀に取り入れることができる

家族葬は、「生前にお父さんが好きだった音楽を取り入れてあげたい」「お母さんらしいあたたかな葬儀にしてほしい」などのご家族の希望を取り入れることができ、また、「家族に負担をかけずに質素に済ませたい」などの故人様の希望も叶えることができます。お互いを思い合うそれぞれの意思を反映した葬儀が実現できるのです。

このように、家族葬は世間体を考慮した儀礼中心の葬儀である必要はなく、また、宗教・宗派を問わず、ご家族の想いを形にできるお見送りとして選ばれています。

3.家族葬に参列する人の範囲はどこまで?

家族葬に参列する人の範囲はどこまで?
家族葬では、ご家族やご親族だけではなく、ご親戚、故人様と親しかった友人・知人をお招きすることもできます。家族葬だからといって参列者の範囲をご家族に限定する必要はないので、葬儀に参列してほしいと思う方にお声がけしてみてはいかがでしょうか。
ここでは参列範囲の決め方について詳しくご説明します。

家族葬に参列するご親族・ご親戚の範囲は?

家族葬に呼ぶご親族・ご親戚の参列範囲は、以下を参考にリストアップして整理されるとよいでしょう。ご親族までを参列範囲とする場合は、第2、第3親等までが一般的ですが、面識のある全てのご親族、ご親戚を招くこともできます。

【ご親族の参列範囲】
・故人様のご家族
・故人様のお子様とそのご家族
・故人様の配偶者のご両親と兄弟姉妹
・故人様のご両親と兄弟姉妹

一般的な参列範囲をご紹介しましたが、故人様のご兄弟やお子様、ご親戚の人数、居住地、ご親族同士の関係性、ご年齢などによっては参列範囲を最小限にとどめることも可能です。ご家族でよく話し合って決めましょう。

家族葬に参列する友人はどこまで?

家族葬にご友人の参列をお願いする場合は、故人様と一番仲が良く直近までやりとりをされていた間柄の方や、ご家族も把握している交友関係のある方を優先してご案内するとよいでしょう。そして、参列の案内をしないご友人には訃報連絡にとどめて「家族葬のため、参列はご遠慮くださいますようお願いいたします」と丁寧にお詫びすることが大切です。

このように、家族葬を営むご家族は、参列いただく方と参列を辞退していただく方をしっかり決めることが大切ですが、いざというときにご家族でその判断をすることは難しいものです。そのため、可能であれば日ごろから家族間で友人関係について話をしておくと、もしものときにスムーズな対応ができるでしょう。

家族葬に決めた際、どこまでの友人に参列をお願いするか判断に迷ったら、まずは葬儀社に相談してみることをおすすめします。

なお、2020年の新型コロナウイルス感染症も参列範囲の決め方に大きな影響を及ぼしており、県をまたぐ遠方からの参列やご高齢の方の参列に対して「招く側はどこまで配慮した方がよいのか?」というご相談が増えています。

葬儀の在り方の見直しは必要ですが、故人様の葬儀は一度きりです。コロナ禍の葬儀でも安全予防策を徹底している葬儀社であればリスクを最小限に抑えることができるため、ご希望の人数で葬儀を行うことも可能です。

最終的な判断はご家族に委ねられますが、「誰をどの範囲まで招いたらよいのか」などでお悩みの際は、まずは花葬儀にご相談ください。これまでの家族葬の事例から最適なアドバイスをさせていただきます。

4.家族葬の参列者には人数制限がある?

家族葬の参列者には人数制限がある?
家族葬の参列に対して人数の決まりはありません。10~30人程度が平均的な人数ですが、5~10人ほどの家族葬ももちろんあります。また、参列する人数は、ご親族の規模やご家族のご意向、ご親族とのお付き合いの頻度など、それぞれのご家庭のご状況やご意向に合わせて決めていくものなので、50人以上で行うケースもあるでしょう。

しかし、葬儀社によっては「家族葬プランは○○人から○○人まで」と、独自のルールが定められているケースが見られます。例えば、ご遺族が「家族葬を50人規模で行いたい」と相談した場合に、葬儀社から参列人数を減らす提案をされたり、一般葬を提案されたりすることがあるのです。

その結果、呼びたい人が呼べなくなってしまったと後悔することもあるので、家族葬の希望人数を相談できる葬儀社選びが大切です。いくつかの葬儀社の家族葬プランを見比べて、人数制限などの規定があるかどうかを確認してから比較検討されることをおすすめします。

なお、家族葬を行うとしても、参列する人数が増えれば一般葬と同じように受付を設けての弔問対応が必要になります。このように、同じ家族葬でも、人数によって対応方法が異なる場合があるので、詳細については依頼する葬儀社に相談しながら進めていきましょう。

5.家族葬の一般的な流れ

家族葬の流れ
家族葬は一般的にどのような流れで執り行われるのでしょうか。お通夜から告別式までの具体的な流れをシミュレーションしてみましょう。

1日目:お通夜

お通夜の開始時間を18時と想定した場合の具体的な流れをご紹介します。

■16時30分【喪主式場到着】
喪主様は開式1時間半前を目安に式場に到着するようにしましょう。ここでは式場の設営と式の流れについて以下のような確認をします。
  • ・全体の流れ
  • ・座席の確認(着席の順番がお焼香の順番になります)
  • ・ご供花の確認(お供えする順番やご芳名について)
  • ・弔電の確認(お読みする順番やご芳名について)
  • ・喪主挨拶について(立ち位置や挨拶のタイミング)
■17時00分【ご親族式場到着】
ご親族の方は、開式1時間前を目安に式場に集まります。
■17時30分【寺院式場到着】
ご寺院様が式場に到着されたら、喪主様はご挨拶に出向きます。
■17時50分【式場内着席】
開式10分前を目安に、式場内の座席に着席します。
■18時00分【通夜式開式】
司会者が開式の辞を述べ、通夜式を開式します。主に次のような流れで進みます。
  • ・18時00分【導師入場・開式】
  • ご寺院様の入場に合わせ、合掌礼拝をします。
  • ・18時01分【読経開始】
  • それぞれの宗派の作法にのっとった儀礼で行われます。
  • ・18時20分【お焼香】
  • 喪主、ご遺族、ご親族の順にお焼香を執り行います。お焼香はスタッフが案内するので、それに沿う形で順次行います。なお、お焼香が始まるタイミングは、宗派やご寺院様によって異なることがあります。
  • ・18時40分【導師退場】【弔電奉読】
  • 導師による読経がおわり退場された後、弔電を読み上げます。
  • ・18時50分【閉式】
  • 喪主が閉式の挨拶を行います(東日本で行われることは少ないですが、西日本では行われます)。
  • ・19時00分【通夜ぶるまい】
  • 僧侶、弔問客に食事をふるまいます。

    2日目:告別式

    告別式の開始時間を11時と想定した場合の具体的な流れをご紹介します。

    ■10時00分【喪主・ご親族式場到着】
    喪主様、ご親族の方は開式1時間前を目安に式場に集まります。
    ■10時30分【寺院式場到着】
    ご寺院様が式場に到着されましたら、喪主様はご挨拶に出向きます。
    ■10時50分【式場内着席】
    開式10分前を目安に、式場内の座席に着席します。
    ■11時00分【葬儀・告別式開式】
    司会者が開式の辞を述べ、葬儀・告別式を開式します。主に次のような流れで進みます。
    • ・11時00分【導師入場・開式】
    • ご寺院様の入場に合わせ、合掌礼拝をします。
    • ・11時01分【読経開始】
    • それぞれの宗派の作法にのっとった儀礼で行います。
    • ・11時20分【お焼香】
    • 喪主、ご遺族、ご親族の順にお焼香を執り行います。お焼香はスタッフが案内するので、それに沿う形で順次行います。なお、お焼香が始まるタイミングは、宗派やご寺院様によって異なることがあります。
    • ・11時40分【導師退場】【弔電奉読】
    • 導師による読経がおわり退場された後、弔電を読み上げます。
    • ・11時45分【告別式の準備】
    • 出棺前の告別式(お花入れ)に備え、スタッフが式場内を準備します。喪主様やご親族様はいったん式場の外に出て、準備が整うのを待ちます。
    • ・11時50分【お花入れの儀】
    • 祭壇のお花を切り分け、花かごからご家族、ご親族、参列者様の手で棺の中に納めます。お花入れの後、ご遺族・ご親族で棺の蓋を閉じます。
    • ・11時50分【喪主挨拶】
    • 喪主様は、参列いただいた方々に御礼の挨拶を行います。
    • ・11時55分【葬儀・告別式閉式】
    • 司会者が閉式の辞を述べ、葬儀・告別式を閉式します。
    • ・12時00分【出棺】
    • 火葬場に向けて出棺します。喪主が位牌を、ご遺族代表が遺影を持ち、その他の人たちで棺を持ち、霊柩車まで運びます。
    ■12時30分【火葬】
    火葬場で過ごす時間は約1時間~2時間で、火葬場によって異なります。次のような流れで進みます。
    • ・12時30分【お別れ・火葬・お焼香】
    • 火葬場に到着後はすみやかに火葬炉前まで進み、棺の蓋を開けてお別れをします。故人様のお顔を見て、お肌に触れることのできる最後の時間です。その後、棺が火葬炉に入るところを見届け、お焼香をします。
    • ・12時40分【休憩室で待機】
    • 火葬が終わるまで、休憩室で待機します。
    • ・13時15分【収骨】
    • 収骨室に移動する案内が入ります。ここで、故人様のご遺骨を骨壷の中に移す「骨上げ(ほねあげ)」をします。2人1組となって行います。
    • ・13時30分【式場へ戻る】
    • 火葬場を出発し、式場に戻ります。
    ■14時00分【初七日法要】
    式場に戻り初七日法要を執り行います。本来はご逝去から7日目に執り行う法要ですが、ご親族が集まっている葬儀当日に繰り上げて行う方法が一般化しています。場所は葬儀会館の法要室で、所要時間は15分~30分程度です。ご寺院様が読経し、参列者がお焼香をします。また、場合によっては火葬後ではなく、葬儀・告別式の中で組み込んで行うこともあります。
    ■14時30分【精進落とし】
    参列者全員に懐石料理をふるまい、食事を囲んで故人様を偲びます。始める前に喪主が挨拶をし、親族代表が「献杯」の発声を行います。
    ■15時30分【解散】
    精進落としを終えるとすべての行程が終了します。喪主様は遺骨と遺影と位牌を持ち帰ります。

    6.家族葬ではお香典を受け取るべき?

    家族葬ではお香典を受け取るべき?
    家族葬のお香典については、受けとるべきか?辞退するべきか?その判断に迷う人が多いようです。「辞退するべき」とする考えが一部に存在するのは確かですが、実際のところ、辞退するべきであるという決まりはありません。

    ただし、家族葬ではあらかじめお香典を受け取るか辞退するかをご遺族側がきちんと決めておく必要があります。お香典を辞退することは可能なので、受け取らないと決めたら、参列者や訃報を知らせる方へ「香典辞退」の連絡をすることが、ご葬家側が行うべき対応といえます。このとき、「故人の意志でお香典は辞退します」と伝えると理解を得られやすいでしょう。

    もしも、事前に香典辞退を伝えておかなかった場合、参列者は一般葬と同じようにお香典を用意する可能性があるので、注意が必要です。

    また、事前に、家族葬のためお香典を辞退する旨を伝えていたにもかかわらず、参列者からお香典を渡されることもあるでしょう。丁寧に説明した上でも「受け取ってほしい」という場合は、かたくなに拒むことはせずに受け取るようにしましょう。なぜなら、用意した方の弔意が込められているお香典を受け取らないということは、その弔意を拒むことと同じだからです。相手の気持ちを尊重した対応が必要でしょう。

    なお、お香典を受け取った場合は「お香典返し」を贈ることが一般的な香典マナーです。お香典返しは、頂いた香典金額の3分の1程度の粗品を用意するとよいでしょう。

    7.家族葬にはデメリットもある?注意点は?

    家族葬にはデメリットもある?注意点は?
    ご家族でゆっくりとお別れのできる家族葬ですが、デメリットと思われる部分もあります。ここでは家族葬のデメリットをご紹介します。

    限られた人しか参列できない

    家族葬ではご家族とご親族、そしてごく一部の近しい友人の参列が基本です。そのため、葬儀後に事後報告で訃報を知る方が多くいます。最後のお別れの挨拶ができなかったことを悲痛に感じて悔やまれる方もいるため、親族間でトラブルに見舞われることがあるかもしれません。

    前述しましたが、家族葬を営む場合は、葬儀に招かない人に対して事前連絡をするなど、十分に配慮することが大切です。

    お香典を辞退する場合は、葬儀費用の相殺ができない

    家族葬では、参列者を親類縁者にとどめて、尚且つお香典を辞退した場合、葬儀費用の多くをお香典で相殺することが難しくなります。

    基本的に、参列人数が減ることで葬儀費用を抑えることはできますが、これはあくまでも人数に対する会場費や飲食費、返礼品などの変動費に限った話です。葬儀に必要な棺や骨壺、祭壇、会場費、火葬費などの固定費はかかるため、トータルでは予想以上に出費が多くなることもありえます。ご遺族側でその分の費用を負担する必要があることを覚えておくとよいでしょう。

    不義理だと苦言を呈されることがある

    家族葬を選択するケースが多くなってきたものの、「参列辞退」や「香典辞退」をはじめとする家族葬独自のやり方には曖昧な点が多く、ご理解をいただけないこともあります。そのため、訃報の連絡を事後報告で行った場合、ご親族や知人などから不義理であると苦言を呈されるケースがあるかもしれません。このようなトラブルを避けるためにも、家族葬を営むことを事前にしっかりお伝えしておきましょう。

    葬儀後に訃報を知った方が後日弔問された場合、対応が必要になる

    故人様の訃報を知り、後日「お線香だけでも」とご自宅に弔問をすることがあります。その場合、対応が必要になりますが、快く受け入れて弔意に感謝しましょう。たとえ故人様と親しい間柄にないと思っていた人だったとしても、故人様との関わり合いは当人同士でしかわからないこともあるため丁寧に対応することが大切です。

    まとめ

    一人ひとりのライフスタイルや人生観に合わせて営める「家族葬」は小規模で営むことができるので、昨今の新型コロナウイルス感染症のリスクを避けたいという理由から選ぶ方が増えてきています。

    しかし、一部の地域や世代によっては、従来の葬儀との違いに抵抗を感じてしまい、不満の声が上がったり、葬儀後のトラブルが起きたりすることもあるようです。「家族葬だから」という理由でご家族だけですべてを完結させるのではなく、周囲の方々にも理解を得られるように配慮していくことが、これらの問題を解決するきっかけになるかもしれません。

    後悔のない家族葬になるよう、ご家族でよく話し合い、安心して任せられる葬儀社を見つけることをおすすめします。

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