家族葬で営む告別式の流れ、所要時間や費用とは

家族葬の告別式

家族葬は、時代の変化に伴い価値観が多様化してきた現代において、注目度が高まっている葬儀のひとつです。しかし、比較的まだ新しい葬儀の種類であるために、家族葬への参列経験がない方も多いはずです。「家族葬のお通夜や告別式は、一般の葬儀と何か違うの?」「家族だけの告別式だから負担が少なく済む?」など沢山の疑問が頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、家族葬という見送り方も選択肢のひとつにできるように、葬儀・告別式の流れや所要時間、費用などの基本情報をご紹介いたします。

1.家族葬で営む告別式および告別式後の流れ

家族葬の告別式の流れ

家族葬の告別式は一般葬の告別式と大きな違いはありません。一般葬と同じように無宗教葬、仏教葬、キリスト教葬など故人様やご遺族の信仰にあわせて執り行うことが可能です。家族葬の告別式は、一般的な葬儀の規模を小さくしたものだとイメージすると分かりやすいでしょう。
ここでは家族葬を行う際の葬儀・告別式の一般的な流れについてご紹介します。

1.参列者の受付

9:00 ご遺族・ご親族 式場へ到着
9:30 受付開始 (家族葬では受付を設置しないケースも有り)

家族葬の告別式は、参列者の受付から始まります。この受付は、弔問のお礼やお香典返しをお渡しするために設置するものですが、面識のない参列者の方を把握したり、招いた人数が多いときに混乱を避けたりすることにも役立ちます

しかし、家族葬の告別式においては受付を省略することもあります。なぜなら、家族葬の場合は招く人数が限られていることが多く、喪主様をはじめとしたご遺族が事前に「誰に参列してもらうのか」を決めて把握していたり、お香典を辞退しているケースも多いため、参列者に記帳をしてもらう必要がないからです。

家族葬の告別式で受付を設置するかどうかは、都合をつけてお越しいただいた方に失礼のない対応をすることに配慮しながら、状況に合わせて検討しましょう。

2.開式

9:45  着席
9:55 僧侶入場
10:00 葬儀・告別式 開式

家族葬の告別式では、喪主様とご遺族は開式の15分前には席に着き、気持ちを整えておくとよいでしょう。
その後、僧侶が入場し、司会者(進行役)による開式の言葉で家族葬の告別式が始まります。

3.僧侶による読経、参列者のお焼香

10:01
・読経(30~40分程度)
・ご遺族・ご親族お焼香
・一般焼香

告別式が始まると、まず僧侶による読経が行われます。読経の中では、故人様に戒名が授けられ、故人様が現世と別れを告げ仏様のもとに導かれるように儀式作法(引導渡し)が行われます。

読経時間は宗派や僧侶により異なりますが、30~40分程度が一般的で、この読経の途中からご遺族、ご親戚、参列者がお焼香をします。
家族葬の告別式ではお焼香を行う人数が少ないため、時間が短くなることもあります。

4.初七日法要

10:30
・初七日法要 読経
・ご遺族、ご親族お焼香

家族葬の告別式では、葬儀・告別式中に初七日法要を組み込む「式中初七日(繰り込み初七日)」という形で行うケースが増えています。

式中初七日を行う場合には、僧侶に、告別式の流れから続けて初七日法要の読経をしてもらいます。ここでも読経中にご遺族、ご親戚がお焼香を行います。

【繰り上げ初七日法要】

■式中初七日/繰り込み初七日
告別式のあとに続けて行う方法です。
告別式、式中初七日、火葬、収骨の流れで行われます。

■繰り上げ初七日
告別式、火葬、収骨のあとに行う方法です。
収骨が終わったあと、葬儀場、自宅などで初七日法要を行い、そのあと帰宅となります。

5.お別れの儀

10:45
・お別れの儀 お花入れ
・喪主挨拶
・閉式

お焼香後は、故人様の愛用品などを棺に納め、参列者が棺にお花を手向け(お花入れ)、出棺の準備を整えます。これを「お別れの儀」といい、故人様と対面できる最後の時間になります。棺には納めることができるもの、できないものがありますので、特に納めたい大切なものについては予め葬儀社に相談しておくとよいでしょう。

お別れの儀の後、喪主様は、故人様に代わり家族葬の告別式にご参列いただいた皆さまに向けて挨拶をします。葬儀に参列してくれたことに対してのお礼や、故人様が生前お世話になった感謝の気持ちを伝え、これからも変わらないお付き合いをお願いするなど簡潔に1~2分程度の謝辞を述べ、家族葬の告別式は閉式となります。

6.出棺

11:00
・出棺
・火葬場へ移動

家族葬の告別式を終えた後は、出棺となります。出棺する際には、男性を中心にご遺族、葬儀社の担当者など6~8名で棺を霊柩車まで運びます。このとき、霊柩車までは故人様の足が進行方向を向くように運ぶのが一般的であるといわれています。霊柩車に乗せる際の向きは、到着後の火葬場の都合によってルールが異なる場合があるため、葬儀社の指示に従いましょう。位牌は喪主様、遺影は次に関係の近いご遺族が持ち移動します。

その後に出棺となり、霊柩車に続きご遺族、ご親族も火葬場へ移動します。火葬場へ行かない方は、ここで霊柩車をお見送りします。

7.火葬

11:30
・火葬(40~90分程度)
・控室で待機

家族葬の告別式を終えて式場から火葬場に到着したら、役所へ死亡届を出したときに受け取った「火葬許可証」を火葬場へ提出します(火葬後、火葬許可証に火葬場の印が押され、これが「埋葬許可証」となります)。

火葬直前、火葬炉前で最後のお別れとして「納めの式」を行います。僧侶が同行している場合には、炉前読経をしてもらいお焼香を行いますが、僧侶が火葬場には同行しないケースも多く、その場合は係員の案内に従いましょう。

その後、火葬が始まります。一般的には火葬炉の前に位牌と遺影写真を飾ります。

火葬は、火葬場にもよりますが40分から90分程度で行われます。その間、休憩室で待機することになりますが、お食事の席(次項「精進落とし」)を設けることもあります。

*式場と火葬場の移動距離により到着時間が異なるため、火葬時間は葬儀会社が調整します。
*火葬場により火葬にかかる所要時間は異なります。

8.精進落とし

12:00(火葬を行っている間に行います)
・精進落とし

葬儀・告別式が終わった後の火葬の待ち時間もしくは締めくくりとして振舞う食事のことを、精進落としと呼びます。家族葬でも精進落としを行いますが、一日葬の場合は精進落としを省略することもあります。

精進落としは、僧侶や関係者に対して感謝し、ねぎらう意味も含めた席なので、家族葬の精進落としでもご遺族は接待する立場になります。下座に座り、挨拶を述べるなど、立居振る舞いに気を付けましょう。スケジュールによっては、僧侶が精進落としに出席できないこともあります。この場合には、食事代として5,000円から10,000円程度を包んでお渡しするのが一般的です。

精進料理の食事は、一般的にお寿司、懐石料理、仕出し弁当などを用意しますが、家族のみで行う家族葬の場合は比較的自由な形で食事を用意することもできます。担当する葬儀会社に詳細を依頼できるので、相談することをおすすめします。

ただし、最近では新型コロナウイルスの感染予防対策の観点から、家族葬に限らず食事会を控えることも多く、その代わりとして持ち帰り用の仕出し弁当を配るケースもみられます。コロナ禍で行う家族葬の精進落としをどのように行ったらよいのか判断に迷った場合も、葬儀会社のアドバイスを参考にするとよいでしょう。

9.収骨

13:00  収骨
13:15  散会

火葬が終わったらご遺骨を骨壺に納めます。これを「収骨(しゅうこつ)」「骨上げ(こつあげ)」といい、家族葬でも一般葬でも違いはありません。地域によりご収骨の作法が異なることがあるので、当日係員の指示を仰ぎましょう。

収骨後、骨壺は白木の箱(骨箱)に入れられます。そしてご遺族は、白い布でつつまれた骨箱を「埋葬許可証」と一緒に受け取ります。この「埋葬許可証」はお墓に埋葬するときに必要になるものです。大切に扱いましょう。

喪主様が火葬に参列してくださった皆さまに御礼のご挨拶をした後、散会となります。

以上が家族葬で営む告別式から収骨までの一連の流れです。告別式などにかかるトータル時間は次の項をご覧になってください。

葬儀・告別式の前夜に行われる家族葬のお通夜については、こちらのページで詳しくご紹介しております。

「家族葬のお通夜について~流れ、費用相場、服装など~」
https://www.hana-sougi.com/blog/family_funeral_night/

2.家族葬で営む告別式の所要時間は?

家族葬の告別式の流れ

家族葬の告別式自体の所要時間は1時間程度です。
しかし、告別式後に、出棺、火葬場に移動、火葬後にご収骨、ご散会となるため、告別式を含む家族葬当日の所要時間は、一般的には4.5~5時間程度と考えておきましょう。

火葬場への移動距離や、式場や火葬場の都合、参列人数などによってはさらに時間を要する場合もあるので、余裕を持って予定を立てておくことをおすすめします。

ただし、前述の通り近年では新型コロナウイルスの感染予防として、精進落とし(会食)を省く選択をする人も多く見られます。この場合、全体の所要時間はもっと短くなることもあるでしょう。

このように、会場や進行上の都合によっても所要時間は変動します。ご遺族や遠方から来られるご親戚などのご都合によっては、家族葬の前後のスケジュール調整が必要となることがあるかもしれません。家族葬全体の所要時間については、事前に葬儀会社に確認しておくことをおすすめします。

3.家族葬にかかる費用の相場は?

家族葬の費用相場

家族葬の葬儀・告別式にかかる費用は、人数規模や計画するお見送り方法により大幅な違いがあります。そのため葬儀社と内容について詳細を話し合い、具体的なお見積りを提示してもらいましょう。

とはいえ、家族葬のおおよその相場を知ってから検討したいという方もいると思います。そこで、葬儀に関連するポータルサイトを運営している「鎌倉新書」が行った家族葬の費用に関するアンケート結果をここでご紹介しましょう。

調査名:「第4回お葬式に関する全国調査」(2019年)
調査期間:2020年2月26日(水)~2020年2月28日(金)
調査対象:2020年に過去2年半以内に葬儀を経験した日本全国40歳以上の男女2,000人


・家族葬の葬儀費用の平均は96万4,133円
・飲食費の平均は20万8,946円
・返礼品の平均は19万7,835円
・お布施の費用は地域により異なるが20万円前後

引用元: 株式会社鎌倉新書 「いい葬儀」

https://www.e-sogi.com/guide/413/
https://www.kamakura-net.co.jp/newstopics/7269/

これらの調査結果の合計、約157万円が家族葬の費用の相場ということがわかります。

しかし、2020年から感染拡大した新型コロナウイルスの影響により、葬儀後の会食を控えたり、持ち帰りのお弁当にしたり、という感染予防対策をとるご家族も増えています。そのため2020年以降の家族葬では、上記のアンケート結果よりも飲食にかかる費用が下がる可能性も十分あるため、費用については葬儀社に相談しながら、それぞれの価値観を反映した家族葬の準備を進めましょう。

4.家族葬におすすめのプラン

おすすめ家族葬プラン

家族葬はご家族中心の小規模の葬儀・告別式になることが多いことから、葬儀社は一般葬とは異なるコンパクトな家族葬用のプランを用意しているのが一般的です。
ここからは、花葬儀が家族葬向けにご用意しているプランをご紹介します。

家族葬プラン

花葬儀では、お客様にあわせて柔軟なご提案ができるように、家族葬用に2つのプランをご用意しております。

【家族葬/シンプルプラン】
家族葬に最低限必要なものだけを揃えたプランです。
費用を抑えたご提案が可能です。

【家族葬/ベーシックプラン】
基本的な家族葬のプランです。
家族葬に必要なものを全て揃えた形でご提案いたします。

これら2つのプランを基本に臨機応変にアレンジをして、理想的な家族葬を作り上げます。

花葬儀の家族葬プラン詳細はこちらから
https://www.hana-sougi.com/plan/kazokuso/

一日葬プラン

花葬儀では、一日葬プランもご用意しております。

【一日葬プラン】
家族葬は身内や近しい人だけで見送ることができる葬儀の形ですが、「できるだけ、葬儀にかかる移動や滞在時間や費用などの負担を少なくして葬儀を営みたい」という気持ちから家族葬を選択する方もいらっしゃいます。

このような方には、お通夜を省いて一日で葬儀・告別式を済ませる「一日葬」もおすすめです。参列者の中に高齢の方が多いケースなどにおいて、選択されることが多い葬儀の形といえます。

一日葬と2日間で行う葬儀との違いはお通夜を行わない点のみですので、一日葬の告別式も、前述した告別式の流れと同じ内容で行います。

花葬儀の一日葬プラン詳細はこちらから
https://www.hana-sougi.com/plan/ichinichiso/

花葬儀では、故人様やご遺族のご意向やご状況をしっかりとお伺いした後に、お客様におすすめのプランをご提案差し上げますので、まずはお気軽にご相談ください。

5.まとめ

近年、少しずつ「家族葬」という言葉を目にする機会も増えてきました。個性が尊重される現代だからこそ、葬儀・告別式においても、家族葬のような新しいお見送りの形も人々に受け入れられるようになってきたのでしょう。

花葬儀では、固定概念にとらわれない柔軟なアイディアと細やかなサポートで、故人様やご遺族の想いを大切にした葬儀・告別式のお手伝いをしています。故人様やご遺族のご希望やご状況にあわせて葬儀・告別式の流れや所要時間を工夫し、費用についても心配なく当日が迎えられるように明確なお見積りをご提示しながら臨機応変なご提案をいたします。これは、葬儀の基礎や一般常識を十分に理解し、数多くの経験があるからこそできるサポートだと思っています。

喪主様やご遺族に家族葬の告別式へのご参列経験が無くても、安心して葬儀の準備を進めていただけるように、お客様に寄り添って丁寧にアドバイスをさせていただきますので、どうぞお気兼ねなくご相談ください。

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