大切なご家族が余命宣告を受けたあなたに伝えたいこと

家族が余命宣告を受けたときは

大切なご家族が、余命宣告を受ける……。
患者ご本人はもちろんですが、家族も同じくらい、大変なショックを受けることです。実は筆者自身、夫ががんで余命宣告を受け、送り出した家族の立場です。リアルな実感をまじえながら、大切な人が余命宣告を受けた際、家族としてできることは何か、お伝えしたいと思います。

家族が余命宣告を受けたら・・・

このページをご覧のあなたは、大切な家族が余命宣告を受けた方かもしれません。そんなあなたに、なによりもまずお伝えしたいことは、
「ご家族だってつらいのは当たり前」
ということです。

家族は「第二の患者」

病気になったご本人が一番つらいことに間違いはありませんが、ご家族はそう思うあまり、つい自分のことを後回しにしがちになります。
しかし、ご家族も本当は、大変なショックと精神的なストレスを受けています。世話に追われ、肉体的なしんどさもあるかもしれません。
しかし、そればかりでは、ご自身にも悪い影響が出てしまいます。ときにはゆったりと、一人の時間を持ち、好きなことを思いっきりやり、少しでもリラックスする。それは、決して悪いことではありません。

そして、自分たちだけで抱え込まず、ぜひ、周囲の人を頼ってください。医療、介護の専門家、親戚、友人など、頼りになる人に、悩みを打ち明けてみてください。サポートを入れること、そして風通しをよくすることで、きっと楽になるはずです。
患者ご本人も、なにより心配するのは、残されたご家族のことでしょう。ご家族が元気でいることで、ご本人も安心できるのではないでしょうか。

ご本人と話し合いましょう

ご家族も、自分自身を大切に。それを前提にしたうえで、今後をどのように過ごしたいかなど、患者ご本人の希望を聞きましょう。
ただ、ご本人が余命宣告をどのように受け止めているかで、話ができるまでに時間がかかるかもしれません。そういうときは、無理に話を振らなくても大丈夫です。ご本人が話したい気持ちになってからでも、遅くはありません。

話し合い

話ができるタイミングがきたら、ご本人の希望をかなえるために家族として何ができるか、ひとつずつ確認していきましょう。ここで大切なのは、「希望はすべてかなえなければならない!」と身構えないことです。
ご本人の体調や余命から判断して、現実的に難しいこともあるでしょう。ご家族としては、すべてかなえてあげたくなるでしょうが、「無理なものは仕方ない」と、少し肩の力が抜いたほうが、結果的に話も聞きやすくなります。
また、希望どおりでなくとも、それに近いことで代えることもできます。
(遠方に住む孫に会いに行くことが難しい場合、リモートで顔を合わせるなど)
どうすれば、出てきた希望をひとつでも多くかなえられるか。気楽に聞くほうが、柔軟な案も出やすくなることでしょう。

在宅医療という選択肢

人生の最後は自宅で過ごしたい、そうお望みの方は少なくないでしょう。
在宅医療を希望する場合、主治医、看護師、ケアマネージャー、拠点病院などがチームを組み、患者や家族をサポートしてくれます。
在宅だからといって、家族がすべて患者の世話をしなくてはいけないわけではありません。専門家の力を存分に頼りましょう。ただ、入院に比べたら、家族の出番が増えることは事実です。家族にも負担がかかるということを自覚し、休養をとり、精神的に安らげるような工夫をしてください。その点を、患者ご本人にも理解してもらうとベストでしょう。

エンディングノートの活用

「ご本人が旅立つ前に、やっておくべきことはなんだろう……。」
現実的な事態に直面して、何から手をつければいいのか、混乱することがあるかもしれません。
そんなとき参考にしてほしいのが、エンディングノートです。
書き進める過程で整理すべきことが見え、ご自身の希望もハッキリと見えやすくなります。それが記録に残っていれば、今後ご自身の意思疎通が難しくなった場合でも、希望を伝えることができます。残されたご家族も、これを読めば、それを理解できるという大きなメリットがあります。

(参考)花葬儀のエンディングノートはこちら

https://www.hana-sougi.com/first/endingnote.html

お金の整理は、お早めに

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ご健在のうちの身辺整理は、「冷たい」「縁起が悪い」という印象があるかもしれません。ですが事実、ご本人でないとわからないことはたくさんあり、何も聞かないでおくと、後で困ることがたくさん出てきます。そして、時間が経つほどご本人の体調が悪化するなどして、そのような話はしづらくなります。
ご本人と話せるうちに、現実的なことを整理しておけば、治療やケアに専念しやすくなります。お金の整理とともに生活への不安が解消されることで、精神的な落ち着きにもつながります。話しづらい現実的な話こそ、ご本人の健康状況などを考慮しつつ、早めに確認しておきましょう。

お金に関して、整理や手続きをすませておくべきことは、大きく分けて

  • ・年金
  • ・保険
  • ・預金

の3点です。

お金の手続きは、ご本人でないと手間がかかるものも少なくありません。とくにご葬儀の準備が始まると、そのようなことに時間を使えなくなります。余裕をもって対応しましょう。
ここで注意すべきなのは、
「ご本人の口座からご家族がお金を引き出すとき」
です。
万一、後から借金が発覚した場合、口座からお金を動かした形跡があると、財産放棄ができなくなることもあります。葬儀などでまとまったお金が必要になっても、ご本人の口座から引き出すときは落ち着いて対応しましょう。

相続関係の整理

人生の中で家系図を見る、書くことはそう多くないと思いますが、ご本人との血縁関係は、意外なほど複雑なものです。配偶者でも、把握していない親族関係があるかもしれません。
エンディングノートなどを参考に、相続が発生する人をチェックしておきましょう。残された人たちでの相続争いなど、ご本人も望んでいないはずです。それを防ぐためにも、できればご本人にも理解してもらうとよいでしょう。

インターネットまわりの整理

今の時代、SNSをはじめ、様々なWebサービスに登録している人も多いことと思います。残すアカウント、解約するサービスなどを、あらかじめ確認しておきましょう。
この場合、ご本人に整理してもらうのが一番ですが、それが難しい場合、アカウントやパスワードの一覧などは最低限用意してもうらう必要があります。課金制のサービスの場合、解約できなければ、いつまでも会員費用がかかってしまいます。
なお、Facebookの場合、亡くなった後のアカウントを管理する担当者を指名できる機能がついており、指定しておくと便利です。

葬儀の話は、思い出を振り返りながら

お金や相続の話でさえしづらいのに、病気のご本人を前にして、葬儀の話など、とてもできないと思うかもしれません。ですがもし、ご本人が自分の運命を受け入れているのでしたら、話しておいた方がよいでしょう。
その理由はひとつ、「ご本人の希望をしっかりと反映させるため」です。
なかでも、とくに重要なのは

  • ・呼んでほしい人(その連絡先)、呼んでほしくない人など
  • ・ご本人が希望する葬儀の内容

の2点です。
話しづらいときは、単刀直入に切り出すのではなく、好きな音楽、楽しかった旅行や家族のイベントなど、思い出を振り返るかたちでまわり道をしながらアプローチするとよいでしょう。ご本人が何を大切にしているかがわかれば、それをもとに、ご希望の葬儀を作り上げることができます。

また、ご本人との思い出を一緒に語り合うことで、最後の時間を豊かにするきっかけにもなるかもしれません。かつての戦争の体験談など、ご本人でないと語れない話なども、聴いて損はないでしょう。
思い出話を語り合いながら

事前相談で、用意の時間をゆったりと

最近では、余命宣告を受けたご本人、ご家族が、ご葬儀の内容を事前に相談することも増えています。なかには、「自分のことは自分で」と決意され、貴金属を売って現金化する、保険を見直す、財産整理を始めるといった方もいらっしゃいます。また、棺に入れるお洋服や遺影の写真、どんな位牌にするかなど、ご自分の葬儀をプロデュースする方も多くなりました。

もちろん、事前の相談とはいえ、葬儀社に足を運ぶことを快く思わない方もいらっしゃいます。その場合は、ご家族が、ご本人の好みなどを確認しておくとよいでしょう。とくに、ご本人の趣味やお仕事の内容を詳しく聞けていれば、葬儀を作りあげるヒントが多くなるかもしれません。
ちなみに、ご本人が事前相談を終えている場合、ご家族は「本人が望んだ通りに」とおっしゃる方がほとんどです。最後くらいは、ご本人が望む内容で見送ってあげたいということなのでしょう。葬儀の前後は本当に慌ただしいので、事前に決まっていることが多いほど、ご家族との別れの時間を長くとることができます。

花葬儀の対応例

弊社「花葬儀」にご依頼をいただいた場合、まず対象者様のご希望を丹念にヒアリングさせていただきます。
それをもとに、その方、そしてご家族にふさわしい式をご準備いたします。式の時間は約1時間ですが、その枠のなかで、どのように人生を締めくくるか、様々な視点から提案をさせていただきます。以下の4点は、実際に葬儀で対応させていただいた事例です。

・対象者様の思い出深い食事の話を聞き、葬儀直前にそのときのメニューを手配。棺にその料理をお入れした。
・家族旅行の思い出が詰まった旅館から温泉水を取り寄せ、それを使ってお身体を清めた。
・ご参列者をケーキバイキングでお迎えしたいという故人様のご希望を聞き、本当にケーキバイキングを式場に用意した。
・「最後に花見をしたい」というご希望を叶えるため、祭壇に桜の花をあしらった。

参列される方、祭壇、お写真、お洋服など、どこにこだわるかは、ご家族によって様々です。弊社「花葬儀」は、ご本人の希望、ご家族の意向のどちらも大切なものと考えております。そのなかで、できることを模索し、1人でも多くの方に喜んでいただけるよう、頑張らせていただければと思います。

参列者へのおもてなし ケーキバイキング

参列者へのおもてなし ケーキバイキング

 

思い出の旅館から取り寄せた温泉水

思い出の旅館から取り寄せた温泉水

葬儀で確認すべきこと、まとめ

葬儀について確認しておくべきことを、いま一度まとめました。

  • ・葬儀の規模(会葬者の人数)
  • ・お呼びしたい人(弔問客のリスト)
  • ・予算
  • ・お世話をお願いしたい人
  • ・葬儀をどこで行うか
  • ・祭壇(白木祭壇形式、花祭壇形式など)
  • ・花の希望や色
  • ・装束(故人様の棺の中でのお召し物)
  • ・棺に入れてほしいもの
  • ・遺影の写真
  • ・宗教、宗派の有無、またはその希望
  • ・菩提寺の有無(ご家庭と代々お付き合いのあるお寺)
  • ・本籍

よろしければ、ご参考にしてください。

ぜひお読みいただきたいサイト、書籍

・花葬儀お客様インタビュー

10歳で天国に行った女の子の闘病と母の愛

https://www.hana-sougi.com/interview/07/

10歳で旅立った女の子

10歳の女の子の闘病生活とお母さんの愛のお話

・『家族を亡くしたあなたに―死別の悲しみを癒すアドバイスブック』 (ちくま文庫)
死に別れる悲しみを30年以上にわたって研究するカウンセラーによる著書です。「多くの人は、死別の悲しみを本当に理解しているわけではない」とし、この悲しみの流れを知っておくことが、乗り越えるうえで大きな助けになると説いています。死別の瞬間から、悲しみを克服するまでのプロセスが細かく、そして詳しく説明されています。

ちくま文庫

・『永遠の別れ―悲しみを癒す智恵の書』(日本教文社)
名著「死ぬ瞬間」を書いたことで知られる精神科医のエリザベス・キューブラー・ロスによる著書です。
「愛する人を失った側にも癒しが必要」とし、残された人たちの悲しみを受け止めてくれます。そして、その悲しみを癒す方法を、温かい言葉で優しく示しています。身近な人、愛する大切な人を失った方に、生きる勇気を与えてくれる一冊です。

永遠の別れ

日本教文社

 

 

最後に……ご家族が余命宣告されたあなたに、伝えたいこと

繰り返しになりますが、大切な家族が余命宣告を受ければ、ご本人だけでなく、支える家族も大きなショックを受けます。ショックを抱えたまま、ご本人のサポートをすることが求められますが、ここで大切なのは、「自分だけで抱え込まないこと」。
専門家など、まわりの人を、ぜひ頼ってください。つらい気持ちを溜め込まないことも、家族にとっては大事な「仕事」のひとつです。

これまでの葬儀は、お亡くなりになってから準備が始まるものでした。ですが今、余命宣告を受けた方やご家族からのご相談が増えています。人生を自分らしく締めくくりたいとお考えになる方が多くなったためでしょう。その気持ちに寄り添いながら、何ができるかを考える。ただ祭壇を飾るだけで終わらないのが、令和の葬儀のありかたといえるでしょう。
どんなに小さな不安でもかまいません。ぜひお気軽に、花葬儀までご一報ください。

◎花葬儀は「100人いれば100通りのお葬式」をコンセプトに、完全オーダーメイドの花祭壇をお作りする葬儀社です。フラワーデザイナーが故人様の生前のお人柄を「花」で表現し、葬儀コーディネーターと共に唯一無二のお別れの時間をご提案いたします。大切な方へのこれまでの感謝の思いを花祭壇で届けませんか?ぜひお気軽にお問合せください。

花葬儀の事前相談
https://www.hana-sougi.com/first/jizensoudan/

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