喪中はがきに返事は必要?返信の方法・タイミングや文例も紹介

喪中はがきに返事は必要?返信の方法・タイミングや文例も紹介

喪中はがきが届いた際、「返事を出した方がよいのかどうか」悩む方は多いのではないでしょうか。

喪中はがきは、故人様の死を知らせることが目的の「訃報連絡」ではありませんが、年内に不幸があり、送り主が喪中であるということが書かれているため、弔意を言葉にして送る必要があるかどうか判断に迷うものです。

そこで今回は、喪中はがきを受け取ったときの返事について解説します。まずは「喪中はがきに返事は必要か?」についてご紹介し、返事を出すことになった際の方法やタイミング、文例のほか、「お香典も一緒に送るべき?」という疑問にもお答えします。ぜひ最後までご一読ください。

1.喪中はがきに返事は必要?

喪中はがきに返事は必要?

結論から言うと、喪中はがきが送られてきた際の返事は基本的に必要ないとされています。近況報告やお見舞いなどの手紙には返事を出すことがマナーですが、喪中はがきの場合は、送られてきたとしても何もしないことがほとんどです。

返事を出すと、喪中はがきの差出人がさらに返事を出すなど気を使ってしまうことがあるため、故人様やご遺族と年賀状のやり取りをする程度の間柄であれば、返事を控えた方が、負担にならずに済むのです。

ただし、基本的に不要というだけで、喪中はがきに返事を出してはいけないというわけではありませんから、このあとにご紹介するケースにおいて、必要と感じた場合は返事を出してもよいでしょう。

2.喪中はがきに返事を出す場合とは?

基本的に返事が不要とされる喪中はがきですが、以下のケースにおいては返事を出すことがあります。

また、ご紹介している内容以外でも、ご自身が「返事を出したい」「返事を出したほうがよい」と判断した場合は、返事を送ってもよいでしょう。

故人様やご遺族と親しかった場合

喪中はがきへの返事は、相手と近しい関係にある場合や、親密度が高い場合に出すことがあります。

具体的には「遠方に住む親族」や「親しい友人・知人」などを指しますが、「ご遺族に対し哀悼の意を示したい」という気持ちから、返事を出すことが多いようです。

年賀状の投函後に喪中はがきが届いた場合

もうひとつのケースは、年賀状を投函した後に喪中はがきが届いた場合です。冒頭で少し触れましたが、喪中はがきは「喪中につき、こちらからの新年の挨拶を控えます」ということを相手に伝える挨拶状であり、訃報連絡ではありません。そのため、喪中はがきを送ってくれた人に年賀状を送ることはタブーではないとされています。

しかし、喪中の相手にお祝いの言葉が入った年賀状を送ってしまえば、「失礼なことをした」と思うのが一般的な感覚です。喪中はがきと入れ違いで年賀状を送ってしまった場合は、次項からご紹介する方法で、お詫びの言葉を入れた返事を出してみてはいかがでしょうか。

3.喪中はがきに返事を出す方法は?

喪中はがきに対する返事には、4つの方法があります。まずは、4つの方法がどのようなものなのかについてご紹介します。

寒中見舞い

「寒中見舞い」とは、寒さの厳しい時期に、相手の健康を気遣って送る季節の挨拶状です。最近では、季節の挨拶状という本来の役割のほかに、喪中の方への挨拶状としても使われる機会が増えています。

喪中見舞い

「喪中見舞い」は、喪中の相手にお悔やみを伝えるための挨拶状です。喪中見舞いは比較的新しい風習のため、寒中見舞いほど広く知られてはいません。しかし、喪中見舞いには送る時期の制限がないという特徴がありますから、喪中はがきが届く前に年賀状を送ってしまい、急いで返事を出したいケースなどにおいては、喪中見舞いが適しています。

年始状

「年始状」とは、「謹賀新年」や「寿」など、お祝い事を意味する言葉を使わずに新年の挨拶をするための挨拶状です。年始状は、お互いの消息を伝えあったり、人との絆を強めたりしたいという思いから、東日本大震災以降に広まったといわれており、喪中見舞いよりもさらに新しい風習であるといえます。

故人様の冥福を祈り、喪中はがきを送ってくれた親しい相手に年頭の挨拶をしたい場合には、この年始状を送るというのもひとつの方法です。励ましの言葉などを添えることで、相手を思う気持ちが伝わることでしょう。

メール/LINEなどのSNSツール

喪中はがきへの返事の手段として、最近ではインターネットを使用したコミュニケーションツールが使用されるようになっています。メール・LINE・その他SNSツールは大変便利ではありますが、喪中はがきへの返事は「はがき」を使用するのが基本的なマナーです。

そのため、メールやLINEを使って返事をする相手は、普段からメールのやりとりをしている親しい友人のみにとどめた方がよいでしょう。

4つの方法をご紹介しましたが、喪中はがきに返事を出す際の基本的なマナーは「はがき」で返事を出す3つの方法です。出すタイミングにより、寒中見舞い、喪中見舞い、年始状を選択し、思いを込めて書きましょう。

4.喪中はがきの返事|寒中見舞いのポイントと文例

喪中はがきの返事として、寒中見舞いを出すことになった場合の、タイミング・ポイント・文例をご紹介します。

寒中見舞いを出すタイミング

寒中見舞いは「松の内が明けてから立春まで」に相手に届くように出すのが一般的ですから、出すタイミングは、「松の内最終日から立春の前日までの間」となります。

「松の内」とはお正月飾りの門松を飾っておく期間のことで、関東では1月7日、関西では1月15日までと地域によって期間が異なります。「立春」は暦の上での春の始まりを指し、2024年は2月4日が立春にあたります。

つまり、関東であれば1月7日から2月3日の間に寒中見舞いを投函するとよいでしょう。

寒中見舞いのポイント

喪中はがきへの返事として送る寒中見舞いの内容は、基本的に以下の順番で記載します。

  1. 1.「寒中お見舞い申し上げます」の挨拶
  2. 2.送る相手が喪中のため年賀状を控えていたこと(行き違いで年賀状を送ってしまった場合はお詫びの言葉を添える)
  3. 3.お悔やみの言葉
  4. 4.ご遺族を気遣う言葉
  5. 5.寒中見舞いを出した日付(令和〇年〇月まで)、差出人住所、差出人氏名

寒中見舞いの文例

【喪中はがきへの返事として送る寒中見舞いの文例】

寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中と存じ 年始のご挨拶は控えさせていただきました
遅ればせながら 謹んでご冥福をお祈りいたします
ご家族思いの〇〇さんですので 寂しい毎日をお過ごしのこととお察しいたします
どうぞお身体を大事にお過ごしください

令和〇年〇月
差出人住所
差出人氏名

5.喪中はがきの返事|喪中見舞いのポイントと文例

喪中はがきの返事|喪中見舞いのポイントと文例

喪中はがきの返事として、喪中見舞いを出すことになった場合の、タイミング・ポイント・文例をご紹介します。

喪中見舞いを出すタイミング

喪中はがきの返事として喪中見舞いを出すタイミングは、「喪中はがきを受け取ったらなるべく早く」がよいとされています。

喪中見舞いには「いつからいつまでの間に届ければならない」という決まりはないため、喪中はがきを受け取ったら、遅くとも年内のうちには喪中見舞いを送りましょう。

喪中見舞いのポイント

喪中はがきの返事として出す喪中見舞いの内容は、基本的に以下の順番で記載します。

  1. 1.「喪中お見舞い申し上げます」の挨拶
  2. 2.喪中はがきを送ってくれたことへのお礼(行き違いで年賀状を送ってしまった場合はお詫びの言葉を添える)
  3. 3.お悔やみの言葉
  4. 4.ご遺族を気遣う言葉
  5. 5.喪中見舞いを出した日付(令和〇年〇月まで)、差出人住所、差出人氏名

喪中見舞いの文例

【年賀状を投函した後に喪中はがきが届いた場合の、喪中見舞いの文例】

喪中お見舞い申し上げます
このたびは丁寧な挨拶状をいただきありがとうございました
訃報を存じ上げず失礼いたしましたこと 深くお詫び申し上げますとともに
〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます
みなさまどうぞお身体を大切にお過ごしください

令和〇年12月
差出人住所
差出人氏名

6.喪中はがきの返事|年始状のポイントと文例

喪中はがきの返事として、年始状を出すことになった場合の、タイミング・ポイント・文例をご紹介します。

年始状を出すタイミング

年始状は、年賀状と同じように1月1日の元旦から1月7日(関西は1月15日)の松の内の期間内に届くように送ります。つまり、出すタイミングは、「大晦日から年明けすぐ」がベストです。

早い時期に投函してしまうと、松の内よりも前に相手に届いてしまうこともありますから、事前に郵便局にて配達予定日を確認しておくと安心でしょう。

年始状のポイント

喪中はがきに対して送る年始状の内容は、基本的に以下のとおりです。

  1. 1.「謹んで年頭のご挨拶を申し上げます」などの挨拶
  2. 2. お悔やみの言葉
  3. 3.「本年もよろしくお願い申し上げます」などの挨拶
  4. 4.年始状を出した日付(令和〇年〇月まで)、差出人住所、差出人氏名

年始状の文例

【喪中はがきに対して送る年始状の文例】

謹んで年頭のご挨拶を申し上げます
旧年中は大変お世話になりました
故人様のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに 新年が〇〇様にとって穏やかな年であるよう 心から祈念いたします
本年もどうぞよろしくお願いいたします

令和〇年1月
差出人住所
差出人氏名

7.喪中はがきが届いた後にお香典を送りたい場合は?

喪中はがきが届いた後にお香典を送りたい場合は?

喪中はがきの返事にはお香典やお供え物を添えて送ることができますが、次の点に注意しましょう。まずは、相手がお香典や供物、供花の辞退をしていないかどうかを確認し、辞退されているようであれば控えるのがマナーです。

また、相手がお香典などの辞退をしていないことを確認できたとしても、「お香典を送れば相手は香典返しを用意しなければならず、いくらかの負担をかけてしまう」という点を考慮した上で、送るかどうかを判断しましょう。

なお、前述しましたが、喪中はがきは一般的に11月末~12月中旬に届くため、喪中見舞いとしてお香典を送る場合は年内に届くようなるべく早く出すようにします。年が明けてしまった場合は、1月7日から2月3日(関東の場合)までの間に「寒中見舞い」にお香典を添えて送りましょう。

お香典の金額は、故人様との関係性、お香典を送る人の年齢、地域などによっても異なるため、こちらの「家族葬の線香代とは?相場、表書きの書き方は?お線香を送るのはOK?」の記事を参考になさってください。
※お香典(線香代)や表書きについて解説しています。

8.喪中はがきへの返事のマナーは?

これまでご紹介してきた、喪中はがきへの返事で使用する「寒中見舞い」「喪中見舞い」「年始状」には、共通のマナーがあります。

ここでは、喪中はがきへの返事をする際の基本的なマナーについてご紹介します。

切手のマナー

自分で切手を用意する場合は、以下の絵柄を避けます。

・華美なデザイン
・お祝い事を連想させるデザイン
・干支のデザイン
・弔事用として販売されているデザイン(正式名称『弔事用63円普通切手花文様』)
※弔辞用切手は喪中見舞いに貼る場合のみOK

「喪中の相手に送るものだから、弔事用の切手を選ぶべきではないのか?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、弔事用の切手は、ご遺族側が使うのが通例であるため、喪中はがきへの返事を出す側が使うのはマナー違反とされています(ただし、「喪中見舞い」を出す場合においてのみ、弔事用切手を使ってもよいとされています)。絵柄に迷ったら、花や木といった植物が印刷されている普通切手を選ぶことをおすすめします。

はがきのマナー

喪中はがきへの返事に使うはがきは、2通りの方法で用意することができます。

ひとつ目の方法は、「切手にあたる部分が胡蝶蘭(こちょうらん)になっている普通はがき」を、郵便局やコンビニで購入する方法です。切手を別に用意しなくてもよいため、最も簡単な方法といえます。

ふたつ目の方法は、自分ではがきを用意することですが、デザインに注意が必要です。ベースは白またはグレーやブルーなどの寒色とし、無地または白を基調とした花が描かれたものを選びましょう。

言葉選びのマナー

喪中はがきに対する返事では、言葉選びにも細心の注意が必要です。以下に「使用しない言葉や記号」をご紹介します。

【喪中はがきに対する返事で使用してはならない言葉や記号】
・頭語/結語(例:拝啓/敬具)
・賀詞(読み方:がし/意味:賀正、謹賀新年、おめでとうなどのめでたい言葉)
・句読点
・忌み言葉(例:死ぬ、消える、浮かばれない など)
・重ね言葉(例:次々、ますます、重ね重ね など)
・励ましの言葉(例:元気を出してください、くよくよしては故人様が悲しみますよ など)

このように言葉を選びながら返事を書くことは、相手のことを思いやりながら返事を書く上での必要不可欠なマナーといえるでしょう。

9.喪中はがきに返事を出す際は相手の心に寄り添ったものを

喪中はがきに対して返事を出す必要はありませんが、故人様や送り主との関係性によっては返事を出した方がよいと判断することもあります。

喪中はがきに対して返事を出す場合は、基本的に「寒中見舞い」「喪中見舞い」「年始状」のいずれかの方法とし、悲しみの中にいるご遺族の心に寄り添った手紙となるよう、マナーを守って丁寧に書きましょう。

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