喪中の人が寒中見舞いを送るケースとは?送る時期や書き方、文例をご紹介
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
喪中の方は、さまざまな機会で寒中見舞いを通じて挨拶をすることがあります。
自分が喪中となり、寒中見舞いを送る必要に迫られたとき、「書き方がよくわからない」「出した後に書き方を間違えていたことに気づいた」となるのは避けたいものです。
そこで今回は、喪中の方が出す寒中見舞いについて、書き方や文例も含めて詳しく解説します。
1.そもそも寒中見舞いとは?
寒中見舞いとは、寒い時期に送る季節の挨拶状です。相手の体調を気遣う言葉とともに、自身の近況などをはがきや手紙に書いて伝えます。
喪中の方は一般的に年賀状を出さないものですが、寒中見舞いであれば出すことができます。寒中見舞いは年賀状とは違い、お祝いの言葉を伝える目的で送るものではありません。そのため、喪中の方が他の用途で寒中見舞いを出すこともあります。
次項より、喪中の方が寒中見舞いを出すケースについて詳しくご紹介します。自分が喪中であり、寒中見舞いを出してもよいかお悩みの方は、ぜひお役立てください。
2.喪中である人が寒中見舞いを送るケース
喪中の方は、次のようなケースで寒中見舞いを出して、相手にご挨拶をすることがあります。
年末に不幸があって喪中はがきを出せなかったとき
身内に不幸があったときには、お世話になっている方や毎年年賀状のやり取りをしている方に「喪中はがき」を出すことが一般的です。
この喪中はがきを届けるタイミングは、相手が年賀状を投函(とうかん)する前である11月~12月初旬がベストとされています。しかし年末に不幸があった場合、この時期に間に合わないこともあるでしょう。そのようなときには寒中見舞いを出し、「急なことで喪中はがきが間に合わなかった」と相手に伝え、お詫びします。
なお、喪中はがきは「喪中のため、年賀状での挨拶を控える」ことを知らせるものであり、「相手からの年賀状を受け取れない」と伝えるものではありません。喪中はがきを送る時期やマナーについては、「喪中はがきはいつ送る?喪中の範囲やマナー、寒中見舞いも解説」の記事をご覧ください。
喪中はがきを出さなかった人から年賀状が来たとき
交友のある人全てに漏らさず喪中はがきを出すことは難しいため、喪中はがきを出していなかった相手から年賀状が来ることがあります。また、諸事情により喪中はがきが年内に間に合わないこともあるかもしれません。
そのような場合は、喪中はがきを送るのではなく、寒中見舞いで返事や挨拶をします。内容には、「年賀状をいただいたお礼」「喪中につき新年の挨拶を控えていること」「連絡が遅れたお詫び」を含めるとよいでしょう。
喪中はがきが間に合わなかったからといってそのまま何もしないのではなく、寒中見舞いで年賀状が送れなかったことへのお詫びを伝えることが大切です。
なお、喪中はがきを送る範囲については、「喪中はがきは誰に出す?ご親族、参列者、仕事関係者はどうする?」でも詳しく解説しています。
故人様宛に年賀状が届いたとき
故人様宛の年賀状が送られてきた場合にも、寒中見舞いで返事をすることができます。相手は故人様の訃報を知らなかったわけですから、「年賀状のお礼」「本人が死亡したことの連絡」「連絡が遅くなってしまったことのお詫び」を書くとよいでしょう。
具体的な書き方について、この後の「喪中の人が送る寒中見舞いのケース別文例」に載せておりますので、ぜひご覧ください。
3.喪中に寒中見舞いを出す時期は?
喪中にあるときに寒中見舞いを出す時期は、いつがよいのでしょうか?
ここから詳しく解説します。
寒中見舞いを出す時期
寒中見舞いを出す時期は、自分が喪中であるかどうかに関わらず、同じです。
寒中見舞いは、松の内が明けてから、立春の前日までに相手に届くように出しましょう。松の内とは、お正月飾りである門松を飾っておく時期を指し、明けるタイミングが地域によって異なります。関東では1月1日~1月7日まで、関西では1月1日~1月15日までであるのが一般的です。
2024年の立春は2月4日ですが、年によって日にちが前後するため、注意が必要です。
立春を過ぎて出す場合は「余寒見舞い」とする
立春を過ぎて出す季節の挨拶状は、「余寒見舞い」と呼ばれます。立春までに用意が間に合わないようでしたら、余寒見舞いを出すことをおすすめします。
なお、「余寒」とは、「寒さが残っていること」の意味です。雪深い地方では立春が過ぎても厳しい寒さが続いているため、「寒中見舞い」を送っても問題ないとするところもありますが、考え方は人それぞれであるため、余寒見舞いを送るのが無難でしょう。
4.喪中の人が出す寒中見舞いの基本的な構成
こちらでは、喪中の方が出す寒中見舞いの基本的な構成を紹介しますので、参考になさってください。書くときは、以下の3つの項目を含めるとよいでしょう。
項目 | 内容 | 補足 |
---|---|---|
1.挨拶 | 「寒中御見舞い申し上げます」 | 目上の相手には「寒中御伺い申し上げます」を使うことも |
2.本文 | ・相手の健康に対する気遣い ・自身の近況報告 ・年賀状をいただいたお礼 ・喪中につき新年の挨拶を控えることへのお詫び ・喪中はがきが遅れたお詫び ・今年も変わらずお付き合いをしてほしい旨のお願いなど |
|
3.日付・差出人 | ・書いた日付 ・差出人住所・連絡先 ・氏名 |
「〇日」は省略し「令和〇年〇月」のみとすることも可能 必要に応じて差出人の連絡先を入れる |
5.喪中における寒中見舞いで気を付けたいマナー・書き方
こちらでは、喪中の方が寒中見舞いを出すときに気を付けたほうがよいマナーを解説します。
意図せず相手を不快にすることのないよう、確認しておきましょう。
喪中はがきの図柄は避ける
「喪中だから、寒中見舞いのはがきも喪中らしいデザインにしよう」と考えることもあるかと思います。しかし、寒中見舞いは喪中はがきではありませんから、送る側が喪中だとしても、弔事をイメージさせる図柄はふさわしくありません。
そのため、喪中はがきで使うような薄墨の文字や、蓮の絵は避けます。代わりに、雪だるまや冬の花などをモチーフにした、控えめながらも季節感のあるデザインのものを選ぶとよいでしょう。
弔事用切手はマナー違反
寒中見舞いには喪中はがきの図柄を避けるのと同様、弔事用の切手も控えます。弔事用として販売されている「花文様」の切手は、喪中はがきには使いますが、季節の挨拶状である寒中見舞いには使いません。
代わりとしては、落ち着いた花や木などの植物をモチーフにした切手、または季節感のある切手を選びましょう。また、お祝い事を連想させる派手な切手も避けるようにします。
「どれがふさわしいのかわからない」という場合は、郵便局などで販売されている、胡蝶蘭が切手として印刷された官製はがきがおすすめです。
句読点は使わない
寒中見舞いに限らず、挨拶状や喪中はがきなどのあらたまった手紙には、句読点を使わないのが原則です。文章を読みやすくするために打つ句読点は、「文章を区切る=縁を切る」を連想させてしまうからです。
「そこまで徹底しなくてもよい」とする意見もありますが、さまざまな考えの方がいることを考え、句読点は使わずに書くことをおすすめします。
6.喪中の人が送る寒中見舞いのケース別文例
ここからは、喪中の方が送る寒中見舞いの文例を、ケース別にご紹介します。
目上の方への書き出しの挨拶は「寒中御伺い申し上げます」とすると、「寒中御見舞い」よりももう少し丁寧な印象になります。なお、寒中見舞いは縦書き・漢数字が基本です。
年末に不幸があって喪中はがきを出せなかった相手へ
年末に不幸があり喪中はがきが出せなかった場合には、寒中見舞いに「いつごろ、誰が亡くなったのか」を添えると相手に伝わりやすくなります。
目上の方への寒中見舞い文例
ご丁寧な年賀状をいただいたにもかかわらず お返事が遅れましたことお詫び申し上げます
去る12月に母〇〇が〇〇歳で他界したため 年頭の挨拶を控えさせていただきました
寒い日が続きますので どうぞお身体を大切にお過ごしください
本年もよろしくお願い申し上げます
令和〇年〇月
差出人住所
差出人氏名
親しい相手への寒中見舞い文例
実は以前から療養していた父が12月に他界したため こちらからの新年の挨拶を控えさせていただいておりました
落ち着いたころにまたお食事でもお誘いできればと思っております
本年もどうぞよろしくお願いいたします
令和〇年〇月
差出人住所
差出人氏名
こちらが喪中と知らずに年賀状をくれた相手へ
喪中の相手に年賀状を送ることはタブーではありませんが、送り側は「不幸のあった人にお祝いの言葉が入った年賀状を送ってしまった」と焦ることがあります。こちらが喪中だと知らずに年賀状をくれた相手には、相手が極力気に病まないような言葉で寒中見舞いを送るよう心がけてみましょう。
諸事情で喪中はがきが間に合わなかった相手には、詳しい事情は入れる必要はありませんが、簡潔に喪中であることを伝えましょう。
目上の方への寒中見舞い文例
厳しい寒さが続いておりますがいかがお過ごしでしょうか
毎年こちらから年賀状をお送りしておりましたが 今回は母〇〇の喪中につき控えさせていただきました
旧年中のご連絡かなわず 年を越してしまった非礼を深謝いたします
今年は例年に比べ厳冬とのことですから お身体を大切にお過ごしください
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
令和〇年〇月
差出人住所
差出人氏名
親しい相手への寒中見舞い文例
旧年は母の葬儀に参列してくださりどうもありがとうございました
喪中につき新年の挨拶は控えさせていただきますが 私たち家族は元気に過ごしておりますのでご安心ください
今年は庭の梅が早くに咲きそうです その頃にまたお会いできたらと思います
本年もどうぞよろしくお願いいたします
令和〇年〇月
差出人住所
差出人氏名
故人様宛に年賀状が届いた場合
年頭のご挨拶をいただきありがとうございました
父〇〇ですが 昨年〇月に他界したことをご報告いたします
本来であればすぐにお知らせすべきところ 年を越えてのご連絡となってしまった無礼をどうかお許しください
父に代わり生前賜りましたご厚情に深く感謝するとともに 皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
令和〇年〇月
差出人住所
差出人氏名
7.喪中には寒中見舞いを送って相手への配慮を伝えましょう
喪中の方は年賀状を控えるため、年内に喪中はがきを送るのが一般的です。しかし、諸事情により喪中はがきが間に合わず、自分や故人様宛に年賀状が送られてきてしまうこともあります。
そのような場合には、寒中見舞いを送り、喪中であることを伝えたり、挨拶をしたりすることができます。相手の健康や心情を気遣った内容を送ることで、きっとこちらの思いが伝わることでしょう。
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