喪中はがきはいつ送る?喪中の範囲やマナー、寒中見舞いも解説
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
「喪中はがきはいつ送る必要があるのか」ご存じでしょうか。喪中はがきがどのような役割を持っているのかはご存じだと思いますが、いざ自分が喪中はがきを出す立場になったとき、「いつまでに送るのが正解?」「気を付けなければいけないマナーやルールは?」「そもそも自分は喪中はがきを出す立場で合っている?」といった疑問が湧いてくるはずです。
そこで今回は、喪中はがきを送る際に悩みがちなポイントについて解説します。また、年末に不幸があり喪中はがきが出せなかった場合などに出す「寒中見舞い」についてもご紹介しますので、ぜひこの機会にご一読ください。
【もくじ】
1.喪中はがきとは?
「喪中はがきをいつ出すのが適切なのか」を考える前に、まずは、喪中はがきの意味について再確認しましょう。
そもそも喪中とは?
「喪中」とは、故人様のご遺族が、故人様を偲んで供養にあたる期間のことを意味しており、「喪中」以外にも「忌服(きふく)期間」「服喪(ふくも)期間」と呼ぶことがあります。
喪中の期間は法律などで明確に決まっているわけではありません。一般的に「3カ月~一年」と考えられていますが、故人様との親等や続柄などによって異なります。例えば、故人様の子どもであれば「3~13カ月」を、故人様の夫・妻、父母、義父母であれば12~13ヵ月を喪中期間の目安としています。
このように目安期間はあるものの、喪中とは「故人様を偲ぶ期間」のことですから、いつまでを喪中とするのかは各家庭の考え方や個人の立場などによっても変わるといってよいでしょう。
※「喪中の範囲と期間」や「親等の数え方」についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になります。
https://www.hana-sougi.com/blog/mochu_relatives/
喪中はがきとは?
地域や親等、宗教・宗派などによっても異なりますが、喪に服している喪中では、お祝い事をなるべく控えるべきという考えがあります。そのため、新しい年の始まりを祝う新年の挨拶状(年賀状)を送ることも慎むのが一般的です。
そこで、「喪中のため、新年の挨拶である年賀状を出すことができません」といったことを知らせるために出すのが「喪中はがき」です。正しくは、「年賀欠礼状」または「喪中・欠礼はがき」といいます。
「喪中のため、年賀状は受け取れません」という意味ではない点に注意しましょう。
なお、キリスト教、および仏教の浄土真宗には、そもそも忌中・喪中という概念がありません。そのため、喪中という言葉を使わずに年賀欠礼の挨拶状を出すとよいでしょう。
2.自分は「喪中はがき」を書いたほうがよい?差出人となる人の範囲は?
身内が亡くなり、喪中はがきが必要になったとき、「そもそも自分は喪中はがきを書くべき対象なのか?」と疑問に思う方は多くいらっしゃいます。
一般的に喪中はがきを出すべき人(差出人)に該当するのは、故人様から見て2親等以内の方です。具体的には、故人様にとっての「父母」「配偶者」「配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹」「子とその配偶者」「祖父母」「兄弟姉妹とその配偶者」「孫とその配偶者」があたります。
喪中はがきを出すべき2親等以内に入っていなくても、故人様と親交が深かったり、故人様と同居していて深い関係を築いていたりといったような場合にも、喪中はがきを出すことは可能です。それとは反対に「2親等以内だけど故人様とはあまり縁がなく、喪中はがきを出すことに疑問を感じる」という方もいるでしょう。判断に迷う場合は、状況を把握している親族に相談することをおすすめします。
3.喪中はがきを出す時期はいつ?
喪中はがきは、いつからいつまでの間に出すのがベストなのでしょうか?
ここでは、喪中はがきを出す時期について解説します。
11月~12月初旬には到着するように投函
「喪中のため、新年の挨拶を控える」という意味で送る喪中はがきは、本来、年内に届けばよいとされていました。
しかし、喪中はがきを受け取る側にとっては、喪中を知らせてくれた方に「おめでとう」とお祝いの言葉が入った年賀状を送ることは控えたいと思うものです。そのため、受け取り側が年賀状の準備を終え、投函しようとしているタイミングや投函後に喪中はがきを送ってしまうと、「喪中の方に失礼なことをしてしまった」と気を使わせてしまいます。
そのようなことを避けるためにも、喪中はがきは11月~12月初旬には到着するように投函するのがベストです。
郵便局の喪中はがきは10月から販売
郵便局による年賀はがきの販売は11月ごろ(2023年は11月1日から発売)ですが、喪中はがきの販売はいつかご存じでしょうか?喪中はがきは、年賀状よりも早い10月ごろから購入することができます。
送る相手を確認したり、文面やデザインを考えたり、宛名書きを印刷したりといった作業があるため、10月から喪中はがきの準備を始めると慌てなくて済むでしょう。
早すぎるのはNG
「年末にかけて忙しくなるので、喪中はがきをすぐに出したい」といった理由から、喪中はがきを早すぎる時期に出すのはNGです。
喪中はがきが届いたことを忘れられてしまう可能性があるため、焦っていても11月になるまでは出さないようにしましょう。
4.喪中はがきを出すべき相手とは?
喪中はがきを送るべき相手は、故人様やご自身に関わりのある人を中心に決めるとよいでしょう。具体的には「3親等以上の親戚」「葬儀に参列してくれた人」「故人様または差出人の職場関係者」「年賀状のやり取りを毎年している人」などが挙げられます。いずれにも該当しない人に対しても、喪中はがきを送りたい場合には送っても差し支えありません。
故人様の友人・知人に対して、故人様が亡くなったことを喪中はがきで知らせるのは可能な限り避けましょう。前述のとおり、喪中はがきは「差出人が喪中であり、新年の挨拶ができないことを知らせるためのもの」であり、訃報連絡ではないからです。
訃報連絡をしたい場合は、正式な手段として「死亡通知」を、はがき、もしくは封書で出しますが、「故人様の死亡した時期が喪中はがきを送る時期と重なってしまった」「死亡通知を既に出している」などの条件下においては、故人様の友人・知人に喪中はがきを送ってもよいでしょう。
※死亡通知の詳細は、こちらの記事が参考になります。
https://www.hana-sougi.com/blog/death-notice/
5.喪中はがきに書くべき内容とマナーは?
喪中はがきは、郵便局などにテンプレートから選択して印刷を依頼したり、印刷済みのものを購入したりすることができます。しかし、最近はインクジェット用の「無地の喪中はがき」が売られているため、少しの手間をかければ自分で作成することもできます。
ここでは、喪中はがきを自分で作成する方のために、書くべき内容と気を付けるべきマナーについて解説します。
喪中はがきに書くべき内容
喪中はがきは、大きく分けて4つのパーツでできています。
それぞれのパーツに書くべき内容についてご紹介します。
年賀欠礼の挨拶
「喪中のため年賀状による新年の挨拶を控えさせていただきます」「喪中につき年頭のご挨拶をご遠慮させていただきます」といった、年賀欠礼を相手に伝えるための挨拶文を入れます。
本文
以下の3点について記載します。
・誰がいつ亡くなったのか
差出人名だけでは誰の喪に服しているのか伝わらないこともあります。「誰が」「いつ亡くなったのか」の説明は必ず入れましょう。
・生前のお付き合いへの感謝
喪中はがきを送る相手が、故人様と親交のあった方であれば、生前のお付き合いへの感謝を伝えましょう。親交がなかった場合は、相手の健康を祈る言葉を入れるとより丁寧です。
・結びの挨拶
「死亡の連絡と共に縁を切られた」と相手が思わないよう、今後も変わらないお付き合いをお願いする言葉で締めくくります。
日付
喪中はがきを投函する日の年月を入れます。
日にちまで記載する必要はなく、「令和〇年〇月」のように記載しましょう。
差出人
以下の順番で記載します。
(1)差出人住所
(2)電話番号やメールアドレスなどの連絡先(必要に応じて)
(3)差出人氏名
喪中はがきのマナー
喪中はがきを書く際には、ご紹介するマナーを守って書くことが大切です。
前文は省略する
「拝啓」「謹啓」「粛啓」などの頭語や、「日ごと寒さが厳しくなり~皆様いかがお過ごしでしょうか」といった季節の挨拶と相手を気遣う安否の言葉をまとめて、「前文」といいます。
喪中はがきでは、この前文と、「敬具」「敬白」「謹言」などの結語を全て省略するのがルールです。
一字下げはしない
初めに「年賀欠礼の挨拶」の文章を大きく書きます。次に、本文を書きますが、冒頭の一字下げは行いません。喪中はがきだけではなく、儀礼的な挨拶状や招待状でも一字下げは行わない慣習があります。
句読点は使わない
一字下げと同様、「喪中はがき」をはじめとした儀礼的な挨拶状では句読点を使いません。
近況報告は書かない
年賀欠礼を伝えるための喪中はがきで、近況報告を書くのはマナー違反です。どうしても報告したいことが他にあれば、喪中はがきとは別に手紙やはがきを送ります。
喪中はがきには、必要な内容を漏れのないように書き、マナーを守りつつ心を込めて挨拶するようにしましょう。
6.喪中はがきの文例
前述のポイントを踏まえ、喪中はがきの文例をご紹介します。なお、文例は横書きですが、実際の喪中はがきは縦書きであるという点にご留意ください。
喪中のため新年のご挨拶を失礼させていただきます
母〇〇〇〇が 〇月〇日に 〇〇歳で永眠いたしました
生前に賜りましたご厚情に心から感謝申し上げますとともに
明年も変わらぬご交誼のほどよろしくお願い申し上げます
令和〇年〇月
(差出人住所)
(差出人電話番号 ※必要に応じて)
(差出人名)
7.年末に不幸があったら寒中見舞いを送る
年末に不幸があると、喪中はがきを手配する余裕がほぼありません。そのような場合は、喪中はがきの代わりに寒中見舞いを送るとよいでしょう。
寒中見舞いについて詳しく解説します。
そもそも寒中見舞いとは?
寒中見舞いとは、寒さが厳しい時期に、相手の体調や健康を気遣うために送る挨拶状です。
本来の寒中見舞いの目的とは少し異なりますが、現在では「喪中はがきや年賀状を出せなかった場合」「喪中に年賀状を受け取った場合」「予期せぬ相手から新年のお祝いの品をいただいた場合」などのお礼の挨拶状として利用することもあります。
喪中での寒中見舞いの役割
年末に家族が亡くなった場合、相手は既に年賀状を用意し終え、投函している可能性があります。このようなときは、喪中はがきは送らず、相手から年賀状が届いた後に「喪中はがきを出していないことのお詫び」を文面に添えた寒中見舞いを送ります。
また、喪中はがきを投函後、行き違いで年賀状が届いてしまったような場合にも、寒中見舞いを送ることによって、年賀状を送れなかった相手に対し挨拶をすることが可能です。
寒中見舞いを送る時期はいつ?
寒中見舞いを送る時期は、一般的には松の内以降~立春(2024年は2月4日)の間に送るのがマナーとされています。
お正月に門松を飾る期間を指す松の内ですが、関東では1月7日、関西では1月15日までとなっており、地域によって異なります。寒中見舞いを送る前に確認しておくとよいでしょう。
寒中見舞いの文例
身内が年末に亡くなり、喪中はがきが出せなかったパターンの寒中見舞いの文例をご紹介します。喪中はがきと同様に「頭語・結語」「句読点」は不要、「行頭の一字下げ」はしない点に注意しましょう。
寒中お見舞い申し上げます
お年賀にて丁寧なご挨拶をいただきましてありがとうございました
父〇〇〇〇の喪中のためこちらからの年始の挨拶は差し控えており
年を超えてのお知らせとなりましたことをお詫び申し上げます
春の暖かさが待ち遠しい日々ですが 皆様お風邪など召されぬようご自愛ください
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
令和〇年〇月
(差出人住所)
(差出人電話番号 ※必要に応じて)
(差出人名)
8.喪中はがきに関するQ&A
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年賀状を受け取ったまま何も連絡をしないと、相手に心配をかけさせてしまう恐れがありますので、前述した文例を参考に、寒中見舞いを送るようにしましょう。
喪中はがきは、喪中である人が「新年を祝う挨拶をしない」と伝えるものであって、喪中以外の相手から年賀状を受け取ることも、年賀状を受け取りたいと伝えることもマナー違反ではありません。しかし、喪中はがきを受け取った相手にとっては、喪中の人に年賀状を送るのはタブーとする考えが浸透しています。基本的には、相手のことを考えて、一般的な喪中はがきの内容で出すのがベストですが、どうしてもという場合は、喪中はがきに「お年始状は差し支えなければ頂戴できればと思います」と一文を添えるとよいでしょう。
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以下のように書くとよいでしょう。
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父〇〇〇〇が 〇月〇日に 〇〇歳にて永眠いたしました
母〇〇〇〇が 〇月〇日に 〇〇歳にて永眠いたしました
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喪中はがきのような儀礼的な挨拶状は、縦書きが基本です。しかし、最近ではインターネットを中心に喪中はがきのデザインが多様化し、横書き用にデザインされたものでも失礼ではなくなってきています。
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ただし、横書きの喪中はがきはまだ新しく、広く浸透しているわけではないため、縦書きの喪中はがきを使う方が無難でしょう。
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喪中はがきは、喪中につき新年の挨拶を控えるという報告ですから、相手が喪中かどうかに関わらず出しましょう。
9.喪中はがきは時期とマナーを守って出しましょう
喪中はがきは、「喪中につき新年の挨拶は控えます」という旨を相手に伝えるために出すものですから、「いつ出すのか」はとても重要です。亡くなった時期やご遺族の忙しさによっては、喪中はがきを送ることをつい忘れてしまいそうになりますが、11月~12月初旬には到着するように投函しましょう。
また、喪中はがきは、これまでお世話になっている方、親交のある方に対して新年に代わる挨拶と、末永いお付き合いをお願いできる大切な挨拶状です。そのため、送る時期やマナーを守って出すようにしましょう。
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