喪中はがきは誰に出す?ご親族、参列者、仕事関係者はどうする?
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
喪中はがきは誰に出すのが常識なのか?いざ、喪中はがきを書こうとしたときに、このような疑問がわいて、困っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、一般的に「喪中はがきは誰に出すのか」について解説します。「親戚にも出したほうがいいのか?」「葬儀に参列してくれた人にも出すのか?」「職場や取引先の人にも出すべきなのか?」などの疑問にお答えしますので、参考になさってください。
【もくじ】
1.喪中はがき(年賀欠礼状)とは?
喪中はがきは、「年賀欠礼状」と呼ばれることもあるのをご存じでしょうか。この別名のとおり、喪中はがきの目的は「喪中であることを知らせる」「年賀状による新年の挨拶を控えることを詫びる」の2つです。
具体的には、「本来であれば年賀状を出して新年の挨拶をすべきところですが、身内に不幸があり喪に服しているため、年賀状での挨拶は控えます」という内容を決まった形式に整えて書き、相手が年賀状を作成する時期よりも前に届くように送ります。
喪中はがきを、「どなたかが亡くなったことを報告するために出すものだ」と間違った理解をしている方も少なくないようですが、故人様が亡くなったことを知らせる正式な方法は「死亡通知」です。喪中はがきではない点に注意してください。
※死亡通知については、後述する「故人様が年賀状をやり取りしていた相手には送らなくてよいの?」の項目においても解説します。
2.喪中はがきを書くべき人(差出人)の範囲は?
ご親族のどなたかが亡くなったときに、「自分は喪中はがきを出した方がよいのか」と迷われる場合があるかと思います。
そこで、喪中はがきを誰に出すべきかについて説明する前に、喪中はがきを書くべき人(差出人)について解説しましょう。
喪中の範囲は「故人様から数えて2親等以内」
喪中になる方の基本的な範囲は、故人様から数えて2親等以内の方で、喪中はがきを書くべき人の範囲も同様に、故人様から2親等以内の方です。
具体的には、故人様の配偶者、父母、子、子の配偶者、配偶者の父母、兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、孫、孫の配偶者、祖父母、配偶者の兄弟姉妹、配偶者の祖父母が、故人様から数えて2親等以内にあたります。
自分は喪中はがきを書くべきか?
「自分は喪中はがきを書くべきか?」という疑問にわかりやすく回答するために、「自分(差出人)を基準とした喪中の範囲となる2親等以内の続柄」を表にまとめました。
「この表に当てはまる続柄の方が故人様の場合」には、ご自身は基本的に喪中となり、喪中はがきを書くべき人(差出人)となります。
自分(差出人)から見た親等 | 自分から見た続柄 |
---|---|
0親等 | 夫・妻 |
1親等 | 父・母 |
子ども | |
子どもの配偶者 | |
配偶者の父母 | |
2親等 | 子ども |
兄弟・姉妹 | |
兄弟・姉妹の配偶者 | |
孫 | |
孫の配偶者 | |
祖父母 | |
配偶者の兄弟・姉妹 | |
配偶者の祖父母 |
ただし、2親等以内でなくても、故人様と親しく自分が喪に服したいと考え、新年の挨拶を控えたい方は、喪中はがきを書いてもよいでしょう。それとは逆に、2親等以内でも同居をしておらず世帯が別の「配偶者の祖父母」が亡くなったなどの場合は、喪中はがきを出さなくてもよいとする考え方もあります。
喪中はがきの差出人は、状況や故人様との関係性によって決まる側面もあるといえるでしょう。
3.喪中はがきは誰に出す?
ご自身が喪中となって「喪中はがきを出すべきだ」と判断した場合、いったい誰に出せばよいのでしょうか。具体的に解説します。
年賀状の交換をしている人には出しましょう
喪中はがきは「新年の挨拶を控えることに対するお詫び」ですから、毎年、年賀状を交換している相手(仕事上の取引先以外)にはすべて出すようにします。同じ職場で働く人においても、毎年年賀状を出していた方には喪中はがきを送りましょう。
また、これから年賀状のやり取りをしようと思っていた方にも、喪中はがきを出してもよいでしょう。
仕事関係者(取引先)には年賀状を!
仕事上の取引先の関係者に対しては、喪中はがきを送る必要はありません。法人や会社には喪中の概念がないため、「年賀状を通常通りに出しても問題ない」という考え方が一般的です。「喪中」というのは、故人様を偲ぶためにご家族やご親族が死を悼み、身を慎む期間のことですから、会社自体が喪中になることはないのです。
ただし、家族経営の会社(社長とその家族だけで経営する会社)や同族会社(社長の親族が社員の半数以上を占める会社)の場合は、会社として喪中の対応をするケースがあるため、年賀欠礼の挨拶が必要になる場合があります。
なお、取引先の関係者であっても、プライベートで接点のある方へは喪中はがきを送ることもあります。
4.喪中であることを知っている人にも送るべき?
「喪中はがきは、プライベートで年賀状のやり取りをしていた人に対して送るのが基本的なマナー」であることはお伝えしましたが、その中において「喪中であることを知っている人」にも送る必要があるのでしょうか。具体的なケースをもとに解説します。
ご親族にも送るべき?
すでにご説明したように、喪中はがきは故人様が亡くなったことを伝える報告状ではなく新年の挨拶を控える詫び状であるため、たとえ身内同士であっても、喪中はがきを出した方がよいでしょう。
近年は、ご親族には喪中はがきを出さないという傾向が強まっていますが、喪中はがきは失礼にあたるものではありません。したがって、年賀状をやり取りしているご親族には、喪中はがきを出す方が無難だといえます。
特に、故人様から数えて3親等以上のご親族は喪中にはならないため、すでに故人様が亡くなったのをご存知であっても、喪中はがきを出すのが礼儀です。
また、故人様から数えて2親等以内など、お互いが喪中であることがわかっている場合には「出さなくてもよいのでは?」と思われるかもしれませんが、別世帯の場合、基本的には出すのが礼儀です。日頃からコミュニケーションを取っている間柄で、お互いが「喪中はがきを省略すること」を確認できている場合は省略するケースもありますが、顔を合わせる機会が少ないご親族には、喪中はがきを出したほうがよいでしょう。
葬儀の参列者にも送るべき?
年賀状のやり取りをされている場合は、年賀欠礼のご挨拶となるため、葬儀に参列していただいた人にも喪中はがきを送るのが礼儀です。
その場合、葬儀に来ていただいたお礼の一言を添えると、より丁寧になります。喪中はがきで近況等を書き添えるのはマナー違反ですが、葬儀に来ていただいたお礼などについて、下記のような一文を加えることはマナー違反にはなりません。
・御会葬ありがとうございました
・法要にご出席いただき厚く御礼申し上げます
5.故人様が年賀状をやり取りしていた相手には送らなくてよいの?
差出人が、故人様が年賀状のやり取りをしていた相手に、故人様に代わって喪中はがきを出す必要はありません。
故人様の友人や知人に故人様が亡くなったことを知らせたい場合は、正式な手段である死亡通知を忌明けごろに送ります。
ただし、差出人が「故人様が年賀状をやり取りしていた相手」と年賀状のやり取りがあり、かつ故人様が10月、11月ごろに亡くなった場合は、喪中はがきで「故人様が亡くなったこと」を伝えてもよいでしょう。
最近では、故人様の訃報連絡をするために、故人様が年賀状の交換をしていた方に喪中はがきを送る方がいるようですが、故人様の友人や知人に対しては、可能な限り喪中はがきではなく、死亡通知をはがきや封書で出すことをおすすめします。
※死亡通知について詳しく知りたい方には次の記事が参考になります。
https://www.hana-sougi.com/blog/mochu_hagaki/
6.故人様に届いた年賀状には寒中見舞いで返信
葬儀に参列した故人様の友人、知人には、会葬のお礼や忌明けの香典返しで挨拶は済んでいますが、それ以外の友人・知人には、基本的に死亡通知を送ります。
しかし、死亡通知を送れなかったり時期が遅れてしまったりした場合などには、故人様宛に年賀状が届くケースがあります。このような場合は、「〇〇は亡くなりました。すぐにでもお知らせすべきところ、ご通知がおくれて申し訳ありません」という内容の寒中見舞いを出すようにします。
寒中お見舞い申し上げます
年頭のご挨拶をいただき誠にありがとうございました
父は 昨年5月に他界いたしました
旧年中にお知らせすべきところ 年を越してしまいましたご無礼の段
どうかご容赦くださいませ
故人が生前に賜りましたご厚情に深謝申し上げますとともに
皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
7.喪中はがきを出す相手に関するQ&A
喪中はがきを出す相手に関する、よくある質問をご紹介します。
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もし喪中の相手から先に喪中はがきが届いた場合でも、こちらからも喪中はがきを出しましょう。
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【文例】
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をいただきありがとうございます
実は 昨年9月に母が他界いたしまして
年頭のご挨拶を控えさせていただきました
旧年中にお知らせすべきものを
年を越してしまいました無礼をお詫び申し上げます
厳寒の折 御身大切にますますご健康でご活躍のほどを祈念しております
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もちろん、お互いに喪中はがきは出さないという合意が取れているのであれば、省略する場合もあります。
8.喪中はがきは新年の挨拶をしたかった人に出しましょう
喪中はがきは、年賀状を出して新年の挨拶をすべきところ、喪に服しているために挨拶は控えさせていただくことを、年賀状の交換をしている方々に事前に知らせるべく出すものです。したがって、基本的には、ご自身が新年の挨拶をしたかった人に対して出しましょう。
ただし、ご紹介したように、「取引先の人には年賀状を出す」「お互いが喪中の場合、両者了解であれば喪中はがきを省略することがある」「故人様が亡くなったことは死亡通知で知らせる」」「故人様宛てに届いた年賀状には寒中見舞いを出す」など、相手や状況により対応が異なるケースがあるため、慎重に対応しましょう。
花葬儀では、葬儀に関するさまざまな事前相談を承っております。喪中はがきに関することなども365日24時間、プランナーがお話をお伺いしますので、お気軽にご相談ください。