喪中における「新年の挨拶」の言葉は?喪中はがき・寒中見舞いの書き方や文例も解説

喪中における「新年の挨拶」の言葉は?喪中はがき・寒中見舞いの書き方や文例も解説

喪中の人は、新年の挨拶をしてもよいのかどうか、迷うケースもあることでしょう。自分が喪中であれば年賀状を出すことは控えるのが通例ですが、年賀状以外の新年の挨拶も同様に控えるべきなのか、については悩む方もいらっしゃるようです。

そこで今回は、喪中における新年の挨拶について解説します。「喪中に新年の挨拶はOK?NG?」のほか、喪中はがきや寒中見舞いでの挨拶の方法についてもご紹介します。ぜひ最後までご一読ください。

1.そもそも喪中とは?

そもそも喪中とは?

喪中の新年の挨拶について考える前に、そもそも喪中とは何かを理解する必要があります。
喪中の意味と範囲、期間について詳しくご紹介します。

喪中とは

「喪中(もちゅう)」とは、ご遺族が、故人様を偲んで供養にあたる期間を指し、「忌服(きふく)期間」「服喪(ふくも)期間」とも呼びます。

喪中の間は、慶事を始めとした行事への参加を控えるべきとされていますが、これは神道の「死=穢(けが)れ」という考えによるものです。穢れとは、忌まわしいもの、危険や不幸をもたらすもの、または、エネルギ―の低下を指す「気枯れ」のことであり、総じて「忌避すべきもの・忌避すべき状態」を意味しています。

大切な人を亡くしたご遺族にはこの穢れがついていると考えられ、周りに穢れをうつさないようにするために、かつては生活に制限を設けて慎ましく生活するのが当たり前でした。現代ではそこまでの制限が必要とはされていないものの、お祝い事への参加をはじめとした賑やかな行動を慎み、静かに生活をすることが望ましいとされています。

喪中の範囲と期間は?

喪中となるのは、故人様から数えて2親等以内です。2親等に該当する続柄とそれぞれの喪中期間は、以下の通りです。

【遺品整理を業者に依頼した場合の間取り別費用相場】
間取り 費用相場 喪中期間
0親等
配偶者
12~13カ月
1親等
父母、配偶者の父母
3~12カ月
2親等
祖父母、配偶者の祖父母
3~6カ月
兄弟姉妹、配偶者の兄弟姉妹
1~6カ月

ただし、これらは絶対的なルールではありません。2親等以内にいない方の中でも、故人様と深い親交があった場合は喪に服すことが可能です。また、2親等以内にいても、故人様とは疎遠であったなどのケースにおいては、喪中としないこともあります。

※喪中の範囲についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事が参考になります。

2.喪中に新年の挨拶をしてはいけない?

喪中に新年の挨拶をしてはいけない?

ご紹介したように、喪中の間は「お祝い事の参加をはじめとした賑やかな行動」を慎むべきとされています。代表的なものとしては、以下が挙げられます。

【喪中の間に控えた方がよいとされる代表例】
・慶事への参加
・宴席や旅行への参加
・正月のお祝い
・年賀状を出す

このように、喪中の期間は、新年を祝う挨拶状である年賀状を出すことは、控えることとされています。つまり、「喪中の人は、新年の挨拶をしてもよいのか?」という冒頭の疑問については、「あけましておめでとう」などのお祝いの気持ちを表す言葉は使わない、が答えです。

しかし、別の方法であれば、喪中の人でも新年の挨拶をすることは可能です。次の項より詳しく解説します。

※喪中のお正月の過ごし方については、こちらの記事を参考になさってください。

3.喪中での「新年の挨拶の言葉」はどうする?

新年の挨拶の方法には「直接」と「書面」の2つがありますが、ここでは、喪中の人が、相手に会って直接新年の挨拶をするときのポイントや例をご紹介します。

ご親族の場合の挨拶の言葉

喪中の人が新年に挨拶回りをすることはタブーではありません。そのため、ご親族の家を訪れ、挨拶をしても問題ないとされています。その代わり、「あけましておめでとうございます」をはじめとした、おめでたい意味の言葉を使うことは避け、代わりに「昨年はお世話になりました」「昨年はありがとうございました」「今年もよろしくお願いいたします」といった言葉をかけます。

友人・知人の場合の挨拶の言葉

友人・知人に対しては、新年を迎える前に「自分が喪中であること」を伝える機会がなかったというケースがあるかもしれません。そこで、2つのケース分けて、新年の挨拶の言葉をご紹介します。

相手が自分の喪中を知っている場合

友人・知人がこちらの喪中を知っていれば、お祝いの言葉を使わずに「昨年はお世話になりました」「今年もよろしくお願いします」などの言葉で新年の挨拶をします。

相手が自分の喪中を知らない場合

相手が自分の喪中を知らない場合は、自身が喪中であることを伝えてから、お祝いのフレーズ以外の言葉で挨拶するとよいでしょう。

相手との関係性によっては、「そのまま『あけましておめでとう』と返す」「喪中であることは伝えずにお祝いのフレーズ以外の言葉で新年の挨拶をする」という方法を推奨しているWebサイトもあります。

しかし、一般的に「喪中の期間はお祝い事を慎む」のがマナーです。詳細は後述しますが、年賀状での挨拶も控えるのが基本となっています。そのため、訪問した際に、相手に自分が喪中であることを説明し「お祝いの言葉」は慎んだ方がよいでしょう。

自分が喪中の場合、「新年の挨拶にお年賀を持参したほうがよいのかどうか」について知りたい方には、こちらの記事が参考になります。

仕事関係の人における挨拶の言葉

仕事関係では、公私を分けて新年の挨拶をするのが基本です。社内は「一個人として」、社外へは「会社を代表する立場として」挨拶をしましょう。

社内の人への挨拶の言葉

身内に不幸があった際には、会社に連絡を入れるのが基本ですから、社内の上司や同僚は、あなたが喪中であることを知っています。新年の挨拶は「昨年はお世話になりました。今年もよろしくお願いします」など、お祝いの言葉を使わない方法で行いましょう。

社外の人への挨拶の言葉

社外の人とは、個ではなく、会社の代表として接するのが基本ですから、たとえ自分が喪中であったとしても「喪中につき」とは伝えず、「あけましておめでとうございます」と挨拶をします。

ただし、どうしても「あけましておめでとうございます」と口にする気持ちが持てない場合は、ご紹介してきたようなお祝いの言葉を使わずに新年の挨拶をしても問題ないでしょう。

4.新年の挨拶を控えるお詫びは喪中はがきで

新年の挨拶を控えるお詫びは喪中はがきで

直接ではなく、書面で新年の挨拶をすることもあるでしょう。そのためにはまず、喪中はがきを出さなくてはなりません。ここでは、喪中はがきを出す時期や、挨拶文などの内容、マナーについて詳しくご紹介します。

喪中は年賀状の送付を控える

年賀状には「あけましておめでとうございます」「謹賀新年」「迎春」など、お祝いの言葉が入るため、喪中の人が年賀状を出すことはできません。そこで、年賀状の代わりに喪中はがきを出します。

喪中はがきは「喪中につき、新年の挨拶である年賀状を控えること」を伝えるための挨拶状であり、「故人様の死を伝える訃報連絡ではない」「年賀状は受け取れないという意味ではない」という点に注意しましょう。

喪中はがきを出す時期

喪中はがきは、11月~12月初旬には相手に届くように投函します。投函が早すぎると、喪中であることを相手が忘れてしまう可能性がありますし、遅すぎると相手が年賀状を投函し終えたあとに喪中はがきが到着するという事態が起こりえます。そのため、投函のタイミングには気をつける必要があるのです。

「喪中の人に新年のお祝いの言葉が入った年賀状を送ってしまった」と気を遣わせてしまうことのないよう、喪中はがきを出すタイミングは上記の期間を守りましょう。

※喪中はがきを出す時期については、こちらの記事が参考になります。

喪中はがきに書くべき内容

喪中はがきを書く際は、以下の6つのポイントを参考になさってください。

【喪中はがきに書くべき6つのポイント】
1.年賀欠礼の挨拶(例:喪中につき年頭のご挨拶を控えさせていただきます)
2.誰が・いつ・何歳で亡くなったのか
3.生前のお付き合いへの感謝
4.今後も変わらぬお付き合いをお願いする結びの挨拶
5.喪中はがきを出す日付(年と月のみ)
6.差出人住所、連絡先(必要に応じて)、氏名

喪中はがきのマナー

喪中はがきには、使ってはいけない言葉や注意点があります。

【喪中はがきで使ってはいけない言葉】
・頭語(拝啓、謹啓など)と結語(敬具、謹白など)
・年賀(おめでたい意味を持つため、「新年」「年始」「年頭」を使用する)
・忌み言葉、重ね言葉(不幸そのものや、不幸が重なることを連想させる言葉)

【喪中はがきを書く際の注意点】
・句読点は使用しない
・自身の近況報告は書かない
・行頭の一字下げは行わない
※1行目に「年賀欠礼の挨拶」の文章を大きく書き、2行目から本文を書きます。
本文では、一字下げは行いません。

※喪中はがきの続柄別の文例については、こちらが参考になります。

5.喪中に年賀状を受け取ったら寒中見舞いを

「喪中はがきを出した相手から年賀状が届いた」「喪中はがきを出していない人から年賀状が来た」ということは往々にしてあります。

喪中の人に年賀状を出すことや、喪中の人が年賀状を受け取ることはマナー違反ではありません。しかし、喪中の人が「新年のお祝いの挨拶状である年賀状」を出すことはマナー違反となりますから、いただいた年賀状に対しては寒中見舞いを送ってみてはいかがでしょうか。

ここでは、寒中見舞いを出す時期や内容、およびマナーについてご紹介します。

寒中見舞いとは

寒中見舞いとは、寒さの厳しい時期に送る季節の挨拶状や贈り物のことです。寒中見舞いの挨拶状(はがき・手紙)を送る場合、相手の健康を気遣うのが本来の目的ですが、自身が喪中の場合は、以下のようなケースで寒中見舞いを出すこともあります。

【喪中に寒中見舞いを出すケース】
・喪中はがきを出した相手から届いた年賀状の返事として
・喪中はがきを出していなかった相手から届いた年賀状の返事として
・年末に不幸があり、喪中はがきが間に合わなかった場合の新年の挨拶として

寒中見舞いを出す時期

寒中見舞いを出す時期は、「松の内の終わりから立春の間」です。

松の内とは、お正月飾りの門松を飾る期間を指し、関東では1月7日、関西では1月15日までと地域によって異なります。立春は暦の上で春の始まりを指し、2024年は2月4日が立春です。

つまり、関東の場合は1月7日から2月3日までに投函するようにしましょう。

寒中見舞いの基本的な内容

喪中の人が出す寒中見舞いは、以下のポイントを参考にして書くとよいでしょう。

【喪中に出す寒中見舞いの6つのポイント】
1.「寒中御見舞い申し上げます」の一文
2.年頭の挨拶をいただいたことへの感謝(相手から年賀状が届いた場合のみ入れる)
3.喪中に挨拶を控えていたことへのお詫び
4.相手の健康を気遣う言葉
5.「本年もよろしくお願いいたします」などの一言
6.日付、差出人情報(住所、氏名)

※喪中の人が出す寒中見舞いの文例については、こちらを参考になさってください。

寒中見舞いのマナー

寒中見舞いを書く際の注意点は、前述した喪中はがきを書く際の注意点と同じです。具体的には「頭語と結語は書かない」「新年を祝う挨拶やおめでたい意味を持つ言葉は使用しない」「忌み言葉、重ね言葉は使用しない」「一字下げはしない」「句読点は使用しない」、これら5つのマナーを守るようにしましょう。

また、寒中見舞いを書く場合には、使うはがきや切手の種類にも注意が必要です。寒中見舞いに使うはがきは、冬らしさを思わせる色やイラストが控えめに印刷されているものを使いましょう。切手は、喪中であっても弔事用のものは使用しません。お祝い事を連想させるものではなく、落ち着いたデザインのものがよいでしょう。

迷った際は、郵便局などで販売されている官製はがきの切手の部分に「胡蝶蘭が印刷されているタイプ」がおすすめです。

6.喪中に神仏への新年の挨拶は?

喪中に神仏への新年の挨拶は?

新年には、氏神様や仏様にご挨拶するために、そして新しい年の平安を祈念するためなどに初詣に行くものですが、自分が喪中の場合、この初詣に行くことは問題ないのでしょうか。

ここでは宗教別に見る、喪中の初詣について解説します。

仏教での初詣はOK

初詣の場所として、喪中にお寺に行くことは問題ありません。お寺に関係のある仏教において、初詣は「お祝い」よりも「ご先祖様への新年のご挨拶」の意味合いのほうが強いため、喪中の人でも行くことができます。

 神社への初詣は、忌中はNG・忌明けの喪中はOK

ご紹介してきたように、神道では「死=穢れ」とする考えから、特に穢れの強い状態とされる忌中の人が、神道の祭祀施設である神社に参拝するのはNGとされています。忌中が過ぎ、忌明けとなった喪中であれば、初詣に神社を訪れ「氏神様に新年の挨拶をすること」は問題ないとする考えが一般的です。

ただし、「忌中の神社への初詣はNG・喪中ならOK」というのは、絶対的なルールではありません。お寺や神社、そして地域性によってさまざまな考え方がありますので、不安や質問があれば、初詣の予定先などに直接確認してみることをおすすめします。

7.喪中の新年の挨拶に関するQ&A

A.お祝いの言葉が入った会社名義の年賀状を出しましょう。

仕事関係先とのやりとりは、公私であるところの「公」にあたります。会社名義の自分宛に年賀状が届いた場合は、自分が喪中であっても、新年のお祝いの挨拶状である年賀状を会社名義で出しましょう。

ただし、自身が個人事業主であり、さらに仕事先の相手と特別親しい関係にあるなどの場合においては、寒中見舞いを出す選択をした方がよいこともあります。

A.親しい相手でも、新年の挨拶ではお祝いの言葉を避けましょう

自身が喪中の場合、普段から交流のある友人であっても、新年のお祝いの言葉を使わないようにするのが常識です。そのため、「あけましておめでとう」を使わずに、「今年もよろしくお願いします」などの言葉を送りましょう。

A.問題ありません。

お歳暮はお世話になった人への感謝の贈り物であるため、お祝い事には該当せず、喪中でも贈ることができます。ただし喪中にお歳暮を贈る場合は、無地の奉書紙(掛け紙)、もしくは白の短冊を使用します。表書きは「お歳暮」と書き、シンプルな包装紙で包むなどマナーがありますから注意が必要です。

※喪中のお歳暮マナーについてはこちらの記事の中でもご紹介しています。

8.喪中の新年の挨拶は「お祝いの言葉」抜きで

喪中の新年の挨拶は、「あけましておめでとう」や「謹賀新年」といったお祝いの言葉を使わずに行いましょう。また、毎年、新年の挨拶として年賀状のやりとりをしている相手には、喪中はがきで年賀欠礼の挨拶をするのが理想です。

このように、喪中の新年の挨拶は、ご紹介したマナーを守りつつ、新年もお世話になることへのお願いの気持ちを込めて行うようにしましょう。

今回喪中の新年の挨拶について解説した花葬儀は、美しい花で故人様をお見送りする「花祭壇」が特徴の葬儀社です。詳細は下記ページにてご紹介しておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
365日24時間、お待ちしております。

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