喪中の範囲は何親等まで?喪中はがきを出す相手や文例も解説します

喪中の範囲

「喪中の範囲は何親等まで?」「喪中はがきはいつ出せばいいの?」など、喪中についていろいろ疑問に思う方も少なくないでしょう。「喪中」はよく聞く言葉ですが、喪中に関しては意外と詳しいことが知られていません。

そこで今回は、「喪中になる範囲」や「喪中の期間」「喪中にしてよいこと/控えること」などのほか、「喪中はがき」について詳しく解説するとともに「喪中はがき」の具体的な文例もご紹介します。

1.喪中とは?忌中との違いは?

喪中と忌中との違い
そもそも喪中とは、何を意味するのでしょうか。喪中とともに耳にすることが多い忌中との違いについても説明します。

喪中とは

「喪(も)」とは、近親者が亡くなったとき、故人様を偲んで供養にあたることをいい、その期間を「喪中」あるいは「忌服(きふく)期間」「服喪(ふくも)期間」と呼びます。

喪中に慶事への参加を控えるべきとされているのは、神道では死を「穢(けが)れ」だととらえているからです。以前は、近親者を亡くした人は穢れがついているので、穢れがうつらないよう他者との接触をできるだけ避けなければならないとの考え方が強くありました。

喪中と忌中の違いとは

喪中と忌中の違いは、それぞれの意味合いと期間です。忌中は喪中より死の穢れが強く、他者に穢れがうつらないよう行動をいっそう慎まなければならない期間とされており、忌中のほうが喪中よりも短い期間になっています。

一般的に自分の父母が亡くなった場合は、仏教であれば忌中は亡くなってから「四十九日まで」、喪中は「一周忌まで」です。つまり、忌中は喪中の期間の一部ということができます。

2.喪中の範囲は何親等まで?

喪中の範囲は何親等まで
ご親族が亡くなったときに「自分は喪中になるのか?」と迷った経験をお持ちの方も少なくないはず。ここでは、喪中の範囲と、その範囲がどのように決められるのかについて解説します。

喪中の基本の範囲は2親等まで

喪中の基本的な範囲は、故人様から数えて2親等以内の方です。詳細は後述しますが、たとえば、父母が亡くなったときには本人は1親等にあたり、祖父母や兄弟姉妹が亡くなったときには本人は2親等にあたるので喪中となります。

注意が必要なのは、配偶者がいる場合です。本人にとって配偶者は同列の親等、つまりゼロ親等と考えられます。したがって、配偶者の母が亡くなったときは配偶者が1親等となるとともに本人も1親等になるので喪中となります。

ちなみに、このような喪中の範囲の考え方は、明治時代の太政官布告という法令がきっかけとなって生まれました。この法令では、喪に服する範囲と期間が故人様との続柄によって細かく定められ、生活にも厳しい制限が設けられていたのです。

昭和22年に廃止されましたが、喪中の範囲や期間、喪中の行動についての考え方には、この法令のなごりがいまだに残っています。

親等とは?親等の数え方

喪中の範囲は故人様から数えて2親等以内のご親族であると説明しましたが、親等とはどういうことで、親等の数え方はどうすればよいのでしょうか。

「親等」は、法律上の親族関係の近さを表す単位です。
数え方は、たとえば故人様が本人の父だった場合は「父→子(本人)」となり、1世代違うので父にとって子(本人)は「1親等」です。故人様が本人の祖父だった場合は、「祖父→父母→孫(本人)」のように2世代違うので祖父にとって孫(本人)は2親等になります。

また、故人様が本人(弟)の兄だった場合は、「兄→→父母→弟(本人)」のように2世代違うので、兄にとって弟(本人)は「2親等」の関係になります。兄から父母に一度さかのぼり、そこから枝分かれして弟へいくように数えます。

故人様との縁の深さにもよる

故人様の2親等以内ではない方でも、同居していた、親密な交流があったなど、故人様との縁が深かった場合は喪に服することもあります。また、ご親族でなくても親友であったなどのケースでは、喪に服してもかまいません。

3.喪中期間はいつからいつまで?

喪中期間はいつからいつまで
喪中の範囲は、故人様から数えて2親等以内でした。では、喪中期間は、どのくらいになるのか気になるところです。喪中期間がいつからいつまでなのかについて説明します。

喪中の期間は「親等」や「続柄」で変わる

喪中期間を1年間と考えている方も多いかもしれませんが、喪中の期間は一定ではありません。実は故人様から数えた親等や続柄によって、おおよその期間は変わってきます。故人様から数えて1親等の方のほうが、2親等の方よりも長い期間とされているのです。

たとえば、故人様と同列の配偶者や1親等の両親の喪中期間は約1年、同じく1親等の子どもは約3ヵ月~1年、故人様から数えて2親等の兄弟・姉妹の喪中期間は約1~6ヵ月です。もちろん、故人様との親交の深さによっても変わります。

喪中の範囲と期間の早見表

親等や続柄ごとに喪中の期間がどのくらいになるのか、故人様を基準とした喪中の範囲と目安になる期間を表にしましたので、ぜひ、参考にしてください。

親等 続柄 期間
0親等 夫・妻 12~13ヵ月
1親等 父母・義父母 12~13ヵ月
1親等 子ども 3~12ヵ月
2親等 祖父母 3~6ヵ月
2親等 兄弟・姉妹 1~6ヵ月
2親等 1~6ヵ月
3親等 曾祖父母・伯叔父母 喪中ではない

4.喪中期間はどう過ごす?してもよいこと/控えること

「喪中期間をどう過ごせばいいのか?」「してよいこととは?」「控えなければならないこととは?」など喪中期間の行動に関しては、わからないことが多くあります。そこで、喪中期間の行動について詳しく説明します。

喪中期間のすごし方(「喪に服す」とは)

前述したとおり喪中期間は、故人様を偲んで供養にあたるための期間です。いわゆる「喪に服す」も、ほぼ同じ意味で、故人様の死を悼み行動を慎む行為をさします。

かつての喪中期間は、喪服を着たまま生活を送り、慶事の出席はもちろん旅行や飲酒、動物の肉を食べることなども断って、慎ましく生活をするのが通常でした。現在は、そこまで生活を制限する必要はありませんが、基本的には故人様を偲んで静かに生活をすることが望ましいでしょう。

また、慎むべき行為が慣習として一部残っているので、マナー違反にならないように気をつけて生活することをおすすめします。

喪中期間にしてもよいこと

喪中期間には慶事への出席は控えるべきと書きましたが、どこまでのお祝い事なら参加してもよいのか、また、どのような行事なら行ってもよいのかを具体的に挙げていきます。

寺院への参拝

神道では死を穢れと考えますが、仏教ではそうした思想はないので寺院への参拝をしても大丈夫です。

葬儀への参列

通夜、葬儀・告別式、火葬などの参列は問題ありません。会食も節度を持って参席すればマナー違反にはならないでしょう。

節分の豆まき

節分の豆まきは、厄や災難をおはらいするために行われるので、喪中で行ってもよい行事の範ちゅうに入ります。

お中元/お歳暮

お中元やお歳暮はお祝いの贈り物ではなく、お世話になった方への季節のご挨拶なので、通常通り贈りましょう。また、喪中でもお中元やお歳暮を受け取っても大丈夫です。

暑中見舞い/寒中見舞い

暑中見舞いや寒中見舞いのはがきは、年賀状などと違って季節ごとに送るご機嫌伺いのはがきなので喪中の人も送ることができます。

お宮参り/七五三

お宮参りや七五三は、時期をずらすのが難しい人生の節目の大切な行事です。したがって基本的には喪中に行っても問題ないとされています。ただし、どちらか迷ったならば参拝する予定の神社に相談してもよいでしょう。

喪中期間に控えること

喪中期間には年賀状を控えることは多くの方が知っていますが、ほかに控えるべきことは意外と知らない人も多いようです。「喪中期間にしてもよいこと」と同様に、喪中期間に控えるべきことを具体的に挙げていきます。

正月のお祝い

正月は新年をお祝いする日なので、喪中の方は正月のお祝いは控えるのが基本です。初詣に行かないほか、お飾りやおせち料理の用意もしません。

お年玉はお祝いの意味がありますが、子どもたちが楽しみにしているので、ポチ袋に「お小づかい」などと書いて渡すのであれば許容範囲です。

年賀状を出す

年賀状を出すことは正月のお祝いの一環であり、お祝いの挨拶状であるため喪中は控えます。喪中の場合は、事前に年賀状を出さないことをお知らせするために、喪中はがきを出すのがマナーです。

結婚式などの慶事への参加(要相談)

結婚式や出産祝い、還暦祝い、就職祝いなどの慶事への参加は、基本的にはしてはいけません。

ただし、最近では四十九日を過ぎている、喪中を承知で先方から強い要望があるなどの場合なら、お祝いの席に参加してもよいといった傾向も見られます。迷ったときには、周囲の方々とよく相談して参加するかどうかを決めましょう。

結婚式の執り行い

基本的に喪中に結婚式を執り行うのは避けるべきとされていますが、すでに式場を予約し、どうしても式の日取りを動かせないような場合や四十九日以降であれば執り行うケースも多くなっています。

神社への参拝(忌中のみ)

神道では死を穢れと考えているので、仏教の四十九日や神道の50日祭までの忌中は神社へ参拝してはいけません。忌中を過ぎれば、喪中であっても参拝はしてよいとされています。

神棚へのお参り

故人様の家に神棚があるときは、神棚のお供え物を下げ、神棚の扉を閉めて扉の中心が隠れるように白い半紙を貼る「神封じ」をして、お参りは控えます。

神封じは故人様が亡くなってから50日目の翌日から解くことができます。四十九日を過ぎてすぐに解く人がいますが、これは間違いで、神道での50日祭を過ぎなければ解いてはいけません。

宴席への参加や旅行(要相談)

宴席への参加や旅行など、人が集まる場所や遠方に行って楽しむことは慎むのが一般的です。

最近では、四十九日を過ぎればよいと考えられるようにもなっていますが、自ら率先して企画するような宴席や旅行などはできるだけ避けましょう。

5.喪中はがきを書く人、出す相手の範囲は?

喪中の場合は、事前に喪中はがきを出すのがマナーです。ここでは、「喪中はがきを書くべき人(差出人)の範囲」と「喪中はがきを出すべき相手の範囲」とに分けてわかりやすく解説します。

そもそも喪中はがきとは

そもそも喪中はがきは、何のために書くのか。その目的を理解しておきましょう。喪中はがきは、(1)喪中であることを知らせる、(2)年賀状による新年の挨拶を控えることのお詫びという2つの目的のために出されるものです。

喪中はがきを書くべき人(差出人)の範囲

喪中となる範囲は故人様から数えて2親等以内ですが、喪中はがきを書くべき人の範囲も同様で、故人様から2親等以内の方が対象となります。具体的には、故人様の配偶者、父母、配偶者の父母、子、子の配偶者、祖父母、配偶者の祖父母、兄弟姉妹、兄弟姉妹の配偶者、配偶者の兄弟姉妹、孫、孫の配偶者です。

ただし、2親等以内の方でなくても、故人様と深い縁があって自分が喪中であり新年の挨拶を控えることを伝えたい人は、喪中はがきを書いてもよいでしょう。それとは反対に、2親等でも同居をしておらず世帯が別の「配偶者の祖父母」の場合は、必ずしも喪中はがきを出す必要はない、という考え方もあります。

忌中はがきの差出人の範囲は、状況や故人様との関係性によっても異なるといってよいでしょう。

喪中はがきを出すべき相手の範囲

喪中はがきは喪中であることを知らせるという重要な目的を持っているので、出す相手をしっかりリストアップして失礼のないようにする必要があります。出すべき相手の例を具体的に挙げて説明するので参考にしてください。

3親等以上の親戚

故人様から数えて3親等以上のご親族は喪中の範囲に入らない方々なので、すでに故人様が亡くなられたのをご存知であっても喪中はがきを出して年賀の挨拶を控えることをお詫びするのが礼儀とされています。

毎年年賀状をやり取りしている人

喪中はがきは、年賀状による新年の挨拶を控えることのお詫びのはがきです。そのため、喪中はがきを書く本人が毎年年賀状をやり取りしている人、およびこれからやり取りが始まるだろうと思われる人には、喪中はがきを送ります。

葬儀に参列していただいた人

葬儀に参列していただいた人に対して喪中はがきを出すかどうかについては、一般的には出すのがマナーであるといわれています。

「新年の挨拶を控えること」に加えて、「葬儀に参列してくれたことへのお礼」を伝えるとよいでしょう。

職場の上司や仲間の一部

職場の上司や仲間の中で、毎年、年賀状をやり取りしている人には送ることをおすすめします。

故人様の友人や知人には「死亡通知」を

「故人様の友人や知人」に対し故人様が亡くなったことを知らせる正式な手段は、忌明けを目安に送る「死亡通知」です。ただし、差出人が故人様の友人や知人と年賀状を交換していて、故人様が10月、11月ごろ亡くなった場合は、喪中はがきを出す時期と重なってしまうため、喪中はがきのみを送り、故人様の訃報を伝えてもよいでしょう。

なお、差出人が「故人様の友人や知人」と年賀状のやり取りがない場合には、喪中はがきを出す必要はありません。喪中はがきは故人様の訃報を伝えるものではなく、差出人が喪中であること、および年賀状欠礼の挨拶をするものだからです。

最近では、故人様の訃報連絡をするために、喪中はがきを送る方が多くいらっしゃるようですが、故人様が親しくされていた友人や知人に対しては、喪中はがきではなく、「死亡通知」をはがき、もしくは封書で出すことをおすすめします。

喪中はがきを出すべき相手についてご紹介しましたが、これらの人以外でご自身が出しておきたいという人には、送っても差し支えないでしょう。

6.喪中はがきはいつまでに出す?年末に葬儀を行った場合は?

年末に葬儀を行った場合
喪中はがきはいつまでに出すべきなのか、また、年末に葬儀を行った場合は喪中はがきをどのようにすればよいのかについて説明します。

喪中はがきはいつまでに出すべきか

喪中はがきは、相手が年賀状を書き始めてしまう前の11月中旬までに出すのが理想的です。ただ、早すぎても相手が喪中はがきを受け取ったことを失念してしまう可能性があるので、あまり早い時期に出すのはおすすめできません。

喪中はがきは、10月中旬から11月下旬、遅くとも12月上旬までに出すと覚えておくとよいでしょう。

年末に葬儀を行った場合は寒中見舞いを出す

年末に葬儀を行った場合は、相手が年賀状を書いてしまっている可能性が高いので、喪中はがきは出さずに寒中見舞いを出します。

寒中見舞いは、寒い時期に相手の健康を気遣って送る便りですが、年賀状を送っていなかった人への返礼や喪中の方への挨拶、喪中で年賀状を出せなかったことのお知らせにも適しています。

年末に葬儀を行って年賀状を出さなかった場合の寒中見舞いには「昨年末に〇〇(故人の名前・続柄)が急逝し、年始のご挨拶は控えさせていただきました」といった一文を入れます。

7.喪中はがきの内容

喪中はがきの内容
喪中はがきをいざ出すことになったとき、何を書けばよいのか困ってしまう方も多いことでしょう。そこで、喪中はがきの内容について説明します。

年賀欠礼の挨拶

喪中はがきを出す目的は、喪中なので年賀状による新年の挨拶を控えることをお詫びするためです。

したがって喪中はがきには、年賀状による新年の挨拶を控える、失礼ながら挨拶は行わないといった内容を書く必要があります。

相手への感謝や健康を祈る言葉

故人様のお知り合いには生前にお世話になった感謝の言葉を書きます。そうでない方へは、相手の健康を祈る言葉などを書くとよいでしょう。

今後のおつき合いをお願いする言葉

最後は、今後も変わらぬお付き合いをお願いするための言葉で締めくくります。

日付

喪中はがきの「結びの挨拶」の後に書く日付は、喪中はがきを投函する日付で、亡くなった日付ではないので注意してください。日にちまで書いてもかまいませんが、基本的には年と月を漢数字で表記します。

たとえば、11月に投函する場合は、「令和●年十一月」と書きます。

差出人

最後に差出人の住所、電話番号(必要に応じて)やメールアドレス(必要に応じて)、氏名を書きます。

8.喪中はがきを書くときの6つの注意点

喪中はがきを書くときには、守ったほうがよいルールがあります。喪中はがきを書くときに注意すべき点を6つにまとめました。

縦書きで書く

喪中はがきはフォーマルな挨拶状なので、日本語の伝統的な書き方である縦書きにするのが基本です。

前文は省略する

通常の手紙やはがきの文章は「前文」「主文」「末文」の3つで成り立っていますが、喪中はがきを書くときは、この前文を省略します。

前文とは「拝啓」「拝呈」「啓上」などの頭語、「〇〇の候」などの時候の挨拶、相手の健康を気遣う安否の言葉などを組み合わせた文章のことです。

また、「敬具」「草々」などの結語も省略します。

1字下げはしない

手紙の文章では行頭で1字下げます(喪中はがき以外のはがきはケースバイケース)が、喪中はがきの文章では1字下げを行いません。

喪中はがきは儀礼的な挨拶状とみなされており、日本では儀礼的な挨拶状や招待状では1字下げを行わない慣習があるからです。

句読点は使わない

喪中はがきの文章では句読点を使わないのが一般的です。1字下げを行わないのと同様で、日本では儀礼的な挨拶状や招待状では句読点を使わない慣習があります。

賀詞は使用してはいけない

喪中はがきは年賀欠礼を伝えるための挨拶状なので、つい、「年賀」など賀詞の言葉を使ってしまいそうになりますが、これはお祝いの言葉ですので「年始」「年頭」「新年」などに置き換えてください。

また、喪中はがきには賀詞以外にも、別れを連想させる「去年」「浅い」「終わる」「離れる」や、重ね言葉の「ますます」「いろいろ」「度々」などの使用できない言葉があります。

近況報告は書かない

喪中はがきで近況報告を書くのはマナー違反です。近況報告をしたい場合は、喪中はがきとは別に手紙やはがきを送りましょう。

9.喪中はがきの文例

喪中はがきの文例をいくつかご紹介します。これらをひな型にしながら自分の置かれた状況に合わせて変更して書くとよいでしょう。

【文例1】もっとも一般的で汎用性の高い文例

喪中につき年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年九月に母○○○○が八十七歳にて永眠いたしました
永年にわたるご厚情に心から御礼申し上げます
明年も変わらぬご厚情を賜りますよう謹んでお願い申し上げます

【文例2】葬儀を執り行ったことを伝える文例

喪中につき年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
昨年○月 父○○○○が八十二歳にて永眠いたしました
早速お知らせすべきところでしたが 故人のたっての願いでしたので
誠に勝手ながら葬儀は近親者のみで執り行いました
ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げます
生前に賜りましたご厚誼に深く感謝いたしますとともに
皆様が良いお年をお迎えになりますようお祈り申し上げます

【文例3】急な死去を伝える文例

喪中につき年末年始のご挨拶を慎んでご遠慮申し上げます
本年○月に母 ○○○○が六十九歳にて急逝いたしました
生前に賜りましたご厚情に深謝いたします
なお寒さに向かう折から皆様のご健勝をお祈り申し上げます

10.喪中に関するQ&A

喪中に関しては、さまざまな疑問が湧いてくるものです。ここではQ&A形式で喪中の質問にお答えします。

A お歳暮はお祝いの贈り物ではなく季節のご挨拶ですから、相手が喪中のときに贈っても差し支えありません。もちろん自分が喪中であったとしても、受け取ってよいものです。
ただ、デパートなどでお歳暮の品を手配する際には、紅白の水引がかかったのし紙が使われている場合が多々あるので注意してください。紅白の水引がかかったのし紙は喪中の方にはふさわしくないので、水引のない無地の掛け紙(短冊も可)に変えてもらうようにしましょう。ちなみに、お中元も同様です。

A 喪中には自分からは年賀はがきは送りませんが、年賀状を受け取るのは問題ありません。

A 喪中に出す寒中見舞いの内容は、おおむね次のような順番で構成されています。
・寒中見舞いの言葉
・時候の挨拶
・年賀状をいただいたお礼
・寒い時季に相手の健康を気遣う言葉
・今後も変わらぬお付き合いをお願いする言葉
喪中はがきでは、句読点を使ってはいけないなどのルールがありましたが、寒中見舞いにはありません。
【寒中見舞いの文例】
寒中お見舞い申し上げます
このたびはお年賀状をいただきありがとうございました。
昨年○月に○○が他界いたしまして、年頭のご挨拶を控えさせていただきました。
ご通知が遅くなりました無礼をお詫び申し上げます。
本年も相変わらずよろしくお願い申し上げます。
寒い日が続きますので、風邪などお召しになりませぬようお気をつけください。

A 喪中に入籍するのはマナー違反にならないというのが一般的な考え方です。入籍自体はお祝い事にはあたらないからです。
しかし、結婚式はお祝い事なので、できるだけ行わないのが基本です。

A 以前は、メールで冠婚葬祭の連絡をするのはマナーに反すると考えられていましたが、近年はメールを使ってもよいとする風潮が強くなっています。
ただし、メールで喪中の知らせを送ってもよいケースは、親しい友人や常日頃からメールでやり取りする人などに限られます。毎年、年賀状を送ってくれる方には喪中はがきで年賀欠礼を伝えるのがマナーです。

11.喪中の範囲に入るかどうかを確認し、喪中はがきは早めの準備を

喪中の範囲は、基本的に故人様から数えて2親等以内です。ご親族が亡くなったときには、自分が喪中の範囲に入るのかどうかを確認し、2親等以内であればご紹介したような喪中のマナーを守るようにしましょう。

また、喪中はがきは11月末までに出せるよう、早めに準備することを心がけましょう。喪中はがきを書く際は、ぜひ、文例を参考になさってください。

葬儀参列者のマナーガイド
https://www.hana-sougi.com/manners/

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