喪中見舞いとは?送るケースやマナー・書き方を徹底解説【文例あり】

喪中見舞いとは?送るケースやマナー・書き方を徹底解説【文例あり】

「喪中見舞い」は、最近見られるようになった年の瀬の新しい習慣です。知人から「喪中はがき」を受け取った際、心配りや哀悼の意を示すために、喪中見舞いを送ることがあります。故人様のご遺族への敬意を表したいけれど、どのように送ったらよいのか迷うこともあるでしょう。

今回は、喪中見舞いについて、送るケースや時期、書き方などを詳しく説明します。送る相手やケース別の文例もご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

1.喪中見舞いとは?

喪中見舞いとは?

こちらでは、喪中見舞いの概要や、喪中見舞いが生まれることになった背景について、詳しく解説します。

喪中見舞いは喪中はがきへの返事

喪中見舞いは、喪中はがきへの返事であり、最近行われるようになった習慣です。ご遺族にお悔やみを伝えるはがきや手紙のほかに、お香典や品物を送ることも含みます。

一般的には、喪中はがきが送られてきた際に、返事は必要ないとされています。返事を出すと、相手が「返事を出さなければならない」など気を使うことがあるからです。

ただし、喪中はがきに返事を出してはいけないというわけではありません。必要と感じた場合には、寒中見舞いや喪中見舞い等の方法でご遺族を気遣います。

喪中見舞い誕生の背景

通常、喪中はがきをいただいた相手に便りを出したい場合には、寒中見舞いを送ることが一般的です。

しかし近年、家族葬が増えるにつれ、喪中はがきで初めて故人様の訃報を知るというケースも増えています。そのため、寒中見舞いを送る時期まで待たずにお悔やみを伝えたい方が増えてきました。これが「喪中見舞い」の誕生につながったとされています。

2.喪中見舞いと寒中見舞いの違い

喪中はがきをいただいた相手には、喪中見舞いや寒中見舞いを送ることがあります。それぞれ、具体的には、どのような点が違うのか説明します。

送る時期

喪中見舞いと寒中見舞いで大きく違うのが、送る時期です。

喪中見舞いは「いつからいつまでの間に届ければならない」という厳格な決まりはありません。ただし、寒中見舞いよりも早く送れるとして生まれたものですから、遅くとも年末までには届くように送ります。喪中はがきを受け取ったら、できるだけ早く送るのがよいでしょう。

一方、寒中見舞いは、「松の内が明けてから立春までの間に送る」とされています。「松の内」とは正月飾りや門松を飾っている期間のことです。1月1日から始まりますが、明けるのは、関東を中心とした地域では1月8日、関西では1月16日と地域によって異なります。

なお2024年の場合、立春は2月4日です(年によって日付は前後します)。

お悔やみを伝える手紙や品物、香典を送るかどうか

喪中見舞いは喪中の方に対して送るものであり、お悔やみの気持ちを表すためにはがきや手紙、品物、お香典を送ります。

一方、寒中見舞いは、寒い季節に相手の体調や健康を気遣うためのものであり、必ずしも送り先が喪中であるとは限りません。お互いに喪中でない場合や、喪中の方が送ることもあります。

3.喪中見舞いのはがきと切手の選び方

喪中見舞いのはがきと切手の選び方

喪中見舞いは、ご遺族を思いやって送るものですから、送るときにはマナーを守り、はがきや切手にも気を配りたいものです。
こちらでは、喪中見舞いのはがきと切手の選び方をご紹介します。

喪中見舞いのはがきの選び方

悲しみの中にいらっしゃるご遺族の気持ちに配慮し、喪中見舞いで送るはがきは、派手なデザインを避け、灰色や寒色系といった落ち着いた色調のものを選ぶようにします。

郵便局や店舗では、菊やアジサイなどの絵柄が描かれたシックな色合いのはがきが販売されていますので、そちらから選ぶこともできます。

喪中見舞いの切手の選び方

郵便局には弔辞用の切手が販売されていますが、喪中見舞いに弔辞用切手を使用してよいのかについては意見が分かれます。植物や花が印刷されている普通切手を選ぶとのが無難でしょう。

4.喪中見舞いの書き方

喪中見舞いの書き方

喪中見舞いのはがきや手紙には、どのような内容を書けばよいのでしょうか。
ここでは、書くべき内容や注意点をご紹介します。

喪中見舞いに書くべき内容

喪中見舞いには、一般的に以下のような内容を記載します。

1.題字:「喪中お見舞い申し上げます」の言葉
題字を省いて、喪中はがきをいただいたお礼から始まる場合もあります。

2.喪中はがきを送っていただいたことへのお礼
すでに年賀状を出していた場合は、誤って年賀状を送ってしまったお詫びの言葉を添えます。

3.故人様へのお悔やみの言葉

4.喪中はがきを送ってくださった方を気遣う言葉
まだ年賀状を出していない場合は、年賀状を控える言葉を添える場合もあります。

5.喪中見舞いを出した年月(日にちは不要)
はがきでは、最後に差出人住所、差出人氏名を入れる場合があります。手紙では、最後に氏名のみを書きましょう。

喪中見舞いを書くときの4つの注意点

喪中見舞いを書くときには、次の4点に注意してください。

1.句読点を使わない
喪中はがきなど儀礼的な挨拶状の慣習に則って、句読点は使わないようにします。

2.行頭を1字下げない
句読点を使わないのと同様に、儀礼的な挨拶状では、行頭を1字下げません。

3.送った日にちは書かない
日付は年月のみとし、日にちは書かないようにするのが一般的です。

4.使ってはいけない言葉に気をつける
喪中見舞いには、使ってはいけない言葉がいくつかあります。具体的にどのような言葉を使ってはいけないのか、事項より詳しく解説します。

5.喪中見舞いで使ってはいけない言葉

ご遺族への思いやりを込めて送る喪中見舞いですから、言葉には注意が必要です。せっかくの気持ちが逆効果にならないよう、喪中見舞いにふさわしくない言葉を理解しておきましょう。

頭語や結語

通常の挨拶状でよく用いられる、拝啓、復啓などの「頭語」や、敬具、拝啓などの「結語」は不要です。

忌み言葉・重ね言葉

ご遺族に送る喪中見舞いには、死を連想させる「忌み言葉」や、不幸の繰り返しを連想させる「重ね言葉」は、使用は厳禁です。

それぞれの言葉の例を挙げておきますので、参考になさってください。

【忌み言葉・重ね言葉の例】

忌み言葉:死ぬ、死亡、消える、浮かばれないなど
重ね言葉:次々、ますます、重ね重ねなど

お祝い・めでたさを表す言葉

お祝いやめでたさを表す言葉は、喪に服している人への配慮を欠くことになります。そのため、「おめでとうございます」といったお祝いを表す言葉(賀詞)は、喪中見舞いには不適切です。また、お正月が近くても、年賀状で使われることが多い「賀正」「迎春」といった言葉は避けましょう。

励ましの言葉

喪中見舞いには、つい「頑張って」「元気を出して」「早く悲しみを忘れて」など励ましの言葉を書きたくなりますが、これらの言葉にも注意が必用です。

ご遺族には悲しむ時間も必要であり、時には悲しみが長引くこともあります。文字だけのやりとりでは、ご遺族の現在の心情や状況を完全には理解できないため、かえって重荷になってしまうかもしれません。そのため、励ましの言葉の使用には、慎重になることをおすすめします。

6.【送る相手・ケース別】喪中見舞い文例

喪中見舞いに書く内容や使ってはならない言葉などの注意点を説明したところで、喪中はがきを送ってくださった方との関係や状況ごとの文例を7つご紹介します。
なお、「ご冥福」は仏教(浄土真宗以外)において使われる言葉であり、神道などでは使わない点に注意しましょう。

お悔やみの言葉の文例も別の記事でご紹介しています。

【文例1】年賀状を送り合う間柄の方に送る場合

喪中お見舞い申し上げます
年賀欠礼のご挨拶状を拝見いたしました
〇〇様のご逝去を知り たいへん驚いております
遅ればせながら〇〇様のご冥福をお祈り申し上げます
お体にはくれぐれも気をつけて 新年をお迎えください
なお服喪中と存じ 年頭のご挨拶は控えさせていただきます

令和◯◯年◯月

【文例2】親しい友人に送る場合

ご丁寧な年賀欠礼のご挨拶状をありがとうございました
ご挨拶状を拝見して はじめて〇〇様のご逝去を知りました
遅くなりましたが 謹んでお悔やみ申し上げます
お寂しいときにはいつでもご連絡ください
直接会ってお話でもすれば気もまぎれるかもしれません
年末に向けてお疲れが出るころです
どうぞお体を大切になさってください

令和◯◯年◯月

【文例3】職場の同僚に送る場合

喪中お見舞い申し上げます
この度はご丁寧なご挨拶状をありがとうございました
謹んでお悔やみを申し上げます
お気を落とされていることかと存じますが
お体を大切に新しい年をお迎えください

令和◯◯年◯月

【文例4】亡くなったのがお世話になった上司の場合

この度はご丁寧なご挨拶状をありがとうございました
ご挨拶状を拝見して〇〇様がご逝去されたことを知り驚くばかりです
遅ればせながら 謹んでお悔やみ申し上げます
○○様にはご生前たいへんお世話になりました
心から感謝申し上げる次第です
ご家族の皆様には お気を落とされていることかと存じますが
どうぞお体を大切に 穏やかな新年を
お迎えになることをお祈り申し上げております

令和◯◯年◯月

 【文例5】すでに年賀状を送ってしまっていた場合

喪中お見舞い申し上げます
本日 年賀欠礼のご挨拶状をいただき◯◯様のご逝去を知りました
すでに年賀状をお送りしてしまいお詫びいたします
また 存じなかったとはいえ お悔やみも申し上げられず
失礼いたしましたことをお許しください
ここに謹んで○○様のご冥福をお祈り申し上げます
新年がご家族の皆様にとって穏やかな年となりますよう
心よりお祈り申し上げます

令和◯◯年◯月

【文例6】お悔やみの品に添える場合

喪中お見舞い申し上げます
ご挨拶状を拝見して初めて◯◯様のご逝去を知りました
遅ればせながら 謹んで○○様のご冥福をお祈り申し上げます
ささやかながらお見舞いの品をお送りさせていただきます
ぜひともお供えいただければ幸いです
皆様におかれましては 健やかに新しい年を
お迎えいただければと お祈り申し上げます

令和〇年〇月〇日
○○ ○○(氏名)

【文例7】葬儀に参列し、喪中はがきもいただいた場合

喪中お見舞い申し上げます
ご丁寧なご挨拶状をいただき誠にありがとうございました
○○様が亡くなられてから早いもので〇か月が過ぎました
とはいえ ご家族様は変わらずに
お寂しい日々をお過ごしかとお察し申し上げます
何かお役に立てることがあれば いつでもご連絡ください
くれぐれもお体を大切になさって新年をお迎えください

令和◯◯年◯月

7.喪中見舞いで品物を送る際のマナー

喪中はがきで故人様のご不幸を知り、弔意を表すために喪中見舞いとして品物を送る場合もあります。
こちらでは、喪中見舞いで品物を送る際のマナーをご紹介します。

喪中見舞いに適した品物

喪中見舞いの品物としては、送り先に仏壇がある場合は、故人様が好んでいた食べ物やお花などがお供えしやすくおすすめです。お仏壇があるかどうかわからない場合には、日持ちのするお茶や海苔、お菓子のほか、贈られた方が自由に選べるカタログギフトなどがよいでしょう。

ろうそくや、仏式の場合はお線香も考慮に入れることができますが、宗教や慣習によっては使わない場合もあります。お相手が喜ぶかどうかを念頭に置いて品物を選ぶとよいでしょう。

喪中見舞いの費用相場

喪中見舞いにお送りする品物の相場は、3,000円~5,000円程度と言われています。あまり高額ですと、送られた側が「お返しの品物を手配すべきではないか」などの負担を感じるかもしれないため、負担をかけない程度の価格の品を送るとよいとされます。

喪中見舞いののし紙・表書きの選び方

喪中見舞いの品物には、のし紙をつけます。のし紙の水引は、黒白の結び切りの水引にしましょう。

のしには、一般的に「御供」「喪中御見舞」の表書きのものを選びます。他にも、仏式(浄土真宗以外)であれば四十九日までなら「御霊前」、四十九日より後の忌明けからは「御仏前」も使うことができます。

宗教によっては使わない表書きもあるため、その点には留意が必要です。

表書きの選び方については、「御霊前、御仏前の違いを解説!香典袋やお供え物の表書きは?」の記事が参考になります。

メッセージを添える

喪中見舞いの品物を送る際は、品物だけを送るのはマナー違反です。手紙やはがきを送るときと同様に、喪中はがきを送っていただいたことへのお礼などを含めたメッセージを添えるようにしましょう。

具体的な含める内容については「喪中見舞いに書くべき内容」を、文例は「【文例6】お悔やみの品に添える場合」をご参照ください。

8.喪中見舞いに関するQ&A

喪中見舞いに関するよくあるQ&Aをご紹介します。

A.はがきや手紙などで喪中見舞いをする方法もありますが、喪中見舞いとして、直接、自宅を訪問してもかまいません。
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ただしその際は、事前にご遺族の意向を聞いてうかがう日程を調整しましょう。また、仏式(浄土真宗以外)の場合、表書きの「御霊前」は四十九日までしか使えず、四十九日より後からは「御仏前」となりますので、その点には注意してください。

A.お香典を送る場合も品物を送るときと同様に、メッセージを添えるようにしましょう。
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お香典を送る際には、郵便局で現金書留専用の封筒を購入し、その封筒の中に香典袋を入れて送ります。dummy
香典袋は、一般的には結び切りの水引を使います。表書きは「御供」「喪中御見舞」のものを選びましょう。金額は、3,000円~10,000円ほどが相場のようです。


A.葬儀に参列するなどして、すでに弔問を済ませた後に喪中はがきを受け取った場合も、喪中見舞いを送ってもかまいません。dummyこのような場合は、寒中見舞いを出すのが一般的です。しかし、差出人がたいへん親しい仲の方である場合には、喪中見舞いを送ってもかまいません。相手を気遣う言葉で、ご遺族の気持ちを少しでも和らげて差し上げましょう。

9.喪中見舞いでいち早くご遺族に気遣いの気持ちを伝えましょう

喪中はがきで故人様のご不幸を知って、すぐにでもご遺族の気持ちに寄り添いたいと思ったときには、喪中見舞いという形で連絡することができます。

「寒中見舞いを送る時期まで待たずに返事をしたい」という方は、今回の記事を参考に、マナーに注意して喪中見舞いを送ってみてはいかがでしょうか。ご家族に配慮し、喜んでいただけるお便りや品物を送れば、きっと思いやりが伝わることでしょう。

花葬儀では、「リベントファミリー」というメンバーシップクラブをご用意しており、万が一のときにご相談やサポートなどが受けられます。喪中見舞いも含め、葬儀に関連したさまざまなご質問にもお答えしておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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