喪服の夏のマナーは?ジャケット無し・半袖でもOK?男女別に解説します
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
喪服は葬儀や法事の場で着る礼服です。格式高い装いのひとつですが、暑い夏場のお通夜・お葬式においては、なるべく涼しく感じるように喪服を調整して着たいと考えたことはないでしょうか?
そこで今回は、喪服の夏のマナーについてご紹介します。「暑い日のお葬式にはジャケットを着なくてもよいの?」「半袖でも問題ない?」とった疑問を男女別に解説しておりますのでどうぞお役立てください。
1.喪服の基本となる男女別のマナーは?
喪服にはマナーがあり、マナーから外れてしまうような着方は、ご遺族を不快な気持ちにさせてしまうので注意が必要です。
まずは、基本的な喪服のマナーを男女別にご紹介します。
男性の喪服のマナーは?
葬儀で男性が身に着ける喪服では、以下のことを守るのが原則です。
・準喪服または略礼服
・白色のワイシャツ
・黒色のネクタイ
・黒色の靴下
・黒色の靴
準喪服や略礼服はフォーマルな装いに分類されるスーツで、質や光沢、生地の色などがビジネススーツとは異なります。
ネクタイ、靴下、靴に関しては、光沢のあるもの、華美なデザイン・装飾のついているものは避け、極力シンプルなものを選びます。
女性の喪服のマナーは?
女性が身に着ける喪服では、以下のことを守るのが原則です。
・準喪服(アンサンブル、パンツスーツなど)
・黒色のストッキング
・黒色の靴
肌を極力見せないようにすることが葬式での一般的なマナーであるため、スカート丈は膝下がベストです。ジャケットの下にシャツを着る場合は黒色とします。
男性と同じように光沢のあるもの、華美なデザインのものは避けます。
※葬儀にふさわしい服装だけでなく、髪型、メイク、ネイル、アクセサリー、小物に関するマナーについては、以下の記事が参考になります。
https://www.hana-sougi.com/blog/funeral-outfit
2.喪服は夏ならジャケット無しでも大丈夫?<男性の場合>
男性の場合、準喪服や略礼服を着てさえいれば、夏場のお葬式でジャケットを脱いで参列しても問題ないのでしょうか?
詳しく解説します。
男性のジャケット無しはNG
葬儀では必ずジャケットを身に着けることがマナーであるため、暑い夏場だとしてもジャケットを脱いで参列することはNGです。
移動中はジャケット無しでもOK
葬儀にはジャケットを着用することが必要ですが、会場までの移動の間であればジャケットを脱いでいてもかまいません。葬儀会場付近になったら着用しましょう。
葬儀は屋内の会場で行われることが多く、会場内は冷房が効いている場合がほとんどです。夏場にジャケットを着ていても暑く感じないよう室温調整がされていますので、熱中症などの心配はありません。
3.喪服は夏ならジャケット無しでも大丈夫?<女性の場合>
女性の喪服は男性に比べてデザインが豊富で、季節に合わせてスタイルを変えることができそうですが、夏場のお葬式ではジャケットやボレロを着用しなくても問題ないのでしょうか?
詳しく解説します。
女性もジャケット無しはNG
男性と同様、女性も、いかなる季節であったとしてもジャケットを着用しないで葬儀に参列することはNGです。
ただし、会場までの移動中であれば、ジャケットやボレロを脱いでいても問題はありません。
ワンピースでもジャケットは必須
アンサンブル(ワンピース+ジャケット)の喪服の場合、ワンピースだけを着用して葬儀に参列しても問題ないと考える方がいるかもしれません。しかし、葬儀において、ワンピースのみは正装にはならないため、必ずジャケットもしくはボレロを着るようにしましょう。
夏場の葬儀会場であればきちんと冷房が効いていますので、むしろジャケットを着ているほうがちょうどよいと感じるかもしれません。
4.喪服の場合ワイシャツは半袖でも大丈夫?<男性の場合>
暑さの厳しい日は、なるべく涼しい格好で過ごしたいと思うのは当然です。喪服のジャケットの下に半袖のワイシャツを着用することは問題ないのでしょうか?
男性の場合について、解説します。
参列時に半袖のワイシャツはNG
基本的に、葬儀参列時の格好として半袖のワイシャツを着用することはNGとされています。半袖のシャツは肌の露出が多い分、カジュアルと捉えられてしまうため、夏場であっても長袖を着る方がよいと考えられています。
ジャケットを絶対に脱がないなら半袖でも許容される
基本的には夏場でも長袖を切ることが推奨されますが、近年の夏は従来に比べて気温が高くなっているため、半袖のワイシャツの着用を許容されるケースもあります。
喪服のジャケットが冬用である場合など、どうしてもシャツを半袖にしたい事情のある方は、絶対にジャケットを脱がないことを前提として半袖シャツを着用しましょう。
前述したように、基本的に半袖シャツはカジュアルな装いと考えられていますので、移動中も含め、ご遺族や他の参列者の目に触れないように十分配慮してください。
5.喪服の場合ワンピースは半袖でも大丈夫?<女性の場合>
女性用の喪服を見ると、「半袖」「五分袖」「七分袖」「長袖」と、袖の長さが選べるワンピースが売られています。「喪服として売られていたら、半袖丈のワンピースでもよいのではないか?」と考えてしまいそうですが、マナーとしては問題ないのでしょうか?
詳しく解説します。
参列時に半袖のワンピースはNG?
オールシーズンに対応できるよう、ジャケットやボレロとワンピースがセットになった女性用の喪服が多く販売されています。ワンピースは長袖の他に七分袖、五分袖、半袖タイプがありますが、ジャケットなどとセットであれば、半袖のワンピースは許容範囲であると考えられます。ただし、ワンピースのみの参列はNGです。葬儀参列の際には必ずジャケットを羽織ることを忘れないようにしましょう。
葬儀会場までの移動中であればジャケットやボレロを脱いでも差し支えありませんが、移動の途中で参列者やご親族に会う可能性もあるため、注意が必要です。
先に解説したとおり、袖が長いほど格式の高い服装となるため、半袖は肌の露出が多い分カジュアルに見えてしまいます。長袖のワンピースをもっておらず、移動中にジャケットを脱ぐ可能性のある方は、半袖よりも五分袖や七分袖を着て行ったほうが無難でしょう。
6.喪服の選び方は?<男性の場合>
「葬儀に参列するときは必ずジャケットを着用する」と解説してきましたが、より快適に過ごせる喪服はないのでしょうか。
実は、喪服にも夏用がありますので、夏用の喪服を購入するのが一番夏場に適した格好になるといえます。しかし、葬儀に参列することはそう頻繁に起こるものではないため、季節ごとに違う喪服を何着も買うのは難しいでしょう。
男性における喪服の選び方について、詳しくご紹介します。
オールシーズン対応のもの
喪服を1着しか持たないのであれば、オールシーズン対応型の喪服を買うのがおすすめです。
オールシーズンの喪服はインナーやコートの有無などで体温を調節することができるため、どの季節でも問題なく着ることができます。
ジャケットは裏地のあるもの
オールシーズン対応型ではない喪服を購入する際は、ジャケットに裏地のあるものを選びましょう。
ジャケットの裏地は季節によって素材や作りが変わる部分ですが、その種類は「総裏」と「背抜き」に分かれています。背中の裏地を省いている背抜きの方が通気性が良く、涼しく感じますが、その分総裏に比べ生地が薄く、見た目が安っぽく見えてしまうというデメリットがあります。
男性の場合はコートが邪魔になることも多いので、できるだけコート無しで対応できる喪服、つまり風通しが良すぎず、ある程度頑丈な裏地つき(総裏タイプ)のジャケットを選んだ方が使い勝手がよいといえます。
7.喪服の選び方は?<女性の場合>
女性の喪服にも、夏用があります。しかし、なるべく1着で済ませたいと思うのは男性と同じでしょう。
女性の喪服の選び方について、ご紹介します。
オールシーズン対応のもの
女性用の喪服でオールシーズンに対応しているもののなかで、最もおすすめなのがジャケットとワンピースの組合せであるアンサンブルタイプです。
インナーで着ぶくれしたり、体のラインが出すぎてしまったりしないよう、適切なサイズを選びます。
ジャケットは裏地の無いもの
ジャケットは、裏地の無い、通気性のよいものを選びます。「涼しさを基準として選んでしまったら、冬場はどうするの?」と心配になるかもしれませんが、コートやインナーで調節すれば解決できます。
ただし、裏地の無いジャケットを検討する際は、生地が透けて、下に着ているワンピースが透けて見えないものを選ぶことが大切です。
ワンピースは通気性の良い袖のあるもの
ジャケットの下に着るワンピースも、通気性の良い素材を選びますが、ジャケット同様、生地が透けないものにします。
空調の効いている室内で着るという点、そしてより格式の高いものという点から、長袖~七分袖のものを持っておくとよいでしょう。
8.ご親族は会場で着替えることも可能
一般参列者と違い、ご親族は葬儀開始時間のだいぶ前に会場入りをするため、会場内で着替えることが可能です。
暑い夏場の葬儀でしたら、会場までは気温に適した涼しい普段着で向かい、会場に到着後ご親族専用の控室で喪服に着替えるという方法もあります。
喪服はガーメントケース(スーツなどを型崩れせず持ち運ぶためのカバン)に入れて持参しますが、この時ネクタイなどのアイテムを忘れていないか、出発前によく確認しておきましょう。
9.夏場の葬儀でも男女問わず喪服のジャケットは必須!
厳しい暑さの中、フォーマルな格好をしたまま数時間過ごすのはつらいものですが、お通夜やお葬式は厳格な式典であるため、季節を問わず男女共にジャケットを着用することがマナーです。
夏場に、より快適に過ごすためには、夏用の喪服を購入することもできますが、オールシーズン対応のものを購入しておくと季節に関係なく着用が可能です。その場合は、移動中にジャケットを脱いでクールダウンをしてみてはいかがでしょうか。
いずれにしても、喪服は故人様の死を悲しみ、悼むための正装ですので、暑さ寒さに関係なく周りに対して失礼とならないよう正しい格好を心がけましょう。
花葬儀では、葬儀参列者のマナーガイドというページを設けております。葬儀に参列する際のふさわしい格好、髪型の他、お焼香の方法やお香典のマナーなど幅広く取り扱っております。お困りの際は、ぜひお役立てください。
https://www.hana-sougi.com/manners/
こちらのページでは、プラン別の葬儀費用や流れ、メリット・デメリットをご覧いただけます。
葬儀をお考えの方は、ぜひ参考になさってください。
https://www.hana-sougi.com/plan/