喪主の妻の役割は?葬儀におけるマナーや服装、メイク、持ち物まで徹底解説
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- 【 葬儀・葬式の基礎知識 】
夫が喪主になったとき「喪主の妻としての自分の役割とは?」「服装は、どうしたらよい?」などと不安になってしまう方も多いでしょう。喪主の妻は喪主である夫を支える重要な存在ですから、その役割やマナーをしっかりと知っておく必要があります。
そこで今回は、葬儀における喪主の妻の役割を徹底解説するとともに、知っておきたいマナーや服装、メイク、持ち物までをご紹介します。
【もくじ】
1.喪主の妻の役割は?
喪主の妻の役割を理解するためには、そもそも喪主がどのような役割を果たすのかを知っておく必要があります。その上で、喪主の妻の役割を確認するとよいでしょう。
そもそも喪主の役割は?
喪主とは、ご遺族の代表者で、葬儀全般を取り仕切る人のことです。主に下記のような役割を担います。
葬儀全般の取り決めや参列者への連絡の手配
葬儀の規模や形式などに関して葬儀関係者の意見が割れるような場面で、最終的な判断を行います。また、参列者への連絡の指示も喪主が行います。
葬儀社との打ち合わせ
葬儀社と葬儀の具体的な内容や流れ、費用、人数、祭壇、車輌、料理などに関して打ち合わせを行います。
寺院とのやり取り
葬儀の日程調整、戒名に関する相談など、寺院とのやり取りを行います。
弔問客の対応
喪主は、通夜、葬儀・告別式において弔問客を迎え、挨拶をしたりお礼を述べたりします。
場面に応じて挨拶を行う
通夜式終了時や告別式終了時など、いくつかの場面で挨拶を行います。
*喪主の役割について詳しく知りたい方は、喪主の選び方や役割、施主との違いなどに関して解説している下記のサイトを参考になさってください。
https://www.hana-sougi.com/blog/moshu-seshu/
喪主の妻の役割は?
喪主の妻の役割は、喪主のように明確に決められているわけではありません。どちらかというと、喪主を支えるための裏方の役割が多いといえます。
そこで、喪主の妻は、喪主の役割を理解した上で葬儀が無事に済むように、自ら役割を見つけることが重要です。たとえば、喪主の妻には下記のような役割があります。
■参列者への連絡の手伝い
■さまざまな会食や打ち合わせのときのお茶出し
■会食の料理の準備や配膳
■参列者の座席への誘導
■参列者への挨拶
■急に必要になったものの買い出し
■葬儀を手伝ってくれる人への指示やお礼
葬儀の規模や地域の違いによっても、妻がサポートをする内容は変わることがあります。不明点や不安がある場合は、喪主である夫に事前に確認しておくとよいでしょう。
2.喪主の妻が知っておくべきマナーは?
葬儀において喪主の妻が知っておくべきマナーについてご説明します。
葬儀の際の席順
葬儀の席順は、一般的に故人様との縁が深い順番に上座から座ります。席が左右2列に分かれている場合は、祭壇に向かって右側が親族席、左側が一般席です。
親族席では祭壇に近いほうが上座となるため、祭壇に向かって左側から下記のような順番で、夫婦や家族単位で座ります。
【喪主を「故人様の子」が務める場合】
1.喪主
2.故人様の配偶者、もしくは喪主の妻や子
3.喪主の妻や子、もしくは故人様の配偶者
4.故人様の喪主以外の子(喪主の兄弟姉妹)やその家族
5.故人様の兄弟姉妹やその家族
なお、喪主の妻の席は2番、もしくは3番となり、どちらのケースもありえます。
お焼香の順番
お焼香は、ほぼ席順と同様に故人様との縁が深かった人から順番に行います。
基本的に喪主の妻は、喪主である夫の次にお焼香をします。ただし、夫の両親のいずれかが亡くなった場合には、喪主の次に故人様の配偶者、その次に喪主の妻がお焼香をすることもあります。
お焼香の手順
喪主の妻がお焼香を行う手順は、ほぼ喪主と同様です。一般的なお焼香の手順を下記にご紹介します。
1.席から立ち、僧侶に一礼
2.弔問客の方々に一礼
3.焼香台まで進む
4.遺影に向かって一礼し合掌
5.お焼香
6.焼香台から一歩下がる
7.遺影に向かって一礼し合掌
8.僧侶に一例
9.弔問客の方々に一礼
お焼香の回数や線香の作法は宗派によって異なるため、僧侶に確認しておくことをおすすめします。
3.喪主の妻にふさわしい服装は?
喪主の妻が葬儀に参列するときに、和装と洋装のどちらにしたほうがよいのか、迷うところでしょう。昔は和服が基本とされていましたが、現代では控えめできちんとしていれば洋服でも差し支えないと考えられています。
以下に、喪主の妻にふさわしい和装と洋装について解説します。
和装の場合
喪主の妻の和装は、染め抜きの五つ紋(家紋)の入った黒無地の着物に黒帯を合わせて着用することが基本です。半襟と足袋は白ですが、草履は光沢のない黒色のものを選びます。
洋装の場合
喪主の妻が洋装をする場合は、光沢のない黒無地のアフタヌーンドレス、もしくはアンサンブル、ワンピースにボレロ、スーツが基本です。スカートの丈は、膝が隠れるロング丈にします。夏であっても襟元が詰まったデザインで、基本的には長袖のものを着用します。
ストッキングも黒色にします。濃さは肌がうっすらと透ける程度の20デニールが適していますが、商品によっては濃淡が異なるため、30デニール以下を目安とし実際に履いた状態で選びましょう。
また、靴はヒールの低い黒色のパンプスが適しています。エナメル素材やスエード素材など光沢のあるものは避け、マットな質感の靴を履きます。
喪主の妻の服装に関しては、 宗教や宗派、地域、ご親族によっても考え方が異なる場合があるため、心配なときは周囲に相談するようにしましょう。
4.喪主の妻の髪形やメイクの注意点は?
喪主の妻は、服装以外にも気をつけなければならない点があります。ここでは、髪形やメイク、アクセサリーにおける注意点について解説します。
髪型の注意点
喪主の妻の髪形は、シンプルであることが大切です。ロングヘアであれば、耳よりも下の位置で黒色のゴムを使用しひとつに結ぶ、もしくはお団子にします。耳より高い位置でまとめるスタイルは慶事の髪型になるので、マナー違反です。
また、黒色のゴムが手元にない場合は、代わりに黒色のシュシュやバレッタなどで代用しても差し支えはないですが、華美な髪飾りはNGです。
ロングヘアではない場合も、お焼香や合掌の際に髪が顔にかからないよう黒色のヘアピンやワックスなどで固定します。
髪色が明るい場合は、できれば黒色か黒に近い色に染めます。美容院で染める時間がなければ、黒色のヘアスプレーなどで対応するようにしましょう。
メイクの注意ポイント
喪主の妻のメイクは、「片化粧(かたげしょう)」にするのが基本です。片化粧は、喪服の女性がする薄化粧のことで、口紅を使用しないのが特徴ですが、ほんのり色づく程度の保湿カラーリップなどの使用であれば許容範囲といえます。
眉は整える程度にし、アイシャドウはマットなベージュなど肌に近い色のものにとどめ、マスカラは使用しません。
喪主の妻のメイクは派手ではいけませんが、ノーメイクは失礼になる点に注意しましょう。
※葬儀のメイクに関する詳細は、こちらの記事が参考になります。
https://www.hana-sougi.com/blog/make/
アクセサリーの注意点
喪主の妻のアクセサリーは、マナーを守って着用しましょう。
和装の場合は結婚指輪のみが基本ですが、洋装の場合は結婚指輪、パールのアクセサリーは差し支えないとされています。ただし、一連のパールのネックレスは許されますが、二連以上は「重なる」を意味するので弔事にはふさわしくありません。
5.喪主の妻の持ち物リスト
喪主である夫をサポートする立場にある喪主の妻には、さまざまな場面において細やかな行動が求められます。そのようなときに、持っていると便利な持ち物をご紹介します。
エプロン
喪主の妻は、弔問客にお茶出しをしたり、会食の際に配膳やお酌をしたりするので、喪服が汚れないように黒のエプロンや割烹着を持っていると便利です。
サブバッグ
喪主は基本的にかばんを持ち歩かないことの方が多いといえます。そのため、貴重品以外の喪主の持ち物を喪主の妻が代わりに持てるよう、通常のバッグのほかにサブバッグを持っていると重宝するでしょう。
バッグは光沢がない黒色の布製を選ぶようにし、殺生を連想させる革製のものは避けます。もちろん、派手なバッグ、目立つデザインのバッグも持たないように注意します。
ハンカチ
喪主がハンカチを忘れてしまった、無くしてしまった、汚してしまったというときに喪主に渡せるよう、ハンカチは数枚持っておくようにします。
予備のストッキング
喪主の妻が洋装でストッキングをはいている場合には、予備の黒色のストッキングを持参することをおすすめします。
黒色のストッキングはコンビニなどで販売されていないケースも多いため、ストッキングが伝線してしまったなどのハプニングに備えて準備をしておくとよいでしょう。
数珠
仏式の葬儀の場合は、主に読経の際やお焼香の際に数珠を使用します。喪主の妻は、自分用はもちろん、喪主の数珠も持っておき、必要なときに喪主に渡します。
数珠には、本式数珠と略式数珠の2種類があるので、どちらを使用するのかは事前に喪主である夫と相談して決めておきます。
6.お香典はいる?
喪主の妻は、基本的にはお香典は不要です。喪主の妻は喪主の家族なので、葬儀を執り行う側の立場にいるからです。
ただし、喪主の夫が施主でない場合などには、喪主の妻もお香典を出す場合があります。ご遺族の代表は喪主ですが、葬儀の費用を負担するのは施主だからです。ご自身の状況にかんがみて、お香典が必要かどうかの判断をしてください。
7.喪主の妻の役割は「喪主を精神的にも実務的にも支えること」
喪主は故人様が亡くなってから葬儀が終了するまで、さまざまな役割を担っています。そのようなときに、喪主の妻は喪主である夫を精神的にも実務的にも支えるのが役割です。しかし、あくまでも葬儀を執り行うのは喪主であるため、喪主の妻はそれをサポートすることに徹し、出すぎないようにします。
葬儀当日には、ご親族や参列者の目に喪主の妻の働きぶりが目に入ることもあるので、喪主の妻にふさわしい身だしなみと立ち振る舞いを心がけましょう。
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https://www.hana-sougi.com/manners/