お墓参りの服装をお盆・お彼岸などケース別に解説~色・靴・アクセサリーのマナー
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- 【 お墓のマナー 】
お墓参りの服装は、1年を通じて多くの方が悩むことがあります。お墓参りの目的や訪れる時期が異なるため、毎回、着ていく服を迷う方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、お盆やお彼岸など特定の目的でのお墓参りや、シーンごとに適切な服装について、詳しく解説します。服の色や靴、アクセサリーに関するマナーもあわせてご紹介しますので、お墓参りの服装に関する疑問の解消にお役立てください。
1.お墓参りの服装に特別な決まりはない
お墓参りの服装に特別な決まりはなく、基本的には何を着てもかまいません。ただし、他の参拝者に配慮するためにも、過度に派手ではなく、礼儀正しい服装を心がけることが望ましいです。
重要なのは、服装そのものよりも、故人様をしのぶ真摯な気持ちであるため、その心構えを大切にします。
2.【男性・女性・子ども】それぞれのお墓参りの服装
お墓参りには特定の服装が必須であるとは限りませんが、故人様への敬意を表するために適切な服装をすることは大切です。
法事とあわせてお墓参りをする場合は、特に三回忌までは喪服を着用します。普段のお墓参りでは普段着で問題ありませんが、過度にカジュアルでない、落ち着いた色合いの服を選ぶとよいでしょう。
男性、女性、子どものお墓参りの際の服装例を下表にまとめましたので、参考になさってください。
法事がある場合 (三回忌まで) |
左記以外 | |
---|---|---|
男性 |
・ブラックスーツ
・ネクタイ、靴下、靴は光沢のない黒色 |
暗めの色のスーツ
|
女性 |
・黒のアンサンブル・ワンピースなど
・無地であること |
・黒・紺色のアンサンブルなど
・目立たない色の織り柄なども可能 |
子ども |
・法事などの場合は、制服があれば制服を着用する
・通常のお墓参りの場合は私服でもよいが、だらしない服装は避ける |
3.目的別・お墓参りの服装の考え方【お盆・お彼岸など】
お盆やお彼岸、一周忌など、特別な目的で行うお墓参りの服装は、どのように考えたらよいのでしょうか。こちらで詳しくご紹介します。
お盆のお墓参り
お盆の期間中には、故人様の霊を迎えるためにお墓参りが行われることが一般的です。全国的には8月15日を中心とした前後であることが多いですが、東京都を含む一部地域では、旧暦の7月15日周辺をお盆の期間としています。
お盆のお墓参りの服装は、法要がない場合は通常通りの普段着でかまいません。しかし、過度な露出は控えるべきです。虫から肌を守る意味でも、露出度の高い服装は避けたほうがよいでしょう。
故人様が亡くなってから初めてのお盆を「新盆(にいぼん)」や「初盆(はつぼん)」と呼び、この期間には法要が行われることもあります。法要と併せてお墓参りをする場合には、喪服を着用するのが適切です。
春・秋のお彼岸のお墓参り
お彼岸は、春と秋のそれぞれ年2回あります。春のお彼岸は3月の春分の日を中日にした7日間、秋のお彼岸は9月の秋分の日を中日にした7日間です。
この期間は気候も穏やかなので、お墓参りには節度を保ちつつも、快適に過ごせる普段着が適しています。
なお、お彼岸の期間や持ち物などについて詳しく知りたい方は、「お彼岸の期間」の記事をご覧ください。
一周忌などの法事でお墓参りをする場合
四十九日や一周忌などの法事の際にお墓参りを行うケースでは、男女ともに喪服を着用するのがマナーです。しかし、七回忌以降は、徐々に日常へ戻る意味合いも込めて、略礼服(平服)を着るようにします。
略礼服とは、正装ではないものの、礼儀正しい服装を指します。男性は黒や濃紺などのスーツ、女性はモノトーンのワンピースやパンツスーツなどを着用しましょう。
命日のお墓参り
故人様の命日としては、亡くなった日と同じ月日の祥月命日(しょうつきめいにち)と、毎月訪れる月命日(つきめいにち)があります。
祥月命日のお墓参りでは、もし法事が行われる場合は、その法事に見合った服装を選びます。それ以外の場合は、無くなってからの期間に応じた服装を心がけましょう。
月命日のお墓参りでは、特に喪服を着用する必要はありませんが、落ち着いた服装を選びます。
節目の報告のお墓参り
入学、就職、結婚、出産など、人生の重要な節目を故人様に報告するお墓参りでは、節目にふさわしい、比較的フォーマルな服装を選ぶとよいでしょう。入学なら制服、社会人になるならリクルートスーツなど、報告の内容に合わせた服装にするのもおすすめです。
お墓参りで掃除をする場合
お墓の掃除を目的にお墓参りをする場合の服装は、汚れても大丈夫な服装を選びましょう。下はジーンズなどでも許容範囲です。水を使ってお墓の掃除をすることを想定して、長靴などを履いていっても問題ありません。
ただし、だらしない印象を与える服装は避けた方がよいでしょう。また、暑い日は汗をかくことを考慮し、着替えやすい服装にすることもおすすめです。
4.シーン別・お墓参りの服装【友人・喪中など】
実家のお墓参りだけでなく、友人や親族として他家のお墓参りに行くこともあります。そのような場合も、お墓参りの服装に関する基本マナーは変わりません。
ここからは、さまざまな立場やシーンに応じたお墓参りの服装のポイントを解説します。
友人のお墓参りの場合
友人のお墓参りの服装は、法事に参加する場合は、喪服を着ることもあります。通常のお墓参りの場合には、周囲の人に不快感を与えない範囲であれば普段着で問題ありません。
ただし、ご親族がお墓参りをしている可能性もありますので、控えめな服装を心がけることをおすすめします。もし服装に迷うなら、他の友人に服装について相談するなどして選んでもよいでしょう。
嫁として義実家のお墓参りをする場合
嫁の立場でお墓参りに行く場合も、マナーを守れば普段着でかまいません。モノトーンの色のワンピースやジャケットなど、きちんとした印象の服装がおすすめです。
掃除をするケースが想定されるときには、動きやすく、汚れても自分が気にならない服にしましょう。
彼氏・彼女のご家族とお墓参りをする場合
友人の場合のお墓参りの服装と、基本的な考え方は同じです。法事などではない限り、喪服を着る必要はありませんが、相手の家族との初対面かもしれないことを考えて、清潔感があり、好印象を与える服装を選びます。派手な色は避け、白や紺、グレーなどを基調にした服がよいでしょう。
喪中にお墓参りをする場合
法事がなければ喪服である必要はなく、基本的には普段着で大丈夫です。通常のお墓参り同様、派手な色やデザインの服装、露出の多い服装は避け、落ち着いた色調の服を着用するようにしましょう。
5.お墓参りの服装で注意すること
お墓参りの服装に特別な決まりはありませんが、最低限のマナーは必要です。
ここでは、お墓参りの服装で守るべきマナーをご紹介します。
過度に派手な装いにしない
お墓参りの際は、目立つ飾りや派手なデザイン・色の服装は適切ではありません。装飾が控えめで、色合いが落ち着いた服を選びましょう。アクセサリーもシンプルなものにするか、お墓参りのときだけアクセサリーを外すなどの配慮が必要です。
しかし、小さい子どもの服装に関しては例外です。子ども服は明るい色合いのものが多いため、だらしなくなければ通常の服装でかまいません。
ファー・毛皮の服や持ち物は避ける
毛皮やファーのついた服やコートは、動物の殺生を連想させてしまうため、お墓参りには不向きです。服だけでなく、皮のバッグやゼブラ柄の靴、ファーのチャームなどの小物も、お墓参りには適さないとされます。
フェイクファーであっても、見た目で区別はつきませんから、身につけるべきではないといえます。
肌の露出は控える
お墓参りでの服装は、肌の露出を控えめにすることが望ましいです。特に胸元が開いた服やノースリーブ、ショートパンツなどは避け、必要であればカーディガンや羽織もので対応しましょう。マナーを守ると同時に、日焼けや虫刺され、草木で怪我をすることの防止にも役立ちます。
6.服装以外で気をつけたい、お墓参りの持ち物
お墓参りでは、服装に配慮するのはもちろん、持ち物にも気をつけたいものです。
お墓参りの基本的な持ち物は、数珠とお供え物に関するもの、掃除道具です。手元にあれば数珠を持って行きましょう。
基本的な持ち物は、下記のとおりです。
・数珠
・花
・線香(仏式の場合) ・ろうそく
・お供え用の食べ物・飲料(持ち帰りが可能なもの)
・ライターもしくはマッチ
●掃除道具
・ほうきやちりとり
・バケツ
・軍手やゴム手袋(掃除の際に手を守る)
・スポンジや雑巾
・ゴミ袋(花やお供え物の包み、雑草などを持ち帰るため)
「お墓参りの持ち物」の記事でより詳細について解説しておりますので、あわせて参考になさってください。
7.お墓参りに行く前に押さえておきたい「基本マナー」
お墓参りに際しては、いくつかのマナーが存在します。無意識のうちにマナー違反をしないためにも、お墓参りに行く前に以下の基本的なマナーを理解しておくことが大切です。
午前から日中に訪れる
お墓参りに厳密な時間の決まりはありませんが、早い時間帯に訪れることで、掃除やお参りを落ち着いて行うことができます。多くの霊園では開園時間が設定されており、夕方には閉園します。多くの墓地では夜間照明がないため、足元が明るく危険が少ない日中に訪れることが望ましいです。
特に、秋のお彼岸や夏の暑い時期には、日差しが穏やかな午前中にお墓参りを行うとよいでしょう。
お供え物や包装紙類は持ち帰る
お供えした飲食物は、持って帰るのが原則です。お供え物をそのままにしておくと、カラスや猫などの動物が散らかしたり、お供え物が腐敗したりして、お墓が汚れてしまいかねません。花やお供え物の包装紙、箱なども同様に持ち帰りましょう。
ろうそく・線香の火は手であおいで消す
ロウソクや線香の火は、息を吹きかけて消さずに、手であおいで消すのがマナーです。仏教では、口から人の悪い行い(悪口・うそなど)が生まれると考えられています。そのため、人の口は不浄で、その口から出る息もまた不浄なものだとされているからです。
火を消すときは、故人様への敬意を表して、しゃがんで消すようにします。お墓参りの手順について詳しく知りたい方は、「お墓参りの手順」も参考になさってください。
8.お墓参りの服装に関するQ&A
墓地には、舗装された大きな道だけでなく、舗装されていない土や砂利の道、石の階段があることが多いです。また、お墓の周りは、一般的に芝生や砂利が敷かれています。これらの環境を考えると、滑りにくく歩きやすい靴が最適です。
たとえば、運動靴や革靴、お墓の掃除が主な目的であれば、墓石を水洗いしやすいよう長靴を選んでもよいでしょう。
お墓参りに着ていく服は、ほかのお墓参りに来ている方々の心情に配慮し、黒、グレー、茶色などモノトーンカラーを選ぶことが望ましいです。
故人様の好きだった色が赤だからということであれば、例外的に許容されるケースもあるかもしれません。しかし、あまりに目立つ色は、周りの方々に配慮して控えめにするのがよいでしょう。
ただし、赤色や黄色、緑色など、明るく目立つ色のネクタイや、光沢があって光って見える、また、柄が派手なネクタイは、お墓参りにはふさわしくないと考えるべきでしょう。グレーや紺、茶系などの落ち着いた印象のネクタイを着用することをおすすめします。
特に目立つ色や大きなデザインのアクセサリーは、控えるべきです。地味で小さなアクセサリーであれば、場合によっては許容されることもありますが、大きなアクセサリーを身につけて来た場合は、墓地に入る前に外すなどの配慮をするとよいでしょう。
9.故人様を思う気持ちを第一にしてお墓参りの服装を決めましょう
お墓参りの際に最も大切なのは、故人様を思う気持ちです。故人様に対する愛情や感謝の心を優先すれば、服装も自然とマナーに沿ったものになります。
お墓参りの服装に厳格なルールはありませんが、故人様に対する思いを重んじて、その日の目的や状況に応じて適切な服装を選ぶようにしましょう。
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