お墓参りは年末年始に行ってもいい?行ってはいけない日や持ち物についても解説

年末年始の帰省中に、お墓参りを考えている方もいるかもしれません。しかし、「年末年始にお墓参りをしてもよいのか」「行ってはいけない日はあるの」など、迷っている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、年末年始にお墓参りをする際のマナーや注意点、避けたほうがよいとされる日などについて詳しく解説します。年末年始のお墓参りの不安や疑問を解消し、ぜひ、気持ちよくお墓参りを行うための参考にしてください。

1.年末年始のお墓参りは問題ない?

年末年始のお墓参りは問題ない?
最初に、年末年始のお墓参りに問題はないのかについて解説します。

お墓参りは年末年始にしてもよい

結論として、お墓参りは年末年始に行っても問題はありません。特定の日にお墓参りをしてはいけない決まりはなく、年末年始にお参りをする方も多くいらっしゃいます。

ご先祖様へ1年間の感謝を込めてお墓を清掃し、きれいなお墓で新年を迎えていただくためにも年末のお墓参りはおすすめです。年始のお墓参りも、ご先祖様に新年の挨拶をし、健康と幸せを祈るなど、ご家族で集まって感謝の気持ちを伝えるよい機会となるでしょう。

お正月のお墓参りも問題ない

お正月のお墓参りも、特に問題はないと考えられます。お墓は、ご先祖様が安らかに眠る神聖な場所で、お墓参りを通してご先祖様と向き合うことは、縁起が悪い行いではありません。お正月は、地元を離れて暮らしているご親族が一同に集まる時期でもあるため、ご親族とともにお墓を訪れることは、たいへん意義深いといえます。

2.年末年始にお墓参りをする利点

年末年始のお墓参りは問題があるどころか、次のようなメリットがあります。

ご親族同士の絆が深まる

年末年始は、多くの方が休暇を利用して実家に帰省するため、普段なかなか会えないご親族が集まりやすい時期です。こうした時期に、ご家族やご親戚が一緒にお墓参りをすることで、ご先祖様への敬意が深まるとともに、ご親族同士の絆も強まるでしょう。

心を整える大切な節目になる

年末にお墓参りをし、ご先祖様へ1年を無事に終えられた感謝を伝えることや、敬意を込めて行うお墓掃除は、心を整えるための大切な節目になります。

晴れやかに1年のスタートが切れる

お正月は本来、幸福や健康をもたらしてくれる「歳神様」(としがみさま)やご先祖様の霊を迎える行事であるため、新年のお墓参りはその意味でも重要です。年始にご先祖様に新年の挨拶をし、今年の健康とご家族の幸福を祈ることで、晴れやかな気持ちで1年のスタートが切れます。

3.年末と年始、お墓参りにベストなのはどっち?

年末と年始、どちらがお墓参りに適しているのか、迷う方もいるかもしれませんが、結論から言えば、ご自身の状況や考え方で選んでかまいません。

年末のお墓参りは、1年の感謝を込めてお墓の掃除をし、清々しい気持ちで新年を迎えるのに適しています。一方、年始のお墓参りは、ご家族と一緒にご先祖様に新年の挨拶をする機会になります。

4.年末年始でお墓参りに行ってはいけない日はある?

お墓参りは、原則、いつ行ってもいいものなのですが、気にする人がいる日や宗教的に避けたほうがよいとされる日もあります。いくつか代表的な日をご紹介しましょう。

29日を気にする人もいる

お墓参りを29日に行うことに抵抗感を抱く人がいます。29という数字が、語呂合わせで「二重苦(にじゅうく)」を連想させ、「苦しみが重なる」というイメージから縁起が悪いとされるからです。

ただし、29を「福(ふく)」と読み替え、「福が増す」とポジティブに捉える人もいます。縁起に関する考え方は人によって異なるため、最終的にはご家族やご親族と相談して決めることをおすすめします。

31日を避けるべきと考える人も

12月31日のお墓参りは「一夜飾り」を連想させ、縁起が悪いと考える人もいます。一夜飾りとは、お正月の準備を前日の大みそかに急いで行うことを指します。ご先祖様への挨拶や供養も同様に、31日の慌ただしい日に行うのは失礼であると考えるのです。

初詣と同日のお墓参りは避けたほうがよいとされる

初詣とお墓参りを同じ日に行うことは、神道の考えから好ましくないとされています。神道では死を「穢れ(けがれ:活力が低下している状態)」と捉えています。お墓参りをしたあとに初詣に行くと、神社に穢れを持ち込むことになると考えられているのです。

初詣とお墓参りをどうしても同じ日にする必要がある場合は、初詣を先にすませたあとにお墓参りに行くことをおすすめします。ただし、お墓参りを「後まわしにした」と思われる可能性もあるため、あらかじめご家族に確認するとよいでしょう。

5.年末年始のお墓参りで注意すべき3つのこと

年末年始のお墓参りで注意すべき3つのこと

年末年始のお墓参りでは、特に以下の3つの注意点を心がけることが重要です。

霊園やお寺の参拝可能時間に注意

年末年始は霊園や寺院の参拝可能な時間が通常とは異なり、短縮営業であったり休業日があったりするため、事前に確認することが大切です。

管理事務所や売店が閉まっている場合もありますから、お花やお線香などの供物は持参すると安心です。さらに、普段利用している墓地でも、墓地への交通手段や周辺の運行ダイヤが変更されている可能性があるため、最新の情報を調べてから出かけましょう。

「ついで参り」は慎重に

「ついで参り」とは、他の予定と一緒にお墓やお寺、神社などにお参りをすることで、ご先祖様や仏様、神様に対して失礼な行為だと考える方もいます。

「ついで参り」についてはさまざまな意見があり、「大切にお墓参りを行う気持ちがあれば、ついで参りでもかまわない」とする僧侶もいらっしゃいます。どのようなお参りの仕方が適切かは、ご家族やご親族と相談し、皆さんの気持ちを大切にすることが重要です。

明るいうちのお参りがおすすめ

お墓参りは、明るいうちに行うことが理想です。特に冬場は日が短く、山間の墓地や霊園では、さらに早く暗くなることが予想されます。

安全のため、また寒さ対策のためにも、できれば日中の暖かい時間帯にお参りをすませましょう。日が昇りきる午前中の9時頃から、遅くとも午後3時頃までにはお参りを終えることをおすすめします。

6.年末年始のお墓参りの持ち物

年末年始のお墓参りの持ち物は、通常のお墓参りのときと同様です。以下で基本的な持ち物を以ご紹介します。

お供え

仏教では「五供」と呼ばれる5つの基本的なお供え物があります。具体的には、香(お線香)、花、灯(ろうそく)、浄水(お水)、飲食(食べ物)の5つです。

数珠

数珠は宗派によって形や玉の数が異なりますが、自分が信仰する宗派のものを持参してかまいません。仏教徒でない場合、無理に持っていく必要はありません。

掃除道具

お墓の掃除を予定しているときは、霊園や寺院に備え付けられていなければ、ほうきやちりとり、バケツなどを用意します。掃除後に出たゴミや使用した花の包装紙などを持ち帰るためのゴミ袋も忘れずに持参しましょう。

お墓参りに持参するものに関して、詳しくは「お墓参りの持ち物」の記事で解説しております。ぜひ、そちらをご覧ください。

7.年末年始のお墓参りで供える花の選び方

お墓参りの基本的な持ち物に花があります。ここでは、年末年始のお墓参りで供える花の選び方を解説します。

故人様が好きだった花

故人様の好んでいた花を選ぶことで、故人様をしのぶ気持ちを表現できます。ただし、特別な理由がない限り、一般的に棘があるなどタブーとされる花は避けましょう。故人様の好みがわからない場合は、お供えする人自身の好きな花を選ぶのもよいアイデアです。

年末年始を表す花

年末年始という特別な時期には、少し華やかなお花を選ぶ人も多く見られます。たとえば、南天やセンリョウ、葉牡丹、小さな松などは祝福や繁栄を象徴するため、年末年始の供花としてぴったりです。

長持ちする花

お墓参りで供える花には、長持ちする花を選ぶことも重要です。ストックや菊、梅の花などは丈夫で、冬場でも長く美しさが保たれます。生花店で「仏花」として販売されているものを選ぶと、比較的長持ちする花が集められているため安心です。

お墓参りのタイミングは、年に数回あります。お墓参りで供える花の選び方をあらかじめ知っておくと、季節に合わせて花を選ぶ楽しみも増えることでしょう。

8.年末年始が喪中でもお墓参りは可能

喪が明けていなくても、お墓参りを行うことに問題はありません。神道では、喪中あるいは忌中は、神社への参拝を控えるべきと考えられていますが、お墓参りについては問題ないとされています。

お参りをする際は、喪中であることを意識し、周囲へ配慮することが大切です。先ほどお備えとして松をご紹介しましたが、松は門松など新年のお祝いとして使用されることが多いため、喪中に持参するのは不適切と考える方もいらっしゃいます。派手な服装や装飾も避け、シンプルで落ち着いた服装でお参りしましょう 。

ただし、宗教やご家族によって喪中のお墓参りに対する考え方が異なる場合があるため、慣習やご家族の意向に配慮することが大切です。

9.年末年始のお墓参りでお布施が必要な場合

お墓参りの際のお布施は、状況によって異なります。お墓で僧侶に読経をしてもらった場合はお布施を用意する必要がありますが、読経を依頼しない場合は、お布施は不要です。お寺のお墓を訪れ、住職と面談する場合は、手土産程度でかまいません。

地域によっては読経を依頼していなくても、お墓参りの際に本堂を訪れ、住職にお布施を渡す習慣があるため、不安な場合は詳しい方に確認しておくと安心です。

10.年末年始のお墓参りは、故人様をしのぶ大切な機会です

年末年始のお墓参りは、ご家族やご親族が故人様をしのび、感謝の気持ちを新たにする貴重な機会です。特別な節目におけるお墓参りのマナーや注意点を知っておくことで、より心のこもったお墓参りが可能となるでしょう。故人様への感謝と敬意を込めてするお墓参りが、ご家族の絆を深める温かい時間となることを願っております。

お墓参りに関する疑問や不安は、花葬儀にご相談ください。花葬儀ではメンバーシップ制度「リベントファミリー」を通じて、経験豊富なスタッフがお客様の疑問を解決いたします。年末年始のお墓参りはもちろん、お墓参り全般に関して疑問や不安がある方は、お気軽にお問い合わせください。

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