お供え物の表書きは?種類やマナー、水引も解説
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
四十九日、一周忌や三回忌などの法事・法要、また、お盆やお彼岸などで、お供え物を持参する場合があります。お供え物は、故人様やご先祖様へ捧げるものですから、マナーに欠くことなく、正しく、用意をしたいものです。
そこで今回は、お供え物の「のし紙」(かけ紙)の選び方や、表書き、水引の種類など、お供え物を準備する際に役立つ情報をご紹介します。これを機会に、お供え物のマナーを知っておきましょう。
1.お供え物とは?
お供え物とは、故人様やご先祖様へ、弔う気持ちや感謝を表すために捧げるものです。
四十九日や一周忌などの法要や、葬儀に参列できず後日ご自宅に弔問する際にお供え物を持参することがあります。お盆やお彼岸などのとき、親族宅に挨拶に行く際に持参する場合もあるでしょう。近年では、物ではなく現金を包むケースが増えているものの、お供え物で気持ちを届ける方法をとるケースも少なくありません。
ちなみに、お墓や仏壇に日常的にあげるお線香やお菓子なども、お供え物に当たります。
2.お供え物の「のし紙」は?
お供え物は、敬意を示す「のし紙」をかけてお渡しするのがマナーです。
のし紙とは、紙の右上に「のし(アワビ貝を薄くのして干した飾り)」がついていたり印刷されていたりするものを指し、お祝い事などの慶事の贈り物で使われるものです。
弔事のお供え物では、のしが印刷されていないものを使うのがマナーで、のしのついていないものを「かけ紙」といいます。したがって、弔事においては「のし紙」ではなく「かけ紙」というのが正確ですが、一般的に、かけ紙も含めて、のし紙と呼んでいるのが現状です。
3.お供え物の表書き~種類は5つ~
お供え物の表書きは、お贈りする場面や、地域によって違いが見られます。
ここでは、お供え物の表書きとして主に使われる5つをご紹介し、それぞれを使うに適した場面について解説します。
御供
場面を選ばずに使用できる表書きが「御供(おそなえ)」です。仏教、神道で共通して使用できる表書きです。
宗教・宗派が分からない場合など、表書きに悩んだ際に使用することをおすすめします。
御霊前
仏教においては、四十九日前は仏になっていないために「御霊前(ごれいぜん)」の表書きが使われます。
ただし、浄土真宗では、逝去後、すぐに仏になるという考えであるため、「御霊前」が使われることはなく、「御仏前」が使用されます。
御仏前
四十九日後、故人様は成仏し、霊から仏になるものとされています。そのため四十九日法要以後のお供え物には「御仏前(おぶつぜん)」の表書きを使います。「御佛前」と表記してもよいでしょう。
初盆御見舞
故人様が亡くなってから初めて迎えるお盆のことを「新盆(にいぼん・しんぼん・あらぼん)」、もしくは「初盆(はつぼん・ういぼん)」といいます。
初めてのお盆でお供え物を用意する場合には、「新盆御見舞(にいぼんおみまい)」という表書きのかけ紙が適しています。
喪中御見舞
近年では、身内だけで葬儀を済ませる方が増えていて、喪中ハガキが送られてきて訃報を知るケースもあるでしょう。
葬儀後に故人様の訃報を知り、お悔やみの気持ちを込めて贈るお供え物には「喪中御見舞(もちゅうおみまい)」という表書きのかけ紙を使います。
4.お供え物の水引は?
お供え物には、未開封である封印の意味や、贈り物を清めるという意味で水引をかけます。元々は、麻紐や綿糸などを用いて実際に結んでいましたが、現代では簡略化され、かけ紙に水引が印刷されているものを使う方法が一般化しています。
水引のかたちは?
お供え物で選ぶべき水引のかたちは「結び切り」です。結ぶとほどけない結び目で、不幸を「一度きりにしたい」「繰り返したくない」という気持ちを表します。
水引の色は?
水引の色は、主に黒白の水引が使われ、四十九日法要以降は、双銀や黄白の水引も使われます。関西や北陸では、四十九日法要から黄白の水引が多く使われています。ただし、三回忌までは黄白の水引は使わない地域もあるので注意しましょう。
お盆は、多くの地域で黄白の水引が使用されるようです。
水引の色は、地域による違いやご親族の習わしもあるため、迷ったときには事前に確認しておくことをおすすめします。
5.お供え物の表書きのマナーは?
お供え物の表書きにはマナーがあります。お供え物を用意する場面で困らないように、表書きのマナーを心得ておきましょう。
名前はフルネームで書く
かけ紙の表書きの下のスペースには、贈る人の氏名をフルネームで書きます。
連名でお供え物を贈る場合には、立場が上の人の氏名を右側にして、フルネームで並べて書いていきます。夫婦の場合には、右側に夫のフルネームを書き、左側に妻の名前だけを記載するのが一般的です。
連名で記載するのは、3名までとし、4名以上の人数で贈る場合には、代表者の名前を書き、その左側に「有志一同」や「他一同」とするか、「〇〇一同」などのみを記載するのが通例です。
書く墨は四十九日法要の前後で異なる
四十九日法要よりも前は、涙で墨が薄まった、または突然の訃報で準備がままならなかった状況を示すために薄墨を使用して書くのが一般的です。そして、四十九日法要以後は普通の墨を使ってかまわないとされています。
お供え物のかけ紙に名前を書く際には、筆、もしくは筆ペンで書きましょう。鉛筆やボールペンはあまりにも簡易的で失礼だと捉える人もいるため、使用は控えましょう。
蓮の花の絵柄は仏式のみ
かけ紙の中には、絵が描かれているものがあります。その中で蓮の花が描かれたものを多く見かけますが、それは仏教用のかけ紙です。
蓮の花は仏教の花として知られ、蓮の花の絵柄のかけ紙は、仏式の法事・法要で持参するお供え物でのみ使うものです。キリスト教式や神式の法事では使えませんから気をつけましょう。
6.お供え物の予算と選び方は?
お供え物を用意しようと思ったとき、どんなものを用意すればいいのか、いくらくらいの金額のものを用意すべきか、悩まれる場合があると思います。
ここでは、お供え物の予算と選び方について解説します。お供え物に相応しい選び方を理解しておきましょう。
お供え物の予算
お供え物の予算は、明確な決まりがないため、一般的な金額相場を参考に検討する必要があります。また、お供え物の金額の相場は、用意する場面や状況、故人様との関係性によっても異なります。
通夜や葬儀のお供え物としては、5,000〜10,000円程度が相場とされています。法事・法要、お盆などの場面でお供え物を用意する際には、3,000円程度以上が相場です。
故人様との関係が近いほど多めに包む傾向が見られます。ただし、高すぎるお供え物だとご遺族に気を使わせてしまうため、あまりに高い金額のものは避けましょう。
また、法要後に会食などが予定されている場合には、お供え物とは別に、お食事代として5,000〜10,000円程度の現金を包んで持参するケースも多く見られます。
これらは、一般的な相場で、地域やご親族の独自の習わしがある場合もあります。上記の予算はあくまでも参考程度とし、事前に近しい方に相談して予算を決めることをおすすめします。
お供え物の選び方
お供え物は、何を選んでもよいわけではありません。ふさわしくないものをお贈りしてしまうと、せっかくの行為が失礼だと思われてしまうことにもなるため、ここでは、お供え物の選び方をご紹介します。
消えものを選ぶ
食べ物や、お花、お線香などのように、あとに残らないものを選ぶのが一般的です。
「悲しみをあとに残さない」という意味を込めて、受け取ったご遺族が、食べきれるもの、使いきれるものなどの消えものを選びます。
日持ちするものを選ぶ
飲食物をお供え物として選ぶ場合には、賞味期限が長く、日持ちするものを選ぶとよいでしょう。
お供え後に、お供え物をご遺族で分け合って食べることは、供養の一環と考えられています。そこで、すぐに傷んでしまうような飲食物は避けることをおすすめします。
ただし、宗派によっては、お供え後、お供え物を食べるべきではないとの教えである場合もあるので注意しましょう。
故人様が好んだものを選ぶ
故人様のことを思い、故人様が生前好きだったものを捧げるのは、一番の供養になるかもしれません。
上記の「消えものを選ぶ」「日持ちするものを選ぶ」を踏まえ、故人様の好んだものをお供え物として選ぶと、ご遺族も喜ばれるでしょう。
7.まとめ
お供え物は、故人様、ご先祖様へ供養の気持ちや、ご遺族に対して故人様を想う気持ちをカタチにして届けるものだといえます。お供え物をお贈りする相手の気持ちに軸を置いて届けることが大切なのはもちろん、お供え物には、昔から大切に受け継がれてきたマナーや慣習がありますから、そのマナーを守れば、相手が誰であっても気持ちよく受け取ってもらえることでしょう。
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