納骨堂の費用、メリット・デメリットとは?種類や契約までの流れも解説

納骨堂の費用、メリット・デメリットとは?種類や契約までの流れも解説

「納骨堂」は、遺骨を納骨する室内施設です。一般的なお墓をお持ちの方には親しみのない場所ではありますが、お墓の在り方に対する考え方が変わっている昨今、納骨堂は注目を集めています。
そこで今回は納骨堂の意味や相場、メリット・デメリットについて詳しくご紹介します。

1.納骨堂とは?

納骨堂とは、遺骨を収めることのできるお墓のひとつです。お墓の種類は「一般墓」「永代供養墓」「樹木葬」「納骨堂」と大きく4つに分けることができ、屋内にある納骨堂は、その多くが承継を前提としないことが特徴です。

納骨堂に収められた遺骨は、利用期間が終了すると合祀(ごうし)され、永代にわたって供養されます。そのため、無縁仏になる心配がありません。

納骨堂はもともと、遺骨を墓石に納骨するまでの一時保管場所として利用されていましたが、天候に左右されない屋内であること、また、多様化するライフスタイルに適応できることなどからニーズが高まり、屋外に建てるお墓の代わりとして利用されるようになりました。

今では郊外型だけではなく、都心型や最新技術で管理されたタイプなどの新しい納骨堂が建設され、耳にする機会が増えています。

2.納骨堂の歴史

納骨堂の歴史

納骨堂の歴史は古く、奈良時代にはすでに「霊廟(れいびょう)」や「納骨檀」などといった名称で存在していたようです。天皇家や豪族などの上流階級の人々が自分たちの英華存続を願い、建物の中に死後の体を安置していました。

また、現在の納骨堂の役割に近いものになったのは、昭和の始まり頃だといわれています。遺骨をお墓に納骨するまでの間、お寺に依頼金を支払って一時的に預かってもらうようになったのが始まりのようです。

その他にも、先祖の遺骨を菩提寺に預ける九州の風習や、雪でお参りができない冬季に遺骨をお寺に預ける北海道の文化などから、納骨堂が生まれたという説もあります。

3.納骨堂の運営はどこが行っているの?

納骨堂の運営には寺院、民営、公営の3つがそれぞれ関わっています。基本的に宗教・宗派を問わず、無宗教でも利用することができます。

寺院

寺院が運営する納骨堂は、基本的に寺院の境内の中にあります。

一般的に寺院が管理するお墓に納骨する際には、そのお寺の檀家に入る必要があり、お布施や寄付金を支払うことがあります。

しかし、寺院が運営する納骨堂については、檀家に入る必要がなく、宗教宗派を問わず誰でも利用できるところが多いというのが特徴です。その代わり、運営しているお寺の作法にのっとって供養されることが多いようです。中には、寺院の宗派に限定されている場合もあるため、事前に確認しましょう。

企業・社団法人

お寺から委託された企業や社団法人が運営している納骨堂は、施設によってサービスや条件が大きく異なります。立地も駅から近いところや、遠く離れた郊外などさまざまです。選択肢が幅広いのが特徴ですが、他と比べて倒産や解散のリスクがあり、契約前の確認が不可欠です。

宗教による制限がなく誰でも利用することができますが、故人様が信仰していた宗教にのっとって供養をしてもらうこともできます。

公的機関(自治体など)

都道府県や市町村といった公的機関が運営する納骨堂では、納骨堂のある自治体に一定期間以上住んでいたことが条件となることが一般的です。また、既に遺骨が手元にある方を優先的に契約するというルールもありますが、宗教の制限はありません。

また、民間企業の運営と違い倒産のリスクはなく、価格も比較的安いといえるでしょう。しかし、その分競争率が高く、サービスや設備の質が民間の納骨堂に比べて物足りないと感じることがあるかもしれません。

4.納骨堂が増加している理由

納骨堂が増加している理由

納骨堂が増えている背景には、人々の供養に対する考え方が変わってきているという点が挙げられます。

かつては家単位でお墓を建て、家族が代々承継していくことが当たり前でしたが、現代では以下のような理由からお墓の建立・承継を考え直す人が多いようです。

・お墓の承継者がいない
・都市に人口が集中し、新たにお墓を建てるスペースが減少している
・核家族化による、小規模なお墓へのニーズが高まっている

昔のように一カ所にいつまでも住み続ける人は減少してきており、少子高齢化やライフスタイルの多様化から、個人・少人数単位でのお墓を希望する方が増えています。また、お墓の管理・供養にはお金も多くかかるため、負担を減らしたいと考える人もいるようです。

金銭的負担が少なく承継者が不要な納骨堂は、このような方たちのニーズに合っているといえるでしょう。

5.納骨堂がおすすめの人は?

さまざまな形態があるお墓の中から納骨堂の利用に向いている人は、以下の項目に当てはまることが多いようです。

お墓の承継者がいない人

お墓の承継者は、定期的にお墓の管理や供養を行います。亡くなった方のお子様が承継者の役割を担うことが多く、この承継者がいないとお墓は無縁墓(むえんぼ)となり、荒れ果て、やがて撤去されてしまいます。そのため、現在承継者のいない方にとっては、自分のお墓を持つことにためらいを抱いてしまうこともあるでしょう。

納骨堂は一般的なお墓と違い永年利用ではありません。お墓の承継者がいなくても利用できる施設であるため、承継者がいない人にもおすすめです。

お墓を子供に継がせることが不安な人

承継者になることのできるお子様がいても、未婚である、孫がいないなどの理由で将来的な承継の見通しが立っていないこともあります。

また、お子様自身が承継を拒否した、お子様に負担をかけさせたくないなどという考えから承継者を立てない方もいます。

納骨堂の場合、契約時に利用期間を決めることができますし、承継者がいなくても無縁仏になる心配はありません。お墓の掃除や管理の手間の必要もなくなるのでお墓を継がせることに不安のある方にはおすすめです。

1人~2人だけが入れるお墓を探している人

先祖代々から受け継がれたお墓ではなく、1人、もしくはご夫婦や大切な方と2人だけで埋葬されたいという方にも、納骨堂はおすすめです。

納骨堂は利用人数ごとの価格設定になるため、少人数での埋葬にも適しています。

お墓にお金をかけたくない人

お墓の建立には150~200万円ほどかかるといわれ、建てた後も管理・修繕に伴う出費やお墓の年間使用料などが定期的に発生します。

これとは逆に、費用をおさえた合祀墓・合葬墓などの埋葬方法の場合、費用はさほどかからなくても「供養などの内容が簡略化する」「初めから他人と一緒に埋葬される」などの条件が付加されるため、決断に悩んでしまうこともあるようです。

納骨堂であれば一般的なお墓を建てるよりも安価に購入でき、個人や少人数での納骨が可能です。さらに、回忌法要(一周忌や三周忌に執り行われる法要のこと)までは供養が行われるため、故人様や残されたご家族にとっては納得感を得やすい埋葬方法といえるでしょう。

墓じまいをしたい人

将来、承継者がいなくなり、お墓が荒れ果てて撤去されてしまう前に、先祖代々のお墓を自ら申請して撤去することを「墓じまい」といいます。

墓じまいによって墓石は撤去されますが、収められていた遺骨は残るため、新しい供養先として納骨堂を利用することができます。

6.納骨堂の種類とその特徴は?

納骨堂の種類とその特徴は?

一口に納骨堂といっても、さまざまな種類があります。「費用を抑えたい」「少人数で利用したい」「アクセスのいいところにしたい」「デザイン性の高いところにしたい」など、ニーズを挙げていくことによって、どのような納骨堂を選べばよいのかが分かってきます。

ここでは、代表的な5つのタイプについてご紹介します。

仏壇型

仏壇型は、上段に仏壇、下段に納骨スペースを備えた納骨檀が横並びに配置されている納骨堂です。「霊廟型(れいびょうがた)」ともいいます。

寺院が運営する納骨堂は仏壇型であることが多く、上段の仏壇の扉を開くと遺影やお供え物を置くことができます。1人用、2人用の他、8~10人ほどの遺骨を収めることのできる広さもあり、場所によっては家族で代々受け継ぐことも可能です。

ロッカー型

ロッカー型は、扉付きの納骨スペースがロッカーのように並んでいるタイプです。扉を開いて参拝するものと、納骨檀の前にあるご本尊に向かって参拝するものと、大きく分けて2種類あります。

仏壇型に比べてスペースは狭いですが、個別に納骨できるという特徴があり、施設によっては故人様の思い出の品や写真を一緒に入れることも可能です。

墓石型

墓石型は、屋内に小さい墓石が並んでいるタイプです。屋外にあるお墓と違い、天候に左右されずにお墓参りができるメリットがあります。一般的なお墓と同じように、お花やお線香をお供えできるところもあります。

墓石型は、利用料の他に墓石代がかかるため、納骨堂の種類の中では高額になるタイプといえるでしょう。

自動搬送式

納骨堂の中で最も新しいタイプが自動搬送式です。コンピューターで制御される自動搬送式では、お墓参りの時にICカードをかざし、タッチパネルを操作することで、格納されていた位牌や骨壺が自動的に参拝スペースまで移動します。

自動搬送式は人口が密集している都市部に多く、ビルが丸ごと納骨堂になっているものがあることから「マンション型」「ビル型」とも呼ばれます。

参拝時にはスクリーンに遺影が投影されたり、故人様が好きだった音楽が流れたりするなど、今までと一風変わった参拝ができることが特徴です。

位牌型

位牌型は、ひな壇上に位牌を並べるタイプです。位牌を置くだけですので、遺骨は別の場所に保管されることがあります。位牌と遺骨を分けて収容する場所では個別の参拝スペースはありませんが、費用が抑えられるというメリットがあります。

その他(合祀型・合葬型)

その他には、「合祀型(ごうしがた)」「合葬型(がっそうがた)」と呼ばれる納骨堂もあります。骨壺から遺骨を取り出し、他人の遺骨と一緒に永代供養塔の中に収めるタイプです。

合祀型・合葬型は、最も費用を抑えることができますが、一度合祀・合葬してしまった遺骨は他人のものと見分けがつかなくなるため、回収できなくなるという注意点もあります。

※合祀について詳しくはこちらの記事でもご紹介しております。ぜひ参考になさってください。

7.納骨堂のメリット・デメリット

よいお墓選びのためには、よい点も悪い点も知る必要があります。そこで納骨堂のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

メリット

納骨堂のメリットは大きく分けて6つあります。メリットとして1番に挙げられる「一般的なお墓を建てるよりも費用を安く抑えられる」という点についても、詳しく解説します。

少人数で利用すると、費用が安く済む

一般的なお墓を新しく建てようとすると、墓地と墓石代が必要ですが、納骨堂では墓石代がかからないため、屋外にお墓を建てるよりも安く済ませることができます。

費用は施設によって差がありますが、基本的に利用人数ごとに価格設定があるため、1人もしくは2人など、少人数になればなるほど、さらに費用を抑えることができます。

天候に左右されず、快適にお墓参りができる

納骨堂は屋内にある施設ですので、雨や雪、極端に気温が高い夏、厳しい寒さの冬でも関係なく、快適に参拝することができます。

お墓の掃除や管理の手間がかからない

一般的なお墓ですと、定期的にお墓の掃除や修繕が必要になりますが、納骨堂なら、野外で雨風にさらされることもないため、汚れも劣化もほとんどありません。

掃除用の道具を持たずに参拝できることも、魅力のひとつです。

駅近の施設なら、アクセスも抜群

遠く離れた墓地にお墓があると、お墓参りの移動だけでも大きな負担になります。人口過密部にある納骨堂は、生活圏内に建てられていることが多く、駅から徒歩で通えるなどの利便性があります。

アクセスのよい場所に納骨堂があることによって、お墓から納骨堂へ骨壺を移転させることも簡単にできます。

無縁仏になる心配がない

無縁仏とは、お墓の承継者がいなくなった仏様のことをいい、無縁仏の眠るお墓(無縁墓)は管理がされないため荒れ果ててしまいます。

納骨堂ではそのような心配はなく、承継者がいなくても遺骨は供養され、利用期間が満了すると合祀墓へと移し、永代供養してくれます。

安心して眠ることができるというのも、納骨堂を利用する大きなメリットといえるでしょう。

宗教・宗派は関係なく利用できる

寺院にある一般的なお墓を利用するには、そのお寺の宗派であることが求められますが、納骨堂では、そのほとんどにおいて宗教の有無、種類ともに関係なく利用できます。

デメリット

納骨堂を利用するデメリットは、大きく4つに分けることができます。

遺骨は最終的に合祀される

「納骨堂とは?」でも触れたように、納骨堂を利用できる期間はあらかじめ決まっているため、利用期間を満了した後は他の人の遺骨と共に合祀されることがほとんどです(更新料を払うと引き続き保管が可能な場合もあります)。

そのため、後になって遺骨を「お墓に移したい」「手元に残したい」と思っても、見分けがつかなくなっているため取り出すことができません。

納骨スペースには制限がある

遺骨は骨壺に入った状態で納骨堂に収められます。そのため、骨壺を置くスペースが足りなくなってしまうと、新たにスペースを購入する必要があります。

ゆったりとお墓参りができない可能性も

個別に納骨していたとしても、納骨堂は他の人とのスペースがほぼ密着しているため、お盆の時期には混み合う傾向があります。

また、納骨堂によっては参拝場所が共用になっているところや、火災防止のためお線香を禁止しているところがあるので、一般的なお墓参りに慣れている人にとっては窮屈に感じてしまうでしょう。

災害による不安

災害への心配はどのお墓にもあるものです。例えば大きな地震が発生した場合、墓石が壊れることもあるでしょう。とはいえ、一般的なお墓の場合、遺骨はコンクリートで作られたカロート内に納められているので、仮に墓石が倒壊しても、中の納骨スペースは無事だったということがあります。

自動搬送式などにみられるビル型の納骨堂ですと、もし建物が倒壊した場合、供養していた遺骨が手元に戻らない可能性も十分考えられます。建物の耐震対策や、万が一の保証などについては事前に確認しておくようにしましょう。

納骨堂種類別 メリット・デメリットまとめ

最後に、「納骨堂の種類とその特徴は?」で挙げた「納骨堂の種類別」のメリット・デメリットをご紹介します。

納骨堂種類別 メリット・デメリット
種類 メリット デメリット
仏壇型
・家族代々の遺骨を納骨できる
・位牌やお供物をおける
・費用が高め
・宗教観が強い
ロッカー型
・個別の納骨ができる
・思い出の品が入れられる
・スペースが狭い
墓石型
・一般的なお墓に近い墓石が置ける
・墓石代が別途必要
自動搬送式
・立地に優れ、アクセスがよいところが多い
・お参りスペースが個別になっているケースが多いため、落ちついてお参りができる
・停電すると参拝が不可
位牌型
・費用面の負担が少ない
・個別での参拝スペースが少ない
合祀・合葬型
・費用面の負担が最もが少ない
・他人の遺骨と共に埋葬された

納骨堂の中にも種類が複数あるため、種類別の特徴を理解した上で選択されることをおすすめします。

また、それぞれの費用相場については、この後の「納骨堂の相場は?」をご参照ください。

8.納骨堂のプラン

納骨堂のプラン

納骨堂を契約する時には、利用期間を選択します。期間は各施設によって異なりますが、三回忌、十三回忌、三十三回忌といった、法要の節目に合わせたプランを用意している納骨堂が多いようです。

利用期間は後で変更したり、期間満了後に新たに使用料を支払って延長したりすることができる施設もあります。

9.納骨堂の相場は?

一般的なお墓の新設には150~200万円ほどがかかると説明しましたが、それで終わりというわけではなく、その後も入檀料、お布施、法要時の僧侶の読経料など、必要なお金はかさんでいきます。

納骨堂の場合は、基本的に「永代供養料」と「納骨堂の管理料」がかかるだけです。契約時に一括払いが必要なところ、毎年1万円程度を支払い続けるところなど支払い方法は納骨堂によっても異なりますが、いずれにしても一般的なお墓を建てるよりも安価に済ませることができるでしょう。

ここでは、納骨堂の相場について、タイプ別にご紹介していきます。

仏壇型

上段が仏壇になっている仏壇型は、装飾が他のタイプに比べて華美なため、その分価格の相場も高めに設定されています。

コンパクトで装飾が少なく、収骨人数も少ない仏壇型は50万円、家族単位で納骨できるタイプが100万円、豪華なタイプの場合は150~200万円ほどが目安です。

ロッカー型

ひとつのスペースに納骨できる数が限られているロッカー型は、比較的安価な部類に入ります。20~80万円ほどを目安と考えましょう。上段より下段の方が安価となる傾向があります。

墓石型

墓石が必要となるため、100万円を超えることが多いようです。

自動搬送式

都心の好立地に建っていることが多く、コンピューター制御で運営している自動搬送式は少人数利用で70万円、複数人利用だと150万円程度が目安です。

位牌型

位牌を置くだけの位牌型の場合、占有スペースがとても狭いため、納骨堂の中でも安価に利用することができます。10~30万円程度が目安となります。

その他(合祀型・合葬型)

一か所に遺骨を埋葬し、スペースを新たに必要としない合祀型・合葬型は10~30万円程が相場です。

追加料金が必要になる場合も

納骨堂の費用は「永代供養料」と「管理費」とご説明しましたが、契約時に選択したオプションによっては追加で費用が発生することもあります。

比較的選ばれるサービスは以下の通りです。

・銘板彫刻料
銘板というネームプレートに戒名や故人様のお名前、享年、命日などを彫刻するサービスです。施設によっては、永代供養料に含まれていることもあります。

彫刻料は3~5万円程度ですが、戒名を入れるには戒名をお寺からいただくための費用としてさらに5万円以上が必要となります。

・僧侶へのお布施
納骨堂ではお盆などの時期に合同法要を行いますが、故人様の命日に個別で法要してもらいたい場合は法要料を支払い、僧侶を呼ぶことも可能です。読経に関するお布施は3~5万円を見ておきましょう。

お布施の金額は宗派や地域によって変わるため、納骨堂の管理者か、お寺に確認すると安心です。

※お布施の金額については、こちらでもご紹介しておりますので、参考になさってください。

もっと費用を安く抑えるためには?

納骨堂を運営している母体のうち、自治体が持つ納骨堂は、比較的安価で利用できます。また、納骨堂は利用人数によって金額が変わるため、家族単位ではなく1人や2人などの少人数での利用の場合は費用を抑えられるでしょう。

他には、都心から離れたアクセスの悪い場所にある納骨堂を利用したり、利用期間を短めに設定したりすると、さらに価格は抑えられます。

ご自身の都合に合った条件で検討してみましょう。

10.納骨堂を契約するまでの流れ

納骨堂の利用を検討してから契約するまでには、以下のステップを踏むとよいでしょう。

1.納骨堂の情報を集め、どんなタイプの納骨堂に入りたいかを考える

大切な遺骨を預ける場所ですので、まずは事前情報を集めるところから始めましょう。お住まいの地域にどのくらいの納骨堂があるのか、どのようなタイプの納骨堂が合っているのか、広告や雑誌、ネットを使って探します。

2.問い合わせをし、資料請求をする

気になる納骨堂を見つけたら、資料請求をし、見学の予約を入れましょう。候補が複数ある場合は、資料をもとに検討します。

この時点で納骨堂の利用についての予算や、納骨堂のタイプをある程度決めておくと、その後の決定がスムーズになります。

3.現地見学に行く

資料だけでは分からないことが、現地見学で分かることもあります。施設内やスタッフの雰囲気、自宅からのアクセスはどうかなどを実際に体験することで、把握できます。

見学の時には疑問が残らないよう、案内してくれるスタッフには遠慮なく質問をしましょう。

・利用期間を過ぎた後の遺骨はどのように取り扱われるのか
・万が一納骨堂を運営しているところが破綻した時、収蔵されている遺骨はどうなるのか

特に、上記の2点について説明がなかった場合は、確認しておくと安心です。

4.契約

納得のいく納骨堂が見つかったら、利用契約をします。契約には指定書類の提出、申込書類の記入、判子が必要です。費用を支払うと契約は完了するため、遺骨が手元に渡った後、納骨をすることができます。

11.納骨堂と永代供養墓との違い

納骨堂と永代供養墓との違い

納骨堂とはもともと、お墓に埋葬するまでの一時的な間、遺骨を預かってもらう場所として使用されていたということはご説明しました。一方「永代供養墓」は、お寺で永代(寺院が存続するまでの間という意味)に渡って遺骨を管理・供養してくれるお墓のことを指します。

2つはそれぞれ対立的な意味を持っていましたが、近年では納骨堂を永代利用するケースも増えてきており、現在では以下のように捉えることができます。

◆納骨堂・・・・・・・・遺骨を屋内の納骨スペースに収める施設
◆永代供養墓・・・・・・墓地の管理者に遺骨を永代に渡って管理・供養してもらうお墓

ただし、定義が統一されているわけではないため、もともとの考え方にのっとっている寺院もあります。納骨堂を検討する際には、具体的にどのような施設なのかを確認しておくと安心です。

12.納骨堂は遺骨を収蔵し管理・供養してくれる室内施設

納骨堂とは、遺骨を屋内に収蔵する施設のことです。一般的なお墓に納骨をするとなると、承継者を立てたり継続的な管理が必要となったりしますが、屋内施設である納骨堂にはそういったことは必要なく、無縁仏になる心配もありません。

金銭面においては、一般的なお墓よりも安価になるというメリットがありますが、複数種類ある納骨堂のタイプの中から自分に合うものを探さなくてはならず、利用期間が終了すると他人の遺骨と共に合祀されるため、人によってはデメリットと感じることもあるかもしれません。

納骨堂を検討する際には、情報収集と現地見学を行い、後々後悔しないよう慎重に選びましょう。

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