社葬参列のマナー~連絡を受けたらやるべきことは?服装と持ち物も解説~
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
社葬は、会社が主体となって行う葬儀のことです。一般葬や家族葬など個人が行う個人葬とは違い、一般的に規模が大きいケースが多く、ほかの会社の方々も参列するので、いつも以上にマナーに気をつける必要があります。
そこで今回は、社葬の連絡を受けたら何をすべきか、また、参列するときの服装や持ち物など、参列する際のマナー全般について解説します。
【もくじ】
1.社葬の連絡を受けたら行うべきこと
社葬の連絡を受けたら、以下の2点をすみやかに行いましょう。
社葬の内容を確認する
社葬の連絡がきたら、まずは次に挙げることをしっかり確認しましょう。
- ・いつ、どこの誰が亡くなったのか
- ・通夜の日時と場所
- ・葬儀・告別式の日時と場所
- ・葬儀委員長は誰なのか
- ・担当の葬儀会社の名前と連絡先
- ・香典や供花・供物を辞退しているかどうか
近年は、香典の受け取りを辞退している場合がほとんどですが、供花・供物は受け付けている場合があります。
案内状などに香典辞退の記載がない場合は、香典や供花・供物を辞退していないかどうか、念のため先方に問い合わせて確認することをおすすめします。
参列者を誰にするか決める
社葬の内容を確認したら、次に「いつ」「誰が(何人)」参列するかを決定します。具体的には次のことを決めましょう。
- ・通夜に出席するのか(出席するなら誰か・何人か)
- ・葬儀・告別式へ誰が参列するか(何人か)
- ・手伝いを派遣するか(行かせるなら誰か・何人か)
※通夜は社葬としてではなく、身内のみで行う場合があります。
社葬の参列者は、故人様より役職が下である人では失礼になるので、同等以上の役職者を選びます。通常は役職がない人がやり取りしている場合でも、故人様が社長であれば故人様への敬意を示すためにも社長が参列するのが礼儀です。
ただし、役職が下でも故人様と深い親交があった方の参列に関しては、社内で協議の上、参列するかどうかを決めます。
2.社葬に参列できない場合に行うべきこと
社葬の連絡が届いた場合、葬儀に参列するのが基本ですが、どうしても社長等が参列できない場合もあります。そこで、社葬に参列できない時の対応方法について説明します。
代理人を立てる
故人様と同等以上の役職者に、どうしてもはずせない用事が入っているなどして参列できない場合は、代理人を立てます。
故人様の役職にできるだけ近い人を代理人とし、代理人は本来参列すべきだった役職者の名刺を持って参列します。
弔電を打つか香典や供花・供物を送る
代理人の参列も難しい場合は、弔電を打つ、もしくは香典や供花・供物を送ることで弔いの気持ちを示します。
弔電の宛名は会社名ではなくご遺族の名前とし、届け先は故人様の自宅にするのが一般的です。故人様の自宅がわからない場合には、先方に問い合わせてもマナー違反にはなりません。
3.社葬に参列するときの服装マナーは?
社葬に参列する際にどのような服装を選択すればよいのかについて、男性と女性に分けて説明します。
男性の場合の服装
基本的には、黒色のスーツに白ワイシャツと黒のネクタイを着用します。社葬を行う会社から、モーニングスーツ、あるいは平服や略礼服での参列を依頼された場合には、指示に従いましょう。
かばんは、黒のビジネスバッグであれば問題ありません。
女性の場合の服装
黒色か紺色のスーツ、またはワンピースを着用します。スカートは、ある程度長めのものにしましょう。
メイクや髪形は、落ち着いた印象になるように注意します。
靴は、やはり黒色でヒールの高いものは避けます。バッグも黒で金具などが目立たないものを選んでください。
葬儀の服装や持ち物などのマナーについては、こちらの記事が参考になります。
葬儀の服装・持ち物・身だしなみ ~知っておきたい身支度マナー~
https://www.hana-sougi.com/blog/funeral-outfit
4.社葬に参列するときに持参するものは?
社葬に参列する際には次に記載するものを忘れずに持参しましょう。
数珠
仏式の葬儀には、数珠を持参します。数珠の種類は、本式数珠と略式数珠がありますが、略式数珠は宗派を問わず使用できるので便利です。
香典
一般葬では基本的に香典を持参しますが、社葬では辞退しているケースが多いので、事前に必要か否かを必ず確認しましょう。
名刺
名刺は受付で渡すので、必ず用意してください。名刺の右上に「弔」の字を書いておくか、名刺の左下を小さく三角形ができるように少し折った状態で渡すのが慣例となっています。
上司などの代理として出席するときは、参列するはずだった人の名刺の右上に「弔」、自分の名刺の右上に「代」と書いて、受付でこの2枚の名刺を渡します。会場に向かう前に、あらかじめ「弔」の字を書くなど、しっかりと準備をしておきましょう。
5.社葬弔問のマナーは?
社葬弔問はどのように行い、また、どのようなマナーがあるのかを解説します。また、通夜ぶるまいに招かれた場合の対応などについてもご紹介します。
受付のすませ方
受付は、次の順序ですませます。
- 1.お悔やみの言葉を述べる
- 2.香典辞退でない場合は香典を渡す
- 3.名刺を提出する
- 4.記帳する
名刺を提出するだけでなく、できるだけ記帳します。主催者側が参列者を整理するときに、芳名帳に住所と名前があったほうが便利だからです。
記帳する際、上司の代理として参列した場合は、参列できなかった上司の氏名と会社の住所を書き、代理人が出席したことがわかるように上司の名前の下に「代」と書きます。
宗教ごとの弔問の作法
受付が終わったら、会場に入り、宗旨に合わせて故人様の冥福をお祈りします。
■仏式のお焼香の仕方
- 1.ご遺族や葬儀委員長などに一礼して祭壇に進む
- 2.お焼香をして、祭壇に向かって合掌
- 3.再度、ご遺族や葬儀委員長などに一礼
■神式の玉串奉奠(たまぐしほうてん)の仕方
- 1.玉串の葉側を左手のひらに乗せ、根元を右手で持つ
- 2.祭壇に進んで一礼
- 3.玉串を右に回して根元を手前にする
- 4.左右の手を持ち替え、玉串を右に回して根元を祭壇に向ける
- 5.祭壇に玉串を置き、二礼二拍手(音を立てない「しのび手」)で一礼
■キリスト教式の献花の仕方
- 1.牧師または神父とご遺族に一礼
- 2.花を渡されるので、右手に花、左手に根元がくるように受け取る
- 3.祭壇に進んで献花台の前で遺影に一礼
- 4.花を右に回して根元を祭壇に向け、献花台に捧げたあと一礼
通夜ぶるまいに案内されたら?
弔問後に会社側が用意した「通夜ぶるまい」へ声をかけられたら、参加するのが礼儀です。
会場に用意された食事をひとくちでも食べることが、故人様への供養になると考えられているからです。
名刺交換などは厳禁
社葬では、多くの仕事関係の方が集まるので、顔見知りの方もいるでしょう。
しかし、社葬は、あくまで故人様の冥福を祈る場なので、知り合いにあったとしても挨拶などは少し頭を下げる程度にとどめましょう。名刺交換は完全にマナー違反となるので厳禁です。
6.社葬後に訪問する際のマナーは?
社葬に参列できなかった場合、後日、ご遺族を訪問して弔意を示す際のマナーについて解説します。
ご遺族へ連絡する
まず、ご遺族に連絡して、訪問してもよいか、また訪問をするのに都合のよい日時の候補を教えていただきます。
ご遺族が訪問を断ったときは、ご遺族の状況に配慮して訪問は即刻中止とし、代わりにお悔やみの手紙を書きましょう。
訪問するときの服装や持参するもの
訪問するときは、すでに葬儀は終わっているので、喪服ではなく派手でない平服で伺うようにします。喪服は、ご遺族に葬儀を連想させ、悲しみの気持ちを誘う可能性があるので平服が望ましいといえるのです。
また、一般的には、お供えの品を持参します。お供えの品には、弔事用の掛け紙を掛け、表書きは「お供え」とします。
7.社葬には会社の代表であることを忘れずにマナーを守って参列を
社葬に参列するときは、あなたが会社の代表です。社葬には、さまざまな会社の関係者が参列するので、代表者であるあなたがマナー違反をすると、会社のマイナスイメージにつながりかねません。
今回の記事を参考に、会社の評価が上がるようマナーを守って社葬に参列しましょう。
花葬儀では、幅広い葬儀のマナーに関するページを公開しております。
供養について、お悔みのご挨拶、葬儀・葬式の服装・靴・髪形について、お香典についてなど、基礎知識について解説しておりますので、ぜひ参考になさってください。
https://www.hana-sougi.com/manners/