葬儀の準備はどのようなことをする?ご逝去からお通夜・葬儀までの流れ、準備のポイント

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葬儀の準備は、いつから、どのようなことを始めたらよいのでしょうか。葬儀と一口に言ってもその内容は多岐に渡り、ご遺族はさまざまな対応や決定に忙しく過ごされます。大切な方が亡くなってから初めて準備を始めると、慌ただしく後悔の残る葬儀となってしまうかもしれません。

そこで今回は、葬儀の準備の「始めるタイミング」「ご逝去からお通夜・葬儀までの流れ」「準備のポイント」を解説します。将来、喪主様やご遺族として葬儀を執り行う可能性のある方は、ぜひこの機会にご一読ください。

1.葬儀の準備はいつから始めるべきか

葬儀の準備はいつから始めるべきか

「葬儀は人が亡くなった後に行うものだから、準備にとりかかるのは逝去後でよい」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、葬儀について考えるのに「早すぎる」ということはありません。最近では、ご本人が終活の一環として自分の葬儀の内容を検討したり、あらかじめ葬儀社を選んだりすることもあります。

株式会社鎌倉新書が2022年に調査した結果によると、「生前から故人様と葬儀社を決めていた」という方は全体の39.9%をしめました。2020年の調査と比較して11.8%増加していることから、葬儀社を決める時期が全体的に早期化していることがわかります。なお、事前に葬儀社を決めた人の決定時期の平均は「亡くなる1年半前(18ヶ月前)」です。

葬儀社を決めるまでにかかった時間

葬儀社を決めた時間

ご家族にいつ万が一のことが訪れるかを予測することはできませんし、想像すらしたくないと考えるのが普通です。しかし、ご自身やご家族に体調の変化が表れたり、様々な事情で葬儀の希望が伝えられなくなったりする前に、余裕を持って行動することが、いざというときに納得のいく葬儀を行うことにつながります。

理想的には、まだご本人が元気なうちからご家族で葬儀について話し合っておくことが大切だといえるでしょう。

出典:【第5回お葬式に関する全国調査】(2022年)
調査期間:2020年3月11日(金)~2022年3月13日(日)
調査地域・対象:2020年3月~2022年3月に喪主(または喪主に準ずる立場)を経験したことのある、日本全国の40歳以上の男女
URL:https://www.e-sogi.com/guide/46028/

2.ご逝去~お通夜、葬儀・告別式までの流れ

ここからは、大切な方を見送る際の心の準備として、病院でお亡くなりになった場合の一般的な流れをご紹介します。ご逝去直後からお通夜、葬儀・告別式までの各段階におけるポイントもお伝えしますので、喪主様やご遺族が取るべき手順の参考になさってください。

1.ご逝去

病院で亡くなると、まず医師に「死亡診断書」を書いてもらいます。病院によって対応は様々ですが、多くの場合、お看取りの後は速やかな退院手続きが求められるため、ご遺族はすぐに葬儀社に連絡を入れましょう。

病院では、故人様のお体から医療用具(点滴、カテーテルなど)を取り除いたり、清拭(せいしき:故人様のお体を拭いて清めること)を行ったりする処置が行われますが、葬儀社が到着すると、以降は葬儀社が引継ぎます。ご遺族はそのお手伝いや見守りをするほか、以下のような役目があります。

・病院でかかった費用の精算
・ご親族、故人様と関わりのあった方への連絡
・火葬に必要な「火葬(埋葬)許可証」の受け取り

2.故人様の搬送・安置

清拭などが終わると、故人様のお体は病院の慰安室(霊安室)に移動されます。手配が終わり次第、故人様のお体を病院から安置所または自宅へと搬送します。

医師から死亡診断書を受け取ったら、役所に「死亡届」を提出しますが、タイミングは次にご説明する「葬儀社との打ち合わせ」の前後に行われることが多く、状況によっては葬儀社が代わりに行う場合もあります。

3.葬儀社との打ち合わせ

葬儀社と葬儀について打ち合わせを行います。実際にどのような内容について話し合うかの例を以下にご紹介いたします。

【葬儀社との打ち合わせ】
項目 詳細
葬儀の規模・日程の決定
・喪主様の決定
・会葬者の範囲、おおよその人数の決定
・葬儀会場の決定
・訃報連絡の作成
・弔辞・受付の依頼
・宗教者への連絡
葬儀の内容の決定
・葬儀に飾るもの(祭壇や花)の選定
・会葬礼状の文章やデザイン
・斎場の装飾や案内看板の有無
・会食の内容
・返礼品の発注
・喪主挨拶の確認
・遺影写真の確認
・マイクロバスの手配
この後の流れについて
確認
・見積りの確認
・次回の打合せスケジュール
・担当連絡先 など

4.納棺

安置先にて、故人様のお体を棺に納める「納棺」を行います。納棺の際に行う一連の儀式を「納棺の儀」と呼びますが、これには「末期(まつご)の水(※1)」「死化粧(※2)」「湯かん(※3)」「お着替え」などが一例として含まれます。

納棺を行う日時に明確な決まりはありませんが、遅くとも、通夜式の数時間前までに行うようにします。逝去直後に、儀式の一部を病院で行う場合もありますが、故人様を安置後にご家族が集まり、落ち着いた環境で行うことがほとんどです。

(※1)故人様の口に水を含ませる仏式の儀式
(※2)故人様の身だしなみを整え、薄く化粧をほどこすこと
(※3)故人様のお体をぬるま湯で清めること

5.お通夜、葬儀・告別式

納棺を終えると、お通夜を行います。お通夜とは故人様の死後の幸せを祈る目的を持ち、本来は夜通し灯りを絶やさずに行われるものです。近年では、僧侶による読経やご遺族の焼香などの「通夜式」を1時間ほど行ってから、日付が変わる前に解散するケースが増えています。

お通夜の翌日に葬儀・告別式を行い、故人様は火葬後埋葬されます。なお、お通夜を省略する一日葬や火葬式と呼ばれる形態もあります。

3.葬儀の準備|早くから検討できること

大切な方が亡くなってから葬儀までの時間は思いのほか短く、ご遺族はさまざまな準備に追われ、非常に慌ただしく過ごすことになります。悲しいことですが、大切な方との別れは突然、しかし必ず訪れるものですので、早くから準備を進めておくことで、いざという時も時間的余裕が生まれ、故人様を丁寧に送り出すことができるでしょう。

こちらでは、葬儀の準備の中でも、あらかじめ検討しておける項目についてご紹介します。ご本人とご家族で元気なうちから決めておけることもありますので、ぜひ参考になさってください。

喪主

喪主とは、ご遺族の代表者であり、葬儀に関する内容を決めたり、葬儀当日に進行を務めたりする役目があります。喪主の決め方にルールはありませんが、遺言で指定がない場合は、故人様との縁が最も深い方がなるのが一般的です。

人数は一人とは限らず、例えば故人様の配偶者と子の2人で喪主を務めることもあります。たとえばお子様が複数いらっしゃるような場合は、前もってどなたが喪主を務めるか、ご本人の希望も伺って決めておくこともできます。

葬儀形式や規模、葬儀に呼びたい人

葬儀の形式や規模について考えておくことも大切です。葬儀スタイルを以下から選び、どのくらいの参列者を呼ぶかを決めましょう。

【葬儀の形式例】
葬儀形式 概要
一般葬
ご遺族、ご親族、友人、会社関係者など、お世話になった人を呼ぶいわゆる「昔からある葬儀」
社葬
会社が主催する葬儀
家族葬
ご家族や故人様と特に深い親交のあった方のみで行う、比較的小規模な葬儀
自宅葬
自宅で行う葬儀
無宗教葬
宗教や宗派にとらわれず、ご家族の希望に沿った自由な形式で行われる葬儀
一日葬
お通夜を省略し、告別式から火葬までを1日で行う葬儀

このほかにも、お通夜や告別式を省略し、火葬のみを行う「火葬式」もあります。葬儀の形式や規模、葬儀でどのようなことを行いたいかといった希望(例:生花祭壇にしたい、BGMを流したいなど)によって、おおまかな見積りを確認することができます。葬儀の規模によって、前日のお通夜に誰を呼ぶべきかも変わってくるでしょう。

葬儀を依頼する葬儀会社、斎場

葬儀社の質は、葬儀全体の質にも大きく影響してくるため、以下のポイントを意識しながら資料請求や事前相談を利用して検討しましょう。

【信頼できる葬儀社選びのポイント】
・熱心に話を聞き、適切な提案をしてくれるか
・明瞭な見積を提示してくれるか
・丁寧な説明をし、疑問を残したまま話を進めようとしていないか

葬儀の希望がまとまっていない場合も、事前相談などによりイメージが固まることがあるため、早めに動き出すことをおすすめします。斎場も葬儀社で相談することができます。斎場は立地や広さ、設備の充実性、運営元(公営か民営か)によって大きく差が出るため、予算や利便性などを考慮しながら考えるとよいでしょう。

遺影写真

故人様のお顔が写った遺影写真は、お通夜でも使います。逝去後に用意しようとすると、写真の選定や修正に時間を要してしまいますから、あらかじめ準備しておくのもひとつの方法です。

元気なうちからご本人が納得できる写真を撮影しておくことで、ご家族の負担軽減だけでなくご本人の心の安らぎにもつながります。

参列の案内をする人

もしもの時には、お通夜や葬儀に参列してほしい方々に訃報を伝え、参列の案内を出す必要があります。喪主様が務めることが難しいようであれば、喪主様とは別に案内を担当する人を決めておいてもよいでしょう。「参列の案内をする人」「参列の案内はせず訃報の連絡のみ行う人」と細かく役割を分けておくと、スムーズに連絡が進められます。

可能であれば、弔辞を読む人もあらかじめ考えておくとより安心です。

戒名(かいみょう)

「戒名」とは、仏式におけるあの世での故人様の名前です。戒名を授かることで、仏門に入り極楽浄土に迷わずたどり着くと考えられています。浄土真宗では戒名ではなく「法名」と言います。

戒名は僧侶に依頼して授けてもらいますが、長さや使われる言葉によってランクがあり、それに順じたお布施をお渡しすることがマナーです。

戒名は死後に授かるものというイメージが定着していますが、本来は生前に授けてもらうものでした。そのため、生前にどのような名前をいただくかを自分で相談する「生前戒名」も可能です。ご家族が戒名の希望をお持ちであれば、生前戒名を授かることを検討してもよいでしょう。

棺に入れたい物

故人様と共に棺に納める物を「副葬品」といいます。副葬品は基本的に「燃える物」とし、ご遺骨を傷つける恐れのあるものや、火葬炉の故障につながるものを入れることはできません。どのようなものを棺に入れることができるのかを事前に把握することが大切です。

【副葬品として入れてもよいもの、入れられないもの】
入れてもよいもの 入れられないもの 事前に届け出が必要なもの
・故人様への手紙、寄せ書き、写真
・故人様の愛用品/故人様が好きだったもののうち、燃えるもの
・故人様が棺に入れてほしいと希望したもののうち、燃えるもの
・貴金属
・ガラス製品
・カーボン製品
・水分の多い食べ物
・大きすぎるもの
・燃やしたときに有害ガスが発生するもの
・紙幣
・その他危険物
・ペースメーカー
・入れ歯

4.葬儀の準備|ご逝去の後に決めること

ここまで、早くから取りかかれる葬儀の準備についてご説明してきましたが、もちろんご逝去の後にしか決められないこともあります。
こちらでは、ご逝去の後に進める葬儀の準備についてご紹介します。

お通夜、葬儀の日程

お通夜や葬儀の日程はご逝去後に決まりますので、葬儀場や火葬場の空き状況を葬儀社と確認し、日程を決めましょう。都心部などでは火葬場が混み合い、葬儀まで1週間以上かかってしまうケースも珍しくなくなってきました。葬儀までの間、ご遺体をどこに安置するのか、費用はどのくらいかかるのかを確認しておくことも大切です。

実際のお通夜~葬儀の詳細

あらかじめお通夜や葬儀について検討・準備していたことがあれば、その通りに行うかどうかの最終決定をします。参列者の範囲、返礼品や会葬礼状、会食の内容など、変更したい点があれば葬儀社に伝えましょう。

事前準備を何もしていないままご家族が亡くなった場合は、この時にお通夜、告別式・葬儀の決定をいちから行うことになります。葬儀のプロである葬儀社がサポートを行うため「何から決めたらよいのか分からない」という事態にはなりませんが、深い悲しみの中でさまざまな事柄を決定することは心理的な負担が大きいかもしれません。

後悔のないお見送りをするためにも、あらかじめお通夜や葬儀に対する希望をまとめ、準備を進めておくことをおすすめします。

5.お通夜の進行、準備のポイント

お通夜・葬儀の進行について、知識を持っておくことは重要です。こちらではお通夜の進行について、喪主様やご遺族の動きに焦点を合わせてご紹介します。ご家族に万が一のことが起こる前に、ポイントを把握し、心の準備をしておきましょう。

1.会場入り、受付準備

通夜開式の1~2時間前に会場入りします。事前に決めておいた役割分担(お香典の受け取りや受付案内など)の段取りを葬儀社と確認し、受付の準備を行います。

2.受付、参列者対応

通夜開式の約30分前を目安に、受付を開始します。参列者は芳名帳に記帳しお香典を渡すので、受付を担当しているご遺族は失礼のないように対応しましょう。

喪主様は受付の横などで待機し参列者に挨拶を行います。僧侶が到着したら挨拶し、控室に案内しましょう。お通夜が始まる15分前には、喪主様もご遺族も着席するようにします。

3.お通夜開式

僧侶が入場し、喪主様の開式の挨拶を経てお通夜が始まります。進行は葬儀社が行うことがほとんどですが、自宅で行う場合はご遺族が担当するケースもあります。

4.僧侶の読経、焼香

僧侶による読経の間、喪主様、ご遺族、参列者の順に焼香を行います。5~10分ほどの法話が終わると僧侶は退場しますので、控室にご案内します。喪主様は僧侶にお通夜のお礼を伝え、まだ「お布施」を渡していない場合は、忘れずにお渡ししましょう。

5.喪主様による挨拶、閉式

喪主様が「参列のお礼」や「葬儀の日程」などを含めた挨拶を行った後、閉式となります。通夜振る舞い(お通夜に来てくれた参列者を喪主側がもてなす食事会)がある場合は、その旨も忘れずにご案内しましょう。

6.通夜振る舞い

ご遺族の通夜振る舞い担当者は食事を用意し、喪主様は参列者ひとりひとりにお礼の挨拶をして回ります。また、通夜振る舞いでは喪主様による献杯と挨拶があります。どのような挨拶をしたらよいかは「通夜振る舞いの挨拶とは?」を参考になさってください。

6.葬儀・告別式の進行、準備のポイント

葬儀・告別式の進行、準備のポイント

告別式とは、葬儀の直後に行われるお別れの式です。本来は宗教的儀式である「葬儀」と分けられていましたが、時代の流れとともに変化し、現代では「葬儀ならびに告別式」という形で進行します。

ここからは、葬儀・告別式における喪主様やご遺族の動きをご紹介します。

1.葬儀前の段取り確認~受付準備

葬儀開始の約1時間前に、喪主様やご遺族は会場入りします。葬儀社と段取りの最終確認を行い、お通夜のときと同じように受付を用意します。

僧侶が到着したら控室にご案内して挨拶を行い、お布施をお渡ししましょう(葬儀後にお渡しする場合もあります)。

2.葬儀の受付、葬儀開始

葬儀開始30分ほど前から、受付を開始します。お通夜のときと同様に、受付を担当するご遺族は参列者への挨拶と、芳名帳への記帳のお願い、お香典の受け取り、斎場内への誘導を行います。当日返し(香典返しを葬儀当日にお渡しすること)を行う場合は、品物をお渡しすることも忘れないようにしましょう。

3.葬儀の閉式

喪主様、ご遺族、参列者が着席し、僧侶が入場したら葬儀を開始します。葬儀の進行は以下の通りです。

・喪主様挨拶
・僧侶による読経
・喪主様、ご遺族、参列者の順に焼香

なお、ここまでご紹介した内容は、仏教の葬儀の場合の流れです。仏教以外の宗教葬に関しては「宗教プラン」のページを参考になさってください。

4.喪主様による挨拶、出棺

喪主様による挨拶を終えたら、出棺の儀を行います。ご遺族と参列者が棺の中に花を納め、故人様との最後の別れを過ごしてから、6人ほどのご遺族で棺を運び霊柩車に乗せます。喪主様による最後の挨拶のあと、棺は火葬場に向けて出棺します。喪主様以外のご遺族はマイクロバスなどに乗車し、火葬場まで向かいましょう。

5.火葬、収骨

最初に火葬炉の前で焼香を行ってから荼毘(だび/ご遺体を火葬炉に入れ焼いて弔うこと)に伏します。火葬が終わるまでの間、ご親族は控室で待機します。

荼毘が済んだらご遺骨を骨壺に入れ、宗教者のお言葉をいただいて終了です。骨壺を持って精進落としの会場に向かいます。

6.精進落とし

精進落としとは、故人様の供養や、僧侶・葬儀参列者に感謝を伝えるためを目的とした食事会です。本来は初七日法要を終えた後にするものでしたが、現代では火葬が終わったその日に行うのが一般的です。

喪主様は、開式・閉式の挨拶のほか、参列者ひとりひとりにお礼を言ってまわります。精進落としが終わったら、参列者に会葬御礼をお渡しして解散です。

なお、会葬御礼は受付時に渡すこともあります。香典返しや僧侶へのお布施のように、どのようなタイミングで何を行うかは、葬儀社やご家族とあらかじめ相談して決めておくことが大切です。

ご逝去からお通夜、葬儀後までの流れについて説明をしてきましたが、葬儀の時間・日程を簡単にでも把握しておくと慌てずに済みます。多くの場合、葬儀社との打ち合わせの時に説明がありますのでご安心ください。

7.葬儀で必要な持ち物

こちらでは、喪主様やご遺族が葬儀に持参すべき基本的な物をご紹介します。以下を参考に、他にも必要なものはないかよく話し合っておきましょう。

数珠

数珠は、仏式の葬儀で焼香を行うときに使う道具です。葬儀が仏式であっても、自分(喪主様・ご遺族)が仏教徒ではない場合は、「自分の信仰する宗教にのっとって持参しない」「葬儀に合わせて持参する」のどちらでも問題ありません。故人様やご遺族との関係に応じて選ぶとよいでしょう。

ただし、数珠を貸し借りすることはマナー違反となるため、持参する場合は「ひとりひとつ」を守ります。

ハンカチ

涙や汗を拭ったり、手を拭いたり、咳が出た時のエチケットとして使用します。ハンカチは無地の白色が基本とされていますが、最近では無地の黒色でもよいとされています。ただし、カジュアルな印象を与えてしまうタオル生地や光沢のある生地は避けましょう。

筆記用具

葬儀の打ち合わせの中で重要なことをメモしたり、参列者からの言伝などを控えたりするために筆記用具が必要になることがあります。すぐに取り出せるよう、喪服のポケットに入る小さいサイズのメモ帳やペンを用意しておくと便利です。

バッグ・サブバッグ

集まったお香典を一時的に保管したり、自身の貴重品を管理したりするためにバッグやサブバッグを持参しましょう。男性の一般参列者はバッグを持たないことも多くありますが、喪主様や葬儀の進行に関わるご遺族であれば、男女ともにバッグを持っておくと安心です。

バッグは見た目や質感に厳格になる必要はありませんが、周りに配慮して黒無地のシンプルなデザインにするのが無難です。セカンドバッグや、中にはリュックを持参する方もいらっしゃいます。

喪服類

遠方から葬儀にかけつけたり、通夜で寝ずの番を行ったりする場合、出先で喪服に着替えることもあります。喪服類を持参する場合は、以下の服装マナーを守りましょう。

喪主様の喪服

喪主様は下記にあるような正喪服を着用することが正式であるとされています。しかし最近は、ご遺族が身に着けるような準喪服でも問題ないとするケースも増えています。準喪服は、次項にて解説いたします。

【喪主様の喪服マナー】
男性 女性

和装
和装男

黒色の紋付羽織袴(羽二重で五つ紋がついているもの)
・白の羽二重衿と足袋
・草履
和装女

・染め抜きの五つ紋(家紋)入りの黒無地の着物、黒帯
・白の半襟と足袋
・草履

洋装
洋装男

・モーニングコート
・白いシャツ
・黒いネクタイ
・光沢のない革靴
洋装女

・ブラックフォーマル(ワンピース、アンサンブル、スーツなど)
・黒いインナー、パンプス
・30デニール前後の黒いストッキング

ご遺族の喪服

喪主様以外のご遺族は、正喪服の次に格式のある「準喪服」を着用します。女性はスカートの下にストッキングを着用しますので、念のためにストッキングの替えを用意しておくと安心です。

【ご遺族の喪服マナー】
男性 女性
ブラックスーツ

・ブラックスーツ、もしくは黒や濃いグレーなどのダークスーツ
・白いシャツ
・黒い無地のネクタイ、靴下
ブラックフォーマル

・ブラックフォーマル(ワンピース、アンサンブル、スーツなど)
・黒いインナー、パンプス
・30デニール前後の黒いストッキング

8.葬儀の準備に関するQ&A

A. 事前に準備をすることは、大切な人をきちんと見送ることや、ご遺族の心の在り方を変えることにつながります。

まだ亡くなっていない方の葬儀を考えることに、抵抗感を覚えるお気持ちはよく分かります。しかしご紹介してきたように、葬儀には数多くの「決めなくてはならないこと」「考えなくてはならないこと」が存在し、亡くなった後に決めようとすると非常に慌ただしくなります。

その方のための葬儀は一度切りですから、相手に喜んでもらえるような葬儀を執り行いたいと思う方が多いでしょう。また、時間のない中で急いで物事を決めてしまうと、ご遺族が後悔の気持ちを抱えたまま過ごすことになりかねません。

費用感を明確にし、万が一のときに連絡する葬儀社を決ることで、漠然とした不安を和らげることができます。まずは口コミを調べたり、資料請求をしたりするところから始めてみてはいかがでしょうか。

A.喪主様の立場であれば、特に必要はありません。

喪主様は、自身が執り行う葬儀に対しお香典を持参することはありません。いただいたお香典を一時的に持ち運ぶようなときは、お盆に乗せてやり取りしたり、バッグに入れたりしますから、袱紗を持参する必要はありません。

A.喪主様も平服を着用することが多いですが、喪服を着ることもあります。

参列者に平服の着用を促す場合、喪主様も参列者に合わせて平服を着用することも、喪主様のみ喪服を着用することもあります。厳密なルールがあるわけではありませんから、ご遺族の間で認識を合わせておくとよいでしょう。

なお、花葬儀では「ガーデン葬(自宅の庭を使っての葬儀)」のお手伝いもしておりますが、そのような場合は、葬儀の雰囲気に配慮してご遺族・参列者ともに平服であることがほとんどです。

9.葬儀の準備はなるべく早いうちからがベスト

葬儀の準備に「早すぎる」ことはありません。「まだ亡くなっていない方の葬儀について考えることは気がひける」という方もいらっしゃるかもしれませんが、早めに葬儀の内容を考えたり決めたりすることは、悔いのないお葬式を行うためにも大切です。

もしご本人が葬儀に対してある程度希望を持っている場合は、ご本人と話し合っておくことも必要です。はご家族内でよく話し合って、心に残る葬儀にするための準備を始めてみてはいかがでしょうか。

葬儀についてのご不明点がございましたら、花葬儀におまかせください。花葬儀では、喪主様やご遺族の疑問や不安に対し、ご納得いただけるまでお話をさせていただきます。葬儀に関するご相談は、何度でも無料でご利用できる「事前相談」にてお受けしておりますので、ぜひこの機会にお気軽にご連絡ください。

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