火葬場併設の斎場の基礎知識~メリット・注意点やよくある質問も解説
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- 【 葬儀・葬式の基礎知識 】
斎場を探す際「火葬場が併設されているか」に注目する方は多くいらっしゃいます。葬儀を行う場所である斎場と、ご遺体を火葬する火葬場が同じ敷地内にあることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
今回は火葬場併設の斎場をテーマとしたコラムをお送りします。基礎知識からメリット、選び方のポイントや注意点まで、これを読めば納得のいく施設が見つけられるでしょう。ぜひ最後までお付き合いください。
1.火葬場併設の斎場とは?
まずは、火葬場併設の斎場について、基本的な情報をご紹介します。
火葬場併設の斎場の特徴
多くの場合は、斎場で通夜・葬儀を執り行った後、離れた場所にある火葬場に移動して火葬を行います。火葬場が併設されている斎場では、その移動を必要としないのが特徴です。
斎場は自治体によって運営されている「公営斎場」と、民間企業や寺院などによって運営されている「民営斎場」に大別されます。それぞれの大まかな特徴は以下の通りです。
- 【公営斎場】
- ・民営斎場に比べて利用料が安価
- ・火葬場を併設している施設が多い
- ・公営斎場を運営している自治体の管轄地に住む人は、費用や日程の面で優遇される
- 【民営斎場】
- ・公営斎場に比べて数が多い
- ・交通のアクセスが比較的よい場所にある
- ・サービスや設備が充実している傾向にある
なお、葬儀会場のみ、火葬場のみが「斎場」と呼ばれることもありますが、このコラムでは葬儀を執り行う場所を「斎場」と統一して解説します。斎場と火葬場について詳しくは「斎場とは?」の記事も参考になさってください。
火葬場併設斎場は全国的には多くが公営
火葬場は、全国的に見ると、公営の施設がほとんどです。火葬は生活に不可欠なサービスであるため、自治体が公共サービスとして提供しているのです。
しかし、東京都だけは事情が違います。東京都23区内において火葬場を併設している斎場は8箇所ありますが、そのうち公営斎場は1箇所のみです。この背景には、明治時代の伝染病時に、ひとつの民間会社が火葬場を整備していったことが関係しているといわれています。
東京都内の公営・民営の火葬場併設斎場
参考としてこちらでは、東京都内にある火葬場併設の斎場を、公営・民営合わせてご紹介します。
東京都23区内
23区内にある火葬場併設の斎場は以下の通りです。
区分 | 斎場名 | 火葬炉の数・備考 |
---|---|---|
公営 |
臨海斎場 (大田区) |
火葬炉:10基 港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区に住む人は料金が割安 |
民営 |
代々幡斎場 (渋谷区) |
火葬炉:10基 |
堀ノ内斎場 (杉並区) |
火葬炉:8基 | |
落合斎場 (新宿区) |
火葬炉:10基 | |
戸田葬祭場 (板橋区) |
火葬炉:15基 | |
桐ケ谷斎場 (品川区) |
火葬炉:12基 | |
町屋斎場 (荒川区) |
火葬炉:12基 | |
四ツ木斎場 (葛飾区) |
火葬炉:12基 |
東京都23区外
東京都23区外にある火葬場併設の斎場は以下の通りです。
区分 | 斎場名 | 火葬炉の数・備考 |
---|---|---|
公営 |
青梅市民斎場 (青梅市) |
火葬炉: 4基 火葬炉は斎場の向かいに併設 利用は青梅市民のみ |
府中の森市民聖苑 (府中市) |
火葬炉:6基 利用は府中市民のみ |
|
立川市斎場 (立川市) |
火葬炉:7基 火葬炉は隣接する「立川聖苑」を利用 利用は立川市民のみ |
|
南多摩斎場 (町田市) |
火葬炉:12基 | |
八王子市斎場 (八王子市) |
火葬炉:8基 利用は八王子市民のみ |
|
ひので斎場 (西多摩郡) |
火葬炉:4基 あきる野市、日の出町、檜原村、奥多摩町で運営しているが、組合構成市町村外の住民も場合によっては利用可能 |
|
瑞穂斎場 (西多摩郡) |
火葬炉:8基 瑞穂町、福生市、羽村市、入間市、武蔵村山市で運営しているが、組合構成市町村外の住民も場合によっては利用可能 |
|
民営 |
日華多磨葬祭場 (府中市) |
火葬炉:14基 |
2.火葬場併設の斎場を利用するメリット
火葬場併設の斎場を利用することで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。
こちらで詳しくご紹介します。
移動時間を短縮できる
斎場と火葬場がそれぞれ別の場所にある場合、葬儀が終わった後に火葬場まで移動しなくてはなりません。距離が離れているほど、移動に時間がかかってしまいます。
しかし、火葬場が併設されている斎場では、移動の必要がほぼありません。そのため、葬儀の進行を時間に余裕をもったスケジュールで行うことができます。
移動による負担を軽減できる
移動時間の短縮は、参列者の負担を軽くします。高齢の方、妊婦、小さなお子様、身体の不自由な方にとっては大きなメリットです。また、葬儀から火葬までを施設内で完結できるので、天候の影響を受けにくい点も挙げられます。
搬送費用を抑えられる
葬儀を終えると、故人様は霊きゅう車によって火葬場まで搬送されます。搬送には費用がかかりますが、火葬場併設の斎場の場合移動はありませんから、本来かかるはずだった霊きゅう車の費用を抑えることができます。
ご家族の移動費用を軽減できる
斎場から火葬場まで、ご遺族は手配したマイクロバスやタクシーなどに乗って移動します。こちらも、火葬場併設の斎場を利用することで、費用を軽減することができます。時間的・肉体的・金銭的負担が少なく済むのが、火葬場併設の斎場を利用するときの大きなメリットです。
3.火葬場併設の斎場を検討するときの注意点
メリットだけを見て斎場を決めるのはおすすめしません。満足のいくお見送りをするためには、さまざまな情報を把握し、総合的に判断することが重要です。
こちらでは、火葬場併設の斎場を検討するときの注意点をご紹介します。
予約が取りにくい
火葬場併設の斎場は常に人気が高く、予約が取りづらい状態が続いています。特に都市部では希望の日程に火葬を行うことが難しく、逝去されてから火葬まで1週間かかることも珍しくありません。最初から「火葬場併設の斎場」に限定して探すと、難航する可能性がある点に注意しましょう。
交通の便が悪いことがある
火葬場が併設されているということは、斎場単体の施設よりも広い敷地にあるということです。したがって、火葬場併設の斎場は比較的駅や住宅街から離れたところに建っていることが多い点にも注意しましょう。
参列者の中に遠方からお越しの方や、長距離移動が負担になるような方がいらっしゃる場合は、火葬場併設の斎場にこだわらず、アクセスのよさを重視したほうがよいこともあります。
火葬場併設斎場のほうが安価とは限らない
火葬場併設の斎場にすると、斎場から火葬場までの移動費用が抑えられるとご説明しました。しかし、併設していない斎場より葬儀費用の総額が安くなるとは限りません。
特に民営の場合、葬儀会場の利用料金は高めに設定されています。最近では燃料高騰などの理由から、都内の民営火葬場の料金が大きく値上がりしたことも話題になりました。具体例として、火葬場を併設している公営斎場と民営斎場の、火葬代の違いを見てみましょう。
【2024年6月以降の火葬代】
・臨海斎場(公営):4万4,000円~8万8,000円
・代々幡斎場(民営):9万円~16万円
葬儀のグレードや内容にもよりますが、5万円近い差があるのがわかります。さらに予約の取りづらい状況を改善するため、23区内の火葬場併設の民営斎場の多くが2024年11月から式場の利用料を改定する動きもあります。
火葬場併設の斎場でも式場費、火葬費が高額のところを選んでしまうと、搬送費や移送費の節約分を上回る出費となってしまうかもしれません。
【公営の場合】施設が古くバリアフリー対応が不十分なことも
火葬場併設の公営斎場は利用料が安い分、民営に比べて施設の見た目や、バリアフリーの充実度、サービスの種類などに物足りなさを感じることがしばしばあります。葬儀にはさまざまな人が参列しますから、メリットだけに注目せず、多角的な視点で検討しましょう。
4.適切な斎場選びは、まず葬儀社を決めることから
希望に合った火葬場併設の斎場を選ぶために、まずは葬儀社を探すことから始めましょう。
こちらでは、斎場選びに欠かせない葬儀社の役割と、探し方のポイントをご紹介します。
葬儀・火葬では斎場の役割は限定的
斎場は場所の提供が主な役割であり、葬儀を進行するためのサポートは限定的です。そのため、信頼できる葬儀社と丁寧に対話することで、故人様とご遺族の想いに寄り添った最善の斎場を見つけることが大切になるのです。
亡くなってから火葬するまでには以下の流れを要しますが、これらをご遺族のみで行うことは非常に難しく、葬儀社のサポート無しに終えることはほぼ不可能と言えます。
葬儀社を通して葬儀・火葬を執り行うことで、準備から当日の進行、事後の手続きまでを一貫して任せることができます。しかし、どの葬儀社でも同等のサービスを提供できるわけではありません。葬儀社の質は、斎場の選択以上に葬儀の満足度を大きく左右するため、自分たちにとって最適な葬儀社を見つけることが何よりも重要です。
斎場を決めるときの葬儀社の選び方
葬儀社を選ぶ際は、斎場や火葬場に関する知識、葬儀の施行件数以外にも、金額や誠実性などさまざまな点をチェックしてみましょう。適切な葬儀社を選ぶことで、予想外の出費を避け、希望に沿った葬儀が実現できます。選択の際は、以下のポイントを参考になさってください。
【適切な葬儀社の選び方のポイント】
- ・葬儀の実績が豊富か
- ・斎場や火葬場に対する知識が豊富か
- ・明瞭な見積を出せるか
- ・お客様の要望に耳を傾け、さまざまな提案をしてくれるか
- ・お客様が疑問を残した状態で話を進めようとしていないか
- ・メリットだけでなく、デメリットも説明してくれるか
- ・スタッフの印象はよいか
5.【花葬儀】を利用することで得られる付加価値
ここからは、弊社「花葬儀」についてご紹介します。今回このコラムを書いている花葬儀は「その人らしさを大切に、いつまでも心に残る葬儀を手掛ける葬儀社」として2002年に設立いたしました。
これまでに多くの葬儀をお手伝いし、インターネット調査におけるお客様評価では「知人に紹介したい葬儀社」「アフターフォロー充実度」「女性が注目するお願いしたい葬儀社」「魅力的だと思う花祭壇」4部門に渡って№1をいただきました。こちらでは、花葬儀を利用することでお客様にとってどのようなメリットがあるのかをご紹介します。
中立な立場から斎場・火葬場をご提案
花葬儀は自社の斎場を持っておらず、それにより中立的な提案が幅広く可能となっています。斎場を自社で持っている葬儀社は、しばしば自社以外の斎場を利用することに制約があります。したがって金額は安くても、細かい要望を叶えられるかはわかりません。
花葬儀の場合、以下のようなお客様のご要望に対しさまざまな選択肢を提示し、比較検討をサポートいたします。
- ・金額を抑えたい
- ・希望の日程が叶えられる斎場を探してほしい
- ・遠方からの参列者や、身体の不自由な参列者にもやさしい斎場がよい
- ・宗教・宗派に関係なく葬儀が執り行える斎場を探している
ご提案は全て中立の立場から行い、斎場のメリットやデメリットも正直にお答えします。「まずはどのような選択肢があるのかを知りたい」というお客様におすすめです。
丁寧な打ち合わせによるオーダーメイドのサービス
花葬儀は故人様やご家族の想いを最優先に、心に残る葬儀を行うことをモットーにしております。お客様の心に寄り添うためのひとつとして、打ち合わせには時間を惜しみません。
「葬儀の打ち合わせは1時間程度」と一般的に言われますが、花葬儀ではその2倍から3倍(お客様のご要望に応じて変動します)近くの時間をかけて、ご家族の想いやご要望を細かくヒアリングします。
儀式の進行や細かな演出、参列者への対応など、お客様の理想の葬儀を知ることで、いつまでも心に残るあたたかなお見送りを実現させます。以下は、花葬儀で実際に手掛けたオーダーメイドの葬儀一例です。
- ・登山がお好きだった故人様のために、「秋の紅葉」をイメージしたオリジナル花祭壇でお見送り
- ・思い出の温泉のお湯を取り寄せて、簡易的な湯かんに使う「温泉葬」
- ・ラベンダーがお好きだった故人様のために、飲食スペースの円卓下からラベンダーのアロマを焚き「香りで故人様をしのぶ」演出
会場全体をトータルにデザイン
多くの斎場はどこか無機質で物寂しく、一辺倒な印象を与えがちです。そこで花葬儀では、会場の飾りつけや統一したテーマでの演出など、五感に訴える温かみのある葬儀空間の創出に力を入れています。祭壇周りだけでなく、葬儀会場全体をトータルデザインすることをモットーとしています。
もちろん斎場独自のルールや宗教観を厳守した上で行いますので、お客様は施設のメリットを享受しながら、希望にあった雰囲気やサービスを受けることが可能です。
実例として「明るい性格でみんなに慕われていた故人様のために、パーティーのような葬儀をしたい」というご要望でデザインした葬儀をご紹介します。
工夫したポイントは、以下の通りです。
・故人様のお好きな青色と、故人様のイメージカラーである黄色をベースとした生花で斎場を彩りました。
・卓球に力を入れていた故人様のために、空間テーマを「母と卓球の軌跡」とし、卓球にまつわるグッズ、賞状、トロフィー、ユニフォームを祭壇の周りに飾りました。
・参列者が故人様を囲んで思い出話ができるよう、棺を斎場の中央に置きました。
・実現できなかったとおっしゃっていた旅行先のパンフレットをご用意し、1冊は棺の中に、1冊はご家族へプレゼントいたしました。
こちらの実例を詳しく知りたい方は、お客様インタビューのページをご覧ください。
一円単位まで詳細なお見積りを事前に提示
花葬儀のお見積りは、一円単位でお出ししています。葬儀は決して安いものではありませんから、「何に、どれくらいかかるのかが明瞭であってほしい」というお気持ちは当然です。お見積りを出したからといって契約が強制的に決まることもありませんので、納得するまでご検討ください。
6.火葬場併設の斎場に関するQ&A
A.葬儀社がお客様に代わって予約をするのが原則です
斎場と火葬場が併設している・いないに関わらず、火葬場の予約は葬儀を依頼する葬儀社によって行うのが基本です。一部の火葬場ではご遺族からの直接の申し込みも可能としているところもありますが、火葬場関係者とのやりとりや、予約できなかった場合の対策など、個人では対応が難しいこともありますので、やはり葬儀社を通して行ったほうが無難です。
A.葬儀社や搬送に使う車のグレードなどによって変わりますが、相場は1万円~2万円(10㎞以内)です
故人様を自宅から斎場まで搬送する際の費用は、走行距離によって異なります。移動距離が10㎞以内の場合は1万円~2万円ほどが目安です。距離が長くなるほど、費用は加算されます。また、搬送距離以外にも、搬送する時間帯や搬送に使う車のグレード、有料道路の利用有無、お客様都合による車両待機など、ケースごとに料金が加算されることもあります。
なお花葬儀の場合、葬儀の基本プランの中に上限20㎞までの搬送費が含まれております。
A.東京都内の場合、約20万円~50万円が相場です
東京都内で火葬場併設の斎場を利用する場合、式場使用料・親族控室料、火葬料合わせて20万円~50万円が相場です。公営の区民斎場で管轄区に住んでいる方が利用すると安くなり、民営斎場でグレードの高い式場や火葬炉を利用すると高くなる傾向にあります。
7.火葬場併設の斎場は負担軽減が大きなメリット|検討は慎重に
火葬場が併設されている斎場は、移動にかかる時間や費用、体力などの負担を軽減できる大きなメリットがあります。しかし人気の高さから予約が取りづらく、必ずしも葬儀の総額が安価になるとは限りません。火葬場併設の斎場を検討する際は、メリットだけでなく注意点も押さえ、信頼できる葬儀社から適切なアドバイスを受けながら決めましょう。
斎場探しでお困りの方は、ぜひ花葬儀にご相談ください。無料で何度もご利用いただける事前相談にて、お客様の希望を叶える斎場をご提案いたします。ご予算が限られている場合は、弊社メンバーシップクラブ「リベントファミリー」にご加入いただくと葬儀費用が最大7万円割引になります。ほかにもさまざまお得な特典が受けられるようになりますので、ぜひこの機会にご検討ください。