葬儀で供花を贈る際の手配方法は?相場やマナー、注意点も解説

葬儀で供花を贈る際の手配方法は?相場やマナー、注意点も解説

供花は、大切な方が亡くなったとき、故人様の冥福を祈る気持ちを託して贈る生花です。葬儀で供花を贈ろうとする場合には、どのような点に配慮すべきなのでしょうか。いざというときに困らないためにも、マナーや注意点を心得ておくことをおすすめします。

そこで今回は、葬儀で供花を贈る際の手配方法や、相場、マナーについても解説しましょう。

1.供花の意味は?

供花の意味は?

供花とは、「きょうか」または「くげ」と読み、お通夜や葬儀で故人様の冥福を祈って生花を供えることや、供える生花のことをいいます。

その昔、お釈迦様が亡くなられたときに、天から花を降らせてお釈迦様の供養をしたという説があります。そこで、現代でも、供花が、ご親族や故人様と深い親交のあった方々の故人様への最後の贈り物とされているようです。

急なことでどうしても葬儀に参列できないときや、喪主様がお香典を辞退している場合に、お香典の代わりとして供花を贈ることは、弔意(ちょうい)を表す方法の一つだといえます。

供花には、贈った人の氏名や団体名が書かれた木製の札名(ふだな)が付くのが一般的です。

2.供花は誰が贈るもの?

供花は、誰が贈るという決まりはなく、誰でも贈ることができるものです。ご遺族が祭壇を彩るお供えとして手配することもありますし、葬儀に参列できない場合に故人様の死を悼み、弔意を表すために贈ることなどもあります。

また、供花は、ご親族や友人、会社関係者などが、共同で贈るケースが多く見られます。したがって、訃報を受けて供花を手配しようと思ったなら、まずは独断で判断せず、自分が故人様のお身内であればご親族、友人であれば故人様と共通の友人、会社関係者であれば同僚や上司などに相談するとよいでしょう。

供花を贈るのは、下記のように故人様の近親者や故人様と縁の深かった方です。

【供花を贈る人】
1.ご家族・ご親族
「喪主」「兄弟一同」「孫一同」「従姉妹一同」など、個人名や連名で札名を添えます。ご家族やご親族の場合は、共同で供花を贈るのが一般的です。

2.友人
故人様が親しくしていた友人は「友人一同」、もしくは連名の札名として共同で贈るのが一般的です。特に親しかった友人の場合は、個人で贈る場合もあります。

3.故人様と仕事上のお付き合いがあった法人・団体
故人様と仕事上で縁のあった会社関係や団体の方が供花を贈る場合は、「会社名」「団体名」、または、「会社名(団体名)+代表者名」か「会社名(団体名)+連名」を札名に記載します。

4.喪主様やご遺族と仕事上のお付き合いがある法人・団体
喪主様やご遺族の勤務先や取引先の会社、団体関係の方が供花を贈るケースもあります。その場合には、上記のように「会社名(団体名)」か、それに加えて代表者名や連名を札名に書きます。

3.供花の手配方法は?どこに注文すればよい?

供花の手配方法は?どこに注文すればよい?

供花の手配方法は、たいていの場合、参列する葬儀を請け負っている葬儀社か、生花店に依頼するかの2つです。
ここでは、2つの手配方法について詳しくご紹介します。

参列する葬儀を請け負っている葬儀社

供花を贈る際、まずは、参列する葬儀を請け負っている葬儀社に相談することをおすすめします。葬儀社によっては、葬儀社経由で手配した供花しか使えない場合もあるからです。

葬儀社であれば、問い合わせをした際に注文もできますし、希望をすれば提携の花屋を紹介してくれる場合もあります。

供花は祭壇周りに飾られるため、喪主様が手配している葬儀の装花との統一感を図りたいものです。葬儀社であれば手配も簡単ですし、飾られる花の統一感も出るため、基本的に供花の手配は葬儀社に依頼するのがよいでしょう。

生花店

葬儀社に注文せず、生花店で注文した供花を贈りたい場合にも、まずは注文する前に担当の葬儀社に確認をしましょう。ご遺族が供花自体を辞退していることもありますし、前述のように葬儀社によっては、他店で手配された供花を断っている場合があります。

4.供花を贈るタイミングは?

枕花など、ご自宅や安置所に贈るお花は、あまりに早く贈ってしまうと、ご遺族に亡くなることを待っていたのではないかと受け取られてしまう可能性があるため、マナーに欠ける行為だといわれています。

しかし、供花は、お通夜の前に祭壇に飾るものですから、遅くてもお通夜が始まる約3~4時間前には間に合うよう早めに手配することをおすすめします。

故人様のご自宅で葬儀を行う場合には、特に注意が必要ですが、担当する葬儀社に確認、相談して手配をすれば、ちょうどいいタイミングで贈ってもらえるので安心です。

5.宗教によって異なる供花の種類

宗教によって、供花に使われる花の種類や色などが異なるため、宗教の確認をしてから供花の手配をすることが重要です。
ここでは、宗教ごとの供花の種類などについてご紹介します。

仏教

仏教の葬儀の場合、一般的にお悔やみの花としては、菊やカーネーション、ユリやデンファレなどの花が多く使われます。花の色は白を基調として、淡い黄色や淡い紫色など落ち着いた色合いの花が好まれます。

仏教の葬儀で供花を贈る場合は、籠盛りのアレンジメントが一般的ですが、葬儀場が広い場合にはフラワースタンドを送ることもあります。葬儀空間に適した供花を贈ることが望ましいため、葬儀を担当する葬儀社に相談して決めるとよいでしょう。

神道

神道の葬儀の供花は、仏教の葬儀と基本的に変わりはなく、白を基調として菊などの花が多く使われます。

榊(さかき)は、神道と縁が深く、神様が降り立つ依り代(よりしろ)としての役割があるとされ、かつては供花にも榊を贈るのが一般的でした。しかし、現代では喪主様が供える程度で、そのほかの方は花をお供えするようになっています。

現代でも神道の葬儀では白木祭壇が使われることが多く、白木の祭壇とのバランスから、供花には淡いピンクや紫色の花や、比較的落ち着いた色の花が使われる場合が多いようです。

キリスト教

キリスト教では、供花の意味が他の宗教とは異なります。他の宗教では供花は故人様の冥福を祈るために贈るのに対し、キリスト教では、ご遺族へのお悔み、慰めの気持ちとして贈ります。

キリスト教の葬儀では、スタンドフラワーや花環などではなく、籠盛のようなフラワーアレンジメントの供花を贈ることが多いようです。供花には、札名を付けないように気をつけましょう。

キリスト教の葬儀は、教会で行われることが多いのですが、供花は故人様のご自宅に贈るのが一般的です。直接、教会に贈る際には、その教会の司祭(カトリック)や牧師(プロテスタント)の方針や宗派による習わしがあるため、事前に確認をし、指示を仰ぐとよいでしょう。

6.供花を贈るときの3つの注意点

故人様の冥福を願う思いで贈った供花でも、マナーが欠けているとご遺族や周りを戸惑わせてしまうことにもなりかねません。
ここでは、供花を贈るときの注意点を3つご紹介します。

注意点1.名義、故人様との関係を明確にする

供花には、誰から贈られた供花であるかが分かるように札名を付けるのが一般的です。札名は、供花を祭壇に飾る際の参考となるため、注文の際は、故人様との関係を明確にするよう札名の名義を明記する必要があります。

ご親族が贈る場合の札名は、「◯◯家一同」や「親族一同」、「兄弟一同」、「子供一同」、「孫一同」など、ご親族以外の場合は、「友人一同」、「◯◯会一同」などや個人名とするケースが多いでしょう。

札名には書き方のルールがあります。正しい札名の書き方については後ほどご紹介します。

注意点2.共同で贈る場合は手配・連絡を確実に行う

故人様と生前お付き合いのあった友人たちや、故人様と仕事上のお付き合いがあった方々が、複数人の共同で供花を送るケースが多くあります。そこで、共同で供花を贈る可能性がある場合には、二重で手配してしまったり、逆に手配し忘れたりしないように、故人様を知る周囲の人たちと連絡を取り合いながら供花を手配してください。

また、ご親族が供花を贈る際は、喪主様が取りまとめて手配する場合もありますから、事前に喪主様に確認してから供花を手配することをおすすめします。

共同で供花を贈る場合には、連携をとり合って確実に手配をしましょう。

注意点3.親族以外に贈る場合はご遺族に確認する

故人様が自分のご親族ではない場合、供花を送るかどうかは自分だけの思いで判断してはいけません。ご遺族が供花を辞退しているケースがあるため、ご遺族、または葬儀を担当する葬儀社にご遺族の意向を確認しましょう。

辞退をしているのは、負担をかけさせたくない、お返しなど気をつかうことを省きたいと考えてのことかもしれません。ご遺族の気持ちを尊重して、一方的に贈ることは控えましょう。

※家族葬の場合に供花を贈るかどうか判断に迷われている方には、こちらの記事が参考になります。

7.供花の相場・費用は?

供花の相場・費用は?

供花は一つを一基(いっき)、二つ(二基)を一対(いっつい)と数えます。

供花の相場費用は、一基で約10,000円〜30,000円です。スタンド式の供花の場合には、祭壇の両サイド分として一対(2つのスタンド)で手配することとなり、価格は約2倍となります。

故人様への思いが大きい分、高価な供花を贈りたいと考える方もいますが、相場を大きく上回るような供花は、喪主様やご遺族に気をつかわせてしまうことにもなりかねません。大切な方を亡くしたご遺族の状況を優先したうえで、供花を選ぶようにしましょう。

8.供花の飾られ方

供花が飾られる際には、一般的に順番があります。また、最近では、贈られた供花を個々に飾るのではなく、お花代によって全体的に統一したデザインの花祭壇がつくられる場合もあります。

供花を並べる一般的な順番は?

供花は、一般的には、故人様と関係の近いご遺族、ご親族、友人、会社関係者という順番で祭壇の内側(中心に近いところ)から並べられます。

供花組込式

供花には、「供花組込式(きょうかくみこみしき)」と呼ばれるスタイルがあります。贈られた供花で祭壇をつくるのではなく、供花分のお花代を祭壇の花の費用に充足して祭壇をつくる方法です。喪主様やご遺族が考えた葬儀空間や祭壇の全体のデザイン、バランスを崩さずに、より華やかに祭壇を彩ることができる方法であるため、近年人気が高まっています。花葬儀では、この「供花組込式」のスタイルを独自に「エクステンション供花」と呼んでいます。

供花を手配するにあたっては、ご遺族が供花組込式を選択している場合もありますから覚えておくとよいでしょう。

9.供花の札名のマナー

供花には一般的に誰から贈られたものかが分かるように札名が添えられます。
葬儀に参列する多くの方の目に触れるため、札名のマナーについては覚えておくようにしょう。

一般的な供花の場合

一般的な供花の場合、個人で贈るのか、複数人が共同で、または一つの団体で贈るのかによって、札名にもマナーがあります。

個人で供花を贈る場合

個人で供花を贈る場合、札名に書くのは、そのまま個人名のみとなります。名前の記載を間違われないように、正式な文字で手配しましょう。

家族、親族が連名で供花を贈る場合

故人様のご家族やご親族が連名で供花を贈る場合、「兄弟一同」「子供一同」「孫一同」などと表記するのが一般的です。

ご家族、ご親族の供花は、喪主様が取りまとめて葬儀社に手配を依頼するケースも多いため、葬儀社に確認しながら札名の手配をするとよいでしょう。

会社関係者などが連名で供花を贈る場合

会社関係者などが連名で供花を贈る場合は、連名で贈る方の組み合わせにより札名の書き方が異なります。

肩書きのある立場の方が連名で供花を贈る場合は、札名の右側から順番に肩書きが上の人の名前を書きましょう。

会社の同僚や友人など、立場に違いがない関係性の場合には、名前を書く順番を気にする必要はありません。

団体や法人で供花を贈る場合

団体や法人が供花を贈る場合には、札名に団体・法人の正式名称を正しく記載しましょう。

会社の場合、会社名に代表者の名前を加え、「会社名+代表者の役職・氏名」を札名にするのが一般的です。株式会社は、名前が長くなってしまったときにのみ(株)と略式で書く場合もあります。また、会社名に加えて連名を記載する場合には、立場の上の人を右から順番に書きます。

友人や職場の同僚がまとまって供花を贈る場合

友人は連名よりも、「友人一同」「○○大学 友人一同」などとまとめたほうがすっきりと見やすいため、「一同」を使って連名にはしないケースが多く見られます。

また、会社の同僚が部署として供花を贈る場合は、「会社名+○○部一同」と会社名と部署名を正しく記載します。

供花組込式の場合(芳名板)

供花組込式の場合、供花分のお花代を祭壇をつくる一部として使用するため、札名を添えることができません。そこで、供花を贈った個人名、または団体名、企業名などを板状のものに書いた「芳名版(ほうめいばん)」が斎場の入り口などに掲示されます。

芳名板は、参列者を迎える斎場の入り口や祭壇の横など目立つ位置に設置されるため、すでにご紹介してきた一般的な供花の札名のマナーを参考にして、芳名板に名前が間違いなく記載されるよう手配をしましよう。

10.花葬儀のエクステンション供花とは?

花葬儀では、「エクステンション供花」をおすすめしています。
ここでは、花葬儀の花祭壇、エクステンション供花についてご紹介いたします。

花葬儀の花祭壇とは?

花葬儀では、葬儀をお考えのお客様とのお打ち合わせの際に、葬儀プランナーだけでなく、フラワーデザイナーが立ち会います。故人様の人生やお人柄、生前好きだったお花、色など、たくさんのお話を伺いながら、世界でたった一つの花祭壇をおつくりします。

花以外にも、ときには故人様の好物や、たくさんの時間を費やした趣味に関わるアイテム、気に入られていた洋服などを取り入れて、故人様の人生を感じられるような花祭壇・葬儀空間づくりを目指しているのです。

葬儀の慣習を踏襲しつつ、故人様の思い、ご家族の思いを優先した花祭壇をおつくりします。

エクステンション供花で花祭壇をおつくりします

花葬儀では、「エクステンション供花」をおすすめしています。わたしたちは、エクステンション供花では、ご遺族の思いが込められた葬儀空間を、供花代をお贈りいただいた皆様の思いで「拡充する」、故人様を大切に思う皆様で一緒に花祭壇をつくり上げることができると考えています。

エクステンション供花ならば、皆様から贈っていただいた供花分の費用を祭壇をつくる費用に組み込めるため、ご遺族の費用面の負担を軽くしつつ、花のボリュームを減らさずに祭壇を華やかに彩ることが可能です。

コンセプトボード

一般的に、エクステンション供花では、自分が贈ったお花代がどのように活用されているのかが分かりにくいため、花葬儀では式場前に「コンセプトボード」を立て、どのようなコンセプトで祭壇がつくられたのか、また、どのようなお花が使われているのかの説明を、実際にフラワーデザイナーが描いた祭壇のデッサンとともに掲示します。これにより、祭壇が、皆様とご家族の思いが一緒になってつくられたことがわかるのです。

※花葬儀の花祭壇については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。

※エクステンション供花にご興味のある方は、ぜひ、実際にエクステンション供花を利用されたお客様のインタビューをお読みください。

11.皆様の思いを込めた供花で故人様らしい祭壇をつくりましょう

冒頭で書いたように、供花は故人様の冥福を祈る気持ちがこもった、故人様への最後の贈り物です。故人様とつながりのある同じ思いを持った人たちが、故人様の人生を振り返り、感謝をしながら、協力してすばらしい祭壇をつくるためにも、供花を贈る際にはマナーを守って贈るようにしましょう。

近年では、従来の葬儀のイメージにとらわれず、故人様が好んだ花や色を多く取り入れた祭壇も見られます。故人様の葬儀の内容を把握している葬儀社に相談し、それに合わせた供花を手配すれば、きっとすばらしい祭壇になるはずです。

※花葬儀が担当させていただく葬儀に供花を贈られる方は、こちらのページからお申し込みください。

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