香典返しが半年後になった場合の対応は?マナー・挨拶状の書き方も解説
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
香典返しの用意が、葬儀から半年後など遅くなってしまった場合、どのように対応したらよいのでしょうか?香典返しを葬儀後すぐに送ろうと思っていても、さまざまな事情によって遅れてしまうことはあります。「本来送るべき時期を逃して、失礼なことをしてしまった!」と焦る方もいらっしゃるでしょう。
今回は、お香典をいただいてから香典返しまで半年以上が経ってしまった方のお悩みにお答えします。特に気を付けたいマナーや、香典返しに添える挨拶状の書き方などをご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。
1.香典返しをする一般的な時期は?
香典返しを行う一般的な時期は、以下の2通りです。
・当日返し(即返し):通夜・葬儀など、お香典をいただいたその場で香典返しを行う
・忌明け返し(後返し):忌明けを迎えた後に香典返しを送る
もともと香典返しは、お香典を包んでくれた人に直接会って手渡しをするのがマナーとされていました。しかし時代と共に葬儀におけるマナーが簡略化され、現在では当日返し(即返し)が主流となっています。
忌明けの時期は、宗教・宗派によって異なります。しかし、いずれの宗教・宗派も「いつまでに香典返しを送らなければならない」といった厳密なルールはありません。忌明け返しを行う場合、一般的には、亡くなってから49日目~1か月以内が目安とされています。
宗教・宗派ごとの忌明けの時期や、香典返しのタイミングについては「香典返しの時期は?当日返し・忌明け返しのマナーも解説」の記事で詳しく解説していますので、参考になさってください。
2.香典返しが半年後になってしまうケース
香典返しに半年もかかってしまう理由はさまざまです。ここでは、香典返しが半年後になってしまった事例をご紹介します。
ご自身で把握している理由以外にも、香典返しを忘れているケースにあてはまっているかもしれませんので、以下確認してみてください。
理由 | 例 |
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喪主の体調不良
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葬儀後に体調を崩して療養していた
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別の不幸が続いた
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母を亡くした後に、父も亡くなった
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生活基盤を整えるのに忙しかった
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大黒柱を亡くしたため、名義変更手続きや求職活動を最優先させた
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相続問題が長引いた
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遺産相続で親族が揉めた/遺産が多く名義変更に手間取った
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年末年始をはさんだ
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縁起が悪いので年始以降にしようと思っていたら他のことで時間をとられ長引いた
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相手に不幸があった
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香典返しをする相手に不幸があり、落ち着くまで控えた
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香典リストから漏れていた
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お香典を包んでくれた方のリストを作成していたのにその中から名前が漏れていた
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香典返しが不要だと思っていた
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会社名義からのお香典には香典返しは不要と思っていたが、後になって周りから用意したほうがよいと言われた
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即返しだけで済ませていた
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即返しでは不十分なほど高額なお香典をいただいた相手に、後日送り直すのを忘れていた
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香典返しをすることを知らなかった
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香典返しという慣習のない地域に住んでいたので、必要であることを知らなかった
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香典返しを忘れていた
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他のことに気をとられていて、香典返しをすることを単純に忘れていた
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3.香典返しが半年後になった場合の対応
香典返しが半年後になってしまうと、「いまさら香典返しを送っても問題ないだろうか?」「遅くなった理由を説明しなくてはいけないの?」など、お香典を包んでくださった相手に失礼を重ねないよう、気を遣うものです。
ここでは、香典返しが半年後になってしまった場合の対応方法について解説します。
できるだけ早く送る
まずは「香典返しは時期に関係なく、必ず送る」という点をおさえておきましょう。
葬儀を終えてから長い間音沙汰がないことによって「喪主になにかあったのではないか」と相手が心配をしているかもしれません。香典返しが送れないまま半年が経っていたとしても、手配できる状態になったらなるべく速やかに行動しましょう。
体調不良が続いていたり、外出する余裕がなかったりする方には、時間的・肉体的負担の少ないインターネットでの手配がおすすめです。
また、あらかじめ香典返しが遅くなることが分かっていた場合は、前もって相手に伝えておくとお互いが安心できるでしょう。
送る際は挨拶状にお詫びを添える
香典返しを送る際には、挨拶状を添えるのが基本的なマナーです。半年以上経ってからの香典返しには、挨拶状に、遅くなってしまったことに対するお詫びの一文を入れましょう。
挨拶状の書き方や文例については、「香典返しが遅れた場合の挨拶状の書き方」で詳しく解説します。
4.香典返しが半年後になった場合の「のし」は?
香典返しの品物には、通常「のし」をかけます。香典返しが半年以上経ってしまった場合も、のしをかけるのがマナーです。
表書きには、「志」を使うとよいでしょう。「志」には「心ばかりのお返しです」という意味があり、宗教や地域を問わず広く用いることができます。
「忌明け」「満中陰志」などの表書きは、「亡くなってから四十九日」といった意味が含まれるため、避けた方が無難でしょう。
5.香典返しが遅れた場合の挨拶状の書き方
香典返しが遅くなってしまったときは、挨拶状にも注意をはらわなければなりません。こちらでは、香典返しが遅れた場合の挨拶状の注意点と文例をご紹介します。
香典返しが遅れた場合の挨拶状の注意点
香典返しが遅くなった場合、たとえやむを得ない理由があったとしても、挨拶状には遅れたことへのお詫びを入れましょう。遅くなった理由についての具体的な説明までは必要ありませんが、心遣いを示すことが重要です。
香典返しを送る時期に、厳密なルールはありません。しかし、伝統を重んじる方の中には、香典返しに半年以上かかっていることに対し、不快感をもつ方もいらっしゃるかもしれません。また、長い間連絡がないことを心配する方もいらっしゃるでしょう。
相手の気持ちを考慮し、誠意が伝わる挨拶状にしましょう。
香典返しが遅れたときの挨拶状の文例
こちらでは、遅くなってしまった香典返しに添える挨拶状(お礼状)の文例をご紹介します。コラムの仕様上横書きとなっていますが、実際の挨拶状は縦書きです。
謹啓
先般は亡母〇〇の葬儀にて 丁重なお心遣いを賜りましたこと 厚く御礼申し上げます
本来であればすぐにご挨拶申し上げるところ 諸般の事情により遅くなってしまったことを心からお詫び申し上げます
ささやかながら故人を偲び 心ばかりの品をお贈りいたしますので どうぞみなさまでお召し上がりください
謹白
令和〇年〇月 (喪主氏名)
挨拶状を書くときには、「季節の挨拶は省く」など、いくつか注意することがあります。お香典の挨拶状に含めるべき内容やポイントについては、「お香典へのお礼状(挨拶状)の書き方と文例」にも載せておりますので、ご一読ください。
6.半年後になっても、気持ちをこめて挨拶状・香典返しを手配しましょう
香典返しは、忌明けには送ることが望ましいですが、さまざまな事情により、お香典を受け取ってから半年以上経ってしまうこともあります。
そのような場合でも、香典返しを行う準備が整い次第、速やかに手配を進めましょう。遅くなってしまったことを詫びる挨拶状も、忘れてはなりません。
礼儀正しく誠意をもって対応すれば、相手もきっと理解してくれることでしょう。
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