弔電の文例集/アレンジするだけで心のこもった文章ができる!

弔電の文例集/アレンジするだけで心のこもった文章ができる!

「弔電の文例がほしい」というご要望は弊社にも寄せられます。諸事情で通夜や葬儀に参列できないとき、弔意を伝えるために送る電報が「弔電」ですが、「きちんとした文章を送らなければご遺族に対して失礼になる」という思いから、文面に悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。

正しい文章を送ることももちろん大切なことではありますが、もっと重要なことは「心を込めた文章を送ること」です。

そこで今回は、一般的な定型文だけでなく、故人様らしさがより伝わる「さまざまな立場の弔電文例」をご紹介します。弔電を送りたいけれど、どのように書いたらよいか分からない方は、ぜひ参考になさってください。

【もくじ】

  1. 1.弔電の文例におけるマナーとは?
  2. 2.敬称に注意!一覧表でチェック
  3. 3.一般的な弔電の定型文とは?
  4. 4.弔電を「心のこもったオリジナルの文章」にする意味は?
  5. 5.心のこもった弔電をご遺族に届けるには~文例をアレンジする方法~
  6. 6.文例/故人様の友人・知人が差出人の場合
  7. 7.文例/ご遺族の友人・知人が差出人の場合
  8. 8.文例/故人様の生徒(現在、または過去)が差出人の場合
  9. 9.文例/職場の関係者(故人様・ご遺族)が差出人の場合
  10. 10.文例(エピソードのみ)/故人様あてに送る場合
  11. 11.弔電は供花と一緒に送れます
  12. 12.弔電の文例を活用して心のこもったメッセージを伝えてみてはいかがでしょうか

1.弔電の文例におけるマナーとは?

まずは、弔電を書く際に気を付けなければならないマナーについてご紹介します。

葬儀開始時刻の数時間前までに送る

弔電は、いつ送ってもよいわけではありません。集まった弔電は告別式の中で読み上げられるため、葬儀開始時刻の数時間前までに届くよう手配します。

間に合わない場合は、弔電ではなく「お悔やみの手紙」を送りましょう。

斎場に送る

弔電の送り先は、葬儀・告別式の会場となる斎場に送るのが基本です。斎場の名前と住所は、葬儀の案内状で確認することができます。

送り先は斎場ですが、弔電の受取人(宛名)は喪主様です。故人様のお名前で送ってしまうと確実に受け取ってもらえない可能性があるため、宛名は必ず喪主様のお名前(フルネーム)にしましょう。

忌み言葉に気を付ける

「忌み言葉」とは、不幸や不吉なことを連想させる言葉のことで、弔事においては以下のような言葉が該当します。

・死ぬ     ・生きていたころ
・追う     ・迷う
・生存中    ・生存中
・四(死)   ・消える
・落ちる    ・九(苦)
・去る     ・苦しむ
・浮かばれない

故人様の信仰していた宗教観にそぐわない言葉もタブーになることがあります。例えば、仏教の言葉である「成仏」を、神道やキリスト教を信仰している方には使いません。

また、不幸が連続して起こることを連想させる「重ね言葉」にも注意が必要です。「重ね重ね」「再び」「何度も」「ますます」といった、日常的に使う言葉も重ね言葉に含まれます。

差出人名を忘れない

誰から送られてきた弔電なのかをご遺族が分かるように、差出人名を必ず記載します。弔電が式の途中で紹介されることを考え、差出人名には読み仮名をつけておくと丁寧です。

連名で弔電を送る場合は、目上の順から名前を記載します。ただし、連名の人数が5人以上になるようであれば「〇〇〇学校同窓生 一同」のようにまとめるのが無難です。

2.敬称に注意!一覧表でチェック

弔電の中で故人様について触れるときは、敬称に注意が必要です。弔電の受取人は喪主様ですから、喪主様にとってどなたが亡くなったのかを基準に考えなくてはなりません。それぞれの敬称については以下の一覧を参考になさってください。

【弔電における敬称一覧】

喪主様にとっての故人様 敬 称
実父
ご尊父(そんぷ)様/お父様/お父上(様)
実母
ご母堂(ぼどう)様/お母様/お母上(様)
配偶者(妻)の父
ご岳父(がくふ)様/お父様/お父上(様)
配偶者(妻)の母
ご外母(がいぼ)様/ご岳母(がくぼ)様/ご丈母(じょうぼ)様
配偶者(夫)の父
お舅(しゅうと)様/お父様/お父上(様)
配偶者(夫)の母
お姑(しゅうとめ)様/お母さま/お母上(様)
祖父
ご祖父様/お祖父(じい)様
祖母
ご祖母様/お祖母(ばあ)様
ご夫君様/ご主人様
ご令室様/ご令閨(れいけい)様/奥様
息子
ご令息様/ご子息様
ご令嬢様/ご息女様
お孫様
実の兄、義兄
ご令兄(れいけい)様/お兄様/兄上様
実の姉、義姉
ご令姉(れいし)様/お姉様/姉上様
実の弟、義弟
ご令弟(れいてい)様/弟様
実の妹、義妹
ご令妹(れいまい)様/妹様

3.一般的な弔電の定型文とは?

弔電の文字数は厳密に決まっていませんが、50~100文字程度のメッセージを送る方が大半です。短い文章で弔意を伝えるために、弔電サービスを提供しているNTTや郵便局などでは定型文をご紹介しています。以下は、その一部です。

  • ・ご逝去を悼み 謹んでお悔やみ申し上げます
  • ・ご尊父様のご逝去を悼み 心よりご冥福をお祈りいたします
  • ・ご母堂様ご訃報に接し 大変驚いております 謹んでお悔やみ申し上げますとともに
    心よりご冥福をお祈りいたします
  • ・在りし日の奥様のお姿を偲(しの)びつつ ご冥福をお祈りいたします
  • ・社長様のご訃報に接し 弊社社員一同 衷心(ちゅうしん)より哀悼の意を捧げます

※弔電では句読点を使わないのが基本です。

弔電を初めて送るときや、急いで手配しなければならない場合は、上記のような定型文を活用すると便利です。

しかし、「本当は、もっと丁寧に気持ちを伝えたい」「自分の言葉で気持ちを表現したい」という方もいらっしゃることでしょう。最近は低料金で200文字以上の弔電を送ることができるサービスも増えていますから、文例からアレンジして、思いのこもった弔電を送ってみるのはいかがでしょうか。

こちらの記事でも、さまざまな立場の方が送るオリジナル弔電文例をご紹介していますので、参考になさってください。

なお、弔電を送るタイミングを逃してしまった場合は、「お悔やみの手紙」を送ります。書き方や文例は「お悔やみの言葉~文例とご遺族への正しい伝え方~」で詳しく解説しています。

4.弔電を「心のこもったオリジナルの文章」にする意味は?

心のこもったメッセージは、弔電を受け取る側の心にも深く刻まれるものです。特に、故人様との思い出や故人様のお人柄が含まれたオリジナルメッセージは、形式的なメッセージよりも、つらい心中にあるご遺族の慰めになることが多いようです。そこで、心のこもったオリジナル弔電にすることの意味を、具体的に解説します。

定型文が与える印象は?

定型文の弔電は、「うっかり失礼なことを書いていたらどうしよう」「正しく書けているのだろうか」といった、送り手の不安を解消してくれます。しかし、単に「お悔やみ申し上げます」といった形式的な言葉だけでは、故人様の存在が感じられない文章になりがちです。思いが伝わるような具体的な言葉がないため、受け取る側にとっては心に響きにくく、「ご遺族の悲しみに寄り添い、お悔やみの気持ちを伝える」という弔電の本当の意味を活かすことが難しいという側面もあります。

「心のこもったオリジナルメッセージ」がご遺族の心の支えに!

オリジナルメッセージの弔電にすることで、以下のような効果が期待できます。

故人様への敬意と感謝を表すことができる

敬意と感謝を伝える文章は定型文にもありますが、「生前のご厚情に深く感謝」「ご生前のご功績を偲び」など、具体性に欠けます。

しかし、オリジナルメッセージにエピソードを交えることで、「故人様がどれほど大切な存在だったか」「故人様の存在が周囲にどれだけの影響を与えたか」を表現することができるため、故人様に対する敬意や感謝の気持ちがより強く伝わるでしょう。

ご遺族への慰めや励ましにつながる

オリジナルメッセージでは、「ご遺族が知らない故人様の生前の姿」や「さまざまな人との絆が多かったこと」、さらには「故人様がさまざまな人間関係の中でどのような功績を築き上げてきたか」などのエピソードが盛り込まれます。

これらの思い出のエピソードは故人様の生きた証として強く心に残り、悲しみの中にいるご遺族にとっては大きな慰めや励まし、また、心の支えとなるかもしれません。

このようにオリジナルメッセージの弔電は、残されたご遺族・ご親族にとって「故人様の知らない部分」を「第三者から知る」ことのできる大切な機会です。ただ「お悔やみ」を伝えるのではなく、心のこもったオリジナルのメッセージを盛り込んでみてはいかがでしょうか。

5.心のこもった弔電をご遺族に届けるには~文例をアレンジする方法~

時間の少ない中で、心のこもったオリジナルの弔電を、一から考えるのは難しいものです。そこで、「文例の一部分をアレンジする」をポイントにして考えてみましょう。
詳しい方法をご紹介します。

アレンジする方法は?

文例をアレンジする際は、以下の2つのポイントを踏まえると、自分の気持ちをまとめやすくなります。

故人様とのエピソードを添える

定型文だけでなく、その中に故人様とのエピソードを添えると、より温かく親しみの感じられる弔電になります。

【例】
・故人様の作ってくれた【料理名】がおいしかった
・故人様と一緒に行った旅行が楽しかった
・故人様には仕事面でとても助けられた

ご遺族への気遣いの言葉を添える

故人様の具体的なエピソードが浮かばない場合には、ご遺族への気遣いを、自分なりの言葉で入れるとよいでしょう。

【例】
・●●様の悲しみを思うと、胸が張り裂けそうになります
・どうかご自愛ください
・一日も早く 心に平穏が訪れますように
・何かあれば遠慮なく頼ってください

文例アレンジ事例

文例を使ったアレンジ事例をご紹介します。

【文例】

●●●さんとは学生時代からの付き合いでした
このたびの訃報に接し まだ信じられない気持でいっぱいで
笑顔で元気に活躍されていた姿ばかりが目に浮かびます
謹んでお悔やみ申し上げます

●●●さんと共に過ごした日々は、今も私にとってかけがえのない大切な思い出です
彼女の思い出と彼女からいただいた教えを胸に これからも頑張る所存です

ご家族様のご悲観はいかばかりかとお察し申し上げますとともに 在りし日のお姿を偲び心からご冥福をお祈りいたします

【アレンジ例】

●●●さんとは学生時代からの付き合いでした
このたびの訃報に接し まだ信じられない気持でいっぱいで
笑顔で元気に活躍されていた姿ばかりが目に浮かびます
謹んでお悔やみ申し上げます

●●●さんは強いリーダーシップの持ち主で
まとまりのなかったテニス部を区大会優勝まで引っ張ってくれました
成績で伸び悩んでいた私に夜遅くまで練習につきあってくれた強く優しい●●●さんは
これからもずっと私の憧れです

ご家族様のご悲観はいかばかりかとお察し申し上げますとともに 在りし日のお姿を偲び心からご冥福をお祈りいたします

【文例】の背景がグレーとなっている箇所を、【アレンジ例】の黄色の背景のように文面を変更すると、オリジナルメッセージが完成します。故人様との思い出を言葉にすることで、メッセージに具体性が増し、ご遺族に気持ちが伝わるでしょう。

次の項から、心に残る弔電の文例をケースごとにご紹介します。
ご紹介したアレンジ例のように、黄色で色付けがされている箇所をオリジナルのメッセージに変えて、ご活用ください。

文例の目次

6.文例/故人様の友人・知人が差出人の場合

故人様の友人・知人が差出人の場合の文例を、2つご紹介します。

【文例1】

ご令息様のご逝去を悼み 心よりお悔やみ申し上げます

小学生のころ いつも●●●さんとは一緒に登下校していました
車通りの多いところでは白線から出ないように私の手をひいてくれ
雨の日は一緒にカエルやカタツムリを探してくれました

また 帰り道に散歩中の犬とすれ違うとき
犬の苦手な私をかばうように間に立ってくれた●●●さんは
とても頼もしくてヒーローのような存在でした

突然の訃報に残念でなりません
どうぞ安らかな旅立ちでありますよう 心からお祈りいたします

【文例2】

●●●さんの突然の訃報に接し 言葉を失っています

つい先日 一緒に京都へ遊びに行ったばかりでしたので
いまだに信じることができません
●●●さんは車いすの私でも気軽に遊べるよう
いつもバリアフリーの充実した行先を提案してくれるような心優しい方でした

彼女のおかげで外に出る事が怖くなくなり
楽しい思い出をたくさん作ることができました
感謝してもしきれません

謹んでお悔やみ申し上げますとともに
心からご冥福をお祈りいたします

【ポイント】
文例1のポイントは、ご家族の知らない故人様のエピソードを入れているところです。文例2のポイントは、故人様への敬意と感謝を込めているところです。1と2のポイントを合わせると、より気持ちの伝わる弔電メッセージとなるでしょう。

7.文例/ご遺族の友人・知人が差出人の場合

ご遺族の友人や知人が差出人の場合の文例を、故人様別(ご遺族から見た関係性別)にご紹介します。

ご尊父様(お父様)が亡くなった場合

【文例】

ご尊父様のご逝去の報に接し 謹んでお悔やみ申し上げますとともに
心からご冥福をお祈りいたします

おすそわけでもらったスイカを 一緒に縁側で食べたあの日のことが思い出されます
両親が共働きで 一人で過ごすことの多かった私を
おじさんは自分の子どものように接してくれました
これからご恩を返したいというときに 残念でなりません

ご家族の皆様の悲しみ ご落胆はいかばかりかとお察しし
すぐにでもお慰めに飛んでまいりたい気持ちですが お伺いできないこと深くお詫びいたします
ご生前のお姿を偲びつつ 遠くから合掌させていただきます

【ポイント】
故人様の具体的なエピソードに触れるときは、普段の呼び方(このケースでは「おじさん」)でも差し支えありません。故人様と親交があったケースでは、形式的な敬称を使わない方がご遺族の慰めや励ましにつながることもあります。

ご母堂様(お母様)が亡くなった場合

【文例】

ご母堂様ご他界の悲報に接し 謹んで哀悼の意を表します

病床にあっても変わらぬ元気な様子でお話しされていたので
お別れがこんなにも早く来るとは思いもせず残念でなりません

同じ趣味のよしみだからと
ピアノの楽譜やコンサートチケットを分けてくださった●●●さんのお母さんは
いつも笑顔で優しくて とても魅力的な方でした
もうあの柔らかいワルツが聞けないと思うと 悲しみで胸が塞ぎます

ご家族の皆様も突然のことでさぞお力落としのことと思いますが どうぞお体を損なわれることのないようご自愛ください

【ポイント】
ご遺族のお母様と親しかったエピソードがしっかりと伝わる内容になっています。
ご尊父様が亡くなったケースと同様に、差出人がいつも呼んでいた「●●さんのお母さん」という言葉をそのまま使うことで、親しさが表現できているといえるでしょう。

ご祖父・ご祖母が亡くなった場合

【文例】

ご祖母様のご逝去の報に接し 謹んでお悔やみ申し上げます
いつの日か来るものと知りながらも いざお別れの日が来ると 信じたくない気持ちや
深い悲しみでいっぱいではないでしょうか

とくに●●●さんはおばあちゃんっこだったので 心痛いかばかりかと拝察いたします
お慰めに値する言葉が見つからず大変恐縮ですが
何か自分にお手伝いできることがありましたら遠慮なく声をかけてください

また、皆様お力落としのことと思いますが いつかこの悲しみを乗り越えられ 皆様が心を合わせて強く前を向ける日が来ることを心から願っております

【ポイント】
故人様との親交がほとんどないケースでは、ご遺族の心に寄り添える文章を中心に書くとよいでしょう。

ご主人様が亡くなった場合

【文例】

突然の悲報に 胸が張り裂けそうな思いでいっぱいです
いたってご壮健と伺っていただけに 言葉もありません
謹んでご主人様のご冥福をお祈りいたします

●●●ちゃん みんな力になるからね
今はとても対応できる状況ではないと思うけれど
子どものためにも気をしっかり持って生きてください
みんな●●●ちゃんと子どものために できることはなんでもするからね
遠慮なんてしないで いつでも頼ってください

【ポイント】
受け取り側が激しく消耗しているような状況では、より一層寄り添った文章にすることも時には大切です。

奥様が亡くなった場合

【文例】

最愛の奥様がお亡くなりになられた悲しみは 計り知れないものとお察しいたします

ご自宅にお伺いするといつも歓迎してくださり
優しい笑顔とおいしい料理でもてなしてくださった奥様の訃報は 涙を禁じえません

ご家族を愛し その生涯を捧げられた尊いお人柄を偲び 心よりご冥福お祈りいたします

●●●くん 今はとてもつらいとは思うけれど どうか体を大事にしてください
落ち着いたら 奥様の大好きだったバラの花を持って弔問にうかがわせていただければと思います

【ポイント】
通夜や葬儀に参列できない代わりに、弔問にうかがいたい旨を伝えてもよいでしょう。

ご子息(息子様)が亡くなった場合

【文例】

大切なご子息様のご永眠の報に接し 言葉も見つかりません

ご家族の献身的な看病により必ずや回復されると信じていただけに残念でなりません

●●●くんは虫や植物についての知識が豊富で
幼稚園では子どもたちから「博士」と呼ばれ慕われていました

いつも元気で笑顔がまぶしく 娘が幼稚園に行きたくないと玄関で泣いていると「どうしたの?一緒に行こう」と手をひいてくれる優しさもありました

そんな●●●くんの突然の訃報に胸がつぶれてしまいそうなほど痛みます

ここに謹んで哀悼の意を表するとともに 心からご冥福をお祈りいたします

【ポイント】
ご子息の思い出にふれ、ご遺族の気持ちに寄り添った内容になっています。

ご令嬢(お嬢様)が亡くなった場合

【文例】

ご令嬢のご帰幽の報に接し 心から哀悼の意を表します

赤ちゃんの頃から成長を見守ってきた●●●ちゃんは 子どものいない私にとって太陽のような存在でした

まだ言葉の練習中だった●●●ちゃんが初めて私のことを「みーちゃん」と呼んでくれた時や
結婚式にご招待してくれた時の喜びは 今も鮮やかに記憶に残っています

ご家族の皆様におかれましては 深い悲しみに包まれていることと思いますが どうぞお体を大切になさってください

【ポイント】
この文例は神式のケースを想定しています。神式では「冥福」「往生」「供養」といった言葉は使いません。「逝去」の代わりに「帰幽」を使います。

お孫様が亡くなった場合

【文例】

突然の報に言葉を失っております
まだ人生これからという若さでの昇天に
天の父なる神の慰めが ご家族の皆様に
深くありますようにとお祈りせずにはいられません

自転車に初めて乗れたこと 水泳の大会で優勝したこと 難関大学の試験に合格したこと
お写真を通して成長を見せていただくたび
私も自分事のように喜んだものです

お孫様の御霊が安らかならんことを 心よりお祈りいたしております

【ポイント】
この文例はキリスト教式のケースを想定しています。キリスト教式では、「哀悼」「お悔やみ」といった言葉は使いません。「逝去」の代わりに昇天、召天、帰天のいずれかを使います。

8.文例/故人様の生徒(現在、または過去)が差出人の場合

故人様の生徒が差出人の場合の文例は、以下を参考になさってください。

【文例】

●●●様の逝去の報に接し 謹んでお悔やみ申し上げます

●●●様は学生時代の書道の先生で 初めて筆を手にする私に丁寧な指導をしてくださいました

また 書の道についてだけでなく「道具を大切にすることの大切さ」「心を律するための極意」など 人生において大切なことも教えくださり 深く感謝しております

ご生前のご厚情を思えば 今すぐかけつけてお見送りをいたすべきところでございますが
お別れに参列できず残念です

近いうちに改めてご焼香におうかがいさせてください
心よりご冥福をお祈り申し上げます

【ポイント】故人様の生徒として、恩師・先生に弔電を送るケースでは、故人様への深い感謝を伝えるとよいでしょう。感謝の言葉を素直に述べることで、その存在の偉大さが伝わります。

9.文例/職場の関係者(故人様・ご遺族)が差出人の場合

職場の関係者として弔電を打つ時の文例は、関係別に以下を参考になさってください。

社長が亡くなった場合

【文例】

貴社代表取締役●●●様のご逝去の報に接し 謹んで哀悼の意を捧げます

●●●社長は 融資が降りず廃業寸前に追い込まれていた我が社に無担保で
多額の資金を投じてくださいました

「御社の技術力なら大丈夫」と言ってくださったことを昨日のように覚えております
あの時の資金があったおかげで 今の我が社はあります

どれほど言葉を尽くそうと ご生前中にいただいたご厚情に感謝の念は尽きません
これからも社員皆様お力を合わせて 励まし合いながら
この度のご不幸を乗り越えられる事を心よりお祈りいたします

上司が亡くなった場合

【文例】

●●●様のご訃報に接し 心よりお悔やみ申し上げます

あんなにお元気に職務に専念されておられた●●●部長がお亡くなりになったと知り
いまだ信じられない思いです

●●●部長は 私が部署移動したときの最初の上司で「豪傑の●●●」と呼ばれておりました

その名の通り 仕事ぶりは大胆で力強く 思い切った計画書を作成しては社内外から驚かれていましたが
いつも結果を伴い 高い評価と信頼を得ていました

もうあの元気いっぱいの笑い声を聞くことができないと思うと 胸が痛みます
ご生前のお姿を偲び ご冥福をお祈りいたします

部下が亡くなった場合

【文例】

思いもかけないことで大変驚愕し 人の命の儚さを嘆くばかりです

私は●●●さんの元上司で 約5年間共にお仕事をしておりました

●●●さんは研究熱心な方で 納得のいく結果が得られるまで寝食を惜しまず
仮説をひとつひとつ検証していくひたむきさがありました
彼女のおかげで契約を獲得した事案がいくつもあり 間違いなく弊社に大きく貢献した一人です

そんな彼女の訃報に 悲しみを隠せません
大切なご息女を亡くされたご家族の皆様のご心痛はいかばかりかと拝察いたします
在りし日の面影を偲びつつ 謹んでご冥福をお祈りいたします

同僚が亡くなった場合

【文例】

●●●様とは新入社員のころから 常に切磋琢磨しあう良き同僚であり 良きライバルでした

社内プレゼン前日 お互いを鼓舞し合いつつ 相手より良いものを作ろうと遅くまで会社に残っていたこと
お酒を飲みながら将来会社で何を実現させたいかを語り明かしたことが昨日のように思い起こされます

このたびの訃報が信じられない気持でいっぱいです
ご家族のことをとても大切にしていた●●●くんでしたから 皆様の悲しみを思うと心が痛みます
ここに謹んで哀悼の意を表するとともに ご冥福をお祈りいたします

取引先の方が亡くなった場合

【文例】

貴社 総務課長●●●様のご訃報に接し 弊社社員一同謹んで哀悼の意を捧げます

かねてご療養中とは伺っておりましたが また元気なお姿を拝見できず残念でなりません

●●●課長とは 会社のセキュリティを強化したいという案件からお付き合いさせていただきました

価格競争の激しい中 弊社の強いシステムならばと決して安くはないサービスに決めていただいたそのご決断に
●●●部長の信念と会社を思う忠義を感じ 胸を熱くしたものです

貴社御一同様のお嘆きのほどを拝察いたしますと お慰めの言葉もございません
心よりご冥福をお祈りいたします

10.文例(エピソードのみ)/故人様あてに送る場合

最近はさまざまな会社が弔電サービスを提供しています。弔電を送る際の宛名は基本的にはご遺族ですが、「宛先が故人様になっているケース」や「故人様あてに想いをつづれるようになっているケース」など、形式にこだわらないフォームが増えてきています。

そこで、ここでは、「故人様に対して直接ご自身の思いをメッセージに込めた文例」をご紹介します。ご遺族に向けた心のこもった弔電は「定型文+エピソード」の形式となりますが、故人様に直接あてた弔電は「エピソードのみ(感謝の言葉やお別れの言葉、祈りの言葉を含む)」となります。

形式ばらずに本人に直接話しかけているような文章となり、それはご遺族にとっても癒しの言葉となるでしょう。

【文例1/故人様(男性)の同僚が差出人の場合】

突然の別れにまだ信じられない気持ちでいっぱいだよ
●●と飲むお酒はいつも明るくて楽しくて
どんなに疲れていても ●●が「さぁ、乾杯しよう!」と言うと自然と笑顔になれたことを覚えているよ

ぼくが仕事でうまくいかない時 いつも「この美味い酒を飲んで元気出せよ」って励ましてくれたね

「大丈夫だ、お前ならきっとできる 次はうまくいくよ」と言ってくれたおかげで ぼくは何度も立ち直れたんだ
本当に感謝している

きっとそっちでも 新しい仲間に囲まれて 皆を励ましているんだろうな
またいつか 一緒に乾杯しよう!
安らかにね

【文例2/故人様(女性)の学生時代の友人が差出人の場合】

「つらい時こそ、前を向こうよ!」
学生時代 部活で大変だった時 ●●ちゃんはいつもそういって皆を元気づけてくれたよね
皆が誕生日の時には手作りのお菓子で祝ってくれたこと 本当に嬉しかった
 
最近はお互い家族のことをよく話したね 
その時の笑顔は一層輝いて見えたよ
仕事をしながらも家族の健康を考えて毎日お弁当を手作りして

そんな仕事と家庭で忙しい中でも 私が悩んでいるときには優しく耳を傾けてくれて本当にありがとう
会えないのは寂しいけれど ●●ちゃんは いつまでも私の大事な親友だから

天国からもご家族 そして私を見守っていてね

お通夜や葬儀に駆け付けられない場合は、このように弔電で謝意を伝えると、相手に寄り添った表現をすることができます。ご紹介した文例を参考に、心のこもった文章を考えてみてはいかがでしょうか。

11.弔電は供花と一緒に送れます

弔電だけでも心のこもったメッセージは送れますが、供花と一緒に送ることで、より哀悼の気持ちや感謝の気持ちを表現することができます。

供花の手配は花屋やオンラインショップで行えますが、手配した供花のデザインが祭壇の飾り付けや斎場全体のイメージに合わない可能性もあるため、葬儀社に依頼をするのがおすすめです。

今回この記事を書いている花葬儀でも供花や弔電のご注文を承っております。供花に弔電を添えて、両方を送ることも可能です。また、花葬儀ではいただいた供花を、花祭壇の拡充に使う「エクステンション供花」も行っており、故人様を大切に思う皆様で祭壇を作りあげることが実感できます。花葬儀への供花のご注文は「供花ご注文のご案内ページ」からお進みください。

12.弔電の文例を活用して心のこもったメッセージを伝えてみてはいかがでしょうか

定型文で弔電を送ることは全く問題ありません。しかし、故人様やそのご遺族に特別な思いを伝えたい時は、文例をアレンジしたメッセージを送るという方法もあります。故人様のエピソードやお人柄が含まれたオリジナルの言葉は、深い悲しみにいるご遺族の心に温かく届くことでしょう。

花葬儀では、葬儀を始めとしたお悩みごとのご相談やサポート、さまざまなサービスが受けられるメンバーシップクラブ「リベントファミリー」への加入をご提案させていただいております。訃報から葬儀までの時間は短く、限られた時間の中で葬儀の内容など多くのことを考えなくてはなりません。そのような際のお力になれるよう、お客様に寄り添いながら対応させていただきますので、万が一の時の備えとして、ぜひご検討ください。

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