お悔やみメールのマナーと文例~友人・親戚・ビジネスシーンにおける書き方・注意点

お悔やみメールのマナーと文例~友人・親戚・ビジネスシーンにおける書き方・注意点

お悔やみの言葉をメールで送ってよいかどうか、多くの方が迷われることでしょう。ここで言う「メール」とは電子メールだけでなく、LINEやSMSなど、近年普及しているさまざまなコミュニケーションツールを含みます。メールでお悔やみを伝えることが、思いを伝えるのに適していることもあります。

今回は、お悔やみをメールで送ってよい場合の見極め方や、送る場合のマナー、文例についてご紹介します。また、お悔やみメールを受け取った際の返信の仕方についてもあわせてお伝えします。大切な人を亡くされた方に配慮しつつ、どのようにお悔やみの気持ちを伝えるべきか悩まれている方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

1.メールでもお悔やみの言葉を送ってよい

メールでもお悔やみの言葉を送ってよい

メールは日常的なコミュニケーションツールとして広く使われているため、状況によってはご遺族に哀悼の気持ちをメールで伝えることも可能です。

対面や電話と比べると、メールはすぐにお悔やみの気持ちを伝えらます。受け取る側が都合の良い時に読むことができるため、忙しいご遺族に負担をかけずに済むのも大きな利点です。

ただし本来であれば、お悔やみは葬儀に参列したときに直接述べたり、手紙や弔電で伝えたりするものであり、メールはあくまで略式の手段であることを忘れてはいけません。

2.お悔やみの言葉をメールするかの判断基準

お悔やみの言葉をメールで送ることが適切かどうかは、状況によって異なります。ここでは、メールでのお悔やみが適切と考えられる判断基準をご紹介します。

メールを送ってもよい場合

お悔やみの言葉をメールで送ることが適切な場合の代表的な例について、以下よりご紹介します。

メールで訃報を受けとった場合

相手から訃報をメールで伝えられたとき、そのメールへの返信という形で弔意を伝えるのは自然であり、失礼にはあたりません。受け取ってもらえる確率も高いため、悲しみの中にある相手に速やかにお悔やみの言葉を届けることができるでしょう。

特に親しい間柄の場合

親しい友人などの間柄であれば、多くの場合、メールでのお悔やみも問題ありません。日頃からメールでコミュニケーションを取り合っている関係性であれば、むしろ自然な形でお悔やみの気持ちを伝えられます。

海外にいて電話などで連絡できない場合

海外にいるなど、電話を使って連絡することが難しい状況では、取り急ぎメールでお悔やみの言葉を送るのもひとつの選択肢です。距離や時差を超えて、迅速に心情を伝えることができるでしょう。

ご遺族が忙しい場合

ご遺族が葬儀の準備などで多忙だとわかっている場合には、電話はかえって迷惑になるケースもあります。

できるだけ早く伝えたい場合

訃報を受け取り、できるだけ早くお悔やみを伝えたい場合は、時間や相手の都合に関係なく送れるメールがよいでしょう。

メール以外のほうがよい場合

状況によってはメール以外の方法を選択する方が適切な場合があります。以下に、メール以外の手段を選んだほうがよい代表的なケースをご紹介します。

対面や電話で訃報を受け取った場合

相手の方がメールではなく、対面や電話で訃報を伝えてきた場合は、基本的に電話や手紙、弔電でお悔やみを伝えるのがマナーです。

目上の方の場合

自分より目上の方や年配の方には、メールでのお悔やみは失礼にあたる場合があります。特に、伝統や礼儀を重んじる方々には、より丁重な方法でお悔やみを伝えることが大切です。

関係性が浅い場合

あまり親しくない職場の同僚や上司、取引先の担当者などには、直接会って伝えるか、弔電や手紙を送るほうがよいでしょう。メールよりも形式的な方法を選ぶことで、相手への敬意を示すことができます。

なお、お悔やみを述べる方法はメール以外にも電話、手紙などの選択肢があります。それぞれのメリット・デメリットについては「お悔やみを伝える手段別メリット・デメリット」で詳しく解説しています。

3.「葬儀に参列できない」旨はメールではなく電話で伝える

「葬儀に参列できない」旨はメールではなく電話で伝える

ここまで述べてきたように、お悔やみをメールで送ることは問題ない場合もありますが、葬儀の案内を受けたにもかかわらず参列できない場合は、電話で欠席する旨を伝えましょう。ご自身の声で欠席せざるをえない理由を話せるため、弔意が伝わりやすく、誤解が生じる可能性も低くなります。ただし、電話での連絡は、遅くともお葬式の前日までにするのがマナーです。

特に親しい間柄の場合や状況によっては、メールを使用しても差し支えありませんが、その後、弔問に伺う、あるいは、電話をかけるなどのフォローを忘れないことが大切です。

4.お悔やみメールの基本的なマナー

お悔やみの言葉をメールで送る際には、特に注意すべきマナーがあります。そのポイントについて、詳しく解説します。

できるだけ早く送る

訃報を受け取ったら、できるだけ速やかに返事をすることが大切です。迅速に返信することで、ご遺族に対して「思いやってくれている」「気にかけてくれている」という印象を与えられます。

メールは簡単にどこからでも送れる便利な手段ですが、その特性ゆえに、遅れての連絡はかえって相手の心情を傷つけかねません。

丁寧な言葉づかいを心がける

親しい間柄で、いつもはフランクなやり取りをしていたとしても、故人様に対する適切な敬称や丁寧語を使うようにし、絵文字などの使用は控えるのがマナーです。

特に「環境依存文字」と呼ばれる特殊な記号は、自分のパソコンやスマートフォンでは表示されても、相手の環境では文字化けしてしまう恐れがあります。どの文字が環境依存文字なのか把握するのは難しいため、通常の文字以外のものは使用を避けるとよいでしょう。

件名に「差出人」「要件」を入れる

件名に「差出人」と「要件」を明記することで、受け取った方が一目で内容を把握でき、安心してメールを開封することが可能になります。たとえば「〇〇(氏名)です。この度はお悔やみ申し上げます」といった件名であれば、ご遺族の負担を軽減する配慮ができます。

簡潔に弔意を伝える

ご遺族は大変な時期を過ごされていますから、長文を送るのは避け、要点を押さえた簡潔な文章にします。メールの本文では、「心よりお悔やみ申し上げます」のような弔意を伝える言葉と、「ご無理をなさらず、ご自愛ください」といったいたわりの言葉を簡潔に述べることが大切です。

返信不要である旨を添える

悲しみの中でお悔やみの言葉を受け取ることは、大きな慰めとなりますが、心身ともに疲れている状況では大きな負担となる可能性があります。「返信不要」と添えることで、相手の状況を理解し、配慮していることを示すことができます。

5.お悔やみメールを送る際の注意点類

お悔やみのメールを送る際は、相手の心情に配慮し、誤解や不快感を避けながら適切に弔意を伝えることが重要です。次のような注意点も守るようにしてください。

故人様の死因は尋ねない

ご遺族は大切な人を失ったばかりで、心の整理がついていないことが多いため、死因について触れるのは避けるべきです。死因を尋ねることで、ご遺族にさらなる精神的負担をかけてしまう可能性があります。無理に死因を知ろうとするのではなく、ご遺族に静かに寄り添い、ご遺族が必要とする支えとなるよう心がけましょう。

誤字・脱字がないか確認

誤字・脱字があると、敬意が欠けているとも受け取られかねません。メールを作成したら必ず一度読み返し、誤字・脱字がないかを確認します。

作成中は気づかないミスも、あらためて確認することで発見しやすくなります。その際、文章の流れや構成が自然であるかもチェックするとよいでしょう。

忌み言葉・重ね言葉を避ける

忌み言葉とは、不吉な意味を持つ言葉や、縁起が悪いとされる言葉を指し、たとえば、「死ぬ」「別れる」「終わる」などが該当します。

一方、重ね言葉は、同じ言葉を繰り返す表現で、「重ね重ね」「しばしば」「たびたび」などが該当します。不幸が続くことを暗示する可能性があるため、やはり避けるべきとされています。

これらの言葉を使わず適切な表現をするには、以下のような言い換えを心がけましょう。

・死ぬ   → ご逝去
・別れる  → 離れる
・しばしば → よく
・重ね重ね → 何度も

このように言い換えることで、文章の意味を損なわずにより適切な表現でお悔やみの気持ちを伝えることができます。

相手の宗教・宗派に注意

お悔やみの言葉を伝える際には、相手の宗教や宗派に配慮することも大切です。

仏教では「ご冥福をお祈りします」という表現がよく用いられますが、「冥福を祈る」とは「故人様の死後の幸せを祈ります」という意味です。浄土真宗では、亡くなった方はすぐに浄土に往生するとされているため、「冥福を祈る必要がない」との考えから、「ご冥福をお祈りします」の表現は使いません。

キリスト教、神道では、以下のように異なる表現を使います。

キリスト教
天に召された○○様の平安をお祈りします
○○様が安らかに眠られますようお祈りします
神道
御霊のご平安をお祈りします

相手の宗教・宗派がわからない場合は、宗派を問わず使える言葉として「お悔やみ申し上げます」「哀悼の意を表します」といった言葉を選ぶとよいでしょう。

続柄の敬称に配慮

特に会社関係の方や目上の方に対しては、続柄の敬称の書き方に配慮が求められます。

以下に、相手の方と故人様の関係を表す敬称の例をご紹介しますので、表現を選ぶ参考にしてください。

ご尊父様、ご賢父様、お父様、お父上
ご母堂様、ご賢母様、お母様、お母上
ご主人様、ご夫君様、御主人様、御夫君、旦那様
ご令室様、奥様、ご令閨様、御令室様、御令閨様
息子
ご子息様、ご令息様
ご令嬢様、ご息女様
兄弟
ご令兄様、ご令弟様
姉妹
ご令姉様、ご令妹様
祖父
ご祖父様、御祖父様
祖母
ご祖母様、御祖母様

6.メールでよく使うお悔やみの言葉

お悔やみの言葉は状況に応じて適切に使い分ける必要があります。たとえば「ご愁傷様」は口語的な表現であるため、メールには不向きです。

次項から、メールにおける代表的なお悔やみの言葉と、注意するポイントについて解説します。

お悔やみ申し上げます

「お悔やみ」は、死を弔うという言葉であり、「お悔やみ申し上げます」は、「故人様の死を悲しみ、弔いの言葉をかけさせていただきます」という意味となります。たとえば、「○○様のご逝去の報に接し、心からお悔やみ申し上げます」のように使います。

残念でなりません

故人様の死を非常に悲しみ、心残りであることを示すときに使います。メールでは、「この度は誠に残念でなりません」といった形で使用します。

言葉も見つかりません

感情が高ぶりすぎて言葉が出てこない状態を表しており、突然の訃報や予期せぬ出来事に対して使われることが多いフレーズです。「突然のことで言葉も見つかりません」のように、相手の悲しみに寄り添うように使うとよいでしょう。

ご冥福をお祈りします

「故人様の死後の幸せをお祈りしています」の意味で、書面での利用が基本となります。「相手の宗教・宗派に注意」でご説明したように、浄土真宗以外の仏教のみで使える言葉である点に注意しましょう。

7.お悔やみのメール文例

お悔やみのメール文例

ここからは、お悔やみのメールを送る相手との関係ごとに、具合的なお悔やみメールの文例を注意点とともにご紹介します。

友人へのお悔やみメール文例

堅苦しい表現にこだわる必要はありませんが、あまりにくだけた表現は避けるべきです。相手の心情をおもんばかりながら、礼儀正しい表現を選んでメールを作成しましょう。

突然のお父様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
つらいときなのに連絡ありがとう。
たいへんだとは思いますが、無理をなさらないようにしてください。
ご葬儀まで忙しいと思いますので、返事はいりません。
〇〇様のご逝去を知り、深い悲しみを感じております。
長い間の闘病生活、本当にお疲れ様でした。
ご家族の皆様もたいへんな思いをされたことと思います。
どうか、できるだけ、心身を休めてください。
お母様のご逝去を知り、言葉もありません。
あなたの悲しみを思うと、胸が痛みます。
このメールを読んで、少しでもホッとしてくれたら嬉しいです。
私にできることがあれば、何でも言ってください。

ご親戚へのお悔やみメールの文例

故人様と親しくしていた間柄であれば、故人様に敬称を用いず、普段の呼び方や名前で表現しても大丈夫です。

このたびは〇〇さんのご逝去の報に接し、ただ茫然としています。
〇〇さんには、子どものころ、ずいぶんとかわいがってもらいました。
お礼も言えずにお別れすることになり残念でなりません。
しばらくはご葬儀のことなどでたいへんだと思いますが
気持ちをしっかり持って、体にだけは気をつけてください。

同僚へのお悔やみメール文例

同僚へのお悔やみメールでは、仕事に関する心配は不要であることを添えると、相手の気持ちを和らげることができるでしょう。

この度は、心からお悔やみを申し上げます。
仕事のことについては、お気になさらず
どうぞ、ご家族との時間をゆっくりとおすごしください。
謹んで、お父様のご冥福をお祈りいたします。

部下へのお悔やみメール文例

仕事を気にする方が多いので、仕事のカバーは会社で対応するため問題ないことを伝えます。

ご尊父様のご逝去に際し、たいへん驚いています。
無理のないように、仕事のことは気にせず休んでください。
会社で協力できることがあれば、ぜひ協力させていただきたいと思っています。
なお、こちらは返信不要です。

上司へのお悔やみメール文例

年配の方の場合、「お悔やみは電話で伝えるべきもの」と考えている可能性もあるため、メールとなったことへのお詫びを添えておくと安心です。

さきほど、ご尊父様のご逝去を知り、言葉もありません。
心よりご冥福をお祈りいたします。
本来であれば直接お悔やみを申し上げるところ、
略儀ながらメールでのお悔やみになりましたこと、ご容赦ください。
会社のほうは、今のところ特に問題はありません。
何かお手伝いできることがございましたら、いつでもご連絡ください。

取引先へのお悔やみメール文例

できるだけ簡潔な内容とし、プライベートなことは詮索しないことを心がけることがマナーです。

心身ともにお辛い状況にもかかわらず、ご連絡をいただきまして
ありがとうございました。
遅ればせではございますが、お母上のご逝去を悼み
衷心よりお悔やみ申し上げます。
なお、ご返信のお気遣いは不要です。

家族葬のため参列できないときのメール文例

お悔やみの気持ちと、故人様やご遺族への思いを伝えます。できる範囲でのお手伝いの申し出をしてもよいでしょう。

この度は、ご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
本来ならばお目にかかりお悔やみを申し上げたいところですが、
略儀ながらメールにて失礼いたします。
ご家族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。
何かお手伝いできることがございましたら
どうぞご遠慮なくお知らせください。

8.【メールを受けた側】お悔やみメールをいただいたときの返信

ここまでお悔やみのメールを送る側から説明してきました。ここからは、お悔やみメールをもらった側のメールへの返信方法について解説します。

返信するタイミング

葬儀やその他の手続きなどで忙しい場合は、少し時間がかかってもよく、自分のタイミングで返信して問題ありません。

ただし「返信は不要です」と書かれていても、返信をするほうが丁寧です。返信が送れた場合は、「葬儀の準備で忙しく、返信が遅れてしまいました」など、理由を簡単に伝えるとよいでしょう。

お悔やみメールへの返信文例

メールを送っていただいた相手によって、返信の内容や表現も変わってきます。お悔やみメールを受け取った際の文例について、相手別のポイントと文例をご紹介します。

友人への返信メール文例

丁寧な言葉づかいで返信をするのが基本ですが、かしこまりすぎる必要はなく、場合によっては敬語を使用しなくてもかまいません。

先日は、お忙しい中
お悔やみのメールをいただきありがとうございました。
あなたの言葉に、とても励まされました。
おかげさまで無事に葬儀が終わり、少し落ち着きました。
今度お会いしたときに、いろいろお話をさせてください。

ご親戚への返信メールの文例

親しい関係であっても基本的には敬語を使用し、丁寧な言葉づかいを心がけるとよいでしょう。

ご丁寧にお悔やみのご連絡をいただき誠にありがとうございました。
本人に成り代わりまして、心よりお礼申し上げます。
お心遣いに、家族一同感謝しております。
本当に、ありがとうございました。

上司への返信メール文例

上司など目上の人への返信は、より丁寧な言葉づかいを意識します。相手の気遣いへの感謝だけでなく、仕事に影響を及ぼしたことへの謝罪も含めるとよいでしょう。今後の予定についても記載すると、より丁寧な印象を与えられます。

この度は、〇〇の逝去に際し、ご連絡をいただきまして
ありがとうございました。
また、突然のことで皆様にご迷惑をおかけしてしまい
たいへん申し訳ございませんでした。
会社には〇月〇日より復帰する予定でおります。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

取引先への返信メール文例

相手の心遣いに感謝するとともに、今後の関係を大切にする姿勢を示すことが大切です。

いつもお世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。
この度は、あたたかいメールをいただき、誠にありがとうございます。

ご丁寧なご配慮に、深く感謝申し上げます。
□□様のお言葉が、私にとって大きな励ましとなりました。
皆様のお心遣いに支えられ、少しずつですが、日常を取り戻しつつあります。

今後とも変わらぬご厚誼を賜りますよう、お願いいたします。
仕事上で何かございましたら、どうぞご遠慮なくお知らせください。
取り急ぎ、御礼まで申し上げます。

9.お悔やみメールはマナーを守り心を込めて送りましょう

メールが一般的なコミュニケーションツールとなった現在、お悔やみの言葉をメールで送ること自体は、失礼な行為ではなくなっています。迅速に送れるメールは、相手の方の悲しみに、いち早く寄り添う手段としても有効です。

しかし、メールの手軽さに甘んじてマナーをおろそかにすると、相手の方に不快な思いをさせかねません。また、メールはあくまで初期の簡易な方法であって、その後のフォローが必要である点も忘れないようにしましょう。

お悔やみのメールに関する疑問や不安がございましたら、お気軽に花葬儀までご相談ください。経験豊富なスタッフが、お客様の疑問に24時間365日の体制でお答えしております。

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