弔電のお礼のマナーは?お礼状の書き方や例文、注意点も紹介
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
葬儀で弔電をいただいた際には、後日、喪主様から送り主にお礼の気持ちを伝えなければなりません。お礼は「どんな手段で」「いつ」「どうやって」行えばよいのか悩む方も多いでしょう。
そこで今回は、弔電のお礼のマナーやお礼状の書き方について解説します。ケース別のお礼状の例文もご紹介しますので、お困りの方はぜひお役立てください。
1.そもそも弔電とは?
弔電とは、諸般の事情でお通夜や葬儀に参列できない人が、喪主様あてに送る電報です。弔電には、故人様への哀悼の意や、ご遺族を慰める言葉がつづられています。弔電は、お悔やみの気持ちを葬儀で直接伝えられない代わりに使うものですので、葬儀に参列する方は弔電を送る必要はありません。
2.弔電のお礼はどうする?基本的なマナーは?
いただいた弔電に対し、どのようにお礼をしたらよいのでしょうか。また、お礼をする際にマナーはあるのでしょうか。
ここでは、弔電のお礼の方法とマナーについて解説します。
弔電のお礼はお礼状を送るのが基本
いただいた弔電には、必ずお礼をします。直接相手に会ってお礼を伝えるのが丁寧ですが、葬儀直後ではなかなか外出する余裕がないため、多くの場合はお礼状を書いて送ります。親しい間柄であれば、電話でお礼を伝えてもよいでしょう。
現代では気軽にメッセージを送ることのできるメール、ラインなどのメッセージアプリ、SNSがありますが、相手を軽んじている印象を与える可能性があるため、できるだけ避けます。ただし中には、時間に余裕がない場合などに相手との関係を考慮した結果、先にメールでお礼を伝えるケースもあります。
弔電のお礼にお返しの品物は必要?
いただいた弔電に対し、「お礼状だけではなくお礼の品も添えた方がよいのか」と悩む方もいるかもしれませんが、基本的にお返しの品物は不要です。
ただし、弔電の他にお香典も送っていただいた場合は、お返しの品物を用意します。お香典に対するお礼は、一般的に、いただいたお香典の3分の1~2分の1の金額にあたる品物(香典返し)をお礼状(添え状)と共に送ります。
お香典はいただかなかった場合でも、どうしても品物でお返しをしたい場合、お香典をいただいたときと同じように、いただいた弔電の3分の1~2分の1程度の金額にあたる品物を選ぶ方もいらっしゃいます。送る品物には、お返しを受けた相手側が気を遣わないような、タオルやお菓子、お茶などが選ばれることが多いようです。
弔電に住所が書かれていない場合の対処法は?
いただいた弔電に対しお礼状を送りたくても、相手の住所が未記名であるなどして、わからないこともあります。
住所がわからない場合は、無理に探す必要はありません。もし、送り主の連絡先を知っていれば電話で(メールアドレスしか知らない場合はメールで)弔電のお礼を伝えましょう。
3.弔電のお礼状の5つの注意点
弔電のお礼状は、自由な形式で好きなように書いてよいかというと、そうではありません。
ここでは、弔電のお礼状を書くにあたって気を付けるべき5つの注意点について解説します。
1.お礼状を出すタイミング
弔電のお礼状を出すタイミングは、葬儀から1週間以内がベストです。
葬儀の直後は心身ともに疲弊しているため、お礼状の手配になかなか手が回らない方もいます。しかし、弔電のお礼状は、「弔電をいただいた」「葬儀を無事に終えることができた」ことの報告にもなりますので、可能な限り早めに手配するよう心がけましょう。
2.手紙の形式
弔電のお礼状は、ハガキ、もしくは手紙のどちらで作成しても問題ありません。時間が足りない時はハガキを使っても問題ありませんが、手紙のほうがより丁寧な印象を相手に与えることができるため、できれば手紙を使うことをおすすめします。
便箋は、弔事に適した無地であり、色は白か薄色のグレーにします。封筒は、お礼を伝えるのにふさわしい白無地で一重のものを選びます。
3.筆記具の種類
弔電のお礼状は手書きが好ましく、毛筆を使って書いたものが最も格式が高いとされています。しかし、毛筆は慣れていない方にとっては非常に難しく、また、筆や墨などの道具を揃えなければいけないことから、葬儀後1週間以内に作成することは難しいでしょう。
そのような場合は、万年筆や筆ペンを使っても問題ありません。鉛筆やボールペン、黒色以外のインクを使うことは重要な文章には適していないため、控えます。
なお昨今では、パソコンで弔電のお礼状を作成する方も少なくありません。マナー違反ではありませんが、手書きのほうが手間がかかる分、お礼の気持ちが相手により伝わりやすいメリットがあります。
4.句読点は使わず縦書きが基本
弔電のお礼状には、「、」「。」などの句読点を使わないことが基本です。句読点は、文章を読みやすくしてくれますが、冠婚葬祭に関わる文章においては使用しないのがマナーです。理由としては、以下のような説があります。
- ・「葬儀が滞りなく終わりますように」との願いを込めている
- ・句読点によって文を区切ることが「縁を切る」イメージにつながる
- ・毛筆で手紙を書いていた時代の名残
また、お礼状は伝統的な形式にのっとり、縦書きで作成するほうが格式高いとされています。
5.忌み言葉は避ける
忌み言葉とは、不吉や不幸を連想させる言葉の総称です。「死ぬ」「終わる」「消える」「苦しむ」などが挙げられます。冠婚葬祭において、忌み言葉の使用は避けるべきとされていますので注意しましょう。
4.弔電のお礼状の書き方は?
弔電のお礼状にどのようなことを書いたらよいのか、具体的な文章を考えようとしてもすぐには思い浮かばないものです。しかし、お礼状に入れるべき事柄を順番におさえていけば、初めての方でも適切にお礼状を書くことができます。
弔電のお礼状を書く時のポイントをまとめましたので、ぜひ参考になさってください。
故人様の名前
まずは、このお礼状が「誰の葬儀に送られた弔電に対するお礼なのか」を伝えるために、故人様の名前を明記します。
お礼状で故人様の名前を出す際には以下のように書きます。
- ・故〇〇儀
- ・亡き〇〇
- ・亡母〇〇儀
なお、名前の後につける「儀」は、「〇〇に関すること」「〇〇について」という意味です。
弔電への感謝の言葉
故人様の葬儀に、弔電を送ってくれたことへのお礼を述べます。あわせて生前のお付き合いに対する感謝や、今後とも変わらないお付き合いを頂戴したい旨を書くとよいでしょう。
葬儀が終了したことの報告
葬儀を滞りなく終えた旨の報告をします。
略儀であることのお詫び
「略儀」とは、本来行わなければならないことを省略した時に使う言葉です。
「弔電のお礼はどうする?基本的なマナーは?」で触れたように、弔電のお礼は、本来であれば弔電を送ってくれた相手のところへ直接出向いてするものです。「直接お礼に向かわなければならないところ、お礼状で失礼します」という意味を込めて、「略儀ながら~」といったお詫びの言葉を入れます。
日付と差出人の名前
手紙の最後に手紙を書いた日付と、差出人の名前を記入します。
弔電は基本的に喪主様宛に送られてくるものですから、お礼状の差出人の名前も喪主様とします。喪主様以外の送り主を書きたい場合には、喪主名の後に他の方の名前を連名で、もしくは「親族一同」と書きます。
お礼状をハガキで作成する際には、日付と喪主名の間に差出人の住所を書くのがマナーです。
頭語・結語は個人の判断で
一般的な手紙であれば、時候の挨拶を入れますが、弔電のお礼状では省略します。頭語(拝啓や謹啓)と結語(敬具や謹白)は入れなくてもマナー違反にはなりませんが、入れた方がより格式の高い手紙となります。
「拝啓・敬具」よりも「謹啓・謹白」の方がさらに丁寧な挨拶となります。頭語と結語は両方セットとなって初めて意味をもつため、間違った組み合わせやどちらか一方だけを書くことのないよう注意しましょう。
5.弔電のお礼状の例文―個人宛の場合・会社宛の場合
最後に、弔電のお礼状の例文を、いくつかのパターンごとにご紹介します。
個人宛のお礼状(1)相手が親しい方の場合
このたびは 故〇〇の葬儀に際し 弔電をいただき誠にありがとうございました
御陰様で諸事滞りなく済ませることができました
亡母に代わりまして生前のご厚情に感謝申し上げるとともに
今後とも変わらぬお付き合いを賜れますようお願い申し上げます
略儀ながら書中をもって失礼いたします
敬具
令和□年 □月 □日
△△(喪主名)
個人宛のお礼状(2)相手が面識の少ない方の場合
お礼状を送る相手と面識が少ない場合は、より丁寧な手紙になるように意識します。
皆さま方におかれましては ますますご清祥のことと拝察申し上げます
故〇〇儀 葬儀に際しましては ご多用中にも関わらずご鄭重なる弔電を賜りましたこと 深く感謝申し上げます
おかげさまで葬儀を滞りなく営むことができましたことをご報告いたします
生前賜りましたご厚情に深謝申し上げますとともに
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます
早速拝眉の上 御礼を申し上げるべきところではございますが
略儀ながら書中にて失礼いたします
謹白
令和□年 □月 □日
△△(喪主名)
親族一同
会社宛のお礼状
皆さまにおかれましては ますますご清祥のことと拝察申し上げます
この度は亡母〇〇の葬儀に際し 部長ならびに部署のみなさまから
丁寧な弔電をいただきましたこと 心より感謝申し上げます
お陰さまをもちまして 葬儀を無事に済ませたことをご報告いたします
略儀ながら書中にて 謹んで御礼申し上げます
敬具
令和□年 □年 □日
△△(喪主名)
6.弔電をいただいたらマナーを守り感謝の気持ちを伝えるお礼状を送りましょう
葬儀に参列できない方から弔電が送られてきた際は、お礼状を書くことが基本的なマナーです。葬儀直後で心身ともに疲れている中ではありますが、お悔やみの言葉をいただいたことに対する感謝の手紙ですので、送るタイミングや使用する道具、文章には気を付けて書かなければなりません。
昨今ではパソコンでお礼状を作成する方も多くいらっしゃいますが、心をこめ手間をかけて書いた手紙は受け取った相手の心により一層届くものです。自分で弔電のお礼状を書く際は、ぜひ今回の記事を参考に、お礼状を作成してみてくださいね。
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