お別れの会の服装マナー~夏・冬の場合の注意点や持ち物も詳しく解説
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- 【 葬儀・葬式のマナー 】
「お別れの会」は、葬儀とは別の日に設けられる追悼の場です。参列する機会はまだ少ないため、お別れの会の服装に悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、お別れの会における服装の基本マナーや男女別のポイント、会社関係のお別れ会の服装の注意点などを詳しく解説します。初めてお別れの会に参列する方、仕事関係のお別れの会に招かれている方は、ぜひ、この記事を参考にしてください。
1.お別れの会における服装マナーの基本
最初に、お別れの会に参列する際の、基本的な服装のマナーについて解説します。
服装の指定が無いか招待状を確認
お別れの会の服装は、一般的に喪服か平服です。どちらを選ぶかは案内の記載を参考にするため、まずは招待状に服装の指定が無いかを確認することが重要です。
「指定なし」の場合は喪服を着用
お別れの会は、斎場だけでなく、ホテルやレストランなどでも開催される場合があります。会場によっては、カジュアルな服装でもよいのではと思ってしまう方がいるかもしれませんが、招待状で特に指定がない場合は喪服(準喪服)を着用します。服装の指定がなく、迷った場合には、主催者に問い合わせるとよいでしょう。
2.喪服と平服・普段着の違いを理解しよう
お別れの会における服装を理解するために、喪服と平服・普段着の違いについて知っておきたいポイントをまとめます。
一般的な喪服とは準喪服
喪服は、「正喪服」「準喪服」「略喪服」の3つの格式に分かれます。しかし、一般的に「喪服」というときは「準喪服」を指し、ブラックフォーマルのスーツやワンピースなどが該当します。
「平服」は「略喪服」を意味する
「平服でお越しください」などと案内がある場合は、準喪服よりも格が低い略喪服を着用します。「平服」は普段着ではなく、黒やダークグレーのスーツやシンプルなワンピースなど、礼儀を重んじた落ち着いた装いを示す点に注意が必要です。
喪服(準喪服)と平服(略喪服)の詳しい服装については、このあとでご説明いたします。
3.【男性】お別れの会の服装のポイント
前述したように、お別れの会では、喪服か平服を着用するのが一般的です。ここからは、男性のお別れ会の服装のポイントを喪服と平服に分けて詳しく解説します。
喪服の場合
お別れの会における男性の喪服の具体例や注意点は、次のとおりです。
服装
黒無地で光沢のない素材のブラックスーツで、ダブルでもシングルでも問題ありませんが、ベストを含む三つ揃えの場合も黒で統一するのが礼儀です。なお、黒いビジネス用のスーツは礼服とは色合いや素材が異なるため喪服の代わりにはなりません。
シャツ
白無地で長袖のワイシャツが基本です。襟(えり)の形はビジネスシーンで着用するようなシンプルなものを選び、派手な形やボタンダウンなどは控えます。
ネクタイ
黒色の無地で光沢のないものを選びます。結び目の下にくぼみを作らず、基本的な結び方にするのが礼儀です。なお、結婚指輪を除く装飾品は原則NGで、タイピンも装飾品と見なされるため使用しません。
靴・靴下
光沢の少ない黒い革靴で紐も黒いものを履くのがマナーです。先が尖ったような派手なデザインは避けます。靴下も黒無地で、着席時に素肌が見えないように十分な丈があるものを選びます。
バッグ
バッグが必要であれば、黒無地で小ぶりなクラッチバッグやセカンドバッグなどが適しています。カジュアルな印象のものは避け、控えめな印象のものにします。
時計
文字盤は、シンプルな黒または銀色のものが好ましく、派手なデザインやカラフルなものは控えます。ベルト(バンド)は、黒の革(または合皮)がベストです。バンドは金属製でもかまいませんが、輝きが目立つものは避けましょう。
平服の場合
お別れの会における男性の平服の具体例や注意点は、次のとおりです。
服装
平服として男性が着用するのは、黒や濃紺、グレーなどのダークスーツです。喪服が「ブラックフォーマル」であるのに対し、平服では仕事用の落ち着いた色合いのビジネススーツや、就職活動用のリクルートスーツも許容範囲です。ただし、光沢のある生地や大柄な柄は避け、目立たない控えめなデザインの物を選びましょう。
シャツ
平服では、目立たない織り柄入りの白シャツが許容される場合もあります。ただし、フォーマルさを欠かないよう、シンプルで無地に近いシャツを選ぶのが基本である点に変わりはありません。
ネクタイ
落ち着いた色のシンプルなネクタイを選びます。控えめな色や柄であれば問題ありませんが、光る素材や派手な柄は避けましょう。
靴・靴下
喪服の場合と同様に、黒の革靴に黒無地の靴下が基本です。靴は、エナメルやスエードのようなカジュアルな素材や、先が尖がったデザインは控えます。
バッグ
黒やダークカラーのビジネスバッグも許容されます。多少のデザイン性があっても、派手でなければかまいませんが、ブランドロゴが目立つものやカジュアルなデザインは避けます。
時計
地味なデザインであれば問題ありませんが、喪服のときと同様、派手なデザインやカラフルなベルトのものを着用するのは控えましょう。
4.【女性】お別れの会の服装のポイント
ここからは、女性のお別れ会の服装のポイントを喪服と平服に分けて詳しく解説します。
喪服の場合
お別れの会における女性の喪服の具体例や注意点は、次のとおりです。
服装
黒のワンピース、アンサンブル、またはスーツを選びます。光沢がない生地で、無地のデザインが基本です。袖は長袖、スカート丈は膝が隠れる長さが適切で、体のラインを強調するものは避けます。ジャケットやボレロなどの下に着るインナーも黒とします。
なおパンツスーツは、準喪服ではなく平服にあたるとされています。
靴
靴は黒で、つま先とかかとが覆われた一般的な形のパンプスを選びます。ヒールは3cm〜5cmの高さが適切です。デザインは装飾が少なく、シンプルなものとしましょう。
ストッキング
ストッキングは、透け感のある20デニール程度の黒の無地とします。60デニール以上のタイツは透け感がなくカジュアルな印象になるため基本的には避けます。
葬儀などお別れの場におけるストッキングの厚みについては、詳しい解説記事も合わせてご覧ください。
バッグ
布製の小ぶりで黒いバッグを使用します。金具が目立たないものを選び、荷物が多い場合はサブバッグを準備しましょう。
髪型
清潔感を心がけることが大切です。前髪やサイドの髪が、顔にかからないよう整え、ロングやセミロングは、ひとつにまとめましょう。髪色は、できるだけダークトーンとし、派手な色は避けます。
メイク
メイクは身だしなみとして控えめに行います。ベースは光沢のないものを使用し、口紅は目立たない色を選びましょう。チークは必要ありませんが、付ける場合は極力薄くします。また、アイメイクはしないのが基本です。
アクセサリー
結婚指輪以外はつけないのが原則ですが、パールの一連ネックレスだけは「涙」を象徴するため許容されています。二連以上のネックレスは不幸が重なることを意味するとされているので避けます。
平服の場合
お別れの会における女性の平服の具体例や注意点は、次のとおりです。
服装
黒や濃いグレー、濃紺などの地味でシンプルな無地のスーツやワンピースを選びます。パンツスーツも着用可能です。ジャケットの下のブラウスなども、黒以外のダークカラーも許容されています。
靴
靴は黒色のローヒール、または5cmより低いミドルヒールとします。革素材かつシンプルなデザインが基本です。
ストッキング
ストッキングは黒の無地が無難です。肌色が許容される地域もありますが、不快に思う方がいらっしゃる可能性もありますので、黒色を選ぶのが無難でしょう。
バッグ
ストッキングは黒の無地が無難です。肌色が許容される地域もありますが、不快に思う方がいらっしゃる可能性もありますので、黒色を選ぶのが無難でしょう。
バッグ
黒でシンプルなデザインが基本で、革素材でなく、装飾のないものであれば、普段使いの黒バッグでもかまいません。大きさは、必要最低限の小ぶりなものを選びます。
髪型
平服の場合、喪服ほど格式を重視したアレンジは求められず、控えめなスタイルであれば自由度は若干高くなります。たとえば、ロングヘアはひとつにまとめる代わりにハーフアップにしたり、セミロングなら髪をまとめずに前髪だけをピンで留めてすっきりさせたりといったアレンジでも問題ありません。
メイク
喪服のときほどの厳格さは求められませんが、あくまで自然で控えめに仕上げることが大切です。派手なメイクや濃い色の口紅、アイシャドウは避け、ラメやパール入りの化粧品は使用しないよう注意します。
アクセサリー
パールのネックレスに加えて、パールのピアスやイヤリングをつけてもかまいませんが、揺れない固定タイプで金具が目立たないデザインのものを選びます。真珠以外にも、ブラックオニキスのような落ち着いた色合いの宝石は許されます。
5.会社・取引先のお別れの会における服装マナー
会社や取引先が主催するお別れの会は、故人様をしのぶ場であると同時に、企業の社交の側面も持つため、ふさわしい服装を心がけましょう。
案内状にドレスコードの指定があればそれに従い、指定がない場合は主催者に確認しましょう。平服の場合も、服や靴、カバンなどは黒で統一し、華美な装いは避けます。
6.夏・冬のお別れ会で着る服装
暑い夏や寒い冬に行われるお別れの会には、どのような服装で参列すればよいのでしょうか。それぞれの季節別に服装の注意点をご説明します。
夏の場合
夏のお別れの会の服装では、次の点に注意してください。
基本的にジャケットは必要
喪服の場合は、男女ともにジャケットを着用します。平服の場合、男性はスーツのジャケットを着用するのが基本ですが、女性は上着を着ないことも許容される傾向にあります。
上着の下は半袖でもOK
夏の暑さ対策として、ジャケットなどの上着の下に着るワイシャツやブラウスは、男女ともに半袖でもよいとされます。弔事に参列する際は原則長袖を着ますが、式典中にジャケットを着用するのであれば、シャツやブラウスは半袖でも問題ありません。
女性は肌の露出に注意
夏の暑い時期は特に、肌の露出には注意が必要です。平服の場合、女性はジャケットを着ないことも許容されると説明しましたが、肘が隠れる程度の袖丈を選びましょう。ジャケットを持参することで冷房対策にもなります。
スカート丈はひざ下の長めのものを選びましょう。透け感のある素材を避けることも重要です。
喪服の夏のマナーに関する記事で、暑い時期のジャケットの着用や喪服マナーについて詳しく説明しておりますので、あわせてご覧ください。
冬の場合
冬のお別れの会の服装では、次の点に注意してください。
コートなど防寒具のポイント
コートの色は黒や濃紺、ダークグレーなどの暗い色合いが基本です。派手な柄や目立つ模様は避け、無地のシンプルなデザインが推奨されます。また、大きなボタンや装飾のあるカジュアルなコートは不向きです。
素材も重要で、ナイロンは音が出やすく、毛皮は殺生を連想させるため適切ではありません。カシミアやウールなどの光沢のない素材を選ぶとよいでしょう。
マフラーや手袋なども、ダークカラーを基本とし、地味でシンプルなデザインのものにします。
ストッキングで寒さ対策
寒さが厳しい冬の時期にスカートをはく場合、発熱機能や防寒性に優れたストッキングを選ぶことが推奨されます。喪服には、ある程度透け感があるストッキングが望ましいとされているため、タイツの代わりにストッキングを重ね履きして防寒対策を講じることもおすすめです。
7.お別れの会に持参する持ち物
お別れの会に持参する持ち物は、葬儀のときと同様だと考えてよいでしょう。こちらでは、お別れの会に持参する基本的な持ち物を解説します。
お香典
案内状に「香典辞退」の記載がある場合、もしくは一定額を払って参加する「会費制」の場合は、お香典を準備する必要はありません。それ以外は、お香典を用意します。
お香典の相場は、一般的に1万円から2万円程度です。お香典を入れる不祝儀袋の表書きは、宗教・宗派を問わずに使える「御香典」「御香料」がよいでしょう。薄墨で書くのが正式ですが、濃墨でも問題ありません。
袱紗(ふくさ)
お別れの会に持参する不祝儀袋は、袱紗に包んで持参するのがマナーです。袱紗を忘れた場合や急な場面では代用品としてハンカチを使うことも可能ですが、袱紗を使うことでより丁寧な印象を与えられます。
ハンカチ
無地で控えめな白や黒のハンカチがふさわしいとされています。白は清潔感があり、黒は弔事に適した色合いであり、どちらも無難な選択です。派手な柄や鮮やかな色は避け、無地や目立たない刺しゅうが入ったものを選ぶのがよいでしょう。
名刺
会社主催のお別れの会では、名刺を受付で渡す場合があります。渡す名刺の右上に「弔」の字を書き加える、もしくは左下を少し折り曲げることで、弔意を示すのが慣例です。
代理で参列する場合は、自分の名刺の右上に「代」と書き、上司や会社の名刺を右上に「弔」と記します。この2枚を受付に提出し、「○○(上司や上位者の氏名)が参列できず、代わりに失礼いたします」と一言添えます。
なお、故人様を悼む場であることを踏まえ、会場内での名刺交換は控えましょう。
数珠
お別れの会に参加する際、数珠を持参すべきかは会の性質に応じて判断します。僧侶による読経やお焼香などが行われる場合、数珠が手元にあるならば持参します。迷った場合は、念のため持って行くと安心でしょう。ただし、自分が無宗教や仏教徒でないときは必ずしも必要ではありません。
8.お別れの会の服装に関するQ&A
A.レース付きの服装は場合によっては華美に見えることがあるため、できるだけ少ない、すっきりとした装いを心がけましょう。
「平服」の指定があったとしても、許容されるのは、ごく少量の黒いレースが袖や襟元、裾に控えめにあしらわれている程度です。
お別れの会は故人様をしのぶ場である点で葬儀と変わらず、控えめで礼儀をわきまえた装いが求められます。
A.ホテルやレストランで開催されるからといって、平服着用とは限りません。
お別れの会の服装は、場所に依存するものではなく、主催者の意向によって決まることがほとんどです。
ホテルやレストランが会場の場合でも、主催者が喪服の着用を求めるケースがあり、そのときは喪服で参加する必要があります。服装選びに迷ったときは、主催者の意向を確認することが重要です。
A.親しい友人のお別れの会であっても、カジュアルな服装でよいということはありません。
お別れの会での服装は、主催者からの案内状にもとづいて選びましょう。自分と故人様との親しさに関係なく、追悼の場にふさわしい装いを心がけます。
9.お別れの会は故人様をしのぶ場にふさわしい服装を選びましょう
お別れ会であっても、服装は自由ではありません。お別れの会も葬儀のときと同様に、喪服や平服を基本に、派手な装飾を避け、地味な色合いでまとめることが一般的なマナーです。
故人様をしのぶ場にふさわしい服装を選ぶことで、故人様への想いを表現しましょう。
花葬儀には、お別れの会をプロデュースしてきた多くの実績がございます。お別れの会の準備や、服装などに関する質問や不安がございましたら、花葬儀の事前相談まで、ぜひお気軽にお問い合せください。経験豊富なスタッフが、しっかりとサポートさせていただきます。