コロナ禍における葬儀・家族葬のやり方は?感染対策の具体例
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- 【 葬儀・葬式の基礎知識 】
2020年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大により私達の生活は一変し、コロナ禍における葬儀のやり方にも新しい常識が生まれました。
葬儀は早くから予定を立てて行うものではないからこそ、いざその時がきた際に誤った情報や偏った考えで葬儀を行い後悔しないように、今回はコロナ禍における葬儀の感染対策や具体的なやり方についてご案内いたします。
【もくじ】
1.コロナ禍では葬儀も自粛が必要?
コロナ禍で大切なご家族が亡くなったとき、葬儀は自粛が必要なのかと不安に感じる方も多いと思います。コロナ禍は未曾有の事態で、当初は世間的にも正しい行動が浸透しきれていない時期がありました。しかし、結論としては、コロナ禍であっても葬儀を自粛する必要はないといえます。
2021年8月現在、政府から発令されてきた「緊急事態宣言」や「まん延防止措置」でも、葬儀会社に対して営業自粛要請はありません。また、各葬儀会社は、葬儀業についての感染拡大防止ガイドラインを遵守した形で安全に葬儀を執り行っています。
全日本葬祭業協同組合連合会 / 一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会
葬儀業「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」(第一版)
https://www.zengokyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/05/e80b485c4979910cfe54ba7bb12dafc2.pdf/
このガイドラインにもあるように、葬儀においても、日常生活と同じように「3密」を避けるということがコロナ禍での感染予防対策のポイントのひとつとして挙げられます。そのため、人数を限定して葬儀を行うという判断をする方も多く、「家族葬」という選択をするケースがとても増えているというのも事実です。
このように、葬儀の内容に変化は見られるものの、葬儀は社会生活を維持する上で必要なものであり、必ずしも自粛する必要はないといえるでしょう。
2.コロナ禍での「葬儀・供養」に関する500名の意識調査結果
コロナ禍で近しい方を亡くされた方を対象に、「葬儀・供養」に関して聞いたアンケート結果が発表されているので、ここでご紹介します。この結果からは、ご遺族や近しい人の「コロナ禍における葬儀」に対する考え方や実情がわかります。
調査期間: 2021年5月26日~5月31日
調査対象: コロナ禍(2020年2月1日以降)で、近しい方(友人、知人、同僚等)を亡くされた20代~60代以上の全国の男女500人
調査結果のポイント:
・コロナ禍で多くの人が参列に躊躇している
・コロナ禍で葬儀参列の機会がなかった人が20.4%
・訃報を知ったタイミングは「葬儀後2日以内」が41%
一方で、「一カ月以上経過してから」が35.4%
・訃報を知りたいタイミングは「1カ月以内」が96%
引用元:
株式会社アスカネット
https://www.asukanet.co.jp/contents/news/2021/20210614.html/
このアンケートでは、「コロナ禍で多くの人が参列に躊躇している」という結果が発表されています。確かに3密や集会を避けるように刷り込まれているコロナ禍では、「多くの人が集まる葬儀に参列してよいものか」と悩む方が多いのも当然のことでしょう。
しかし、そのように考えるのは招かれる側だけではありません。アンケートの「コロナ禍で葬儀参列の機会がなかった人が20.4%」という結果からは、招く側の「葬儀に招くことは、相手にとって迷惑なことだろう」という気遣いや遠慮の気持ちが見て取れます。
つまりコロナ禍においては、従来一般的であった大人数での葬儀ではなく、家族葬など人数を制限した形での見送りを選択する傾向にあるということでしょう。
また、同じくアンケートの中で訃報を知ったタイミングとして、「一カ月以上経ってから訃報を受け取った人が35.4%」であるのに対して、「1カ月以内に訃報を知りたいと回答した人は96%」にも及びます。この結果から、ほとんどの方が、故人様を偲び最後のお別れをしたい、ご遺族にお悔やみを伝えたいと考えているということがわかります。
このように、コロナ禍という状況を鑑みて家族葬など小規模の葬儀にするケースが多いとは思いますが、葬儀にお招きしない場合も、できる限り故人様と親交のあった皆様には葬儀前に訃報を伝えることをおすすめします。
3.葬儀・家族葬における新型コロナウイルス感染症対策
コロナ禍における葬儀では、徹底した感染予防対策が求められます。故人様のお見送りに集中できるように、また後になって葬儀をしたことを悔いないためにも、感染者を出さないための対策が必須となります。
そこで、ここでは葬儀社が行う基本的な「葬儀・家族葬の新型コロナウイルス感染症対策」についてご説明いたします。参列者の皆様にも安心してご参列いただけるように、ご遺族の皆様で式場の対策を確認し、事前にお伝えするとよいでしょう。
ご遺族・参列者ともにマスク着用
コロナ禍での葬儀では、スタッフはもちろん僧侶もマスク着用で会場に入ります。また、ご遺族、ご参列の皆様もマスクの着用は必須です。コロナ禍では外出時のマスク着用は常識となりましたが、念のため、事前に準備していただくようにお願いしておくと安心でしょう。
万が一、マスクを着用せずに来場した参列者のために、葬儀社はマスクの予備を準備していることが多いはずです。
入室・退室時のアルコール消毒
入室時や退出時、お化粧室ご利用時の前後など、手指消毒ができるよう会場出入口にアルコール消毒液を用意します。参列者には、こまめに消毒をしていただくことで、感染予防の対策になります。
会場により不特定多数の人が使用するドアノブや椅子なども定期的にアルコール消毒を行い、できる限りの感染予防対策をとることが重要でしょう。
ソーシャルディスタンスを保った座席の配置
コロナ禍でも参列者がソーシャルディスタンスを保てるように、葬儀の座席は椅子と椅子の距離をとって配置します。
菩提寺などの都合で葬儀会場がすでに決まっている場合は、その会場の方針に従う必要がありますが、複数の中から会場を選択できる場合には、人数に対して広めの会場を選ぶことをおすすめします。
ソーシャルディスタンスを保つことができる「スペースに余裕ある会場」を選択することにより、安心して葬儀・家族葬ができるでしょう。
葬儀場入り口で参列者の検温を実施
参列者の皆様の中に発熱した方がいないかどうかを確認します。
花葬儀では、葬儀場内に入口において参列者の検温のご協力をお願いしています。受付担当者または、スタッフが非接触型体温計でご参列の皆さまの体温測定を行います。
また、葬儀に関わる従業員においても、毎朝の体温測定を徹底し、発熱や風邪の症状がある場合には自宅待機としています。
葬儀場内の換気の徹底
三密のひとつである「密閉」を回避するために、葬儀場内の換気を行うことが必要です。
花葬儀では、各葬儀場のルールに加え、葬儀場のスペースにより最低でも2台以上のサーキュレーターを用いて場内の換気を欠かさずに行っております。
コロナ禍での感染予防対策の一部をご紹介しましたが、花葬儀では「新しい生活様式」や「新型コロナウイルス感染拡大防止ガイドライン」を遵守するために、さまざまな形で安全に葬儀を行なっています。
ご紹介した5つの感染予防対策はもちろん、状況に合わせた臨機応変な対応で、葬儀に参列する方々に余計な不安を感じさせないようにサポートしておりますが、コロナ禍での葬儀においてご心配なことがあれば、お気軽にご相談ください。
<参考>
「新しい生活様式」の実践例/厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000641743.pdf/
4.コロナ禍における葬儀・家族葬のやり方
コロナ禍においても、葬儀・家族葬のやり方は、僧侶の読経やお焼香など大きな流れを変えることなく行うケースがほとんどです。ただし、流れは変えなくても要所要所で前述した感染予防対策をとり、やり方を工夫する必要があります。
特に、密を避けるための工夫が重要です。
1.受付時の密を防ぐ
受付時間を2つのタイミングにずらすというのもひとつの方法です。ご親族とご親族以外で参列のタイミングを分散させるなどの対応が可能な場合があります。
2.葬儀参列時の密を防ぐ
ご遺族や宗教者のご意向にもよりますが、参列者の皆様にお焼香のみでお引き取りいただくというケースも見受けられます。
3.精進落としの密を防ぐ
お通夜・告別式後の会食を控えることも可能です。会食の代わりに仕出し弁当を用意し葬儀・家族葬後に持ち帰っていただくという選択もあります。
これらのコロナ禍での感染予防対策については、葬儀会社に相談して進めるとよいでしょう。
また、花葬儀では故人様と親交のあった多くの皆様にお見送りをしていただくため、コロナ禍でも感染予防対策をとりつつ次の様な工夫をして安全にご案内をしております。
・葬儀に招かない人の弔問対応を行います
家族葬を執り行う場合、葬儀当日はご遺族・ご親族を中心とした葬儀を行なうため、葬儀に招かないご友人や知人の方などには参列を辞退していただくことがあります。しかし、弔問を希望される方がいらっしゃった場合には、葬儀前日に故人様と面会していただける時間を設けることも可能です。
状況にもよりますが、コロナ禍でもこのように可能な限り工夫をし、できるだけ多くの方に故人様との最後のお見送りをしていただけるよう、ご案内に努めております。
・自宅葬・ガーデン葬でのお見送りも可能です
不特定多数の人が出入りする葬儀場ではなく、ご自宅で葬儀を行うことも可能です。リビングなどで行う自宅葬や、お庭で行なうガーデン葬であれば、密を避けるなどの感染対策をより強化することができます。
このように、花葬儀ではコロナ禍においても、やり方を工夫して葬儀・家族葬を行っております。コロナ禍で葬儀・家族葬を行うことに不安があれば、葬儀社に相談し適切な対策が取られているかどうかを確認すると、安心して当日が迎えられるでしょう。
5.コロナ禍で注目されているオンライン葬儀とは?
コロナ禍において、多くの分野に関してオンライン化が急速に進み、もれなく葬儀においても感染対策として「オンライン葬儀」という形が注目されるようになりました。
オンライン葬儀とは、葬儀・家族葬に参列できない方々に対し、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを使用してリアルタイム配信にてご覧いただける葬儀の形のことをいいます。
動画の視聴方法が分からないというご高齢の方も多く、誰もが簡単に利用できるという状況にまでは至っていませんが、コロナ禍でも安心して参列できる方法のひとつとして活用されています。
また、花葬儀では、新型コロナウイルスの感染拡大を機に、オンライン葬儀の他にも「オンライン記帳サービス」の提供を始めました。葬儀当日、密集しやすい状況にある受付での記帳を避けるため、喪主様から送られる訃報連絡書に記載されたQRコードに、ご自身のスマートフォンからアクセスして事前に記帳を済ませることができるサービスです。このオンライン記帳サービスにより受付時間が短縮され、会場への入場案内がスムーズになりました。その結果、コロナ禍でも参列者の皆様に対して安心感を与えることができています。
花葬儀の「オンライン記帳サービス」
https://livent.co.jp/2020/07/15/online/
6.コロナ禍で葬儀に参列するときのマナー・注意点は?
コロナ禍で葬儀に参列するときのマナーや注意点についてご紹介いたします。
コロナ禍で葬儀に参列するときには、新しい生活様式にあわせた最新マナーを守り、感染しないように、また他の人に感染させないように、注意を払う必要があります。下記はコロナ禍での葬儀で基本的なマナーとされている内容です。葬儀・家族葬に参列する際は、これらの参列マナーを守り、さらに会場でアナウンスされる感染予防対策に従いましょう。
【コロナ禍での参列マナー】
・発熱している場合や、咳などの症状がある場合には、参列をしない。
・マスクを着用して参列する。
・会場に入る際には、手指消毒を行う。
・会場内での会話は、必要最低限にとどめる。
・ソーシャルディスタンスをとって行動する。
コロナ禍で葬儀に招かれた際には、自分の感染予防だけでなく、その葬儀に集まる皆様が安心して故人様を見送ることができるように、マナーを守った行動をとりましょう。
7.まとめ
コロナ禍において新しい生活様式が普及し、葬儀においてもこれまでとはちがう形が求められるようになりました。人数を制限し、家族葬など比較的少規模での葬儀が増えていますが、これもこの先、世の中の動きに合わせてまた変わっていくことが予想されます。
花葬儀ではこのような変化にも迅速・安全に対応していけるよう、行政としっかり連携をとりながらサポートを行っております。
長引くコロナ禍で、葬儀について不安を覚える方もいると思いますが、豊富な経験を活かして、臨機応変に葬儀・家族葬のやり方、感染予防対策を整え、安心して故人様のお見送りができるよう丁寧にアドバイスさせていただきます。
ぜひご相談ください。
新型コロナウイルスに対する弊社の対応については、こちらのページもご覧ください。
https://www.hana-sougi.com/company/topics20200326/