花葬儀を選んだ理由
ここ数年、病気で辛い思いをしたぶん、母とステキなお別れがしたいとの思いがありました。
長年同居していた母が突然家で倒れ、そのまま目を覚まさすことなく他界してしまいました。
それまで私も家族もお葬式について考えたこともなく、何をどうして良いのかも分からなく、突然の出来事にその日は頭が混乱するだけでした。
とにかく葬儀社を探さなければと思いパソコンを開きました。検索する際、以前テレビで見たことのある、花いっぱいの祭壇を思い出しました。母は生前お花が大好きだったので、そんなお葬式も良いのではないかと思ったのです。
そして、目に留まった「花葬儀」の文字に「良い名前だな」と、インスピレーションでご縁を感じました。
ホームページを開いてみると、色とりどりのお花でいっぱいの祭壇の画像。
費用のことは気になりましたが、どの花祭壇の画像もとっても素敵で、「こんな風に見送ることができたら、母も喜んでくれるのではないか」と感じました。早速電話をかけてみると、対応もとても丁寧で優しい雰囲気にホッとして花葬儀さんにお願いしようと決めました。
花葬儀を体験して良かったこと
初めて経験する身内の葬儀。温かく親身になって寄り添ってくれたプランナーさんには感謝でいっぱいです。
身内の葬儀は初めてで、何をどうして良いのかも分からない中、プランナーの高橋さんの存在がとても心強かったです。
初めてお会いして、ご挨拶もままならないまま、長時間待たされたにもかかわらず、そっと寄り添い、側で一緒に待っていてくださったことが、本当に心強く安心できました。そんな私たちの安心感からか、自宅に戻った母の顔がとても穏やかに見え、とても温かい気持ちになれました。
母が突然亡くなってしまったこともあり、葬儀ってどんなことができるのか、何をしたいのか、など考える余裕もありませんでした。そんな中、高橋さんをはじめとする花葬儀のプランナーさんとお話していく中で様々なヒントをいただき、「そんなこともできるんだ」と気づき、次第に「こんなことやってみたい」とアイデアがどんどん浮かぶようになりました。
漠然と持っていた、バタバタと終わるお葬式のイメージとは違い、亡くなってから葬儀まで1週間ほど時間があったことによって、アイデアを実現する準備の時間が取れました。それと同時に、母のことをゆっくりと想う時間を持てたことが、とても良かったです。
-お母様はどんな方でしたか?
海と音楽が好きでアクティブ。クルーズ船で世界中を飛び回る母でした。
昔から念願のクルーズ船に乗って世界一周旅行に何度も行きました。全部で75ヶ国も訪れ、アマゾンやモンゴルにも行ったそうですよ。異国から孫たちに絵葉書が届くこともありました。
また、音楽が大好きで、童謡を歌う会を開催したり、私が弾くピアノを嬉しそうに聞いていました。
泳ぎも得意でスキューバダイビングにもよく行っていましたね。
海を身近に育った母は、ずい分前から自分が亡くなったときは、大好きな海に散骨してほしいと言っていました。
振り返ってみると、運動や旅行が大好きだった母、子育て中もアクティブ、子育て後もますますパワーアップ(笑)得意な料理で小料理屋を営んでみたり、旅行やスポーツジムにと飛び回っていました。
おしゃれで花をとても大切に育てていた母。母が育てた花たちは今年はとても綺麗に咲いています。
モノトーンや地味な色合いのファッションは嫌いで似合わないと言って、いつも華やかな服を着ていたため、人が大勢集まる場所でも一目で母と分かりました。(笑)
そんな母の周りには、いつもたくさんの花が咲いて、庭では紫陽花や鉢植えを育て、家の中でもたくさんのお花に囲まれていました。母が育てていた花たちが、ここ数年は手入れもできていなかったのに、今までになく次々と咲き誇っているのです。それは母との日々をあれこれ思い出させてくれて、とても温かい気持ちにさせてくれます。これもお花いっぱいのお葬式で見送れたことと繋がっているような気がしています。
-お母様への想い
母を想う日々の中で、改めて母の偉大さを感じています。
母は私たちにたくさんのことを残してくれました。
生前は目の前の日々に追われるばかりで、母の病と向き合う難しい時間を感じてばかりでした。
亡くなってから母を想ってピアノを弾いたり歌を歌うことで、ずっと携わっている音楽に感謝する私がいました。それは、母への感謝でもあります。
花葬儀の素敵なお花で見送り、その後もお花を見るたび、元気だったころの母がお花をとても大切に愛でていた姿を重ねて過ごしています。とてもありがたいことです。
そして亡くなってから改めて母の残してくれたものの数々を愛おしく感じ、これからは私が大切にしていこうと思っています。それらの物が母と私の距離を縮めてくれている気がしてなりません。
こんなご葬儀でした
お式への要望
色とりどりのお花で華やかな無宗教葬
〇 定番の白い菊などではなく色とりどりのお花で飾りたい。
〇 メモリアルコーナーは海をイメージさせたい。
〇 宗派にこだわらない温かいお葬式にしたい。
実際のご葬儀
〇 色とりどりのお花でハウステンボスのようなイメージを作りました。
〇 お花の中で眠っているお母様の周りをご親族様で囲み、一人ひとりお母様への思いを語られました。
〇 お母様の好きだった曲や、最期に届けたい曲のピアノ演奏を録音し、式場内に流しました。
〇 メモリアルコーナーには砂浜を作り、思い出の写真と共に、かわいらしい珊瑚や貝殻を飾りました。
〇 色とりどりのキャンドルを参加者で献灯し華やかさを添えました。
〇 無宗教葬で自由なお葬式を実現しました。
-花葬儀が終わってみての感想はいかがですか?
花葬儀で葬儀をおこなえたことは、母の繋いでくれたご縁だと思います。
葬儀が終わってから花葬儀のホームページをじっくり見ると、「こんなことも出来たんだ」と興味深い内容がありました。それと同時に私が過ごした1週間もとても充実した時間だったと思えて嬉しかったです。あっという間に旅立ってしまった母の好きだった曲、母に聞かせたい曲を毎日毎日、母との日々を想い返しながら母に届きますようにとピアノを弾いていました。
プランナーさんのアドバイスもあり、私が弾くピアノを録音して当日に流そうというアイデアが葬儀の3日前に生まれ、翌日からは練習と録音に大忙しでした。
限られた時間の中で演奏と録音をしたことは大変でしたが、母が好きだったたくさんのお花と私のピアノで送り出せたことは、私にとって音楽との関わり、母との想い出を改めて感じられ、とてもかけがえのないものになりました。
そして私の子供たちや甥姪にも、こんなお葬式の形があることを見せられて良かったと思っています。
今、こうしてインタビューの機会を頂きあの時のことを振り返ってみると、葬儀からの1か月間は私が癒されたなと実感しました。葬儀の時の写真や、式の1時間のことも思い出してみると、録音や撮影をしておけばよかったと思える程、温かくステキなものでした。
その後のアフターサポートも担当の鳥畑さんが丁寧に相談に乗ってくださいました。花葬儀のスタッフの皆さまに、こうして見守っていただけたことが遺された私達へのグリーフケアにもなったのだと感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
エピソードとお写真、映像は、ご家族様のご許可をいただいて掲載しております。