実際のインタビューの様子
花葬儀を選んだ理由
問合せたその日にポストに届いた切手のない資料。その迅速な対応に感動しました。
在宅で主人を看取る時期に入っていたときです。まだ命が続いている中で葬儀の話をするのも、、、という葛藤はあったのですが、必ず迎えなくてはならない日は、もうそう遠くはないはずで、いざ主人が逝ってしまってからバタバタするのは本意ではなかったので、お葬儀の準備を始めました。
主人の最期の45日間、在宅介護をしていた私に代わり、妹が葬儀社を探してくれました。その中で3、4社の葬儀社に問合せてみたのですが、驚いたことに、花葬儀さんは問合せをしたその日の夕方にポストに資料を届けてくださったのです。切手が貼っていなかったので、直接届けてくださったのだということが分かり、すごく感動しましたね。その後お電話でご相談したときも、何も分からない私達に対して「大丈夫ですよ。ひとつひとつ伺っていきますから。」と安心する言葉をかけてくださって。もちろん最初は他社さんと比較はしましたが、花葬儀さんは最初から関わるスタンスが違うように感じました。
そして、花葬儀さんのお花に囲まれるようなお葬儀の様子を資料やホームページで見たときには、綺麗なお花でいっぱいの、ウェディングに近いような、そういう印象を受けました。その華やかなお見送りに、違和感は全くなく、いつか自分が見送られる立場になったら、こんなお葬儀で見送ってほしいな、と思ったのです。それで迷いなく花葬儀さんにお願いすることにしました。
花葬儀を体験して良かったこと
こんなに自由で、こんなにも温かい葬儀を体験したことで、葬儀の概念が覆りました。
自分の中には、お通夜やお葬儀、告別式というのはこうあるべき、という概念がずっとあったのですが、主人のお見送りは、その概念を根底から覆すようなものでした。
花葬儀さんとの打合せでは、若い頃からの夫婦の歴史や家族の歴史など、様々なお話をさせていただいたのですが、主人が63年の人生をどういう風に生きてきたのか、という情報を基に、こういう葬儀はいかがですか、というご提案をいただきました。そのような打合せや花葬儀のスタッフの方とのやり取り、私達のこういう風にしたいという想いをひとつひとつ汲んで形にしてくださる過程で、見送る側も、見送られる主人の立場を想像してみても、心残りのないお葬儀ができるのだろうな、という想いがどんどんと膨らみました。
そのようにして迎えた主人の葬儀は、本当に見事で、会場に入ったときには、思い描いていた以上で、不謹慎ですけど気持ちが高揚するというか、ワクワクするような、こういう形で見送りができて嬉しいな、という思いがありました。葬儀というのは、こんなに自由で、こんなにも温かく、これほど思い通りにできるものなのだ、と実感しましたし、送り方は人それぞれ、形もそれぞれで良い、という気付きは大きな学びだったと思っています。
-ご主人様はどんな方でしたか?
何よりもお酒好きだったけれど、総じて温厚な人でした。
お酒が何よりも好きで、家族としては、そこが頭痛の種でした(笑)。正直、治療中でも平気でお酒を飲む、というか舐めていました。食べ物を受けつけなくなってからもお酒を舐めていたので、私はお医者さんに「先生、本当にドクターストップかけてください」と懇願したくらいです(笑)。中でもフルボディの赤ワインが好きでしたが、日本酒も好きだし、若い頃はスコッチやバーボンなどのウィスキーをよく飲んでいました。周りにも、本当に楽しそうにお酒を飲むやつだった、と言われますけれど、それでも乱れることはまずありませんでしたね。ここまでと思ったら、サッといなくなるか、寝てしまうか(笑)。
子育てについても、私が厳しく言う方だったので、主人は放任なくらい。伸び伸びとさせていて、声を荒げたりするようなこともありませんでした。総じて温厚な人だったと思います。
やせ我慢で照れ屋。ええかっこしい。
主人は、だいぶ調子が悪くなってからの通院も、私が「意地張らないでタクシーで行こうよ」と言っても、「いつかは車椅子になって、車で移動するようになるんだから、それまでは自分の足で歩く」と言って聞かなくて、頑固でええかっこしいなんですよね。周りの方からも「池田さんは、やせ我慢のええかっこしいの江戸っ子気質だな!」なんて言われてました(笑)
また、いよいよ主人が予断を許さない状態になってきた頃、娘が帰省して顔を見せた時には、少しもち直したようで、会話もままならない状態にありながらも、娘に「お母さんのお誕生日前には死なないから」なんて話していたみたいです。その言葉通り、有言実行で私の誕生日の3日後に亡くなりました。私には何も言わないけれど、照れ屋でええかっこしいの人でした。
お別れ会とお葬儀を通して、知らなかった主人の人柄を知りました。
主人は、自分の交友関係を私に細かく話しませんでしたし、私は、主人が会社を辞めたら、友達いるのかな?なんて思っていましたが(笑)、お別れ会とお葬儀には、学生時代の友人や、会社の同僚、OBの方々など本当に多くの方が集まってくださいました。
参列してくださった主人の会社の同僚の方や、後輩の方々からは、自分よりも下の世代の人に対して、とても面倒見が良かったと聞きました。
また、主人は、仕事で時代小説の担当をしていたこともあり、話の引き出しが多いのか、年上の方々とも一緒に粋な話ができたようです。それもあって幅広いお付き合いができていたのかもしれません。
家の中では本ばかり読んで、お酒を飲んですぐに寝てしまうような主人だったので、言葉数が少ない人でしたが、このような葬儀ができたおかげで、家の中での姿と全く異なる外での姿を垣間見られたことも、驚いたと同時にとても嬉しかったです。彼はこんなに人たらしだったのかと思い知りました。
こんなご葬儀でした
お式への要望
家族にとって思い出の場所である大好きな軽井沢をイメージした葬儀
〇 亡くなった時期が秋だったので秋を感じるデザイン
〇 思い出の軽井沢をイメージした空間にしてほしい
実際のご葬儀
〇 一日目は無宗教のお別れ会、二日目は仏式での告別式に。それぞれレイアウトを変えました。
〇 秋の色合いで、紅葉した軽井沢を散歩しているような気持ちになるような空間デザインに仕上げました。
〇 故人様のお写真をスライドショーにして上映しました。
〇 長く出版社にお勤めだったので、お仕事で携わった書籍を飾りました。
-葬儀を終えての感想はいかがですか?
主人の人生、功績を描いた、心温まる葬儀ができたと思います。
主人の葬儀は、新型コロナウイルスが少し落ち着いてきたかな?とも思える時期ではありましたが、それでも大人数での葬儀をやっていいものかと葛藤もありました。でもあのタイミングで、あんなにも多くの方にお集まりいただいて葬儀ができたことは、色々なご縁の導きだったと今では思っています。
私は、主人の生前は、「自分が好きな仕事ができて幸せな人だな」と思っていましたが、主人の葬儀では幅広い世代の方々とのお付き合いがあったこと、作家の先生にもご厚意にしていただいていたことが分かりましたし、恵まれた編集者人生が送れたんだなと思いました。そしてあのように見送ってもらえたのも、主人が残してきた功績あってのことだと思うようになりました。そのような新しい気付きもある、主人らしい葬儀ができたと感じています。
お別れの会と告別式の二日間、無事に終えられたときには、ホッと安心しました。今では納骨も済んで、やるべきことはやれたかな、と思いますが、主人の写真を見ては話しかけたりしています。私を残して先立ってしまったのだから、見守ってくれているよね!?見守ってください!(笑)と思いながら過ごしています。
エピソードとお写真、映像は、ご家族様のご許可をいただいて掲載しております。